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SDガンダム Gジェネレーション ギャザービート
【えすでぃーがんだむ じーじぇねれーしょん ぎゃざーびーと】
ジャンル
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ウォー・シミュレーションゲーム
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対応機種
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ワンダースワン
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メディア
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32MbitROMカートリッジ
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発売元
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バンダイ
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開発元
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ヴァンガード
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発売日
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2000年7月13日
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定価
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ソフト単品:3,990円 ワンダーウェーブ同梱:5,565円
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判定
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良作
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SDガンダム Gジェネレーションシリーズ
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概要
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実質的には『SDガンダムエモーショナルジャム』の続編であり、同作から多くの仕様が流用されている。
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『SDガンダムエモーショナルジャム』は『SDガンダムワールド ガチャポン戦士』の流れを汲んだ作品だったため、Gジェネとはかけ離れた雰囲気であった。
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ならば、タイトルにGジェネと付いたからにはゲームシステムもすっかりそれ準拠になったのかと思いきや、そうでもなかったりする。
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据え置き機のGジェネと異なり原作再現タイプではなく、一言で表すと『スーパーロボット大戦』のようなゲーム。作品同士のクロスオーバーを重視したゲームである。
システム
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以下のシステムの大半は上記の『SDガンダムエモーショナルジャム』から流用されたシステムである。
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同作でメインシステムでもあった「モブパイロットが搭乗するユニットをステージ中に生産できる」、「戦闘を仕掛けた小隊同士がサブマップに移動してそこで戦う」という要素は削除された。
スタック
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最大3機のユニットでチームを組めるというもの。『SDガンダムエモーショナルジャム』では5機まで可能だったので、数は2機減らされている。
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出撃時に好きなように組み合わせることが可能。そこで組まずとも、出撃後に改めて自由に組んだり、後述の散開ができる。
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ただし、行動済みのユニットと組むとそれと一緒に行動済みになってしまう。
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スタックを組む利点としてはまず、最大3機を1ユニット扱いとして運用できる点が挙げられる。そのため、移動させるのが非常に手軽となる。
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1ユニット扱いと言っても、戦闘の際は機体ごと個別にHP(耐久力)が備わったままでなかなか全滅しない。それでいて、各々を単体で攻撃させたときよりも遥かに強烈な一斉攻撃を行える。
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よって、本作では積極的にスタックを組むことが推奨される。ただし、回避率自体は下がってしまうので、1機あたりの被弾率は上がることになる。
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移動力はそのスタック内で最も移動力の低いユニットのものが適用される。その為ガンタンクなどの鈍足ユニットと組んでいると機動性に欠けてしまう。
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なお、モビルアーマーや大型モビルスーツは単体でしか運用できない。無論、単体でも戦えるほど強力な性能を持っている。
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敵軍もスタックを組んでくる。
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最序盤のザクIIであろうと3機でスタックを組むと、ガンダムに搭乗したアムロを倒してしまいかねないほどの強敵になる。
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敵味方をスタック状態で戦い合わせると画面に最大6機ものユニットが登場することになり、『SDガンダムエモーショナルジャム』よりも絵面的には1機増えている。
間接攻撃
