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FARCRY 3 - (2015/01/20 (火) 03:17:57) の編集履歴(バックアップ)


ファークライ3(FARCRY 3)

【ふぁーくらいすりー】

ジャンル ファースト・パーソン・アドベンチャー(FPS)

対応機種 プレイステーション3
Xbox360
Windows XP~8
メディア 【PS3】BD-ROM
【360/Win】DVD-ROM(枚数不明)
発売元 ユービーアイソフト
開発元 Ubisoft Montreal
発売日 2013年3月7日
定価 【PS3/360】7,770円
廉価版 【PS3】ユービーアイ・ザ・ベスト:2014年2月27日/3,218円
配信 【Win】
(日本語版)Amazon.co.jp:2013年4月03日/2,400円→1,200円
(海外版)Steamほか:2012年11月28日/2,400円
 (同『Deluxe Edition』:不明/3.000円)
※どのバージョンもDRMとしてUplayを使用
プレイ人数 1~2人
(オンライン:2人~14人)
レーティング CERO:Z(18歳以上のみ対象)
ポイント 要素満載のオープンワールドFPS
自然美と人の悪、血と幻想が混在するサバイバルアクション
野性怖いマジで

WARNING!!!!!!!
本作はCEROからZ指定を受けている18歳以上のみ対象のゲームです。


概要

ファークライシリーズ第3作。南国の島を舞台にしたオープンワールド制FPS。プレイヤーは主人公のジェイソンとなり、海賊バースの軍団に立ち向かう。広大な島を自由に冒険が出来るうえ、武器やアイテム、金銭の入手、スキル習得によるプレイヤーの個性付けも自由度が高い。サブクエストやミニゲームも数多く用意されている。

ストーリー

アメリカ人青年ジェイソン・ブロディは兄弟や仲間達と共に、インド洋と太平洋の境目にある南国にバカンスに訪れた。ある日スカイダイビングを楽しんでいた彼らは誤って、残忍な海賊のバース一味が暴力で支配する孤島「ルークアイランド」に着陸してしまう。
海賊に捕まってしまったジェイソンは、優秀な予備役軍人である兄グラントの先導で牢を抜け出すが、他の仲間との合流は叶わず、グラントも追ってきたバースの銃弾に倒れてしまう。悲痛な叫びを上げるジェイソンに、バースはなぶり殺すための僅かな猶予を与え、「逃げてみろ」と嘲笑する。ジェイソンは銃弾の飛び交う夜のジャングルを逃げ惑い、やがて突然途切れた道から谷川へ転落し、意識を失う。
目覚めたジェイソンは、見知らぬ男の介抱を受けていた。男は治療だけでなく、ジェイソンの左腕に古風な文様のタトゥーを施していた。デニスと名乗った男は、タトゥーは島に伝わる戦士の証であり、ジェイソンに力を授けるだろうと言う。バース一味と対立する部族ラクヤットの一員であるデニスは、ジェイソンの手助けをする替わりに、戦士として力を貸して欲しいと請うのだった。軍も警察も存在しない絶海の孤島で、海賊から仲間を救い出すには、デニスと部族の助けを借りるしかない。戦士の証を腕に、ジェイソンの戦いが始まった。
徐々に明かされていく孤島の真実。そして過酷な戦闘とサバイバルの先にジェイソンを待ち受けるものは…?

