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セガラリーチャンピオンシップ - (2016/08/25 (木) 11:54:16) の編集履歴(バックアップ)
セガラリーチャンピオンシップ
【せがらりーちゃんぴおんしっぷ】
ジャンル
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レース
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対応機種
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アーケード(MODEL2A)
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発売・開発元
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セガ・エンタープライゼス
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稼動開始日
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1995年
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判定
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良作
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セガラリーシリーズ
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概要
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セガのAM5研及びAM3研が業務用として開発したラリーレースゲーム。プロデューサーは水口哲也氏で、基板には「MODEL2」が使用されている。
特徴
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本作の大きな特徴として、ラリーレースであるにも関わらず他の車と併走して順位を競うシステムになっていることが挙げられる。
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追い抜き型のレースゲーム自体は別段珍しくもなんともないのだが、ポイントはラリーレースであえてこのシステムを取り入れたということにある。
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実際のラリーは、一般的には車を1台ずつ走行させタイムを競うという形式となっており、レースゲームで言えば「タイムアタック」に近い。自車だけが寂しくコースを走りタイムを測るという仕様になりがちなラリーゲームにおいて、あえてその基本ルールを無視し他の車と併走する形式を採用したことにより、本作におけるゲーム性を確立させることに成功した。
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本作には「プラクティス」「チャンピオンシップ」の2つのモードがある。
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「プラクティス」は、コースを1つ選び自車とCOM車1台の2台で並んだ状態からスタートし、タイムを記録するモード。
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COM車はそこまで速くなく、事実上のタイムアタックモードである。
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「チャンピオンシップ」は、3つのコースを順番に1周ずつ走りその間にCOM車を追い抜いて高順位を目指し、またその合計タイムを記録するモード。
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プレイヤーは最後尾の15位(初期筐体は16位)からスタート。ゴール時の順位と残り時間が次のコースに引き継がれる。
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残り時間はチェックポイント通過やゴールで加算されていく。残り時間が0になるとその時点でゲームオーバー。
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車種は実在する2車種から選択する。ミッションはオートマティック・4速マニュアルミッションが選べる。
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ランチア・デルタ HF インテグラーレ 1992年型
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青と赤の"マルティニカラー"を纏ったハッチバック型ラリーカー。旋回力が高いが安定性に欠ける。
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トヨタ・セリカ GT-FOUR 1994年型
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赤と緑の"カストロールカラー"を纏ったクーペ型ラリーカー。安定性は高いが比較的曲がりにくい。
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コースは4種類存在する。
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DESERT(1コース目・プラクティス3周)
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全区間ダートで構成されているコースだが、急なカーブは皆無で、最終コーナー以外アクセル全開で走ることができる。ただし連続ジャンプスポットは車の姿勢を乱しやすいので侮れない。
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ゴール直前には上空にヘリコプターが後方から出現する。かなり速いタイムで周ると音だけ聞こえて姿が見えないため、速く走れたかどうかの一つの目安になっている。
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FOREST(2コース目・プラクティス2周)
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ターマックからスタートし、途中でダートに乗り、再びターマックに戻って1周するコース。
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コース序盤の微妙に波打っているカーブや、中盤から連続するコーナーをいかに直線的に抜けられるかがタイム短縮のカギ。
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MOUNTAIN(3コース目・プラクティス2周)
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全区間ターマック(道路脇にダート有り)で構成された市街地コース。高低差があり、V字型コーナーを含む大角度カーブが点在する難コース。
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このコースを2位以下でゴールするとここでゲームオーバーとなる。順位に関係なくゴールすればチャンピオンシップクリアとなる。
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LAKE SIDE(隠しコース・プラクティス2周)
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チャンピオンシップでMOUNTAINを1位でゴールすると走行することができる。プラクティスでは隠しコマンドを入力しなければ選択不可。
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最終コースにふさわしく、全区間ダートかつ道幅がかなり狭く、ブラインドコーナーが連続する最難関コースになっている。更に壁ペナルティーが他コースに比べてとてつもないこととなっており、壁ヒット一発でゴール困難となりかねない。
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このコースはタイムスコア記録には影響しない。チャンピオンシップでは、完走・未完走にかかわらず、エンディングがみられる。
評価点
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MODEL2基板が実現した美麗なポリゴングラフィック
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本作の前年に登場した『デイトナUSA』で高い基板性能を披露したMODEL2だが、本作でもその性能がいかんなく発揮されている。
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ジャンプスポットが複数配置され、2Dレースゲームでは表現できない高低差も体感することができる。
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ドリフト時にカウンターを当てた際の前輪の細かな動きもきっちりと表現されている。
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またフレームレートも60fpsと滑らかな動きを実現しており、スピード感溢れるドライビングが堪能できる。
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感覚に訴えるリアルな挙動
