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LOONEY TUNES ロードランナーVSワイリーコヨーテ - (2021/11/22 (月) 12:06:18) のソース

*LOONEY TUNES ロードランナーVSワイリーコヨーテ
【るーにーてゅーんず ろーどらんなーばーさすわいりーこよーて】
|ジャンル|アクション|&image(LvsW1.rom.jpg,,height=200)|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|8MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|サンソフト(サン電子)|~|
|開発元|ICOM Simulations|~|
|発売日|1992年12月22日|~|
|定価|8,600円(税別)|~|
|判定|なし|~|
|ポイント|[[ハイスピードアクションゲーム>ソニック・ザ・ヘッジホッグ]]…にはなれなかった&br()コヨーテ強すぎ|~|
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#contents(fromhere)
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**概要
//概要が長すぎるので余分な記述をCO、原作の解説は格納しました。
-世界中で高い人気を誇るアメリカンカートゥーンの金字塔、『ルーニーテューンズ』のキャラクターの「ロードランナー」という鳥を主人公にしたアクションゲーム。元々は北米で発売された『Road Runner's Death Valley Rally』(SNES)を日本版としてローカライズしたもの。
--タイトルが似ているが、[[これ>ロードランナー]]とか[[アレ>モンスターファーム2]]の関連性はない。
//---そもそも歴史はこちらの方が古い。
//---ついでに付け加えると、向こうは『Lode Runner』であり、この「Lode」は「坑道」という意味。本作のタイトルは「ミチバシリ」という鳥の英名「Road Runner」である。ここ、テストに出るぞ。
//--あと悪役の名前が''ワイリー''だが、[[このシリーズ>ロックマンシリーズ]]との関連性もない。
//---そもそも歴史は(ry
//---天才的な頭脳を持ちながら、ロードランナー捕獲に命すらをもかけているコヨーテの姿は妙な人間くささがあり、ロードランナーの人気を喰っている
//---余談だが多くの作品でコヨーテを演じた梅津秀行氏は[[このシリーズの最新作>ロックマン11 運命の歯車!!]]にて''ワイリーの声優となった''。

#region(原作を知らない人のために解説)
-『ルーニーテューンズ』はアメリカ生まれのコメディアニメ。その第一作は''1935年''というあらゆるアニメの先祖の一つと言える存在である。
--「ロードランナー」はアメリカの荒野に生息する鳥。毎回意味もなく走り回っているところをコヨーテのワイリーに執拗に狙われるが、自慢の脚力((なお本物のミチバシリは本物のコヨーテより脚が遅いのだとか。))とコヨーテ自身の間抜けなミス、それに時折使用する常識を無視した力により必ず逃げ切る…と言うかコヨーテが返り討ちに合う様子を描いた作品である。
--日本での知名度は同じ『ルーニーテューンズ』の中では「バッグスバニー」「トゥイーティー((こちらはこちらでカナリヤのトゥイーティーと猫の追いかけっこ。ただし舞台は街中であり、トゥイーティーの飼い主が猫を殴る事もある。))」などにはやや劣ってしまうが、それでも高い人気を誇る作品である。特にタレントの明石家さんま氏はコヨーテを「尊敬する人物」と挙げるくらいの大ファンである。
--日本では1960年代~1990年ごろにかけて様々なタイトルで放映されているので、『バッグス・バニー・ショー』『マンガ大作戦』『バッグスバニーとゆかいな仲間たち』などの名前で知っている方も多いのではないだろうか。~
現在お手軽に見るならばDVD版やキャッチの「カートゥーンネットワーク」辺りの視聴をオススメする。
#endregion

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**特徴
-ストーリーは''無し''。まぁ原作からしてそんな感じなので。
--襲いかかるワイリーコヨーテから逃げ回りつつ、ステージのゴールを目指すのが目標。
-特徴としては、ロードランナーらしくゲージを消費することで高速ダッシュが可能なこと。
--ダッシュ中は垂直な壁も登れるなど、かなり破天荒なプレイが可能。
---減ったゲージは各所にある餌場で回復可能。ただし、一度食べた餌は復活しない。
-ステージは縦横自在に動ける。また各所には高得点源、兼チェックポイントのフラッグがあり、触れるとミスしてもそこから復活できる。
-全4ステージ。各ステージは3つのエリア+コヨーテとの直接対決となるエリア4という構成になっている。

