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ファイナルファンタジーVアドバンス - (2014/07/27 (日) 15:04:04) の編集履歴(バックアップ)


ファイナルファンタジーVアドバンス

【ふぁいなるふぁんたじーふぁいぶ あどばんす】

ジャンル RPG
対応機種 ゲームボーイアドバンス
発売元 スクウェア・エニックス
開発元 トーセ
発売日 2006年10月12日
定価 5,040円
分類 良作
ファイナルファンタジーシリーズ関連作品リンク

概要

主な変更点と評価点

  • 追加ジョブについて
    • 新たに「けんとうし(剣闘士)」「ほうげきし(砲撃士)」「よげんし(予言士)」「ネクロマンサー」の4つのジョブが追加されている。
    • 追加ジョブの入手時期が遅い*1ためか、強力なものが多い。
    • 「けんとうし」と「ほうげきし」は戦士系ジョブ。
      • 「けんとうし」は装備可能アイテムが優秀で、様々な武器を使いこなす。固有アビリティ「ひっさつ」はギャンブル性こそあるが、ダメージの期待値は高い。
      • 「ほうげきし」も装備可能アイテムが優秀で、固有アビリティ「ほうげき」は後列から安定したダメージ(状態異常もある)を期待できる。
    • 「よげんし」と「ネクロマンサー」は魔導師系ジョブ。
      • 「よげんし」はMP・魔力補正が全ジョブ中一位で、魔法を使わせるとピカイチ。固有アビリティ「せんこく」は詠唱時間がかかる代わり、少ないMPで高い効果を発動できる。
      • 「ネクロマンサー」は強力な固有アビリティ「あんこく」の使い手で、全能力がまんべんなく高いが、「アンデッド」のジョブ特性が足を引っ張る(ただし相手によってはメリットにもなりうる)。
    • これらのジョブからは「ごうせい」といった強力なアビリティをはじめ、後続作にあった「ぜんぎり」・「こうれつぎり」、「ABPアップ」・「EXPアップ」・「てきよけ」などのやり込みにもってこいのアビリティが得られ、総じて好評である。
    • 以上のようにどれも強力だが、入手時期が遅いため、追加要素によって原作にあった部分の難度を大きく損ねるといったデメリットが生じていない。
      • 「ネクロマンサー」以外は後述の追加ダンジョンの攻略に大いに役立つとともに、飽きさせないだけの深みがあるといえる。
  • 追加ダンジョンについて。クリア後に追加ダンジョンへと突入できるようになるが、この追加ダンジョンが歯応えがある。
    • 雑魚敵は高威力方向に調整されており、油断したら雑魚敵でも全滅するという、サガシリーズを彷彿とさせる作りとなっている。
    • また要所要所にボスが待ち構えており、どれも一筋縄でいかない強さで、FFVの醍醐味であるボス攻略法を考える楽しみがさらに強化されている。
    • ダンジョン自体も長く、「ベヒーモスを捕まえてこい」といったお使いイベントなど、ギミックもなかなか凝っている。
    • 手に入る武具はどれも原作にあったものを凌駕する性能であり、本編同様、強力な武器入手によりその都度ジョブを変える動機づけとなる。
    • ダンジョンの最果てに座するこのダンジョンの最終ボスは本篇では名前のみの登場であったため、ファンから好評をもって迎えられた。
      • また、このボスのドットは野村哲也氏新規書き下ろしであり、評価も高い。衰えない氏のドット技術の高さを物語っている。
  • それをクリアすると、さらなる隠し要素がプレイできる。
    • これまでのボスの強化版が5連戦、それを6回繰り返すという難関。途中でやめると1からやり直し。
    • ボスは強化されているだけでなく行動パターンもところどころ変化している為、同じように倒そうとすると痛い目を見る。
    • 但し、隠しダンジョンのボスのほとんどやリメイク前の隠しボス「しんりゅう」「オメガ」は登場しない。これらを登場させてほしかったという意見も。
  • 携帯ゲーム機らしく、中断セーブが実装された。
    • この中断セーブ復帰後は、3~5戦目まで出現する敵が固定されるという裏技があるため、これにより出現率が低いモンスターと簡単に出会える。
  • また、PS版同様にBボタンダッシュが最初から行え、シーフのアビリティ「ダッシュ」と併用すると通常の4倍のスピードで動ける。
    • 更に、GBA版『IV』と同様に、コンフィグでBボタンを押さなくても十字キーのみでダッシュができる「オートダッシュ」が設定可能(ただしデフォルトではOFF)。
    • 上記の追加ダンジョンでは、これを利用しないと突破できない仕掛けがある。
  • GBA版『IV』と同じく、台詞表示の漢字混じり・ひらがなのみの切り替えも追加されている。
  • 移植作恒例のBGMプレイヤー・モンスター図鑑の追加。
    • 本作は敵データを参照して攻略法を考案したり、アビリティ「ぬすむ」でしか手に入らないアイテムを参照したりと、モンスター図鑑の追加によるメリットはこの作品だからこそ大きい。
  • その他細かい変更点として...
    • ラスボスのみだれうち避けダミーが削除された。
    • 「特定の手段で、ラスボスを第2形態に変身させないで倒せてしまう」など、細かいバグも多くが修正されている。
    • ラスボス戦後にセーブできるため、ラスボスから盗めるレア装備を引き継げるようになった。