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ヒットした大きな要因として、車の挙動がドリフト中の「タイヤの側面で砂利を押し分ける」感覚も再現されているほど素晴らしい点が挙げられる。
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従来のラリーゲームはオンロードのレースゲームに「滑りやすい砂地」や「ジャンプ台」などを付加した程度に過ぎなかった。本ゲームの挙動は、他のラリーゲームとは一線を画すどころか、隔絶といえるほど画期的な変化である。
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それがラリー独特の様々な路面・微妙な傾斜などを、余すことなく感じ取れる楽しさを提供し、「ラリーゲームは売れない」ジンクスを打破したのである。
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過度な現実離れを防ぎつつ適度であるデフォルメ
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本作はラリーを題材としているため、ダートで大きくハンドルを切るだけでも簡単にドリフトすることができる。
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ただしドリフト中は減速するため、なるべくドリフトを使わないように走るとタイムが伸びる。さらにドリフトしすぎるとスピンするので多用は禁物。
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また壁に突き刺さると自動的に急旋回して進行方向に向き直る仕様になっており、復帰も容易。
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ただしコース上で壁にぶつからず反対方向にスピンすると逆走になり、上記の救済措置は無い。
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またラリーは単独で走るのみだが、本ゲームではレース型式としてあり、他車との競争という要素も加えてある。
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ウィンドウに泥水が付着して見づらくなったりもしないし、ぶつかったからといって壊れることもない。
リアルなシミュレーターにした場合にありがちな煩雑さ・単調さを省くことで、感覚に訴える挙動を邪魔する要素を除いてあるのも重要な点といえる。
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進行方向を指示するコ・ドライバー(同乗者)の存在による臨場感
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本シリーズ独特の要素。コースマップが表示されない代わりにコ・ドライバーが次のコーナーやジャンプスポットを教えてくれる。
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これにより実際に自分がラリードライバーとして運転しているかのような感覚にさせてくれる。
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コ・ドライバーの指示は英語だが、同時に画面上に矢印のマークが表示されるため、聞き取れなくても心配無用。
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マークの色は青色→黄色→赤色になるにつれ、コーナーの角度が厳しくなっていく。
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黄色コーナーマークでは「Easy right, maybe.(緩い右カーブ、たぶん)」と思わずツッコミたくなる指示を言うこともあるが、
これも現実のラリーでコ・ドライバーがドライバーに指示する際によく用いるワードで、この様な描写もれっきとしたラリー要素の再現である。
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また車が壁にぶつかるとコ・ドライバーが「ワオ!」と叫ぶ。
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BGMも評価が高い。
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全体的にアップテンポのBGMはそれぞれのコースにマッチしており、ドライバーの気分を高めてくれる。
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ちなみにAC版のBGMのほとんどは光吉猛修氏が作曲。
本作では歌いません。
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チャンピオンシップの隠しコース「LAKE SIDE」も制限時間内に走りきると、エンディングで自分の走りを鑑賞することができる。
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なお「LAKE SIDE」でタイムアップしてもエンディングは流れるが、誰も走っていないコースを延々と映すだけで自分の走りを見ることはできない。
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プラクティスモードでも同様。
問題点
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チャンピオンシップの制限時間設定が厳しめ。
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まず3レース目の「MOUNTAIN」で走りきれるかどうかが一つ目の関門になっている。難易度ノーマルで3分32秒で走り切らねばならない。迫り来るコーナーの数々に手こずっているとあっけなくタイムアップ。
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完璧に走っても20秒も残らない。「完走する」ことを目標としていたプレイヤーさえいた。
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またゴール時の残り時間が次のコースの制限時間に加算される仕組みのため、途中のタイムロスがゲームの最後まで影響する仕組みになっており、制限時間の厳しさに拍車をかけている。
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最大の難関こそが隠しコースの「LAKE SIDE」。コース自体の難しさも相まってゴールまで間に合わないプレイヤーが続出した。
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これが誰でも完走できてしまう設定にするとモチベーションが上がらないため、「これくらい厳しい方がいい」という声もある。また本作にはコースアウトが無いのでそれを見越しての設定なのかもしれない。
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「LONGEST」で1コース5周の設定になった場合は完走しやすくなっている。99秒で制限時間がカンストしている様子を見ることができる。
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ノーマルよりも初期制限時間が10秒延長されているイージーでも最終的に残るタイムはほとんど同じ。
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PS2版では低難易度としてイージーよりもさらに10秒制限時間が延長された「ベリーイージー」が追加され、この問題が僅かに緩和されている。
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どんなに強く壁に激突してもクラッシュしない。
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この仕様を生かした壁ターンも研究され、きれいにドリフトしてクリアするよりも速く抜けることができてしまうコーナーが複数存在する。
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特に有名なのが「FOREST」の直角右コーナー。真っ直ぐ壁に激突してそのまま右に方向転換することで、ブレーキ無しでも曲がれてしまう。現実でこんなことをするのは命に関わるほど危険。ただこのコーナーはエンディング時のリプレイポイントのひとつにもなっており、ドリフトで上手く切り抜けた方が格好良く映る。
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セガお得意の「VRボタン」が搭載されておらず、視点が2種類しかない。
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「コースだけ見える視点」と「後方視点」のみ。1種類しかないよりはマシではあるが・・・。
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DX筐体かTWIN筐体かによって(正確にはゲームの設定によって)後方視点で映るマシンの大きさが変わる。
総評
従来のレースゲームのように他車と併走するシステムを導入し、ラリーにゲームとしての面白さを取り入れた意欲作。それまでの「ラリーゲームは売れない」というジンクスを打ち破った。
一方でドリフト時の挙動やコ・ドライバーの存在などラリー独特の要素はきちんと取り込まれており、ラリーレースゲームならではの世界観を良く表現しているといえる。
本作の人気・知名度は高く、同時期のセガレースゲーム『デイトナUSA』と共に語られることが多い。その後も『セガラリー』シリーズはアーケード・コンシューマー向けに多くの続編を生み出すこととなる。