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BULLY - (2015/05/26 (火) 22:30:49) の編集履歴(バックアップ)
BULLY
【ぶりー】
ジャンル
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アクションアドベンチャー
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対応機種
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プレイステーション2 Xbox360 Windows XP/Vista
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発売元
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【PS2/360】ベセスダ・ソフトワークス 【Win】サイバーフロント
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開発元
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Rockstar Games
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発売日
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【PS2/360】2008年7月24日 【Win】2008年12月4日
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定価
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【PS2】5,040円 【360】7,140円(ここまで税5%込) 【Win】6,300円
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レーティング
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CERO:D(17才以上対象)
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配信
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【PS2】ゲームアーカイブス:2014年3月19日/1,024円 【Win】Steam:2010年12月24日/1,480円
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判定
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良作
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概要
ニューイングランドにある全寮制の学園ブルワースアカデミーを舞台にしたアクションアドベンチャー。
『グランド・セフト・オートシリーズ?』の学生版といった内容で、犯罪を「いたずら」とする事で『GTA』をプレイ出来ない年齢層にもプレイできるようにしたゲームである。
プレイヤーはいたずら好きの転校生ジェームス・ホプキンス(愛称・ジミー)となり、授業を受けたりガールフレンドと遊んだりオタクを助けたりといった日々を送りながら、スクールカーストの頂点に立つことを目指す。
タイトルである「BULLY」とは「いじめっ子」「ガキ大将」といった意味である。
360版とWin版は授業などが追加された完全版『スカラーシップ・エディション』となっている。
特徴
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基本は『GTA』そのままのオープンワールドゲーム。ミッションを受けたり、ミニゲームで遊んだり自由に探索していたずらしたり…と自由度の高い内容となっている。
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ただし、あくまで「いたずら」のため殺人などの重犯罪は行えない。女子更衣室に忍び込んだりする事は出来る。
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ミッションやミニゲームをクリアすることで報酬が手に入る。基本的にお金だが、女子生徒のミッションをクリアするとキスしてもらえたりする。
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舞台となるのは学園とその周辺の町で、遊園地なども存在する。移動は徒歩の他、スケボーや自転車、スクーターなどが使える。自転車は様々な種類が登場する。
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戦闘は本作独自の格闘システムといたずらアイテムを使って行う。
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格闘ではパンチやキックの他、相手を掴んで投げ飛ばしたりする事が出来る。授業や特定のミッションでコマンド入力による必殺技を修得することも出来る。
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いたずらアイテムは主に遠距離武器。自分で作成したり、各地で拾うことで使用出来る。
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ライフはヘルスメーター制。自販機で購入したり、敵を倒した際に出現するソーダを取ることで回復出来る。また、ガールフレンドとキスする事でも回復出来る。
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相手に謝って許しを請うことも出来る。単に謝っただけでは許してもらえないこともあるが、さらにお金を払うことで戦闘を回避出来る。
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後述の風紀委員や教師にも謝って許してもらうことが出来る。
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学園が舞台のため、一応生活スケジュールも存在する。
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特定の時間までに教室に入って授業を受けなければならない。授業はミニゲームとなっており、体育では必殺技、化学ではいたずらアイテムの作り方を学ぶことも出来る。
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もちろん、サボタージュする事も可能。しかし、サボろうとしたり、いたずらの現場を風紀委員や教師に見つかれば追いかけられることになる。彼らが本作における警察の役割を担う。
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いたずらをするごとにトラブルメーターが上昇していき、風紀委員や教師に追いかけられやすくなる。ゴミ箱やロッカーに隠れると、メーターが下がっていく。
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授業は最高難易度の5回目までクリアすると、以降は欠席してもサボり扱いにはならない。
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寮なので門限が設けられており、11時を過ぎると門限破りになってしまう。また、午前2時を過ぎるとジミーが気絶して強制的に寮に戻される。
評価点
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学園生活の雰囲気
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学園が舞台なこともあって青春時代らしい雰囲気のイベントが盛りだくさん。
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自由気ままにいたずらを楽しんだり、アルバイトで稼いだり、ミニゲームでドッヂボールや自転車レースを楽しんだり、アーケードゲームでハイスコアを目指したりと学生ならではの遊びが沢山用意されている。
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授業の内容も様々なミニゲームになっているため退屈しない。
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動物の解剖を行う「生物」、音ゲー的な「音楽」「化学」、言葉探しゲームの「英語」、『QIX』な「美術」などジャンルも多彩。
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本作の舞台となるブルワースアカデミーの生徒、教師には一人一人個別のグラフィックが割り当てられている。同じキャラは同時に存在しないため非常にリアル。
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もっとも、風紀委員などは同じキャラをよく見かけるため、この要素に気づきにくいが。
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特定の派閥に所属するメンバーは特徴的な服装をしており、生意気な転入生をシメようとジミーを襲ってくることもある。
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他の生徒達にもトラブルメーターが設定されており、いたずらをして風紀委員に〆られたり、校長室でお説教を食らっていたりする様子も拝める。この点は男女や学年の差別が無い。
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アクションが豊富で動かすのが楽しい
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格ゲーライクなコマンド技が用意されているため、『GTA』以上に戦闘が楽しい。
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基本的に遠距離攻撃は「いたずら」程度のため、敵と戦う際は必然的に格闘戦になり心行くまでバトルを楽しめる。
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殺人などがない代わりに相手に屈辱を与えるトドメアクションが用意されているなど、アクション面の作り込みは非常に良い。
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いたずらアイテムもダッシュしながら後方に投げることが出来たりする。アイテム自体もそこそこ豊富。
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銃が存在しない代わりに序盤で弾数無限のパチンコを入手出来る。定番の落書き用スプレーやビー玉で転ばせたり、クラッカーで驚かせたりなど悪ガキ気分を満喫できる。
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他にも、体が猛烈に痒くなる「カイカイパウダー」や思わず嘔吐するほどの異臭を放つ「スティンクボム」と言ったような少々えげつない武器や、花火を放つ「ボトルランチャー」にジャガイモを発射する「ポテトガン」などの過激な武器も。でもいたずら用なので安全です!