特徴

  • オープンワールドとフリーローミング制を採用。自然に満ち、人の集落や遺跡が点在する巨大な島の中を隅々まで行動できる。メインクエストを達成することによりストーリーが進む。
  • RPGのようにクエスト達成や敵の討伐で経験値が得られる。経験値を消費してスキルを習得し、主人公を強化することが出来る。スキルシステムにはツリー制を採用しており、ミッション進行によって高度なスキルが解放される。「通過儀礼」として特定の条件を達成することが解放条件になっているスキルもある、
  • 戦闘は銃器や弓矢といった飛び道具をメインに、手榴弾や火炎瓶、地雷やC4リモート爆弾といったものも駆使して行う。武器のカスタマイズも可能。また、最初に習得するスキル「テイクダウン」とその派生スキルが戦闘のもう一方の主役であり、スキルツリーを伸ばすにつれて非常に強力になっていく。
    • テイクダウンは、近距離にいてこちらを発見していない敵をナイフで奇襲し、一撃で仕留める暗殺術。無音攻撃であり、目撃さえされなければ他の敵に気付かれない。敵である海賊兵士はこちらを発見すると包囲攻撃や増援要請を行うため、いかに物陰などへ誘い込みテイクダウンで仕留めるかが戦闘の醍醐味の一つになっている。
    • また、テイクダウンとその派生スキルで敵を倒すと、獲得経験値に大きな倍率がかかる。
  • 主人公の耐久力はライフ制。ライフは数ブロックに分かれており、回復手段には採取した薬草から作る回復薬(市販もあり)やスキル「アドバンスファストエイド」がある。また、1ブロック未満のダメージは時間経過でも回復する。
    • 体力面のパラメータはシンプルにライフのみ。ダッシュや水中でのクロールといった高速移動が可能だが、それらの持続を制限するスタミナの設定はない。ただし潜水時間にはさすがに限界がある。
  • 狩りと採集、クラフト要素を採用。バックパックやホルスター等のアイテム所持に関連する装備品は、狩りで得られる動物の皮から作成する。回復薬を初めとした様々な薬品も、植物から採集するリーフを調合して作り出すことになる。
    • 狩りや採集で得た素材は、売却することで金策手段にもなる。
    • アイテムを作るためには、危険な獣の皮が必要になることもある。こちらでもまた、人間相手とは異なるスリリングな戦いが繰り広げられる。
  • 探索範囲を徐々に広げるギミックとして、「電波塔修復」と「拠点解放」がある。
    • 電波塔は島のあちこちに点在する施設。海賊に破壊された塔頂上の電気機器を修復することで、周囲のマップに詳細が表示される、クエストやアイテムがアンロックされるなど、様々な恩恵がある。同社のASSASSIN'S CREEDのシンクロシステムに似ている。
      • 電波塔は足場が破損していたりすることが多く、頂上までの道のりはパズルアクション風のちょっとしたミニゲームになっている。頂上からは大抵ジップラインで一気に下りられる。
    • 島の各地には海賊の武装拠点があり、それらを解放してラクヤットの民の手に返す事も大きな比重を占めている。開放すると報酬が獲得できるほか、ラクヤットの兵が駐留し、周囲から敵が消えた安全地帯となる。
      • 開放条件は基地の敵兵の全滅。最初は難度が低いが、次第に敵配置に死角が少なくなり、スナイパーや重装兵、番犬が配備されるなどシビアになってゆく。増援要請ボタンがある拠点では、敵に発見されると増援を呼ばれてしまうが、そのボタンの数も徐々に増える。
      • 敵に気付かれないまま全滅させれば多量の経験値ボーナス、増援を呼ばれずに全滅させれば少量の経験値ボーナスが入る。テイクダウンや消音武器を駆使して徐々に葬ってゆくゲリラ戦がメインではあるが、たまには重火器や爆発物で大戦争を仕掛けてみるのも面白い。
    • 修復した電波塔と解放した拠点は、ファストトラベル先と死亡時のリスタート地点になるため、スムーズなゲーム進行にはある程度これらを消化しておく必要がある。なお、電波塔や拠点を一切無視しても、ゲーム進行自体は可能。
  • マルチプレイに対応。
    • 最大14人までの対戦モードのほか、最大4人のCOOPがある。COOPではシングルプレイの外伝ストーリーが楽しめる。海賊に奴隷として売却されるところを危うく逃れた4人の男女の復讐戦を描く。また本編と違って完全な一本道システム+ステージ制。
    • 対戦・COOP共通の武器は、戦闘後の報酬で得たアイテムを「解析」することにより入手。解析には実時間で30分から最高8時間かかることもあるが、プレイヤーのログイン状況には関係なく進むので、他の事をやっていても構わない。
    • 経験値の獲得により、周囲の仲間をサポートするマルチプレイ専用スキル「バトルクライ」などを習得する。

