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不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! - (2018/11/25 (日) 04:09:29) の編集履歴(バックアップ)


不思議のダンジョン 風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参!

【ふしぎのだんじょん ふうらいのしれんがいでん おんなけんしあすかけんざん】

ジャンル ローグライクゲーム

対応機種 ドリームキャスト
Windows 98~7
発売元 【DC】セガ
【Win】チュンソフト
開発元 ネバーランドカンパニー
発売日 【DC】2002年2月7日
【Win】2002年12月20日
定価 【DC】7,140円
【Win】オープン価格
廉価版 【Win】ベストプライス版
2004年2月27日/オープン価格
判定 良作
ポイント 「不思議のダンジョン」シリーズ不朽の名作
ただし現在プレイするにはハードルが高い
風来のシレンシリーズ関連作品リンク

概要

ストーリー

風来人としての実力や見聞を深める為、旅を続けている主人公アスカ。
たまたま滞在していた天輪国のひとつ「十六夜の村」では半月前から奇妙な事件が相次いでいたという。
村の上流から毒が流れてきた事。地域でモンスター退治を生業としていた「鋼賀忍者」が村人を襲い、物資を強奪していた事。
そして村の上流には鋼賀忍者の集落があるという。これは偶然とは思えない。
一宿一飯の恩に報いる為、シレンと別行動をしていたコッパと共にアスカは騒動の解決の為に立ち上がるのであった。

  • コッパとシレンはお互いの修業の為に別行動をとっている。そして、たまたま十六夜の村にアスカ同様滞在していたのであった。
  • やがては、十六夜の村だけでは及ばない天輪国大陸全土に及ぶ大事件に巻き込まれる事に…。果たしてアスカとコッパは見事解決できるのであろうか?

特徴

  • 初心者から熟練者まで全プレイヤーに配慮したシステム
    • チュートリアル代わりの簡単なダンジョンから始まり、徐々に難易度高めのダンジョンに移行するシステムを取っており、非常にプレイしやすい。
    • 特にWin版はもっと難易度の低い「鍛錬の押入」というダンジョンまで用意され、安心して遊べる。
    • そして熟練者が欲する高難易度ダンジョン。難しいだけでなく個性的なシステムが組み込まれている。詳しくは下記。
  • 敵味方問わず個性的なキャラが豊富。アニメーションも要所で発生する。アニメーションはシリーズ初の試み。
    • 見習いくの一ミナモや司祭のコヨリといった味方はもちろん、敵役のティナやネムリーまで女性キャラが多く印象深い。
    • シレンは基本的に喋らない主人公だったが、アスカは普通に話すので会話もなかなか面白い。
      「きゃあ」と女性らしい悲鳴をあげる珍しいシーンの他、敵であるティナにお見合いを勧められて困惑して逃げるなどコメディ要素も多め。
    • 主人公のアスカといい、女性が中心となって展開する風来のシレンであると言える。もちろん、男性キャラも個性がキチンと立っている。
  • 武器・盾の攻撃力(防御力)計算式が変わった。
    • 従来の作品では「基本値+修正値=強さ」だったが、本作では「基本値が高いほど修正値の効果が大きくなる」という仕様に変更された。
    • 例えば「皮の盾(基本守備力2)」の修正値を+99にしても、本作での防御力は「101」ではなく「61」と従来の作品より弱い。
      しかし「風魔の盾(基本守備力16)」の修正値を+99にすると、「115」ではなく「136」と従来の作品より強さが上がっている。
    • このため、合成のベースとして使う装備は基本値の高さが重視されるようになった。盾の「基本守備力」を上げる「鉄扇」という新武器も活躍する。
  • 風来救助隊は健在で、救助に成功すればご褒美がもらえる。Win版ではオンライン救助が、DC版及びオフラインパッチを当てたWin版ではパスワードでの救助が可能。
    • 本作に限った話ではないが、道中に有用なアイテムがある救助パスは「便利パス」と呼ばれ、ネットで様々な便利パスが公開された。更に「道中で中断セーブを行うと再び同じパスワードで救助に行ける(通常は救助に成功すると同じパスワードは入力できない)」というバグのため、アイテム収集に重宝された。
    • 復活の呪文とお礼の呪文は、最終階での行動によって決まる。つまり、最終階で決まった動きをして救助する事で、狙ったご褒美アイテムを入手することが出来る。ご褒美アイテムは後述の風魔石などの非常にレアなアイテムを貰える事があるため、こちらも便利パスとして重宝された。