賛否両論点

  • 「よげんし」の使い勝手が悪い。
    • 「せんこく」は詠唱してから一定のカウントを経なければ効果が発動しない上、効果も単体対象のダメージや状態異常と地味。使う余地はほぼない。
    • 上位アビリティである「よげん」は10種の全体技のうち1つが勝手に発動するというものだが、ほとんどの技は敵だけでなく味方もダメージを被る
      • 味方へのダメージは状況にもよるがかなり大きく、大抵味方が壊滅する。一番のハズレ技「えきびょう」は無対策だと出した瞬間全滅確定レベル。
    • 実際は「よげん」はランダムではなく、HPやMPの現在値で出る技や威力が決まっているため、うまく戦略に組み込めれば奥の深い部分はある。
      • もっとも、作中にそんな説明はなく、自力で気付くというのもかなり困難である。攻略法を見なければほぼ無理だろう。
      • 制限プレイなどでは十分役立つものの、計算をしないと使えないという時点で、普通に遊ぶ際に使い勝手が良いとは全くもって言いがたい。
    • ただし前述のように「よげんし」は「てきよけ」という、ダンジョン探索の際に非常にありがたいアビリティを覚え、最大MP・魔力が全ジョブ中最高なので、「よげんし」自体がいらないというわけでは決してない。むしろFFVらしく、「しょうかん」などの魔力を生かせるアビリティをセットするなど工夫すれば優秀である。
  • 「ネクロマンサー」は入手時期が裏ボス撃破後と極めて遅く、入手後は必然的に裏ダンジョンは大方攻略済みになるため活用が難しい。
    • ジョブ特性の「アンデッド」は、裏ボスの中にこれがあれば有効なものがいるので残念である。(ただし再戦のチャンスはある)
  • 大きく不評を買ったのは、セリフウィンドウに天野嘉孝氏のイメージイラスト(天野絵)を顔グラフィックとして付けた点。
    • 『V』は原画とドット絵の乖離が激しいナンバーなので、とりわけ新規のプレイヤーにとっては「画面上とウィンドウ上で違う人物がしゃべっている」状態だった。
    • また、SFC版経験者にとっても、やはり『V』はドット絵やそれに準じたデフォルメ絵でキャラクターを捉えられることが多く、同様の不満が多い。
      • 『IV』『VI』には原作の時点でメニュー画面に天野絵の顔グラフィックがあったのだが、『V』にはそういったものはなかった。
    • ただし「クルル」「エクスデス」などの顔グラは評価が高く、「ゼザ」「ドルガン」などの戦闘画面でのドットが存在しないキャラの顔グラは好評。
      • ちなみにこちらがその顔グラフィック。
    • 元より他ナンバーに比べて『V』は明るめの世界観が特徴なので、天野絵が合わなかったというのも考えられる。
    • むしろSFCのFFらしく、天野絵が追加されたことを歓迎する層も一部には存在する。

劣化点・問題点

  • アドバンス移植につきものの、音楽の劣化。音質の劣化は仕方ないところもあるし、一応スネアドラムの音などは原作より澄んだ音になっているから、部分部分で好む人もいる。
    • ただし、音質の変化以外にも、リズムが原曲と異なっている、一部、音がでたらめな個所があるなど、曲の構成そのものを変質させて損ねてしまっている個所が多くみられる。
    • 更にイベント曲「いつの日かきっと」はゲーム中、全て「レナのテーマ」に差し替えられており、ゲーム本編では聴くことができない。
      • シルドラとファリスの別れ(レナがほぼ絡まないシーン)でもレナのテーマ。
      • まったく意図不明の変更であり、しかもサウンドテストの方には収録されているので、プレイヤーからは恐らくプログラムミスだろうと見られている。

総評

BGM関連の問題はあるものの、追加ジョブ・追加ダンジョンといった追加要素はともにそこそこ機能している。
『IV』・『VI』の移植作にあったバグや処理落ちもほとんどなく、既存のバグも修正され、音楽を除けばゲームの原作部分はしっかり再現されていると言える。
結果としてプレイ済みの人にも満足できるだけのボリュームがあり、また新規の人にもプレイを勧められるだけの水準を持っていると言える。

余談

  • この後に移植されたGBA版VIほどではないが、こちらも現在では中古が定価並みと高値で取引されている。
  • 2013年に配信されたスマートフォン版『FFV』は本作の追加要素も収録し、ドット絵を一新したリメイクである。
    • 顔グラフィックとドット絵の不一致など賛否両論点は引き続き存在するものの、GBA版の欠点だったBGM周りが改善されているため、現在プレイするならそちらを購入するのも手。