「マリオパーティ8」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

マリオパーティ8 - (2020/09/05 (土) 15:36:29) のソース

''判定変更時には[[判定変更議論手続所]]を経由してください。''
//↑2020/05/20 (水) 15:53:37で記事の大幅削除、判定変更があったため。注意書き。
----
#contents()
----
*マリオパーティ8
【まりおぱーてぃえいと】
|ジャンル|パーティゲーム|&amazon(B000IUCWIU)|
|対応機種|Wii|~|
|発売元|任天堂|~|
|開発元|ハドソン&br;シーエイプロダクション&br;ウィル|~|
|発売日|2007年7月26日|~|
|価格|5,800円(税5%込)|~|
|プレイ人数|1~4人|~|
|レーティング|CERO:A(全年齢対象)|~|
|判定|BGCOLOR(khaki):''シリーズファンから不評''|~|
|ポイント|Wiiリモコンを活かしたミニゲーム&br;操作性やテンポが悪い|~|
|>|>|CENTER:''[[マリオシリーズ・関連作品リンク>マリオシリーズ]]''|
----

**概要
-据え置き機のマリオパーティシリーズ8作目。~
Wiiでは初のマリオパーティで、新要素も盛り込まれているが、基本的なゲーム内容・システムは過去作とほぼ同様。

**特徴・変更点
-今作は、基本的な操作からミニゲームも含めて、Wiiリモコンを積極的に使うようなゲームデザインとなっている。
--それに合わせて従来より「パーティゲーム」としての要素がより強化されている。

-「ラッキーマス」が追加。
--止まると「ラッキールート」に進むことができ、大量のコインやスターを入手できる等のラッキーなイベントが起こる。

-「ドンキーマス」「クッパマス」の仕様。
--前作までの「ドンキーミニゲーム」「クッパミニゲーム」は廃止された。
--各マップ専用のイベントが発生するマスに変更された。
--マップによっては、発生するイベントが強力なものもあり、勝負の行方に影響することもある。

-前作までの「カプセル」は廃止され、「キャンディ」という新しい種類のアイテムが登場。
--使うとサイコロブロックを複数叩いて移動できたり、いろいろな姿に変身して移動中にすれちがったライバルに攻撃をすることなどができる。ルーレットで選んだライバルやすれちがったライバルのコインを半減させる、スターを奪うといった強力なものも。

-『[[6>マリオパーティ6]]』から登場した「マイクミニゲーム」は廃止された。

-[[前作>マリオパーティ7]]までと同様に、マップによってスターの入手法が異なる。
--それぞれのマップに応じて戦略を練る必要がある。

-ゲームを遊ぶと貰える「カーニバルカード」と交換で、まだボードゲームでプレイしたことのない(「ミニゲームブース」の「フリープレイ」モードで解禁されていない)ミニゲームを入手可能となる。

----
**問題点
***インターフェイスに関して
-今作では前述の通り、Wiiリモコンの機能を積極的に使用したインターフェイスとなっている。しかしながら今作のそれは完全にゴリ押しの域であり、過去作で完成されていたインターフェースを改悪している部分が目立つ。
--メニューの選択やマップ上の操作など、リモコンで画面をポイントして選択肢を決定する場面がとても多い。このほか、マップの分岐点で進む方向を選択するときやミニゲームのルール説明画面など、ポインターをつかう必要性があまり無い場面でも、この操作を強要される。

-この操作性の中で最も問題視されたのが、''ボタンだけの操作ができない''という点である。
--サイコロを叩く行動ひとつをとっても、ただAボタンを押すだけで叩けた従来のそれと違い、今作ではリモコンを振らないと叩けない。しかも振っても反応してくれないことがあるため、大幅に快適性が損なわれている。
--中でも「リモコンで画面をポイントする」という行動を多用していることが特に問題で、これはただボタンを押すだけの行動に比べて遥かに神経を使う行動であるため、数回程度ならともかくこれをゲーム内で頻繁にやらされるというのは相当なストレス要因である。
---上記のような「進行方向の選択」や「ミニゲームの説明画面」でも、過去作では十字キーで簡単に操作出来るように作られていた。WiiリモコンにもAボタンや十字キーが搭載されているのに、あえてこのような操作を強要される点も不満を増大させていると言える。