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敵のスタックを強制的に散開させる手段、それが間接攻撃。これもまた、敵軍が使用することもある。
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要は離れた相手を狙える「遠距離攻撃」のことであり、戦艦や一部のユニットだけが有限で使える。攻撃範囲のバリエーションはかなり多い。
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スタックを散開させた時点ではノーダメージだが、1ユニット扱いだった状態から、周囲に元のユニットの数ぶんだけ散らばせられるので各個撃破の大チャンスとなる。
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周囲に空きスペースが無い場合や、失敗した場合は散開まではさせられず、普通にダメージを与えるだけに留まる。
対スタック兵器による全体攻撃
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敵のスタックを維持させたまま、スタックしているユニット全機を狙い撃てるというレアな武装を指す。Zガンダムのハイパーメガランチャーなどが該当。
近接攻撃と射撃攻撃
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上記のいずれにも該当しない、最もオーソドックスな攻撃。どちらも1ヘックス先(つまり隣接部分)にしか攻撃できない。
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本作ではビームライフルなどがこの射撃攻撃扱いであり、本家Gジェネと比べると違和感のある部分である。
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近接攻撃はビームサーベルなど。無制限に使用できるが、射撃攻撃に対して必ず後攻になってしまうという欠点がある。
以上の特徴から、貴重な間接攻撃の使い所の見極めと、いかにスタックを組んで戦うかorあえて散開するかなど、実に考えることの多いゲームとなっている。
その他のシステム
捕獲
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対象となる敵ユニットがスタックを組んでいない状態かつ、HPが25%以下のところを、自軍のユニットで取り囲めば捕獲できる。
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非常に残念なことに捕獲不能なユニットも存在し、敵専用のユニットも本作では少なくない。
合成
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戦闘前の編成画面でのみ可能。機体にオプションパーツを装備させると、組み合わせによっては専用ユニットへと生まれ変わる。
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「ガンダムG3」に「チョバムアーマー」を装備させると「RX-78NT1アレックス」になるといった具合で、原作に因んだものが多い。
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新たなオプションパーツを入手することで、自動的に改造プランが増えていき、合成で生み出せるユニットが充実していく。
補給
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…という名前だが、実態はショップ。ポイントを使ってオプションパーツを購入できる。
IDコマンド
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スパロボにおける「精神コマンド」にあたるもの。「戦いは非情さ」など、名称はいずれも原作の名台詞になっている。
交信
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スパロボにおける「説得コマンド」そのもの。特定のイベントや仲間加入のフラグ立てとなっている。
通信機能
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ワンダースワンの赤外線通信機器「ワンダーウェーブ」と「ポケットステーション」を利用して、赤外線通信を行うことができる。
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「ワンダーゲート」(ワンダースワンとユーザーの携帯電話とを接続し、スワン側へDLCを送れる仕組み)にも対応しており、ユニットやパーツの購入が可能。ここでしか手に入らないユニットもある。
評価点
クロスオーバーによる熱いオリジナルシナリオ展開
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『SDガンダムエモーショナルジャム』ともまた違ったオリジナルシナリオが展開していく。全20ステージ。
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本作では『1st』をベースに、『∀』までの登場キャラクターや機体も加えたNEO一年戦争が繰り広げられる。戦闘中のイベントもかなり多い。
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ガンダムの起動から始まり、ア・バオア・クーで終戦を迎える。敵軍の最強兵器はグロムリンであり、本作に相応しい強大な相手である。
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その間、ジオン公国にロームフェラ財団が助太刀することでMSが開発されたり、フロスト兄弟がシャアにV作戦の情報を教えたり、東方不敗がグフを破壊したり、カミーユとドモンが拳を付き合わせたり……などなど。
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上記とは別に、ステージ中に特定の条件を満たすことでしか進めない隠しステージも6つ存在。そこでも専用のシナリオ運びがあり、ただのボーナスステージにはなっていない。
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場面によっては一枚絵まで挿入され、シナリオ演出に抜かりが無い。
オリジナルユニットの数々
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「エルメス2号機」、「ドム・グロウスバイル」、「ドム・バインニヒツ」など。
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オリジナルユニットだけでなく、原作ユニットの強化版という位置付けのオリジナル機も存在している。