新アイテム・新モンスター

  • 『シレン2』の「モンスターの壺」を更に発展させた「エレキ箱」
    • モンスターを模った自動人形。経験値を貯めてレベルアップや印のような回路を装着するほか、最高レベルまで上げると改造でランクアップも出来る(あなぐらマムル→洞窟マムルのように)。
    • モンスターの壺と同様に押して戦わせる他に、アスカ自身が装着して能力や技をそのまま使うことが出来る。
    • そして登録さえすれば、紛失してもやられても何回でも弱体化なしで復活する頼もしい相棒。
      • ただし装着してHP0になったらアスカはそのままやられるし、装着時は満腹度の減りが異常に速い(通常の5倍の速度で腹が減る)。
      • エレキ箱自身のHPが0になると故障してしまい、修復しない限り使えなくなる…と過信はできない、それが『風来のシレン』らしい見事なバランス取りである。
    • このエレキ箱の存在により、モンスターを集めて地道に育てていく「育成ゲーム」としての楽しさが新たに加わっている。
      • アイテム持ち込みが自由であるダンジョンや、エレキ箱限定で何個でも持ち込める「ブフーの試練」などは、鍛え上げたエレキ箱を多数持ち込んで制圧してしまうこともできる。
      • しかしWin版で追加された持ち込み不可ダンジョン「骨心魔天の挑戦」では、エレキ箱の活用スタイルは「その場に落ちている箱を拾ってレベル1から育てていく」という形になるため、決してラクではない。
    • 飛び道具を扱うエレキ箱のAIが賢い。
      • 敵の場合は射程外だろうが途中に障害物があろうが意味もなく飛び道具を撃つが、味方はそういうことはしない。
      • あくまで「敵に当たるかどうか」だけで判定を行っているため、馬武者やオヤジ戦車は味方を巻き込むこともある。
      • しかしムーロンやアイアンヘッドは安心して使うことができ、それだけでも大きい。
  • 『シレン2』では「マゼルン」という合成モンスターがいたが、本作では「怪盗ペリカン」という似て非なる合成モンスターが登場した。
    • 怪盗ペリカンはマゼルンと同様に投げたアイテムを合成してくれるが、名前の通りアイテムを吸い込むとアスカから逃げ出してしまう。
      また「トドの盾」を装備していないとアスカの持ち物を盗まれ、勝手に不本意な合成をされることもある。
      --レベル3以上の怪盗ペリカンは常時2倍速で行動するため倒すのにも合成するのにも苦労するが、その分合成できるアイテム数も多い。
    • 以上のように厄介な存在だが、マゼルン種の高レベルは合成モンスターというより投擲を飲み込んで無効化する高火力高耐久モンスターの側面を持ち合わせているシリーズもあり、低耐久かつ適当なアイテムを投げて食わせるだけで勝手に逃げてくれるという点ではマゼルン種よりも優しい存在ともいえる。
  • レア度・実用性ともに高い「風魔石」がコレクター魂に火をつける。
    これ自体は投げて1000ダメージ以外の効果はないが、特定のアイテムとペリカン異種合成をすると非常に高い効果が発揮される。
    • 武器・防具:印数が増える(最大16)。『シレン2』や『トルネコ3』における「白紙の巻物」の異種合成と同効果。
    • 腕輪:☆マークが付き絶対に壊れなくなる。
    • 某エレキ箱LV99:最強クラスのエレキ箱が完成する。
  • 入手法はDC版では基本的にイベントと「白蛇島クリア」しかなかった*1為、これを集めた数が一種のステータスになっていた。
    • Win版は「銀猫魔天の挑戦」で買いまくれるので、それもWin版のメリットになっている。
  • その他の新アイテムも見逃せない。
    • 「根性の竹刀」や「正面戦士の盾」など、使いこなせば強力だが欠点も存在するバランスのいい装備が多い。
      • 根性の竹刀という武器は、100回素振りをすると力の最大値が1上がるという能力がある。
        当然手間がかかるし根気も要求されるが、ひたすら素振りをして力上げに専念すれば、ダンジョン攻略がかなり楽になる。
    • 「ねがいの腕輪」や「まもりの腕輪」、「復活の草」の調整版と言える「身代わりの腕輪」などは、腕輪が壊れる本作だからこそのアイテムと言える。
    • 「焼きおにぎり」は本作が初登場。「腐ってしまった食糧も焼けばおいしく食べられる」という素敵仕様で、食糧管理がしやすくなった。
    • 倒されたり燃やされて紛失しても、倒れたところや特定の場所で弱化する事なく復活するつがいの装備品*2がある。
      • 本編クリア後の話だが、セーブデータがコピーできない為に鍛えに鍛えた装備品が無くなる事を恐れたプレイヤーへの配慮とも言える。
      • その装備品の性能そのものも最強ではないものの、それに次ぐ第二位の性能と高い為ありがたい。
      • とは言っても、回収する際にまたやられては元も子もないので、エレキ箱を持ち込んだほうが無難ではある。