-初期の作品のため仕方がない面もあるが、レスポンスも悪い。
--サイコロを叩く行動で思うようにサイコロを叩けずイライラが募る他、Wiiリモコンの操作を用いるミニゲームで理不尽な負け方をする要因にもなってしまっている。


-移動スピードは早くなってるもののボードマップ上での演出が増えたうえにスキップができないため、ボードゲームの進行のテンポが過去作にくらべて悪化している。
--一人用の「スターバトルブース」では短時間で決着がつくルールでボードマップをクリアしていくのだが、こちらも上記の点により、ストレスを感じやすい。


***ミニゲームに関して
-Wiiリモコンを「振る」「ポイントする」必要のあるミニゲームが多く用意されているが、ミニゲームによっては振ってもうまく反応しないことがある。似たような操作のミニゲームも一部あり、やや水増し感がある。

-クッパミニゲームおよびドンキーミニゲームが無くなった。

-「4にんようミニゲーム」「2vs2ミニゲーム」「バトルミニゲーム」の一部のミニゲームが「デュエルミニゲーム」で流用されている。
--それぞれ1vs1で対戦する仕様に変更されている。

***その他
-キャラクターの動きが妙に固い。特に目立つのがゲーム終了時の動きで、例えるなら「素人の下手な演技に近い動き」になっている。
--某所では「棒人形」と揶揄された。また、前作まではキャラクター選択時にボイスや動きなどが用意されていたが、今回では廃止された。
--ただしキャラアイコンに表情が付いたのは嬉しいところ。反面マリオとハンマーブロスの2人には表情に笑みが無く、浮いてしまっているのが悔やまれる。
--『[[マリオパーティ7]]』からモーションの大部分が流用されているキャサリンとカロンの2人は非常になめらか。それはそれで悲しいものがあるが…

-Miiは、ボイスはなく、また「エクストラモード」以外では使用できない。
--ただし、Miiに関しては使用に関するルールが任天堂内で厳格に決められているようで、扱い方が難しい面があると思われる。

-ゲームキューブ以降の『マリオパーティ』シリーズは、フレームレートが常に「60fps」の滑らかな動きを実現していたが、本作では、ボードマップや一部のモードで動きが30fpsになってしまっている場面がある。

-恒例のラスト5ターンルールに、「マイナスマスに5コイン、それ以外のマスに1コイン配置」という固定イベントが追加された。当然ながら行動する順番が早いプレイヤーほどコインを取りやすくなるため、最初に行動できるプレイヤーは他の3人より圧倒的に有利。

----
**賛否両論点
***ボードゲームのバランスに関して
-初期はミニゲームの実力重視で勝敗が左右されるシリーズだったが、シリーズ中期の頃から、あまり実力のない人でも1位が取れるように様々な逆転要素が用意されるようになった。
--パーティゲームとしては間違った方向性ではないが、裏を返せば駆け引きする戦略性が乏しいということでもある。

-過去作に登場した、指定したライバルからコインやスターを横取りしてくれる役割のキャラクターは今作では登場しない。ただし、それとは異なる形式で、ライバルからコインやスターを横取りできるイベントやアイテムは存在している。

-「カプセル」廃止と、追加された「キャンディ」の仕様。
--「カプセル」はマスに仕掛けることが可能。進行方向の赤マスを消してコインを得るチャンスを増やす・相手を足止めするなどの戦略性向上に一役買っていた。
--「キャンディ」はマスに仕掛けることが不可能。「キャンディ」も使いどころの見極めは必要だが、戦略性はやや薄くなっている。
---

-ボードマップでは、自分以外のプレイヤーのターンのときに、Wiiリモコンを「振る」ことによって「オジャマボイス」が流れるという機能がある。
--いわゆるブーイングにつかえるおまけ機能で、過去作から存在する要素であるが、本作では操作の関係上簡単に反応してしまうのでうるさい。

