*ブラックハート 【ぶらっくはーと】 |ジャンル|シューティング|&image(http://www.higenekodo.jp/untiku/nmk/bh.jpg,height=160)|&image(http://www.higenekodo.jp/untiku/nmk/blackheart.gif,height=160)| |対応機種|アーケード|~|~| |販売元|UPL|~|~| |開発元|NMK|~|~| |稼働開始日|1991年|~|~| |判定|なし|~|~| **概要 -UPLらしいもの暗さと、NMKらしいコミカルでかわいらしいキャラクターと、二社らしい異様な難易度を有する横STG。 --ストーリーは黒魔法軍の独裁者タラニスを打倒すべく、元黒魔法軍の戦士ジルがドラゴンに乗って戦うというもの。 --STG界隈には同名の有名キャラクターがいるため、元々知名度の低いゲームだが情報が入り混じって余計ややこしくなっている。 --BGMは秀谷和則(HIDE-KAZ)氏が担当。ポップだが暴力的な電子音が特徴。 **システム -1レバー2ボタン式。 --ショットボタンでショットを発射。連射する事で発射されるが、子機のショットもショットボタンと連動して発射される。 --ブレスボタンでブレス。ブレスは高威力だが射程の短い攻撃。画面下のブレスゲージの分だけ発射できる。ショットと同時使用可能。 --アイテムを入手すると妖精が子機として登場。妖精は自機上下後ろの最大3人まで連れていく事が出来、ショットに応じてボウガンで攻撃してくれる。なお、4人目を取得すると弾消し効果の有る全体攻撃(効果一瞬のボム)になる。 --道中で多数出現するハートを一定数集めると残機が増える。 **評価点 -王道とシュールが入り混じったキャラクターデザイン。 --色使いや頭身はポップでかわいらしいのだが、ボスデザインがシュール。第一ステージの背景に浮かぶ巨大な秋刀魚の頭や、蛇の口から象が頭を出したような最初のボスのデザインは他のゲームではまず見られない。他にも魚に乗った妖精らしきもの、上半身が親父の人魚など、どこか[[某バカゲーSTG>超兄貴]](筋肉要素はないが)のセンスすら感じる。 --一方でいわゆる王道ハイファンタジー的なデザインのキャラクターも多数登場する。 --これらキャラクターは、大き目のグラフィックでよく描かれている。弾すら星の連なりで描くなど、全体的に描写は凝っている。 -ステージ間に挟まれるデモは映像は、ストーリー仕立て。文章はないが、雰囲気を盛り上げる。 **問題点 -独特の難易度の高さ。 --あまり変わったところの無いシンプルなシューティングだが、本作の当たり判定はドラゴンに乗ったジルであり、ドラゴンには当たり判定が無い。 ---ジルはドラゴンに乗って見ているだけ。別に攻撃するわけではない。 ---このため弾がジルの前ではなく、やや下からでる事になる。このズレのためミスが起こりやすい。STGプレイヤー泣かせの作り。さらに狭い通路を抜ける時など、ジルを中央に置くとドラゴンが障害に埋もれてしまい弾が撃てなくなる。結果壁寄りにジルを置かざるをえず、これもミスを招く。 --全キャラを比較的大きめに描写しているため、当たり判定も大きくなっている。丁寧に描かれた弾も同じく判定が大きい。大き目のキャラで溢れる画面の中、回避し続けるのはなかなか難しい。 ---それに伴い妖精のフォーメーションも広く、広範囲に攻撃できるのだが集中攻撃ができない。火力を挙げる方法は接近してからのショットとブレス併用しかない。 --突如画面上部から降ってくる、真後ろから来る、などがあり、初見殺しが多数存在する。 --硬い敵が多い。しかも1面から。さらに後半面には、&b{それまでハートを取りまくって大量に増えた残機を湯水のように消費するゴリ押しでしか進めない}箇所が。 **総評 ポップでダークでシュールなグラフィック、暴力的な電子音、多彩な初見殺しを有する本作だが、ゲームシステムは地味である。タイトルの「ブラックハート」も後に同名のキャラが『[[バトルガレッガ]]』の名物ボスやらマーヴルコミックスのキャラやら色々居るためか、本作の知名度の低さに拍車がかかっている。STG冬の時代・格闘ゲームブーム到来・UPL倒産・NMK撤退倒産と言う数々の出来事も重なり、数あるアーケードゲームの中に完全に埋没した一作といえるだろう。