新ダンジョン

今作の最大の目玉は、以下のような個性的で質が違う数々のダンジョンである。

  • 鋼賀の隠し穴
    • アイテムを持ち込み可能だが、1Fから強敵が出現するダンジョン。
    • ダンジョン中に全くアイテムが落ちていないため、何を持ち込むかが重要視される。
    • アークドラゴンとデビルカンガルーが重複出現する階層や、ミドロ系やアストラルデビルばかり出現する厳しい階層もある。
    • とはいえ『トルネコ3?』の「不思議の宝物庫」のような理不尽な難しさではなく、クリアするだけなら極端に装備を強くする必要はない。
    • のだが、このダンジョンのスコアは持ち込んだアイテムの合計価格が高いほど下がる仕様になっている。
      • そのため、ハイスコアを狙うためにはできるだけ少ない持ち込みでクリアしなければならない。
      • 無論、狙いすぎて返り討ちに遭った人は多い。
    • 50Fクリア時に、レア装備「剛剣マンジカブラ」・「風魔の盾」・「ケンゴウの刀」の中からランダムで1個貰える。
    • また、DC版ではこのダンジョンの店でしか手に入らない隠されたアイテムが存在する。
  • ムラドの試練
    • 旧作でいうフェイの問題のようなパズルダンジョン。
    • 20問解くとクリア。その後は50問まで拡張される。全て解くとご褒美が1コだけある。
  • カカ・ルーの試練
    • 旧作でいうと掛軸裏の洞窟、中腹の井戸。つまり罠を敵にかけたり、自分で罠を持ち運んで仕掛けたりする。
    • ワナを敵の足元に投げる「ワ投げ」コマンドのおかげで、ワナにかからない浮遊系モンスターに悩まされる事は減った。
    • 装備品が弱い一方、敵が強くなるのが速い。特に12Fから登場するアースニードルが脅威。
    • 16Fのボスを倒してクリア。その後は50Fまで拡張されるが、敵の強さは99F並であるうえ恐怖のアークドラゴン+デビルカンガルーコンボが・・・
    • Win版の配信ダンジョンで難易度を上げた『銀猫魔天の挑戦』がある。
      • 99Fまで拡張された上に、敵の強くなるスピードは同様のためやはり難易度は高い。
      • 一方であの風魔石が店で売られているため、マニアによく挑まれるダンジョンである。
    • ワナ師の腕輪があれば、他のダンジョンでも同様に罠を拾い罠を敵にかけることが可能である。
  • ブフーの試練
    • 上記にあるエレキ箱を駆使するダンジョン。エレキ箱のみ、持ち込みが自由である。
    • ダンジョン中ではエレキ箱や、それに取りつける回路が大量に手に入る。
    • エレキ箱以外のアイテムでも、イカリの杖、倍速の杖、回復の杖など、サポート系のアイテムが多く手に入る。
    • 20階のボスを倒してクリア。その後、99階まで拡張される。99階にはご褒美が?
    • 鍛え上げたエレキ箱を存分に活躍させられる晴れ舞台。また、レアなエレキ箱や回路を探すための場でもある。
    • Win版の配信ダンジョンでは、難易度を上げた『骨心魔天の挑戦』がある。
      • 持ち込み不可になった代償として、より強力なエレキ箱や回路が手に入るようになった。
      • 中ではバリバリがたまにうろついており、彼にエレキ箱の強化を頼むこともできる。
  • クロンの試練
    • 新システム「秘技」を駆使しながら挑むダンジョン。仲間キャラの同行も可能。
    • ダメージを受けたり、ターンが経過したりすると「気力」が溜まっていき、これが溜まると秘技が使える。
      • 気力が最大の状態でしばらく待つと気力万全状態になるが、その万全状態でないと使えないものも。
