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ネオジオバトルコロシアム - (2015/03/22 (日) 09:12:02) の編集履歴(バックアップ)


ネオジオバトルコロシアム

【ねおじおばとるころしあむ】

ジャンル 対戦型格闘ゲーム
対応機種 アーケード(ATOMISWAVE)
発売・開発元 SNKプレイモア
稼動開始日 2005年7月27日
プレイ人数 1~2人
ポイント ゲーセンでのプレイに全く向かない酷いCPU戦で即閑古鳥
対戦バランスは崩壊とまでは言えないが良くもない
大々的なプロモや、多数の新キャラにも関わらず一作で終了


概要

  • 歴代のSNK作品(と一部ADK作品)のキャラクターが参加するお祭り格闘ゲーム
  • KOFとは異なり、今までのネオジオ作品に登場したキャラクターたちによる、夢の2ON2タッグバトル実現というコンセプトの対戦格闘ゲーム。
  • タッグバトル制で、CPU戦はどちらか片方、対人戦は両方を倒せば勝利。
  • 本作では新たな主人公として「ユウキ」と「アイ」が参戦。各キャラには本作独自のストーリーがあり、一部のキャラの設定は原作と異なっている。
    • シークレットボスのアテナ*1のみネオジオ作品のキャラクターではないが、これは、2003年に稼働した「SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS」に出演した際のバックストーリーの後日談的扱いでの出演となっているため。*2

登場キャラクター

オリジナルキャラ ユウキ、アイ、グッドマン(最終ボス/家庭用版のみ使用可能)
THE KING OF FIGHTERS 草薙京、八神庵、K'、シェルミー
餓狼伝説/餓狼MOW テリー・ボガード、不知火舞、キム、ギース・ハワード、タン・フー・ルー、秦崇雷、秦崇秀、ロック・ハワード、双葉ほたる
龍虎の拳 二代目Mr.カラテ、ロバート・ガルシア、Mr.ビッグ、リー・パイロン
サムライスピリッツ 覇王丸、ナコルル、牙神幻十郎、色、アスラ
月華の剣士 楓、御名方守矢、一条あかり、鷲塚慶一郎
メタルスラッグ マルコ・ロッシ、マーズピープル(隠し/タイムリリース)
風雲黙示録 獅子王(隠し)、真・獅子王(最終ボス/CPU専用)
キング・オブ・ザ・モンスターズ2 サイバー・ウー*3
ADKキャラ ハンゾウ、フウマ、マッドマン、キサラ・ウェストフィールド、NEO-DIO(最終ボス/隠し)
その他 アテナ(隠し/タイムリリース)、ミズチ*4(最終ボス/隠し)

システム

  • 1レバー+5ボタンで操作(A:弱パンチ、B:弱キック、C:強パンチ、D:強キック、E:キャラクターチェンジ。『サムライスピリッツ』シリーズのキャラクターのみ通常技の仕様が「Aボタン:弱斬り、Bボタン:中斬り、Cボタン:強斬り、Dボタン:蹴り」となっている)。
  • 操作感覚やシステムは『SNK VS. CAPCOM SVC CHAOS』(以下『SVC CHAOS』と表記)を踏襲しており、「ガードキャンセルフロントステップ」や動作が遅めのジャンプなども継承されている。新要素として、高速接近手段がフロントダッシュに加えて『KOF』のランが使用でき、パワーゲージを消費して全身無敵で前方移動するタクティカルステップが採用されるなどの改良も加えられている。パワーゲージは『SVC CHAOS』と同じく3ゲージまでストックできるが、使用する超必殺技によって使用するストック量が違い、パワーMAX状態も存在しない。
  • タクティカルステップ
    • AB同時押しでパワーゲージを半分消費しての移動手段。移動中は打撃無敵で隙が無く、動作中はあらゆる攻撃を出す事ができる(ただし他行動への移行と同時に打撃無敵が切れる)。投げ技には無防備だが、中間距離から相手の牽制技をかいくぐり、密着から連続技や投げ技で反撃する事が可能。
  • ACタクティカルステップ
    • 通常技をヒットさせた直後にAB同時押しでパワーゲージを1本消費する事で隙をキャンセルし、一瞬全身が青く光った後前方へタクティカルステップする。青く光っている間は無防備で一定時間後から打撃無敵。動作中はあらゆる攻撃を出せるので、ここからさらに大ダメージ連続技を作り出せる。
  • ヴァイタルソース
    • 減った体力の一部が変色してライフゲージに残り、自動回復する。
  • オートチャージ
    • 8秒間、パートナーと交代せずに戦うことで発動。パワーゲージが少しづつ自動的に溜まっていくようになる。
  • ダブルアサルト
    • ヴァイタルソースを削る。オートチャージ時のみ、パワーゲージの有無に関係なく使用可能な突進技(ゲージ上に、Auto Charge又はD-ASSALUTと表示される)。コマンドは共通で236+E。
    • ヒットすると相手をロックして2人掛りで攻撃し、ヴァイタルソースを多く奪う。さらに特典として待機キャラに交代した際、一定時間は攻撃力・ケズリ・ガードクラッシュ値が上昇した状態で戦えるハイパーチャージが発動できるようになる。待機し続けると2秒に1秒の割合で交代後の持続時間が増加(ダブルアサルト直後なら8秒、最大20秒まで上昇)する。ただしガードされると隙だらけとなる。戦略的な需要が高く、浮かせ技などから積極的に連続技に組み込める。一部ボスキャラクターの出現条件にもなっている。
    • 一部キャラの組み合わせの場合、特定の条件を満たし特殊なコマンドを入力すると、「アナザーダブルアサルト」が使える。通常と違う演出が見れる上、ノーマルのダブルアサルトより攻撃力が高いものが多い*5
      • ただし、条件を満たしてから10カウント以内に入力しなければならない上、条件を解除してしまう技などもあるので、実戦で狙うのはなかなか難しい。基本的に、因縁の深いキャラの組み合わせで出せるようになっている。
  • ガードキャンセルフロントステップ
    • ガード硬直をキャンセルし、フロントステップする。パワーゲージを消費するがここから反撃に転じることが可能。通常の入力だと0.5ゲージを消費するのだが、ガード直後に素早く入力すると0.25ゲージしか消費しない「ジャストガードキャンセル」版になる。
    • 『SVC CHAOS』では無敵時間がついていたがゲームを単調にしていた為か削除されている。お手軽な割り込みとしての使い道はほぼ無くなり、一部技の確定反撃に使用される。