評価点

  • ストーリー
    • バカンスやクラブの遊興に耽るような都会のボンボンである主人公が、次第に恐るべき戦士へと変貌していくが、戦いの中で彼の人生観も変化を見せていく。
      • 最終的には自身の選択によってストーリーも変化する。
    • 狂気の海賊バース(パッケージのモヒカン男)のほか、島の戦士を率いる謎の女指導者シトラや、麻薬と奴隷ビジネスで君臨する犯罪組織のリーダー・ホイト、腹に一物を抱える傭兵サム達と出会いながら進む。他にも様々な個性的な(中には明らかにアブない)人物が登場。
  • グラフィック
    • 南国の島の自然と風景が、昼夜や天候の変化を含めて美しく色彩的に描かれる。青く澄んだ海、風にざわめく草地や自由に動き回る生き物達、草生した寺院遺跡や旧日本軍の戦跡。海中ダイビングすれば魚群が泳ぎまわっている。
    • さらに車やモーターボート、ハンググライダーといった乗り物の豊富さが加わり、手軽にトロピカルバカンス気分が味わえる。各地の洞窟や火山口跡を探検することも可能。
    • 反面、暴力で支配された地域の血と埃の入り混じった荒廃さ、神秘的な島の儀式の光景や、麻薬中毒者であるバースに関連するシーンなど、幻想と狂気が入り混じる描写も。「アリス」の一節が挿入されて雰囲気を盛り上げる。
    • また戦闘描写も迫力がある(特に火炎攻撃)。中でも火が次々と燃え移っていく様は見ものである。
  • 野生動物の挙動
    • 島のあちこちには(陸上はもちろん、海や空も)野生動物が生息しており、それぞれの生態で活動している。時には、彼らを眺めているだけでも楽しい。
    • 弱肉強食的な関係も設定されており、クマやトラ、サメといった獰猛な動物が草食動物を襲っている場面がしばしば見られる。また、プレイヤーやNPCなど人間にも容赦なく襲い掛かってくるので、素材狩り途中はもちろん、単なる移動中でも遭遇すれば倒される危険がある。東南アジアらしくこの手の作品では珍しいコモドオオトカゲなどの生物も。
  • 敵味方含めてNPCが、狩りやパトロール目的で自由に動いている。彼らもプレイヤーの動きに反応していろいろな行動を見せる。
  • ファストトラベル機能が用意されており、制圧した拠点や友好的な街には一瞬で移動が可能。
  • 発見物リスト
    • 人物や武器はおろか、乗り物、動植物も網羅。しかも全てに皮肉の効いた解説やコメント付き。
  • 拠点制圧戦闘の自由度の高さ。とにかく敵兵を全滅させれば良いので手段は問われない。敵に発見されることを承知で重火器を振り回して無双プレイをするも良し、スニークプレイに徹するも良し。勝手に猛獣が乱入して敵兵を全滅させることもある。
    • 警報装置は攻撃で破壊できるので、スニークプレイの時は装置の他に、拠点内に数箇所ある監視塔の無力化をどういった順序で行うかもポイントになってくる。詰め将棋的な楽しみも生まれてくるだろう。
  • テイクダウン 
    • ステルス系アクションゲームによくある、気付かれずに近接武器で倒す攻撃方法。成長すれば空中や足元から一瞬で襲い掛かったり、複数の敵を一気にまとめて倒せるようになる。ステルス性や威力もさることながら、魅せ要素も十分である。
  • 地図を購入すれば隠しアイテムである財宝や手紙等の位置が表示される。コレクションコンプリートに便利。任意で消すことも可能。
  • 陸海空といろいろな乗り物が登場。島のあちこちに置かれており移動や娯楽手段として使える。車にはカーラジオも装備。
  • マルチプレイ
    • 対戦マップのエディットシステムも実装されており、アップロードされたオリジナルのマップは他のプレイヤー達と遊ぶこともできる。細かく作り込むことができ、他のプレイヤーから高評価を受けたマップは人気になったりする。
    • マルチプレイの対戦では、勝った側のトッププレイヤーが敵側に戦後処理を課する演出があるが、非常に多くの種類があり(心なごむ和解から、開放すると見せかけて後ろから射殺するという極悪なものも)、なおかつ任意で選ぶことができる。
    • COOPは別ゲームと言って良いほどのボリューム(全6章)を備える。また全ての章で、プレイヤー同士が武器や運転の腕を競うミニゲームを実装。難易度も4段階から選択可能で、初心者から上級者まで楽しめる。