    • HPを回復する「深呼吸」、満腹度を回復する「霞飯」をはじめとして、秘技の数はなんと70種類以上。
    • 秘技は秘技書を使って習得する。ダンジョンには秘技書のみ持ち込み可。
      • 秘技によっては、何度も使っていると上級の秘技を思いつくことも。
    • ダンジョンを出ると秘技は忘れてしまうが、秘技は何度も使っていると極めることができ、極めれば忘れない。
    • 16Fのボスを倒すとクリア。クリア後、99Fまで拡張される。
    • Win版の配信ダンジョンで難易度を上げた『鳥飛魔天の挑戦』がある。
      • 極めたはずの秘技もここでは忘れている。仲間キャラを連れていくことはできない。
      • 装備品が「使い捨ての剣」と「使い捨ての盾」しか出ないという、厄介な仕様のダンジョン。
      • 一方で気力の回復・万全状態になるターン数が短くなっており、特に万全でないと使えない秘技を極めたい時に利用することも出来る。
    • 『気力の腕輪』があれば、他のダンジョンでも同様に秘技が使用可能である。
  • ドラスの試練
    • 武器や盾があまり手に入らず、杖や巻物を駆使するダンジョン。
    • 道具持ち込みは一切不可能だが、仲間キャラを連れていくことが可能である。
    • 18階のボスを倒してクリア。その後、99階まで拡張される。
    • 装備が弱いのに敵は白蛇島などと同様に強くなっていくため、いかに杖や巻物、仲間キャラを有効に使うかがカギである。
    • Win版の配信ダンジョンで、難易度を上げた『幽幻魔天の挑戦』がある。
      • ここは仲間が強制的に一人付いて来る上、仲間が倒れてもゲームオーバーになるため、かなりの難易度である。
  • ギトーの試練
    • 始めから壊れないつるはしである「サトリのつるはし」をもっている。ダンジョンに通路がなく、これを使って壁を掘りながら進んでいく。
    • ほぼ毎フロアにモンスターハウスと店がある。
      • モンスターハウスには弟切草がやたら落ちており、最大HPをどんどん増やすことができる。
      • 店では様々なアイテムが売られているが、ダンジョン内であまりギタンは手に入らないため、泥棒が重要になってくる。
    • モンスターハウスをどう乗り切るか?店でどう泥棒するか?がカギ。
      • 敵が強くなるのが異常に早いが、店の強力装備とモンスターハウスを乗り切って経験値を稼いでいればいけるはず。
    • 16Fのボスを倒してクリア。ダンジョンは拡張されない。
    • Win版の配信ダンジョンで、難易度を上げた『猿奇魔天の挑戦』がある。
      • 50Fまで拡張され、相変わらず敵が強くなるのが早い。
      • トルネコ3?』の「とじこめ投げ」に似た、ねだやしの巻物投げがある。決して気を抜いてはならない。
  • リーバの試練
    • アスカのレベルが一切上がらない上に、最大HPが30から上がらない。アイテム持ち込みが5個まで可能。
    • ただしエレキ箱装着中はHP30以上になるため、鍛えたエレキ箱を持ち込めば比較的簡単にクリアできる。
    • エレキ箱を使わずとも、強力な装備を持ち込んでのクリアも可能。ただし、オヤジ戦車の砲弾のような固定ダメージが脅威となる。
    • Win版の配信ダンジョンで『冥炎魔天の挑戦』があるが、ボスの名前を冠しているだけで共通点は少ない。最大HPが250までという「限界がある」のみ。
      • しかし、このダンジョンの恐ろしさは別にある(後述)。
  • 星華の大筒
    • 本編の最後のダンジョンだが、持ち込みと仲間の連れ込みは自由。
