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ファーストサムライ - (2017/01/03 (火) 18:36:31) のソース

*ファーストサムライ
【ふぁーすとさむらい】
|ジャンル|アクション|CENTER:&image2(firstsamurai.jpg,height=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068H0I)[[高解像度で見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2157&file=firstsamurai.jpg]] [[裏を見る>http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2157&file=firstsamurai2.jpg]]|
|対応機種|スーパーファミコン|~|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|ケムコ(コトブキシステム)|~|
|開発元|VIVIDIMAGE|~|
|発売日|1993年7月2日|~|
|判定|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|''ジャン''&br()英国人による誤った日本観(?)的設定&br()カオスとしか言えない設定&br()出来は至って普通のACT|~|
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#contents(fromhere)
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**プロローグ
>古代の悪霊「魔狂神」が復活した。
>かつて悪霊を封じ込めたサムライの一族である主人公とその師匠が、修行中に魔狂神の襲撃を受ける。~
師匠は敗れ去り、最後の力を振り絞って天より妖術使いを呼び寄せた。妖術使いの前に、魔狂神は未来へと逃走する。~
魔狂神は無数の悪霊を蘇らせ、戦国時代から遠未来にかけて、全ての時代を支配しようと目論む。~
主人公は妖術使いを呼び寄せる呼び鈴と破霊の剣を授かり、悪霊を倒すため時空を超える旅に出る。~
(Wikipediaより抜粋)

**概要
海外のローカライズに&s(){色々な意味で}定評のあるケムコが日本に放った横スクロールアクション。~
刀を持ったサムライが、師の仇討ちと魔物退治のために様々な時空を進んで戦う内容である。~
ゲームとしての出来は至って普通である。しかし設定や演出方面が''常人には思いつかないカオスな代物になってしまった''。~

1991年に''Amiga''で発売された後、''Atari、 ST、コモドール64、MS-DOS''といった様々なプラットフォームに移植されており、SFC(SNES版)は最後発に当たる。

**ゲームシステム
-4ボタン操作。AかBがアイテム操作とジャンプ、XかYがキックとパンチ。AとB、XとYが入れ替わった4パターンからキー操作は選べる。
--パンチは飛んでようがしゃがんでようが正拳しか打たない。床に壊したいオブジェクトがあるときはキックで。
--刀を持っているときはXでもYでも攻撃は変わらない。
--体力ゲージと剣ゲージがあり、体力ゲージをなくすと、剣ゲージ分だけ体力が回復する。しかし剣はなくなり、その後素手で攻撃する事に。ザコを倒して、ある程度剣ゲージを回復させると、剣が戻って来る。
--アイテムは、特定の場所で使うことで妖術師が先へ進む道を開いてくれるベル、遠距離攻撃が出来る小刀・手斧・手榴弾、オプションとして自動攻撃する鉄球、青くした壷にワープできる宝塔の3種類。詳細は後述。

-フィールドには赤く光るイカリのようなものが5つ隠されており、全て集めて特定の地点に行くと出てくるボスを倒すと面クリアとなる。
--炎だらけ((炎を出す敵も多いがここでは床で燃えてるやつを指す。非常にダメージが大きい。))だったり障害物が邪魔したりして進めない時はベルを鳴らして妖術師を呼ぶといろいろな方法で道を開けてくれる。~
雨を降らせて炎を消すのはともかく、謎のレーザー照射で炎を消すのはどうなんだというかなんというか…。
--フィールドには茶色い壷が置いてあり、壷に重なってしばらくしゃがんでいると刀ゲージ少量と引き換えに壷を青く出来る。先述の宝塔でワープできるようになる他、倒れると再開は一番近い青くした壷からになるので重要。

**バカゲー要素
***カオスな設定集
-オープニング中では若者と称されている主人公だが、パケ絵のそれはどう見ても&bold(){老け顔の50代。}~
しかもなぜか本来小袖の上から着る肩衣を地肌に直接羽織り髷とポニーテールが合わさったような不思議な髪型をしている。
--ゲーム中のドット絵はそこそこ若者に見える。

-オープニングデモは浮世絵調。
--師匠の顔はどう見ても歌舞伎役者にしか見えない。

-''主人公の体力ゲージが何故か「腕」。'' 不気味すぎる。

-主人公は常時上半身裸。

-時代を超えていくための手段がタイムマシン……ではなくなぜか''電車とエレベーター''。

-1999年の東京に行くが、機械と背景に城みたいな物が連なる%%前衛的な%%舞台になっている。~
無論、そんな東京にはならなかった。
--この東京には「私は、カンヒ」という謎の看板がたくさんある。ネオサイタマな…?

-ボスが変態。「人面イワーク・コンピューター・''足が生えた巨大な顔''((ちなみにこいつがラスボス。しかも目玉が飛ぶ。))」と言ってみたらキリがない。
--一応、戦士のゾンビとかまともなものもいるが、説明書に記載されている名前が''「ビゾン」。''その他にも、''手裏剣を投げてくる敵「リケンシュ」''、''地面を這うリング状の敵「グンリ」''、''パンクな髪型をした敵キャラ「クパン」''、''トンボみたいな敵「ケラムシ」''、''風神みたいな敵「ジンフー」''など、これらもカオスである。……せめてその適当なネーミングをなんとかしてくれ。

***カオスなSE集
-敵を倒す際にいちいち流れる''「☆ジャン☆」''(オーケストラヒット音) 
--ステージクリアの際にも出る。起動時にも出る。出る頻度が半端ないので思わず笑ってしまう。
--また、一部の敵や障害物を攻撃すると「ガンッ」という、まるで鉄パイプか何かで殴ったような鈍い音が出る。刀・・・だよね?

