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エストポリス - (2017/07/12 (水) 18:39:38) のソース

*エストポリス
【えすとぽりす】
|ジャンル|アクションRPG|&amazon(B002ZG75M8) |
|対応機種|ニンテンドーDS|~|
|メディア|64MbitDSカード|~|
|発売元|スクウェア・エニックス|~|
|開発元|ネバーランドカンパニー|~|
|発売日|2010年2月25日|~|
|定価|5,980円(税込)|~|
|プレイ人数|1人|~|
|レーティング|CERO:B(12歳以上対象)|~|
|判定|BGCOLOR(lightsteelblue):''賛否両論''|~|
|ポイント|''RPGからARPGにジャンル変更''&br;小ネタ大幅削除、ストーリーも一部変更&br()キャラデザだけでなく性格までも大幅に変更&br()''もはやリメイクではなく全くの別作品''&br()ファンによっては''クソゲーもしくは黒歴史''&br;ただしゲーム単体として見た場合の出来は概ね良好|~|
|>|>|CENTER:''[[エストポリス伝記シリーズリンク>エストポリス伝記シリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
-SFCで発売されたRPG『[[エストポリス伝記II]]』の15年ぶりのリメイク作品。しかしながら、''コマンド式RPGであった原作からシステムを大幅に変更し、アクションRPGとして生まれ変わった''。
--''タイトルは『エストポリス』のみだが、上述の通りこの作品は『2』のリメイクである''。『2』はエストシリーズ全体における作中の時系列では一番最初に当たる作品であり、システム面なども『2』のほうが評価が高く名作として挙げられやすいことが影響しているのだろう。

-プロデューサーは『[[ヴァルキリープロファイル2>ヴァルキリープロファイル2 -シルメリア-]]』など、トライエース関連のゲームの評価を低迷させた元凶である小島創氏。

-原作の発売元であるタイトーがスクウェア・エニックスの傘下となったことで発売はスクウェア・エニックスからとなったが、開発は原作と同様にネバーランドカンパニーが担当している。当時の関係者も参加ということで、システムやデザインの変更という不安要素はあったもののファンを期待させる内容だったが…。

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**特徴
-全てシームレスのリアルタイムアクションバトルとなっている。
--各キャラクターにはそれぞれ異なった「ウェイブアーツ」等の特殊技、「タレントスキル」といった特殊能力や、攻撃方法・攻撃範囲や属性等の違いがあり、状況によってキャラを切り替えながら進んで行くことになる。
---操作するキャラは、下画面に表示されるキャラクターの顔グラフィックをタッチすることによって任意のタイミングで変更可能。
--通常攻撃を連続で繰り出すと「コンボ」に発展する。見た目が派手になる他、威力や攻撃範囲も強化されていく。また、攻撃中に操作キャラを切り替える事も可能で、上手く攻撃を繋げればコンボを色々と発展させる事も可能。
--各キャラ毎に効果・名称が固有の特殊技は、「IP」というポイントを消費する事で使用可能。それぞれXボタンで「ウェイブアーツ」、R+Xボタンで「チャージウェーブアーツ」、R+Yボタンで「チャージアタック」を使用可能。
--「タレントスキル」という各キャラ毎に効果・名称が固有の特殊能力は自動的に効果を発揮する。「麻痺が無効になる」「致死ダメージを受けてもHPが1残る」等がある。ストーリーを進める事によって追加されていく。

-''全滅してゲームオーバーになった際に、レベルを+5して再開可能な「レベルブレイク」という新システム''が導入された。
--ペナルティとしては、''「レベルブレイクを使った」という印がセーブデータに付く''程度。


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**問題点
-概要にある通り、今作は『エストポリス伝記II』のリメイク作品なのだが、今作の題名は「エストポリス」のみで''「II」の文字が一切無い''ため、情報を全く仕入れていない人の場合、あたかも初代のリメイクだと勘違いしやすくなってしまっている。

-原作も元々お使いRPGという批判はあったが、その部分を埋めていた小ネタがほとんど削除された。
--そのために全体的なボリュームがやや物足りず、イベントの度に同じ町を何度も回ることになる。