    • 4F毎にこれまで戦ったボスが登場。最後は36Fまで。
    • 持ち込み自由の上に特殊ルールもないため、他の試練のほうが苦戦したという人も多い。
  • 白蛇島
    • いわゆる「もっと不思議のダンジョン」。最初の3フロアと最後の2フロアはシャッフルダンジョンで、その間は全て階段上昇型のランダムダンジョンである。
    • 低確率ではあるが、従来のシリーズでは店限定アイテムだった超不幸の種が床落ちしている。また物忘れの草が出る事も。
    • シリーズ経験者であれば、たったこれだけの説明だけでも十分高い難易度が予測できるだろう(事実歴代の中では高いほう)。が、Win版では更に……
  • 裏白蛇
    • Win版で追加された、白蛇島のバランスを調整した高難易度ダンジョン。
    • 白蛇島に登場した強力なアイテムが一部出現しない。
      • 有名な物で言うと、「根性の竹刀・身かわしの盾・透視の腕輪・よくみえの腕輪・白紙の巻物・ねだやしの巻物」が挙げられる。
      • さらにシリーズにおける必須アイテムである「保存の壺」の出現率が激減。少ないアイテムでの苦戦を強いられる。
    • 他の敵を倍速+特技使用優先+攻撃力UPさせるデビルカンガルーの出現階層と出現率が上昇。
      • アークドラゴン・にぎりもとじめ・ハイパーゲイズ・メガタウロスなどとセットになると、それだけで詰むことも。
    • 受けるダメージは1のみなのにHP10という強敵の「しろがねマムル」も登場。
      それに加え、状態異常無効+倍速+高火力という鬼性能の「おうごんマムル」も登場。
      • DC版ではこの2体は普段戦わなくていい、という隠しキャラ的存在であった。たかがマムルと思うと地獄を見る。
    • 言うまでもないが、難易度は相当なもの。おそらくシリーズでもトップクラスの難易度の「もっと不思議のダンジョン」であろう。
  • 他にもWinの配信限定で様々なダンジョンがある。インパクトのあるものだけを紹介しておくと、
    • 巣窟効率五箱勝負
      • エレキ箱のみ5つまで持ち込めるダンジョン。全15Fと短いが、全階層にモンスターハウスが出る。
      • 毎フロアそれぞれテーマに沿った魔物が登場。ゴースト系やドレイン系ばかりのフロアから、マムル系しか出ないフロアもある。
      • ダンジョン内には大量の装備品が落ちており、超レアなものが拾える場合も。
      • 登録したエレキ箱は失われないため、倒れたとしても事実上失うものは何もない。短いこともあって気軽に挑める。
      • スコアは魔物を倒した数で登録される。
    • 女勘定奉行
      • 床に落ちているアイテムはギタン(お金)のみで、ギタン投げで敵を倒しながら進むダンジョン。全30F。
      • ギタン投げが効かない火炎入道や、投擲を反射するクロウ丸・ヨシツネ丸が天敵となる。
    • 無明地獄
      • 出現する全てのモンスターが「エーテルデビル」のように透明状態になっており、正体が分からない敵と戦う事になる。
      • 反面、アイテムは全て識別済みで出現するので、白蛇島より簡単な部分もある。
    • 一致団結
      • 仲間キャラが全員いるのはいいが、仲間が1人でも死んだらゲームオーバー。
      • 仲間全員に気を配っていないといけないため、ある意味裏白蛇島より難しい。
    • ガチンコ万歩計
      • 10000ターンでどれだけ潜れるか競うダンジョン。
      • 最高記録の99Fに到達するのは至難の業で、本作最難関ダンジョンと言われることもある。

