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テイルズ オブ シンフォニア ユニゾナントパック
【ているず おぶ しんふぉにあ ゆにぞなんとぱっく】
ジャンル
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ロールプレイングゲーム
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対応機種
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プレイステーション3
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メディア
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BD-ROM 1枚
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発売元
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バンダイナムコゲームス
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開発元
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トライクレッシェンド
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発売日
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2013年10月10日
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定価
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6,800円(税別)
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プレイ人数
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1人(戦闘のみ1~4人)
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レーティング
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CERO:B(12歳以上対象)
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ポイント
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10年前の作品をただ単にHD化しただけのベタ移植
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テイルズオブシリーズ関連作品リンク?
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概要
テイルズオブシリーズのマザーシップタイトル(本編作品)第5作『テイルズ オブ シンフォニア(以下『シンフォニア』)』発売10周年を記念して発売されたソフト。
『シンフォニア』とその続編『テイルズ オブ シンフォニア -ラタトスクの騎士-(以下『ラタトスク』)』をまとめてプレイステーション3に移植している。
公式HPなど、メーカー側はあたかも10周年記念のHD化+リメイクを思わせるようなアピールをしているが、それと実際の内容は大きく異なる。
追加要素
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『シンフォニア』
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必殺技である「秘奥義」発動時のカットインが新しくなっている。
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シリーズの他作品のキャラクターの衣装がコスチュームとして用意されている。
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『ラタトスク』
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戦闘中にキャラクターの頭部分のグラフィックが変化する「ヘッドチェンジ」(原作北米版に搭載されていた要素)。
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イラストなどを閲覧可能な「ギャラリーモード」。
問題点
HD化した以外ろくに手が加わっていない
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どちらの作品も、HD画質化させた以外は申し訳程度の追加要素こそあれど、根幹部分は全くと言って良いほど手を加えていない、包み隠さず言えば「手抜き」・「体の良い小遣い稼ぎ」である。
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せっかくの10周年記念作品でこの体たらくだったため、両タイトルのファンからは不満意見が噴出することとなった。
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『シンフォニア』は10年も前の作品であり、現行作品と比べるとさすがに色々と見劣りする。
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特に戦闘システムは『アビス』・『ヴェスペリア』と進化を重ねているのに、何を思ったか10年前のシステムをそのまま持ってきている。
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戦闘バランスを考慮した結果とは言え、3D空間を自由に動けないというのが『シンフォニア』の大きな不満点で、後続作品で解決したのに、本作はそのままシステムを持ってきただけなので改善も進歩もない。
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おまけに、『シンフォニア』の移植元はGC版ではなくキャラクターの動きがカクカクしているなど劣化部分の多いPS2版で、当然フレームレートもPS2版据置の30fps。
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発売前は最低でも60fpsにはなるだろうと強く期待されていただけに、フレームレート据え置きかつ処理落ちの改善も不十分という衝撃は大きかった。
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PS2版の主に描写周りが劣化したのはあくまでGCに比べて処理能力が劣るためであるわけだが、当然PS3はPS2はおろか、GCと比較しても処理能力は飛躍的に向上しており、PS2版のように動きがカクカクする理由がないわけである。事実同ハードで発売された『ヴェスペリア』『グレイセスf』『エクシリア』は全て60fpsで動作していた。これでは手抜きと言われるのも無理はない。
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また、元々PS2版は動作をなるべく快適にするためにGC版からグラフィックが劣化しているため、せっかくHD化されたというのにあまり実感できない。
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「GC版をベースに、PS2版の追加要素などを取り込む」…それだけで喜ばれるはずなのに、理解しがたい手抜き。
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他作品のコスチュームは、着替えても『ハーツR』などのように戦闘BGMが変わったりすることはなく、衣装自体もキャラクターに合っておらず違和感が強い。
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イベントスキップやソフトリセットなどの便利機能もない。
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『ラタトスク』にも『シンフォニア』のキャラクターのレベルが固定という重大な問題点があったが、改善されていない。
改悪要素
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『シンフォニア』には特定条件を満たすと、主人公のロイドが飼っているノイシュに乗り、フィールド広域を見渡して移動出来るようになる「ロングモード」がある。
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このロングモード中は敵のシンボルもこちらが移動した分だけ移動するようになるので、戦闘を回避しやすくなる代わりにフィールド上にある宝箱やスキットポイントが見えなくなるという欠点があるが、戦闘回避が容易になるメリットは大きいので、利用するプレイヤーは少なくないと思われる。
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GC版、PS2版共にロングモード中でも街やダンジョンに入れたのだが、何故か本作ではロングモード中では街やダンジョンには入れなくなるという改悪が施されており、街やダンジョンに入るためにはロングモードを解除する必要がある。…改善すべき点は放置しておいて、何故いらん所には手を加えるのだろうか。
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更に、ロングモードを解除した後、街やダンジョン入り口までに数歩歩く必要があるため、運が悪いとロングモードを解除した途端敵シンボルが突っ込んできて戦闘突入…なんて事も。
評価点
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2作品ともにHD化されたことから、映像はそこそこ綺麗。
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『シンフォニア』は上記の理由ゆえにあまり映えないが、『ラタトスク』は別物と言える程に向上している。
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元のソフトがクソゲーというわけではなく、遊べないということはない。
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オープニングテーマのアレンジバージョンはどちらも良い出来。
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ローディングやセーブ・データロードが速い。
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『アビス(PS2版)』ほどではないとは言え、PS2版ではGC版と異なり、ディスクアクセスに時間がかかり、メモリーカードのデータセーブやロードも結構な時間がかかるため、GC版で慣れたプレイヤーには結構な苦痛を強いるものであった。
総評
「10年も前の作品を今更(地味な改悪要素込みで)ほぼベタ移植とはどういうことか?」これに尽きる。
10周年記念という節目でありながら、追加要素をほとんど加えず、近年の「過去作品のHDリマスター化」の流行に安易に乗っただけにしか見えない。そんな手抜き作品を発表するスタッフの気持ちが分からない。
本当にただ『シンフォニア』と『ラタトスク』がPS3でできるというだけなので、未経験者には薦めてもよいかという感じだが、プレイ済みなら買う必要は全くない。
余談
ニュースサイト「GAME Watch」に、本作プロデューサー馬場英雄へのインタビューが掲載されている。
この中で「2作品が1タイトルになっているのは珍しい」というインタビュアーに対し馬場は「初めてですね」と答えている。
……『なりダンX』はどこへいったのだろうか?一体なぜ、本シリーズのスタッフは嘘ばかりつくのだろうか?
あらゆるところでユーザーに喧嘩を売って何がしたいのかと憤らざるを得ない。