-リメイク前の名シーンを無理に入れているため、全体的にちぐはぐな印象。
--設定周りの変更によって、デュアルブレードの存在意義や神と人との関係が自立から共存になっている為、アレクディアスの目的が不明に。
--主人公の幼馴染であり、最初に仲間になるキャラクターである「ティア」に関連したデザインやキャラクターの変更により、途中のイベントやエンディングのシーンに違和感を覚える場面も。「泣けない女」という設定が活かされていない。
--周回でエンディングが変化するが、二周目のエンディングは物議を醸した。

-いにしえの洞窟の仕様
--いにしえの洞窟は1周目だと30Fまでしか到達できず、完全にクリア(100F踏破)するには2周目までプレイする事が必須。
--SFC版にあった「天への祈り」のような帰還アイテムは存在せず、途中でやめたい場合は、下の階に降りた際にランダムで出現する「焦燥の間」の転送装置のみでしか帰還する方法が無い。
--また、今作には中断セーブといった機能もないため、完全クリアを目指す場合、DS本体の電源を切らずに最後までぶっ続けでプレイするか、スリープモードを駆使して中断しながらプレイする事になってしまう。

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**賛否両論点
-ジャンルが原作のコマンド式RPGから、アクションRPGへと変更された事。新規に遊ぶ場合には特に問題ないが、原作ファンの場合には「突然の変更に違和感が大きい」という声や、「ここまで変えるならもはやリメイクではなく別ゲーだろう」といった声、「別に従来のコマンド式のままで良かったのに…」といった声が多い。
--原作がシステム面などで評価が高い事もあり、「こんなにシステムを変えてしまったら、せっかくの原作の高評価だったシステムが台無し」という声も。

-キャラクターグラフィックの大幅な変化。
--特にマキシム(主人公)やティア、ハイデッカ、ガイ等は、原作のデザインから大きく変更されている。
--さらにこれらのキャラは原作から''見た目だけでなく性格までも''変わっており、''「もはや名前が同じだけの全くの別人」''という意見が多い。
---グラフィックの担当は直良有祐氏。直良氏は過去にも『[[ロマンシング サガ -ミンストレルソング-]]』(通称:ミンサガ)でキャラクターグラフィックを大幅に変更((原作である『ロマンシング サガ』のファンであればある程受け入れがたいレベル))しており、批判意見が非常に多い。

-グラフィックが原作のドット絵から、3Dに変わった事も人によって評価が分かれる。

-新システム「レベルブレイク」も人によって評価が分かれやすい。

-ARPGとしての難易度が若干ヌルい。ただし、人によっては、ゲーム自体の難易度ではなく、カメラアングルの悪さの問題のせいで難易度が高く感じる場合がある。
--もちろん、いにしえの洞窟や隠しボスのやり込み要素に関してはそこそこ難易度が高めなため、別段ヌル過ぎるという事はない。

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**評価点
-ARPGとしては実は結構良好。若干バランスがぬるい部分もあるが、全体としては爽快感が持てる作りになっている。
--謎解きも少しひねれば分かる程度なので、ARPGとしての爽快感を失わないぐらいだし、快適である。

-ボイスが追加された。
--幸か不幸か、ほとんどのキャラが見た目・性格共に原作から大きく変更されたため、声に関して「見た目のイメージと違う」という意見は特に聞かれない。

-BGMに関しては原作に思い入れの強いファンからも好評。

-原作にもあった「いにしえの洞窟」や、周回で引継ぎ可能なアイテム、隠しボスの追加等のやりこみ要素がある。

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**総評
ARPG単体としては若干ヌルい部分がある等の問題点もあるものの、ゲーム全体で見た場合には概ね良好な出来で到底クソゲーとは言い難く、新規層の場合には普通に遊べる内容になっているが、ジャンルの変更やキャラデザインの一新等、''もはやリメイクというよりも全くの別作品であるといえるほどに大幅に変化しており''、原作に強い思い入れのあるファンには受け入れられないような出来となってしまった。~
ゲーム自体の出来はそこまで悪くないため、リメイクとしてでなく続編作品として出す、もしくは全く別の作品として出せば、売り上げはともかくとして評価がまた違ったものになっていただろうと思われるのが悔やまれる作品。