-愛用の刀を、失う際に''「Oh No! My sword!」''入手するたびに''「My sword!」''……刀フェチかお前は。
--体力を失うと、最初は残機の代わりに刀が無くなる。敵を倒して刀ゲージを貯め、6,7割程貯まると刀が復活する。
---刀ゲージがない状態で体力が0になるとミスになる。しかしそのたびに「なんなんだこのSE」と突っ込まざるを得ない。~
ちなみにゲーム中のボイスは''この2種類のみ。''

-回復アイテム詰め合わせのフルーツバスケットや、得点アイテムの詰め合わせの宝箱を破壊した際に''「ハ~レルヤ♪ ハ~レルヤ♪」'' %%大事なことなので(ry%%
--ちなみにハレルヤは「主を褒め称えよ」という意味のキリスト教によく用いられるヘブライ語~で、この作品で用いられているフレーズはヘンデルの有名な宗教曲「メサイア」のハレルヤコーラスからの引用である。いずれにせよ時代劇を舞台にした&s(){はずの}本作に、そしてその状況で使う意味がさっぱり分からないのだが。
---ちなみに、アイテム取得後に移動せずにその場に留まるとハレルヤの合唱が続き、更にどんどんとキーが上がって音程がおかしくなっていく。

-1ステージ目のBGMが何故か''演歌''。
--しかもゲームと同時に''その歌のCDが発売されていたりする''。歌い手はかつて『イルカに乗った少年』で有名になった城みちる。
--歌い手の歌唱力もあって無駄に上手い。が、歌詞の内容がいまいちゲームと合っていない。

**評価点
-横視点型ACTとしては難易度は低めで操作も簡単と、割りと親しみやすい。''……世界観以外は''。

-難易度は低め。雑魚敵は無限湧きでひっきりなしに出てくる上に無敵時間が少ないためダメージを食らいやすいが、前述のようにちょっとでも刀ゲージがあれば死なないのでゴリ押しが一番楽。
--剣をなくしても、ザコキャラをいくらか倒せば剣が戻るシステム。素手でもザコキャラを倒すのは難しくないので、元の状態に戻るのはそう苦ではない。逆に、剣装備状態での体力がわずかな時、わざと喰らって体力を回復させる方法に使える。
--ミスで失うオプションとして鉄球があるが、プレイを大きく楽にするほど強くもないので、復帰後大苦戦という事はない。
--回復アイテムも豊富。
--ただしヌルゲー気味とも言える。
---しかしボスはなかなか強い。刀を失うと攻撃力・攻撃範囲が減少する上に取り戻す手段が無いボスが多く、非常にやりづらい。

-操作性も洋ゲーにありがちな変な癖もなくそこそこよい。

-BGMもそれなりに熱くカッコいい。
--上述の1面BGM「1973 Battle Field」は本作のメインテーマといえる曲であり、奇怪な絵面とのギャップがいろいろアレだが、曲自体はカッコよく熱い。エンディング曲は打って変わって、穏やかで静かな曲調となっている。

**問題点
-少々ゲーム性が単調。
--アイテムを含め、ギミックなどが少なく、中盤を過ぎる辺りからマンネリ感が出て来る。

-操作性は自体はよい方だが、刀を持った上攻撃以外の攻撃の範囲が微妙に狭い。
--特にジャンプ攻撃は下方向しかカバーしないので、高いところを攻撃したいときに不便。

-ボスの弱点が分かりづらい。
--一定状況でないと攻撃できないボスが多く、初見ではどこを攻撃すればダメージ与えられるか分りづらい。

-スコアが無意味。
--タイムアップがないので、無限に湧き出て来るザコを倒せばいくらでも点が稼げる。

**総評
ここまで読んで頂ければお分かり頂けたと思うが、世界観、演出などカオス全開と言えるのまごうことなきバカゲーである。~
それでいて細部まで作りこまれたその作風を損ねることなくローカライズする手腕はさすがケムコといったところ。~
とにかくバカゲーとして素質十分な代物なので、機会とその気があるのならば一度はお目にかかって欲しい。決して記憶から忘れることは無いでしょう。

**余談
-ゲームセンターCXの第74回で登場。有野もそのシュールな世界観に度々ツッコミを入れていた。
--Oh No!をモンドーと聞き間違えており、途中でAD中山に指摘された。
--挙句の果てにラスボスを一目見て「(元APの)東島やん」と発言。確かに似てなくも無いがそれ以上に失礼である。また、ゲーム終了後には「(プロデューサーの)菅さんやん」とコメント。

-一方、ヨーロッパでは好評だったのか1994年に続編の「The Second Samurai」がMDとAmigaの2機種で発売された。