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代表的な例として挙がるのが「第08MS小隊」に登場した「ガンダムEz-8(イージーエイト)」。本来陸戦型ガンダムの改修機であるEz8は宇宙では戦闘できないのだが、改造を施され「Ez-8改」になり、宇宙戦闘が可能になる。さらに改造プランでは高機動モジュールを装備した機動力重視の「Ez-8 HMC(ハイモビリティカスタム)」 、サラミス級の主砲を装備した「Ez-8 HAC(ヘビーアームドカスタム)」にもなる。
ボリューム満点なクリア後の要素
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登場する敵ユニットの数が増し、AIの思考や使用コマンドが強化された二周目「特別編」。
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ただ難易度が上昇するだけでなく、ここでしか起きないイベントや新規入手可能なオプションパーツも存在する。
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その他の細かいイベント・隠し要素
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難点にもなるかもしれないが、本作では結構な隠し要素的イベントが多く、クリスが出撃している状態でバーニィが撃墜されると、その場でバーニィが復活したうえ、クリスがユニット復活IDを習得したり、仲間がアレックス、もしくはミュラーに撃墜されるとカミーユが激昂して離脱イベントが発生するが、キョウジ(本作では、何故かこのままシュピーゲルに乗っている)が出撃した状態だと、明鏡止水に目覚めて強力なIDを習得する。更に、最終面直前のイベントでは、最高レベルのキャラによるイベントが発生、同レベルだとWB隊→バーニィ&クリス→……といった具合の優先度がある。これにドモンが該当すると、マスターアジアの搭乗するクーロンガンダムが加入したりする
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ゲームクリア時点での自軍(ユニット・ステータス・パーツなど)を引き継いで楽しめる「フリーバトルモード」。
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本編とはまったく違う編成の敵部隊と戦えるオリジナルステージに好きなだけ挑戦できる。
原作アニメの劇中曲も収録
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ハードのスペック上、そこまで良い音質ではないものの、オリジナルBGMばかりだった『SDガンダムエモーショナルジャム』に差をつけた部分である。
賛否両論点
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登場人物の加入・退場はシナリオと密接に紐付いている。
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例えば本作のマリオン・ウェルチは、加入に無数のフラグが必要な上に、最終ステージでようやく仲間になるという扱い。
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シナリオでの描かれ方は劇的だが、好きなパイロットで遊びたいプレイヤーにとっては自由度が少なく感じられてしまう。
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スタックを組むことで、低性能なユニットでも最前線で戦うことができる。
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ユニットの運用に幅ができるのは良点だが、敵軍にも同じことが言えるので、ザコ相手でも侮れない。歯ごたえがある反面、疲れるゲームでもある。
難点
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難易度がやや高い。
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敵エースパイロットの攻撃回避率は結構高く、スタックを組んで一斉攻撃しないとまともにダメージが入らないことも。
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以前のステージを同周回ではプレイし直すこともできず、獲得できる経験値はカツカツ。また、フラグを立て忘れたりすると取り返しがつかなくなる要素も多い。
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作品によって扱いがあまりにも違う。
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特に割りを喰らってるのがガンダムX(とガロード)。本作ではDXどころかXすら登場せず、しかもちゃんと条件を満たさないと自軍に加入すらしない。
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代わりにフロスト兄弟は専用機のヴァサーゴ&アシュタロンが登場するだけでなく、最初から出番が多数用意され果てはラスボスとして立ち塞がるなど、妙に優遇されている。
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他にも、愛機のVガンダムが本作に未登場とはいえ、どういうわけかケンプファーで加入するウッソ、通常とは異なるプレイを要求されるため到達するのが非常に困難な隠しステージで登場し、そのうえ仲間にならない可能性もあるジュドーなどがあげられる。
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その一方で、ゲーム出自の「THE BLUE DESTINY」主要キャラはステージ3で必ず仲間になる上、条件を満たして隠しステージへ行かなければ関連イベントが一切発生しないとはいえ、EXAMシステムの入手(=BD開発可能)からユウとニムバスの最終決戦まで再現されている等、映像作品を差し置いて、異様なほど扱いが良い(やはりゲーム出自のゼロは、ガロードが初登場する隠しステージでしか仲間にならない)。
前述のマリオン加入といい、ヴァンガードの開発スタッフにBDファンがいたのだろうか。
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戦闘デモのカットや早送りなどができず、テンポが悪い。
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ただし、戦闘ムービー自体は苦痛になるほど長くはない。
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容量の問題か、キャラクターやモビルスーツの出典などを解説してくれる辞典機能がない。
総評
荒削りな面もあるが、「ギャザービート」系の基礎を築きつつ、ワンダースワンの特性を周辺機器ともどもしっかり活かしてみせた相当な力作。
ワンダースワン専用のため今では気軽にプレイできないところが残念だが、後述の通りリメイク作も存在し、大元のクオリティの高さを伺わせてくれる。
続編