----
**評価点
-「ハンマーブロス」や「ゲッソー」と風変わりなキャラクターが追加され、使用できるプレイヤーキャラは過去最多となった。

-ハード性能が向上したことにより、キャラのグラフィックなどが全体的に綺麗になった。
--『マリオパーティ』シリーズでは珍しく、描画がリアル。
--黎明期のタイトルながら、Wiiトップレベルのグラフィックといえる。任天堂のゲームでは定評がある水の質感はもちろん、建物の質感もよりリアリティのあるものとなっている。

-演出面も向上。スター入手時などエフェクトや演出がより派手になった。
--コイン等のアイテムを入手した時のエフェクトが追加され、何がどれだけ手に入ったか、直感的に分かるようになっている。

----
**総評
-ハードをWiiに移した今作は、そのWiiの特徴を生かすためにWiiリモコンを積極的に活用するゲームデザインになっており、従来よりも「パーティゲームであること」に重点を置かれたつくりになった。
--しかし、Wiiリモコンの仕様を強制するインターフェースは、多くのユーザーから不評を買ってしまう結果となった。
--パーティゲームとして場を盛り上げるはずの新要素が理由でテンポが悪化したことも見逃せない。パーティゲームにおいて「長くて気軽に遊べない」「大したことない部分でストレスが溜まる」というのは致命的なことである。

-だが、Wiiの性能を活かしたインターフェイス自体には確かな新しさがあり、ミニゲームにはこれまでのシリーズにはない臨場感が産まれた。シリーズ作品としては最低水準と言っていいかもしれないが、光る部分がないわけではない。
--ゲームのルール自体は完成されているため、せめて操作性さえ良ければ…もしくはテンポさえ良ければ…などと言われる、アイデアは良いのに調整不足が理由で評価を大きく下げた、何とも残念な点の目立つ作品になってしまった。

----
**その後の展開・余談
-本作発売と同年の2007年11月に『[[マリオパーティDS]]』が発売され、それを最後にハドソンは『マリオパーティ』シリーズの開発から手を引いた。
-その後長らく新作が発表されず本シリーズは一時停滞するが、開発元をシリーズ開発スタッフの移籍先であるエヌディーキューブに移し、2012年4月に発売されたWii作品『[[マリオパーティ9]]』を皮切りに再び展開されることとなった。
--『8』から、というかこれまでの作品全部と比較して大幅なルール変更がされている。しかし今作で特に問題視された操作性やゲームのテンポなどに徹底的ともいえる改善が施されており概ね好評。
--ただし本作にプレイヤーとして参戦していたキャラのうち、テレサ、キノピコ、カロン、ゲッソー、ハンマーブロスと、突如5名もプレイヤーから離脱したことについては批判されることも多い。特にキノピコは敵サイドのキャラクターではない上に他の4人とは違い『9』にて一切出番が無いため、一時は「存在自体が無かったことにされたのでは?」という在らぬ疑い((2009年~2013年もの間、一度もゲーム内に登場しなかった点も拍車をかけている))をかけられてしまったこともある。
---『[[10>マリオパーティ10]]』ではプレイヤーとして無事復帰している。

-その完成度とは裏腹に、本作の売上本数はGC時代から大幅に向上しており、現在のところ据え置き機種ではシリーズ最多の売上となっている。

-開発中のデモ版では、タイトル画面が「背景が白一色でキャラクターが集合している」という『[[1>マリオパーティ]]』に酷似した構成となっていた。([[参照>https://tcrf.net/Mario_Party_8#Demo_Menu]])
--なお、本作の「3Dのマリオを中心に据え、その周囲に他のキャラクターのアイコンが漂っている」という構成は『9』でも概ね引き継がれている。

-『[[マリオパーティ100 ミニゲームコレクション]]』にミニゲームが3種類しか収録されなかった。リモコン操作と3DSの折り合いの悪さからと思われる。

//-「ナンバリングの8作目で日本国内では過去最高の売上を記録したが、評価の低さで従来のファンが離れていった」という点では『[[ファイナルファンタジーVIII]]』と似ている。