問題点

CPU戦の仕様がインカムだけを重視したような対戦格闘ゲームに全く向かない作りであったため、アーケードでは一気に過疎ってしまった。

  • 体力回復なしの『サバイバル形式』の上、『タイムカウントダウン制』で、しかも『相方の体力がどちらか0になったら試合が終了する』という仕様。
    • しかも難易度が高く、キャラの動かし方を学ぶこともままならない。
  • 制限時間を迎えると強制的にラスボス戦に移行し、倒した相手数や内容でラスボスが変化する。
    • ラスボスは過去SNK作品から2体(内1体はクローンだが)+過去ADK作品から1体+本作オリジナルかつ真ボスの「グッドマン」以上計4体。「グッドマン」以外のボスキャラは「真・獅子王」「ミズチ」「NEO DIO」の3名。
      • このボスキャラ達はSNK格闘ゲームのお約束どおりの超反応&超性能。
      • キャラクター別のエンディングは最も出現条件が厳しい「グッドマン」を倒さなければ見ることは出来ない。しかも倒した方のキャラだけで相方のエンディングは流れない。
      • 制限時間がかなり短めで、時間つぶしや対戦待ち、コンボ研究すらままならない。こういった事情のためアーケードでプレイする人は自然と少なくなり、このゲームはPS2の家庭用が出てからようやく研究が深まってきた。
  • 操作性には多少の癖がある*6
  • ラウンド制でなく1本勝負制なので、立ち回りや試合展開のアヤを覚えるには対戦数をこなさないと見出しにくい作りでもある。
    • 結果的に、せっかくのオールスターなのにKOF参戦キャラばかり使われる事になってしまった。性能的に比較的使いやすく、シリーズで取った杵柄により深い研究をしなくても動かしやすいためである。
  • ゲームバランスはある意味相変わらず。キム、ほたるが圧倒的二強(ほたる一強説も根強い)で、Mrビッグ、DIO、マルコなど数名が強キャラ。他のキャラで勝つにはかなりの修練が必要であり、同レベルであればなおの事厳しい。
    • タッグ制ではあるが、組み合わせによる変化は一部のキャラ同士で組むと使用可能になる協力技(アナザーダブルアサルト)のみで、相性などは特にない。そのため単純に強キャラ同士で組むのが最適解で、戦略は存在しない。
  • 本作ではただ技を当てるだけではヴァイタルソース(回復可能ダメージ)が非常に多く残り、待機中の回復速度もかなり速い。
    • このためパートナーがやられてしまうと、余程相手が交代戦略をミスしない限り、その後の総体力に大きく差が生まれてしまう。また、ヴァイタルソースを大きく奪うダブルアサルトも使用できない。交代自体も比較的安全にできてしまうため、一人側は圧倒的不利。
    • 一応1人状態=オートチャージ状態継続にはなり、ゲージをフル活用したコンボやACTSなどのシステムを駆使することで戦況を1対1のイーブンに持っていけなくも無く、(賛否はあるかもしれないが)時間切れなども戦術として組み込める作りではあるが…やはり2対1状態ではよほどの熟練プレイヤーであってもそこまで持っていくのは厳しい。
  • 効果音が『SVC CHAOS』よりは派手さが増したが、相変わらずの格闘らしからぬ妙な効果音*7で、爽快感や迫力に乏しい。
    • ロケテスト期間に何度も差し替えられたが、方向性自体は意固地になって変えなかったため、結局FIX版でも残念なセンスのままで稼動した。
  • グラフィックは既存作品のキャラは塗りなおし+使いまわしだが新規キャラも多い。
    • 主人公のユウキが一番ドットが粗いという致命的?な問題点がある。逆にアスラは『KOF2003』のデュオロンの如くぬるぬると動く。
    • 勝利デモ時のキャラクターイラスト*8が異様に古臭く不評。キャラによってはメインイラストとは別人レベルのものも。
  • 使用基板(ATMISWAVE)の仕様の問題として試合開始前にかなり長いシークタイムが発生する(約10秒ほど)。これは同基板の後続作品(『KOF XI』『剣サム』)でも同じ問題を抱えている。