問題点

  • 白蛇島、裏白蛇島などの一部クリア後ダンジョンの1Fから常に出てくる「ンドゥバ」というモンスターが強すぎる。
    • ンドゥバは最序盤に出てくる他のモンスター(マムルなど)と比べて明らかに強い。開始直後でレベル1の時や、丸腰のアスカにはほとんど勝ち目はない。
      • SFCシレン』でも1Fにンドゥバが出てくることはあるが、あちらのンドゥバは基本的に店にしか出てこないので、店さえ無視すれば遭遇せずに済む。
        しかし本作のンドゥバは普通に床落ちしているアイテムにも化けているため、否が応でも戦わざるを得ない。
      • そもそも白蛇島や裏白蛇島のモンスターテーブルがベースのダンジョンは全ての階層にンドゥバが出現するのだが、1Fは出現モンスターの種類が少ないためかンドゥバの出現率が非常に高くなっている。
    • 一応、アスカのレベルを3まで上がれば、1Fにいるンドゥバなら互角に戦えるようになる。あくまで互角ではあるが。
      • レベルを3まで上げてからアイテムを拾うようにすれば比較的なんとかなるのだが、1Fの時点でそのような立ち回りを要求されるのは満腹度をいたずらに消費してしまう上、テンポも悪くなってしまう。
        システム上、繰り返し最初からプレイすることになるこのゲームでは必ず1Fを繰り返し通ることになるのだから、他のシレンシリーズでは発生しないようなテンポロスやストレスはどんどん蓄積されることになってしまう。
    • 「(裏)白蛇島の死因の大半は1Fのンドゥバ」と言われるほど、ンドゥバ戦での死亡率が高い。せめて出現率を調整してほしかったところである。
  • ンドゥバを抜きにしたとしても序盤から不親切なバランスな要素が多く、いつまでも中層以降に辿り着けない「低層ループ」に陥る時間が長くなりやすい。
    • せっかくゲームを始めても、長い間冒険が序盤で終了し続ける状況を喜ぶような人は滅多におらず、近年のシレンシリーズや他の良作とされるダンジョン系ローグライクではシステムやゲームバランス調整で対策されることも増えてきており、この部分は他と比較して悪い点だといえる要素である。
  • ゲームストーリー本編の難易度がシリーズ最難関という程ではないが若干高く、シレンシリーズ初心者には厳しい。
    • 最初の「天輪国初級」から20F+ボス、その次の「天輪国上級」は27F+2連続ボスといったダンジョンに挑む為、アイテム持ち込みをしない場合は難しめのバランス。
    • 天輪国上級は腕輪・壺・杖に加え、草・巻物までもが未識別で登場する。草が未識別で出てくるストーリーダンジョンはシリーズ全体を見ても本作のみ*3
    • 復活の草がそれなりに落ちてるのが救い。どうしてもきつい人は旅仲間を連れて行ったり、「根性の竹刀」など強力なアイテムを惜しまないようにしたい。
    • ちなみに、Win版では「鍛錬の押入」という練習ダンジョンがある。鉄甲の盾や鉄扇を回収しよう。
    • ストーリークリア後のダンジョンの難易度も全体的に高いが、それはいつもの事なのであまり問題にならない。
  • 旅仲間の能力変化がその冒険中ずっと継続される。従来のシリーズは階層を変えると元に戻るのだが。
    • 旅仲間には水棲系生物もいるが、彼らに水をかけると攻撃力が飛躍的に上がり、文字通り「水を得た魚」状態になる。バランス崩壊に繋がるのでご利用は計画的に。
    • 一方、ミドロ系*4やしおいやん系*5などの能力低下技を食らうと、なんとずっと弱体化したまま。つまりそいつらの能力を一回でも食らうと非常にまずい展開になる。
    • 今作では仲間を頼らざるを得ない、更には仲間が倒れると強制的に失敗になるダンジョンも存在する為、孤立しないよう注意しないといけない。
      なお、仲間そのものは全員レベルを上げれば順当に活躍するので、個性を見極めれば足手まといには決してならない。
  • フリーズするバグが割と多い。再現性は高くないが数が多く、知らないとひっかかる事もある。
    • なにより、「フリーズすると即死亡=アイテムが消える」という本作の仕様上記憶の片隅に置いておきたい。上記の復活する装備品を入手すれば精神的に楽になる。
    • 長時間プレイすると強制終了する現象も見受けられている。ミスの出ない冷静なプレイを心がける為にも、こまめな休憩を勧めたい。
  • Win版限定ではあるが、「冥炎魔天の挑戦」の仕様が色々と酷い。
    • 最高階層9999F最大HP250までという無茶な設定。ちなみに、9999Fまで行くには最低100時間程度かかると言う。
    • 乱数設定のせいか、同じアイテム・マップ・モンスター初期位置を持つフロアが、暫く続く事態が起きてしまう。
      ローグライクRPGの「ランダムに変化する」という定義を湾曲した内容。
  • 同じくWin版限定で、フェイの問題作成キットの問題
    • 常にあかり状態であり、設定を変えることはできない。副作用としてエーテルデビルの透明が無効になってしまっている。
    • 一度クリアした問題でないと自由に選べない。例えば1問目をクリアしないと2問目以降をプレイできない。
    • テストプレイモードがないため、いちいちアスカを起動させないといけない。
      • テストプレイができる施設も、一度目のエンディングを見た後にしか行けない場所にある。
      • 上記の問題と関連して、テストプレイ自体が面倒なことになっている。
    • そのため、Win版『風来のシレン 月影村の怪物』のフェイの問題作成キットの方が使いやすいという意見が多い。
      • 下記の販売戦略の面もあり、月影村の怪物ほど自作問題の配布が活発にはならなかった。
  • しかし、最大の問題点は以下のような販売状況かもしれない。具体的には……。