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**評価点
-アニメーションが細かく、デモなどの再現度が高い。
--各エリアクリア時には原作よろしくコヨーテが酷い目にあうデモが入る。プレイヤーの溜飲を下げられる数少ない機会である。
--あの一度聞いたら忘れないロードランナーの鳴き声「ミッミッ(Beek!Beek!)」もいつでも言わせられる。
-ステージはかなり作りこまれている。
--隠し通路やとんでもない位置にあるフラッグなど、探索心をくすぐる構造になっている。
--コヨーテがステージごとに全く異なる装備を用いてくるなど、ステージの個性は強い。プレイヤーを飽きさせないようになっている。
-コンプリートさえ狙わないなら難易度はグッと下がる。
--それでも十分難しいが…。

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**問題点
-難易度が非常に高い。
--ロードランナーのジャンプは妙な癖があり、思ったところに行けないことがしばしば。壁に当たるとなぜか''弾かれる''という仕様も手伝って操作だけでも大変。
--売りの高速ダッシュは、障害物を貫通できない。このため下手に使うとサボテンなどにあたりダメージを食らいかねない。
---さらに前述したようにゲージ回復ポイントは有限。従って無計画な使用は厳禁であり、この先何があるのかの把握をした上で慎重に使う必要がある。
---クリアに必要ではないとはいえ、一部のフラッグはダッシュなしではたどり着くのが難しい。コンプリートを狙うならばさらなる計画性が必要。
-コヨーテが鬼のように強い。
--原作では基本的に本人の間抜けなミスと、ロードランナーの能力によりあっさりやられる立場だが、本作では「ロードランナーのあらゆる攻撃を無効化する」「一部のステージでは地形を無視して襲い掛かってくる」「登場に法則性がなく、空中など絶対回避できないタイミングでも来る」などの仕様によりとんでもない強さになっている。
---そもそも「地形を無視する能力」は原作ではロードランナーの能力((吊り橋を落とされても無視して谷を走り抜ける(後から追いかけるコヨーテは落ちる)、壁に描かれたトンネルを通過する(え、通れるの?と思って真似しようとしたコヨーテは壁に激突する)等。))であり、それがロードランナーから奪われてコヨーテに与えられてしまっては、高難易度になるのも当然である。
-こんな難易度にもかかわらず、''セーブ、コンティニュー一切無し''の時代に逆行した漢らしすぎる仕様。
--パスワードコンティニューすらない。ゲームオーバーになったら番組の終わりと同じような演出と共にゲーム終了。
---同じくセーブ機能がないことが問題視された『[[スーパーマリオブラザーズ3]]』は4年前の1988年の発売。つまりそれぐらい時代遅れな仕様である。
-画面下に制限時間が表示されているが、特に意味がない。
--ゼロになってもゲームオーバーにならず、ボーナスにしか影響しないため。
---そのボーナスも大したことがなく、結局スコアを狙うなら制限時間を無視してフラッグを探したほうが効率がいいという結論になる。

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**総評
『ソニック・ザ・ヘッジホッグ』に遅れて登場したハイスピードアクションゲーム。しかしストレス要因が多いため、『ソニック』のような爽快感溢れるプレイは難しく、要求されるのは繊細な操作と隠し通路を虱潰しに探す根気だったりする。~
ステージの作りこみからしても杜撰な計画でこうなったのではなく、きちんとした意図を伴って狙って作られた高難易度ではあるのだろうが、それでもセーブ、コンティニュー不可などの疑問な仕様もある。~
またコヨーテが異常に強いのはある意味原作破壊。少なくともコヨーテの猛攻がもう少し緩ければ、クリアは格段に楽になったであろうことを考えると、これも惜しい要素である。~
絶対にクリア不可能という類の難易度ではなく、デモなどの完成度は高いのでファンならばプレイする価値はあるかもしれない。
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**余談
-海外版のレビューでも日本と同様の問題点を指摘されており、「ゲームシステム自体、アニメーションや原作再現の良いところが欠如しているせい台無しにされていることは否めない。」という評価が出ている。その一方でアメリカのゲーム雑誌である「Nintendo Power」では1992年のSNESトップ10ゲームの第10位にランクインされた。コメントでは「キャラクターのアニメーションやサンプリングされたサウンド、そしてワイリーコヨーテの愉快な敗北シーンは、古典的なアニメの雰囲気を再現している」とある。
-その後、海外では続編となる『Wile E. Coyote's Revenge』(SNES)をSoftware Creationsが手掛け、サンソフトの米国支社から発売される予定だったが、開発中にサンソフトの米国支社が倒産したためお蔵入りになってしまった。なお、後年になって開発中のROMデータが流出しており、プレイ動画もいくつか公開されている。内容としては前作と似たシステムではあるが、本作とは逆でこちらは「プレイヤーがワイリーコヨーテになってロードランナーを追う」というものになっている。
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