評価点

  • 続編の多い本メーカーのゲームの中でひときわ光る新鮮さ。今までのクロスオーバー系のゲームに出てないキャラクターが多く出場しておりキャラ選出に関しては評価が高い。
    • ラスボス勢も「真・獅子王」「グッドマン」以外全員使えるが、ボス仕様でなく対戦用に調整されてある。「グッドマン」はPS2のみ使用可。
      • 「獅子王」が「真・獅子王」のプレイヤーキャラ版となっている。なので獅子王はプレイヤー専用。
  • 若干操作に癖があり慣れが必要なものの、長すぎるコンボなどの初心者お断り要素は少なく、懐かしさと共に格闘ゲームのシンプルな楽しさと奥深さを味わう事が出来る。
  • BGMは基板の性能が上がったため音質は高い。ただし往年の名曲などは一切収録されず、雰囲気は独自路線である。

総評

まずアーケードにおいては CPU戦が不評要素の殆どを締める 。 インカム重視のこの仕様にめげずこのゲームを遊んでいたのは、大会に出場できるレベルまでやり込む、いわゆるガチ勢くらいなもので、当時ゲーセンに通っていた人でも1,2回プレイして終わり…のユーザーが大半だった。
また対戦バランスはKOFシリーズほど悪くはないがキャラ間の格差は激しく、システム面でも調整不足な面があり良作・名作の域には遠い。 しかしネオジオオールスターという新たな境地を開き、事実上の前作の存在はあったとはいえ独自システムもそれなりに昇華されており、新シリーズの出発としては十分な完成度を持っていた。
KOFシリーズとはまた異なる方向性を打ち出すことに成功していたのだが、アーケード版の不評を払拭するようなフォローが一切行われず、一作限りの作品となってしまった。

家庭用移植

共通部分は省略しています。

対応機種 プレイステーション2
発売日 2005年12月22日
定価 7,140円
レーティング CERO:12歳以上対象
廉価版 SNKベストコレクション
2007年1月25日/2,940円
配信 Xbox LIVE ARCADE
2010年6月9日/800マイクロソフトポイント
ゲームアーカイブス
2015年2月18日/1,000円
  • PS2版ではサバイバル形式・タイムカウントダウン制ではないタッグ形式をきちんと活かしたCPU戦が追加され、ギャラリーもあるなど基本的に良移植。ただしロード時間が長いのが欠点。またセーブデータ破壊バグの報告も。ボスキャラの一人グッドマンは使用可能になったが、真・獅子王だけはアーケード版同様に使えない。
    • やはり「獅子王」が「真・獅子王」のプレイヤーキャラ版扱い。
  • XbLA版では基本PS2版仕様だがステージ追加とロード時間が激的に改善され、ズームインアウトを廃止し16:9ワイド対応*9でドットがハイレゾになり、キャラクターのイラストも新たに書き下ろされている他ネットワーク対戦にも対応している。
    • あまり評価されていないが、XbLA版のネット対戦はSNKプレイモア製のゲームの中でも格段にラグがないのでオフラインと遜色ない対戦を楽しめる。一部のプレイヤーはこれ以降のネット対戦の出来に期待していたが、『KOF XIII』では相変わらずの「ギリギリ遊べるが、ゲームを楽しむ意味では致命的」なラグであった。