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ナコルル ~あのひとからのおくりもの~ - (2020/05/23 (土) 02:07:49) の編集履歴(バックアップ)


ナコルル ~あのひとからのおくりもの~

【なこるる あのひとからのおくりもの】

ジャンル アドベンチャー
対応機種 Windows 95~Me
ドリームキャスト
発売元 【Win】インターレッツ
【DC】クールキッズ
発売日 【Win】2001年7月6日
【DC】2002年3月28日
定価 【Win】限定版:8,800円/通常版:7,700円
【DC】6,800円(全て税別)
判定 クソゲー
シリーズファンから不評
ポイント バグ多すぎ
レラ初登場作
衝撃のホクテ
某キャラの凄まじい棒読み
サムライスピリッツシリーズリンク


概要

サムライスピリッツ』のヒロイン・ナコルルが主役のアドベンチャーゲーム。通称『ナコりもの』。
時系列は初代の後だが、設定に多くの矛盾を抱えているため基本的にパラレルワールド作品である。

Win版発売後にDCへ移植。
セーブデータバグの改善や、ギャラリー機能の一部追加がされている。現在まともにプレイしたいならこちらを推奨。

主要人物

  • ナコルル
    • シリーズの顔にして大自然の巫女。島原にて天草四郎時貞を討伐し、故郷カムイコタンに戻ってくる所から物語は始まる。
    • 過酷な戦いの旅の影響で、若干影のある性格になってしまっている。
  • ミカト
    • 巫女であるナコルルの従者で、本作の実質的な主人公(主にミカトの視点で話が進む)。
    • よくあるギャルゲーの主人公と思いきや、実際は7歳の女の子で所謂「ぼくっ娘」。
  • リムルル
    • 天真爛漫なナコルルの妹。時系列を考慮してか『斬紅郎無双剣』『天草降臨』より幼さが前面に出ている(これは『零』のキャラデザにも影響)。
    • 公式設定ではナコルルと血の繋がりは無いのだが、作中では「実の姉妹」と発言している。*1
  • マナリ
    • ナコルルの幼馴染の少女。村を代表する歌い手とされているが、あがり症で人前ではうまく歌えない。
  • ヤンタムゥ
    • ナコルルの幼馴染の少年。一見すると、現代で言うナンパ男の様な雰囲気だが…。
  • ホクテ
    • 村の少年。年齢はミカトよりひとつ上の8歳。年相応にやんちゃな性格。
  • レラ
    • ナコルルの負の面から生まれた「もう1人のナコルル」と言うべき存在。『零』以降にプレイヤーキャラとして登場する「レラ」の元となったキャラ。
    • 『零』ではナコルルと肉体を共有しているが本作では独立して実体化しており、現実で両者が対峙する場面もある。

問題点

  • (Windows版)とにかくバグが多い。
    • セーブデータがロードできないバグが特に致命的。 どこでセーブしてもセーブデータが壊れ、ロードできない
      修正パッチが配布されたが、それでもバグが残ったままという報告も多く見受けられた。間もなく公式サイトが無くなったのでパッチももう入手できない。
    • 結局、ノーセーブのままエンディングまでぶっ通しプレイを要求される。
    • 後に発売されたドリームキャスト版は流石に後発だけあって改善されている。
  • ミニゲームの難易度が高い。
    • ミニゲームの中には失敗すると即バッドエンド直行になるものまである始末。
      • 上記のセーブデータバグとの合わせ技で ミニゲームでミスすると最初からやり直し。 さらに フリーズも割と頻繁に起こる。 このような凶悪なアドベンチャーゲームが、他に存在しただろうか。
    • それ以外でもクリアするまでやり直しさせられるものが多く、プレイのテンポが悪くなる要因として不評。
  • メインである筈のナコルルの扱いが悪い。
    • 戦いそのものに対して否定的な考えを持っており、その葛藤で悩みっぱなし。他の人物(主にレラ)から苦言を貰う事になる。
    • ナコルルが 「生き物が可哀想なので肉や魚を食べたくない」 ベジタリアンのような事を言い出す 。アイヌ民族という、狩猟や漁獲が重要な民族の出自をアイデンティティとするキャラクターに、このような事を言わせる意図とは。
    • さらに最終戦でもかませ犬のようにやられてしまうため、最後まで不遇な扱いである*2
  • 全体のボリュームも控えめ。
    • シナリオは全8章だが、スムーズに進めると5、6時間ほどでラストまで行ってしまう。
    • 各キャラには好感度が設定されているが、これは途中のイベント発生のフラグのような物で、物語の結末は変わらない。
  • ミカトとホクテの演技が下手。
    • ホクテはゲームが開始されてからナコルルに次いでよく喋るキャラであるため、非常に棒読みが目立つ。
      • このことは一部で「衝撃のホクテ」と呼ばれている。
    • 基本的にミカトは喋らないのだが、最終戦の最後とエンディング直前にボイスが入る。これが非常に棒読み。
    • 更にミカトの歌も入っているのだが、これも下手といえるもので、とても聞くに堪えるレベルではない
      • ミカトは「あがり症のため上手く歌えず音痴と思われている」という設定なのだが、それを克服した上で大事な局面で歌ったはずの歌が問題であり、プレイヤーの間では「あがり症関係なく本当に音痴なのでは?」と疑問を持たれている。
    • あまりにも不評だったのか後述のOVA版では2人ともボイスが変更された。本作の棒読み演技は黒歴史扱いされているようだ。
    • 残り2人の本作オリジナルキャラ、マナリとヤンタムゥについては川澄綾子氏、子安武人氏と当時でも一流の声優を起用している。何故ミカトとホクテにはちゃんとした声優を起用できなかったのだろうか。

評価点

  • 背景グラフィックやBGMは良好。
  • ミニゲームは強制的にやらされる点に目をつむれば、バリエーション豊か。
    • その中の1つ「クイズ」は時代背景に関する雑学的な問題が豊富で、ちょっとした歴史勉強にも。
  • 小ネタ程度ではあるが、一部会話の中には歴代サムスピキャラの名前も出てくる。
    • 一部イベントではナコルル達が別の女性キャラの服を着たりする(つまるところコスプレ)。
    • ある人物と仲良くなる事で、物語から外れる形のアナザー的なエンディングが発生する。そちらは『斬紅郎無双剣』『天草降臨』へと続いていく事が示唆されている。

総評

やはり上記の問題点が響き、ゲームとしては散々な評価になってしまった。
それでもサムスピファンならニヤリとできる要素や、レラが本編へレギュラー入りした点もあって、現在ではファンアイテム程度の価値はある。

余談

  • OVA版も発売されている。
    • スタッフに18禁アクションアニメ『A KITE』やノイタミナ『ガリレイドンナ』などで有名な梅津泰臣氏が参加しているだけあって、作画が高レベルで纏まってはいる。
    • 主にナコルルとその周囲の人物を中心にスポットが当たっており、ゲーム版主人公のミカトはサブキャラ(ごく普通の村の子供)に留まっている*3
    • 発売元が倒産してしまったために、前編にあたる『郷里之畏友編』のみで打ち切りとなってしまっている。とは言えナコルルファンには価値在りだろうか。
  • CAPCOM VS. SNK 2』にて、プレイアブルのナコルルに付き添う形でマナリがゲスト出演している。
    • 対戦前の登場演出でナコルルを気遣った後に画面外へ去っていく。勝利演出では駆け寄ってきて途中で転んでしまう。
    • 本作自体がマイナー寄りという事もあり、「ナコルルと一緒にいる女の子は誰?」と首を傾げたプレイヤーも多かった事だろう。