「シュタールフェーダー ~鉄鋼飛空団~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る
シュタールフェーダー ~鉄鋼飛空団~ - (2011/12/08 (木) 12:00:16) の編集履歴(バックアップ)
シュタールフェーダー ~鉄鋼飛空団~
【しゅたーるふぇーだー てっこうひくうだん】
ジャンル
|
シューティング
|
対応機種
|
プレイステーション
|
発売・開発元
|
サントス
|
発売日
|
1996年1月26日
|
定価
|
5,800円
|
ポイント
|
凡ゲー~微妙ゲーレベルの出来 大味なバランス、もったりしたテンポの悪さが問題点 シューティングとしてはそれなりに遊べるのでクソゲーでは無い
|
概要
-
1996年にてサントスがリリースしたプレイステーションソフト。PSでは割と珍しい、移植ものではない完全オリジナル縦シューティング。
-
シューティングとしては完全に2Dだが、PSの性能を駆使したポリゴン描写による演出が随所に導入されているのが特徴。
-
一人プレイ専用。全6ステージ構成でオプション項目にて三段階の難易度調整(イージー、ノーマル、ハード)が可能。
主なルール
-
ゲーム開始前に自機を4体から選択する事になる。各機体には様々な性能差が図られており、使い勝手に差異がある。以下詳細。
-
Blau stern(ブラオ シュテルン)
-
あらゆる面で安定した性能で最も使いやすい機体だと思われる。
-
機動性は「並」、初期/最大ライフゲージは「5」、ワイドショットは「ワイルバルカン」、レーザーショットは「ハイパーレーザー」、ボムは「クラスターボム」。
-
Weiβ nacht(ヴァイス ナハト)
-
全機体中最速の機動性を誇る機体。
-
機動性は「最速」、初期/最大ライフゲージは「4」、ワイドショットは「スプレット」、レーザーショットは「エナジーレーザー」、ボムは「ソニックウェイブ」。
-
Schwarz Wind(シュヴァルツ ヴィント)
-
鈍足で機動性に問題があるが、全機中最大のライフを持ち、ショットの火力も高い。
-
機動性は「遅」、初期/最大ライフゲージは「7」、ワイドショットは「サーチミサイル」、レーザーショットは「プラズマフレイル」、ボムは「スネークナパーム」。
-
Lippenstift(リッペンシュティフト)
-
ライフが少なく装甲面では心細いが、ショット関係がすべてレーザーで強力な貫通性能を持ち、ライフ以外の性能は申し分ない。
-
機動性は「速」、初期/最大ライフゲージは「3」、ワイドショットは「エクステンドレーザー」、レーザーショットは「プラズマレーザー」、ボムは「サポートボマーアタック」。
-
初期所持ボムストックは全機体共通で、難易度イージーとノーマルは「6」、難易度ハードは「4」となっている。最大ボムストックは全難易度共通で「8」である。
-
方向キーで自機に八方向移動、ボタンは各自「ワイドショット(×ボタン)」「レーザーショット(□ボタン)」「ボムボタン(○か△ボタン)」に使用する。
-
ワイドショットは攻撃範囲重視のメインショットであり、ボタン押しっぱなしのオート発射で無制限に撃てる。
-
レーザーショットは火力重視のメインショットであり、これもボタン押しっぱなしのオート発射で無制限に撃てる。
-
ワイド/レーザーの各ショットは同時に撃つ事はできない。よって、状況によってショットを使い分ける必要がある。
要はこのゲームおいてはショットが各機体毎に2種類用意されているものと思ってもらっても差し支えないと思われる。
-
ボムはいわゆるストック制限のある強力なボンバー攻撃に該当。当然ながらストックが0になるとボムは撃てなくなる。
-
頻繁に出現するアイテムキャリアーを破壊すると以下のアイテムを落とす。
-
パワーアップ系(お互いのアイテムが時間経過で交互に切り替わる。ワイド/レーザーの各ショットアイテムは個別でのパワーアップとなる。)
-
「ワイドショット」(赤)…ワイドショットを最大4段階までパワーアップさせる。
-
「レーザーショット」(青)…レーザーショットを最大4段階までパワーアップさせる。
-
その他
-
「シールド」…ライフが1ゲージ回復する。
-
「ボム」…ボムストックが1増える。
-
各ステージをクリアすると、難易度イージーは1、難易度ノーマルは2ゲージのライフが回復するボーナスがある(難易度ハードでは一切回復せず)。
-
なお、ボムに関しては全難易度共通で一切の増加ボーナスはなく、ボムアイテムで補給するしかない。
-
ライフ制ですべて尽きるとゲームオーバー。ライフは3~7のゲージ表示(詳しくは上記の機体紹介参照の事)でダメージは一律で1となっている。
-
ダメージをもらうとワイド/レーザーの各ショットのパワーランクが下がるペナルティがある。また、パワーランクの下がり方は設定難易度によって若干異なる(難易度が高い程下がり方が激しい)。
-
途中コンティニューは可能だが、設定難易度によってクレジット数に相違がある(イージーは「5」、ノーマルは「3」、ハードは「1」)。