その後の展開:販売時期や状況に恵まれなかったゆえに

  • 後にWinに移植され、そちらは更に多彩なダンジョンが追加配信*6され、一生レベルで遊べるゲームにパワーアップした。
    • Windows7、8、8.1でも起動可能。ただしWin10では通常の手段で起動不可になってしまっている*7
    • クリアすると次から最深階が目指せる試練が4つ、鋼賀の隠し穴、白蛇島、裏白蛇島で計7つ。
      配信されたのは6つの新たなる挑戦+週替わりダンジョンの11つ。全て合わせて24ダンジョンという大ボリュームである。
      • 2015年に発売された『風来のシレン5 Plus』はクリア後と配信ダンジョンが合わせて26ダンジョンあり、ボリュームの面で圧倒しているとは言えなくなった。
  • しかし、ゲームとしての出来とは裏腹に、商業的には売れ行きが芳しくなかった不遇のゲームという評価も受けている。そのせいか現在は販売終了している。
    • もともとDC版発売時期の段階で、プラットホームのDCは既に発売されているPS2に押され、生産終了のアナウンスをしているという状態であった。そしておよそ十ヵ月後にWin版を販売するもの、ゲーム機ではなくWin用という特殊な販売状況から売れ行きはDC版程ではなく、オンラインサービスが終了した直後では700円程度という投げ売りになっていた(ただし、後述のように中古市場などでは後にとんでもない市場価値が付いてしまうことになるのだが)。
    • それ以外にも、出来はいいが難易度はシリーズを通じても高い作品である為「マニア向け」とも言われ(発売当時は)敬遠されていたという側面もある。
    • 当時、チュンソフトはセガとドワンゴの子会社であった為DCに販売していたが、肝心のセガはDC以後ハード生産を打ち切りにしていた。
      「多少前後すればまた今の立場が大きく変動していた」と言われる程、出荷時期のタイミングが非常に悪かった。
  • 結果、需要と供給のバランスに大きなズレが生じてしまった。
    • 「ハード末期+名作」の宿命ゆえか、販売がされてない現在においてネットオークションではWin版が1本20,000~50,000円という超高額取引になっている。

参考リンク:風来のシレン外伝 女剣士アスカ見参! 攻略Wiki(主にWin版用)

総評

  • 外伝にもかかわらずシリーズの中でも難易度、テンポ、UI、ボリュームは良好。
    特にWin版はオンラインサービスの終了に伴い、有料サービスであった全ての追加ダンジョンを開放、パスワード式の新救助に対応する最終アップデート「オフラインパッチ」を大盤振る舞いし、それから10年の時を経て今なお数多くのプレイヤーに愛された不朽の名作である。
    • ただし、『シレン1』『2』『4』『5』の方が好きという人ももちろんおり、特にDC版『アスカ』はこれらに比べると勝っているとは言えないという意見がある。*8
    • UIに関しては近年のPSP版やVita版も考慮に入れるとそこまでとは言えなくなっている。ボリュームに関してはストーリーを除くクリア後ダンジョンと配信ダンジョンの数でVita版シレン5に抜かされている。
  • 最高傑作かどうかはともかく、Win版は最新作のシレンと比べても決して見劣りしない面白さであることは間違いない。
    • 入手難易度は高いが、はっきり言って1年かけても遊びつくせないボリュームと難易度の為、対費用効果として考えれば手に入れる価値はある。
    • Win版はかなり高額であり、そして動作しないPCも増加し始めるころになっている。普通に遊ぶだけならドリームキャスト本体とソフトを揃えるほうが安上がりかもしれない。