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NPCのアクションも面白いものが多い。謝るとジミーをかかえてぐりぐりと撫で回してきたり、悩みを解決した女生徒から熱いキスをもらったり…。
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ジミーは衣装を入手することで着替えることが可能になり、様々なコーディネートが楽しめる。
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ただし、服装によってはガールフレンドからキスしてもらえなくなったり、授業を受ける時は学生服でなければならないといった制限も存在する。
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服は基本的に購買で購入する事が出来るが、一部のアイテムは特定のミッションをクリアするなどで入手出来る。
問題点
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グラフィック、BGMが微妙
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HD機である360で発売されているものの、グラフィックレベルはそれほど高くない。正直PS2に毛が生えたレベル。
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もっとも、PS2版の方はそれなりに評価されている。
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本作では車に乗れないこともあり、カーラジオで好きな曲を流したり出来ないわりに流れるBGMも少ない。
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自転車やスクーターに乗ることもできるが、流れるBGMは固定。
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カスタムサウンドトラックを使える360版はまだしも、他の機種ではとにかく問題になりやすい点である。
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メインストーリーは短め
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ミッション数自体はPS2、PSPの頃とGTAと同じくらいだが、基本一本道の展開でアクション面でもGTAよりごり押しが利く為、より短く感じやすく難易度も低め。
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洋ゲーにしては易しい方なので、アクションが苦手な人でも楽しめるとも言える。
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せっかくの魅力的な雰囲気を十分活かせているとも言えない。
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学園内には派閥が多数存在するが、これらを一つずつ潰していく形になるのでそれぞれの特性が完全には活かしきれていない。好きな派閥に所属できるなどの要素があれば良かったのだが。
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自由度が今一つ
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行動できる時間はAM8:00~AM2:00までと制限があり、かつ時間経過も少々早めな点も不満点にのぼりやすい。
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過去に受けた授業を再度受けることが出来ない。
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授業は1教科につき5回存在するが、全部クリアした後は最後の5回目しか遊べなくなってしまう。
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どの授業を受けるかは決められているため、好きな科目を選んだりすることは出来ない。
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また、ローカライズが字幕部分だけのため「英語」の授業は英語が苦手な人には厳しい。
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風紀委員や教師などが強く、大人へのいたずらはトラブルメーターが上がりやすい点も批判されている。
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同級生の男性生徒以外、つまり女子生徒、下級生、大人と言った他のNPCに対してのいたずらを行うとトラブルメーターが赤くなり、より重いペナルティを課せられてしまい、いたずらの幅を狭めている。
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一部リアリティに欠ける要素
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マップの作り込みが甘く、部屋数が極端に少ない寮などは雰囲気を再現出来ているとは言いにくい。
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土日といった概念もなく、そういった部分ではリアリティに欠ける。
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移動の操作性が悪い
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基本的に左スティックを倒した方向に進む単純な操作なのだが、カメラ操作と組み合わせるとスティックを倒した方向と真逆に走り出したりすることがある。
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ロードが長め
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特にゲーム開始時のロードが長い。ゲーム中もちょくちょくロードが挟まる。
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たまにバグるため、頻繁なセーブは必須。ただし、ミッション中はセーブ出来ず、可能な場所も限られている。
総評
「悪ガキになって学園生活を謳歌する」事に重点を置き、その雰囲気の良さが高く評価された良作アクション。
不満点も多いものの、言い換えれば「もっと学園生活を楽しみたい」という意見の現れであり、続編が期待されている点からも人気の高さが窺える。
アメリカの学校が舞台なので日本とは少々違うところもあるが、オープンワールドで自由気ままな学園生活を送れる数少ないゲームとしても貴重である。