-
このゲームは従来のシューティングでは割と珍しい、オプション項目で敵弾の色を複数から変更できる。選べる敵弾は「通常弾」「ミサイル」「レーザー」の3つがある。
問題点、及び賛否が分かれそうな点
-
ステージ構造の単調さ。
-
全編通してスクロールしかり、敵編成の出現のさせかたしかり、シューティングとしての構造の何もかもっさり気味。疾走感のあるステージは皆無といっていい程に。
-
敵の配置も間延び気味で眠気を誘いそうな場面が多く、「シューティングに精通していない人が作った」というべき残念な仕上がりとなっている。
-
ボスの攻撃パターンがワンパターンなもの多数で、いまいち強敵と戦ったという実感が沸きにくい(実際泣ける位に弱いボスが多い)。ラスボスも「なんか硬いボス程度」の影の薄き存在でしかない。
-
ゲームバランスが大味。
-
各自機の初期状態のワイド/レーザーの各ショットはどれも攻撃範囲に乏しい。それでいてこのゲームはダメージをもらうとパワーダウンしてしまう故に、ダメージをもらえばもらう程に何もできなくなるという悪循環に陥りやすい。
-
逆にパワーアップを最大にしていると、(機体の個人差にもよるが)ワイドショットは撃ってるだけで雑魚一掃、レーザーショットは硬い雑魚を瞬殺してしまう高性能となってしまう為、パワーアップ次第で難易度に天と地の差が出てしまうバランスとなっている。
-
もちろん、パワーアップで戦況有利、ダメージをもらえばペナルティという概念は多くのシューティングに存在するが、このゲームはそれがバランスを崩壊させる程に極端すぎるのが問題である。
-
ピンチになったらボムを使って回避する手段はもちろん有効だが、ボムに限りがある訳でストックが尽きると地獄と化してしまうのはお約束。ましてや本作は残機がないので尚更悲惨な事に…。
-
主にポリゴン描写に関する演出があまりにもショボい。
-
2Dシューティングにポリゴンを盛り込んだ外観は意欲的といいたいところだが、これが致命的なまでにヘボヘボすぎる。
-
例えば、ポリゴンで描かれたパーツを破壊すると倒壊を起こすのだが、倒れ方にまるで重量感がなく、まるでダンボールをへし折ってるような動きにしかみえない。
-
このゲーム、あまりにも2D視線を重視している故なのかポリゴンすらもひたすら平面的な視線で映されており、立体感というものが表現できていない。正直何の為のポリゴン描写なのかまるで理解できない有様である。
-
ポリゴン関係を抜きにしても、「中型機を破壊した時の撃墜演出がゆっくり落ちて軽く爆発するだけ」「各ステージの背景の変化に乏しく先に進んでいる感じがしない」という問題もある。
-
本作と同時期に登場した完全2D描写の縦シューティングである『レイフォース』や『雷電II』などと比べても目を覆いたくなる程のクオリティの低い外観が目に付いてしまう。
-
自機や雑魚敵のデザインは無難なものだが、ボスデザイン全般がかなりダサい。
-
ボスはすべてポリゴン描写だが、変にごてごてした容姿と演出のヘボさも相まってなんかボスだけが違和感ありまくりである。
-
ストーリーなどの設定がゲーム内に活かされていない。
-
説明書には本作のストーリー設定や各機体のパイロットなどが詳細に紹介されている。また、ゲーム内においても機体セレクト時にパイロットの全身絵やプロフィールが表示される演出があるのだが…。
-
しかし、ステージを進めても一切のストーリー描写やパイロットの戦況に対する描写が存在しないばかりか、ゲームをクリアしてもまとまったエンディングすらもない(機体のプロフィールと一枚絵が表示されるだけ)。
-
「軽い舞台設定はあるもゲーム内ではさほど描かれない」というシューティングはそんなに珍しくはない。しかしこのゲームは「パイロットの絵は表示されるのに彼らがそれっきり出番がなく、最低限の舞台設定描写すらもない」という中途半端な存在なのがかなり不可解である。
-
BGMの流し方が適当すぎる。
-
ディスクハードのゲームなのでBGMが途切れるのは仕方がない。しかし、このゲームのとあるステージでは「道中BGMが一旦途切れる ⇒ 再度BGMが流されるも即ボス戦が始まり、道中BGMが一瞬で終わる」というタイミングの悪い場面がある。そこはちゃんとボス戦に合わせるように工夫するべきではないだろうか?
-
ちなみに、ポーズをかけてもBGMは流れ続ける。上記の問題はポーズなしでの状況である。
評価点
総評
-
ゲームとしては完成度が高いとはいい難いが、複雑さを極力廃したオーソドックスなシステムと低めの難易度で、初心者シューターに気を配る事を重点に置いた作りがされており、スタッフのこだわりのような説明が説明書に記載されている。実際、「出来はよくないけど、なんか嫌いになれない親しみさを感じる」というプレイヤーは少なくない。
-
敵弾の色を変更できるオプションがあり、STGにありがちな弾の見辛さを回避できる。また、BGMの評価は高く、この辺は並以上のクオリティを持つ。
-
本作の経験が功を奏したのか、同社の次回作『エアグレイブ』は、そこそこの評価(といっても問題点も少なくないが)を受ける事になる。