賛否両論点

  • ボス戦は基本的にQTE。いささかストーリーや演出重視の感がする
  • CERO:Zなだけあって過激な暴力・グロ描写と下ネタ多し。苦手な人は注意。
  • 精神世界描写や幻想的な演出を多用したせいか、人によってはストーリーが分かり辛かったり萎えたりということもある。
  • ゲームというフィクションである以上仕方ないが、主人公の急速な変貌振りに、違和感を感じてしまうプレイヤーも。
  • サイドミッションのボリュームは多いが、お使い(時間内に荷物を届けろetc)と隠しアイテム探し、殺害ミッション(人間・動物)だらけ。
  • 隠しアイテムにはコレクション状況が進むと、報酬の他に少しづつストーリーの裏設定が明らかになっていく物もある。サイドミッション同様、こういった要素を好むプレイヤーには楽しいだろうが、興味の無い人にとっては作業でしかない。

問題点

  • 銃器の中でもスナイパーライフルでの戦闘が明らかに有利なので、拠点制圧時には一択になりがち。テイクダウンで倒さない限り死体を移動(させて敵の目に付かない場所に隠す事が)できない。
  • 敵兵のAIは鋭さと間抜けさが同居しており、やや不自然さが感じられる。またNPCのセリフヴァリエーションが少ない(「今夜の飯は何かな」、「小便すると痛いんだ」)。
  • 怪我を(ファストエイドスキルを用いて)素手で治してしまうほどタフな主人公の割には、低いところから落ちてもダメージを受ける。
  • メインストーリー以外は拠点と電波塔の開放が大半になり、途中からダレがちで作業感が発生しやすい。どちらも少しずつ難易度が上がるようになってはいるが。
  • 後半になると金や経験値、狩猟素材の大半が余る。単にクリア目的のプレイなら結構な数が不要になるだろう。後述するが、特に金銭の余りは他の分野にも関係してくる。
  • 使い勝手の悪い死にスキルがある。また獲得金銭が増えるスキルの習得が最後の段階であったりする。
  • 武器は性能の幅が少なく、進めていくと勝手に入手できたり無料で販売されたりするので、その入手にあまり金を使う必要がない。結果、上記のように金が余ることとなる。
  • COOPプレイではホストが抜けると解散。ホスト以外にステージを選べない。またホストになるかどうかはロビーの状況で自動で決まってしまう。
    • トロフィー・実績にはCOOP各ステージクリアが条件の物がある。上記の理由で任意のステージ選択が困難のため、コレクションには根気がいる。
    • 経験値獲得はステージクリア時に行われるので、逆に言えばいくらゲーム内で活躍しようがクリアしない限り入手不可。
  • ステルス系に強い武器やスキルもあるのだが、よほど他プレイヤーとの連携がとれる状況でないかぎり、いわゆる無双ゲーになってしまいがち。
  • フリーズなどのバグが多い。さすがに現在は改善されている。
  • スタッフロールがいくらなんでも長すぎる。
    • 多くのスタッフが関わってるのはわかるが、スタッフロールは1行で流れる速度も遅く、また、背景は1枚絵で動いたりしない。
    • スキップは可能。

総評

隅々まで造りこまれた舞台とボリュームの多さ、グラフィックの美しさや凝った南国の雰囲気作りに反して、余り要素や作業感、マルチプレイの不備が目立つなど問題点も多い。
現在はベスト版やPC版で安く手に入るので、興味があるならばプレイしてみてはいかがだろうか。

余談

  • 回復のモーションは、「傷だらけの腕に包帯を巻く」「腕に刺さった弾丸をこじって取る」「骨折して変な方向になった親指や手首をひねって戻す」というものである。最初は痛々しく見えるが、FPSで腕しか表示されない故に仕方無いとはいえ、「腕ばかり怪我するし骨折しすぎ」とツッコまずにはいられないだろう。