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トランスフォーマー コンボイの謎 - (2018/03/26 (月) 21:07:23) のソース

*トランスフォーマー コンボイの謎 
【とらんすふぉーまー こんぼいのなぞ】
|ジャンル|アクション|&image(konbo1.jpg,width=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000068GYP)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|512KbitROMカートリッジ|~|
|発売元|タカラ|~|
|開発元|開発:トーセ&br;制作:イスコ|~|
|発売日|1986年12月3日|~|
|価格|4,900円(税抜)|~|
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--ダイナザウラーは割とよく再現されているが頭部武装のカバーが閉じている、目の色合いと形が悪くて目だと気づきにくい、色が白っぽい等が原因で『ゾイド』のゴジュラスのように見える。

-低音質だが日本版の主題歌をタイトル画面で使っている。ステージのイントロでは海外版アニメの主題歌の一部が流れる(国内放送時でもBGMとしてアレンジが流れた)など、原作の曲を取り入れている。

-自機の動きに慣性があり、多少滑るのがちょっと気になるくらいで、操作性は実は優秀な方。「足場が少ないステージでは飛行カプセルが出現する(ことがある)」という救済措置があるなど、意外と工夫されているところも多い。
--本作が難しいのは敵の攻撃の激しさによるところが大きく、''ステージ9のループを除けば''そこまで絶望的な難易度というわけではない。何度も死にながら出現パターンを覚える「避けゲー」と見れば、件の「飛行機」や「茶色いエビ」なども案外すんなり避けられるようになる。

-「トランスフォーマー」の象徴でもある「ロボットモード⇔ビークルモードの変形」をゲームにきちんと組み込んでおり、これが進行上不可欠のシーンも存在する。こういう設定が再現できているキャラゲーは意外と少ないのではないだろうか。

-コンティニューは無制限。
--''「ゲームオーバー画面でA+Bボタンを押しっぱなしにしながらスタートボタンを押す」''という裏技のような扱いになっているが、これはこの時代のソフトなら一般的であり((かの名作スーパーマリオブラザーズですら、「Aボタンを押しながらスタートボタン」がコンティニュー方法となっており、裏技のような扱いになっている。))、特に問題点と言う訳ではない。

-この時期に発売された他のクソゲーにありがちな「詰み」になる要素が無い。
--ステージ道中でミスをした場合そのステージの最初に戻されるので、ロディマスコンボイに変身するアイテムを取り忘れた場合、ボスに行く前にわざとミスすることによりやり直すことができる。また、ボス戦でミスした場合はボス戦からのやり直しになるので(コンティニューした場合も自機数やスコア表示をせずいきなりボス戦が始まる)、その点では親切な設計となっている。
--ただし、6面の隠し面であるサイバトロンゾーン・8面の隠し面であるデストロンゾーンへは1回しか行けないため、取り損ねたらそれっきりである。

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**総評
全国の子どもたちを絶望のどん底へと突き落した伝説級のクソゲーのひとつ。「トランスフォーマー」は知らないがこのゲーム(がクソゲーであるということ)は知っている、という人は多いことだろう。~
バグ抜きではあるが理不尽すぎる難易度、あまりにもお粗末なボス、異常に短くひたすらループするBGMなど、ストロングスタイルのクソゲーとしては隙のない出来と言っていい。~
ただしアクションゲームとしての体裁は最低限保たれており、キャラゲーらしく創意工夫されている点もいくつか見受けられる。「難易度さえ調整できていれば…」と惜しむ声も。~

発売から長い年月が経った現在では、原作の人気や''クソすぎて見ている分にはむしろ笑える''ことなどから、妙に愛されているクソゲーでもある。~
だが、実際にプレイするとなれば相当なストレスとの闘いになることは言うまでもない。~
''「もういい! もうたくさんだ! このクソゲーを破壊する!」''とコンボイ司令官になってしまうこと請け合いである。
//内容的に記載位置が中途半端だったのでこっちに移動。

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**そもそも「コンボイの謎」とは何か
本作を語るうえで欠かせないのが、''「サブタイトルの『コンボイの謎』とは何だったのか」''ということである。今でも「何が謎なのかが謎だ」とネタにされてしまうほどだが、一応謎は明かされているのである。~

本作の元になったのはアニメ『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー』とその続編『2010』で、この2作の間には『トランスフォーマー・ザ・ムービー』という映画がある。前作の主人公的存在であるコンボイをはじめとするキャラクターが軒並み戦死し、世代交代が行われるなどストーリー的に重要な位置を占める作品なのだが、この映画が公開されたのは海外のみ((日本でもTV放送に合わせる形で公開する予定があり、吹き替えも完了していたが、後述のように放映は見送られた。ちなみにこの映画、アメリカ側から作画を担当した日本側に当時の為替レートで約40億円という破格の予算が与えられたが日本側は使い切れず、半分ほどを返却したという逸話がある。))で、日本では何の説明も無く『2010』の放送が開始された。というのも、北米では日本の無印シリーズにあたるシーズン1・2と、『2010』にあたるシーズン3以降には約8ヶ月((シーズン2終了が1986年1月9日、シーズン3開始が9月15日だった。ちなみに『ザ・ムービー』公開は8月8日のため、無印シリーズの放映真っ只中だった日本ではとても公開できない。))の長期に渡るスパンがあったものの、日本では無印シリーズの''わずか1週間後に『2010』が開始されてしまい''、『ザ・ムービー』で補完をするタイミングが無くなったのだ。~

そこで、''映画に代わって事情を説明するために作られた''のが本作であった。本作の主人公がウルトラマグナスなのは彼がコンボイの死の真相を探るためであり、エンディングで条件を満たすとロディマスになるのはコンボイからロディマスへの世代交代を現すものであった。つまり、「コンボイの謎」とは「誰がコンボイを殺したのか」という''コンボイの(死の)謎''、あるいは「新しい司令官は誰なのか」という''コンボイの(後継者の)謎''だったのである。~

また、『2010』放映に先がけて「コンボイが死んだ! キャンペーン」なるものが実施された。本作もその一環であり、「隠し面に行けばコンボイを殺した人物が明かされる」「ニューヒーローは誰か」「それらの人物が誰かを書いて送ると抽選で3000名、日本未発売の玩具『ルナボート』(原語では『ラナバウト』)が貰える」というキャンペーンが行われていた。この広告では「ニューヒーロー」を問う絵としてロディマスのシルエットが掲載され、犯人を問う絵には新発売のダイナザウラーがコンボイを倒している仮の光景が描かれていた。~

しかし、肝心の隠し面の演出が''「メガトロンの一枚絵が現れるだけ」''という説明をしていないに等しいものだったため、コンボイの死の真相は仇敵メガトロンが犯人という実に普通な事実を伝えるだけというほとんど無意味な結果に終わってしまった。また『2010』放映より先に新司令官を知ることができるというもう1つの謎も(どれだけロディマスをプレイできる所まで到達したプレイヤーがいたか以前の問題として)、後述のように発売日が1ヶ月遅れて無意味になった。~

そして、ゲーム中では事情を一切説明されないため(ゲームの詳細が説明書にしか載っていないのは当時のゲームでは普通のことである)、パッケージや説明書あるいはチラシや広報ビデオを見れる環境にない人、「理不尽な難易度のクソゲー」としか知らない人など、キャンペーンのことを知らない彼らには、''何が「謎」なのかさっぱり分からなかった''。クソゲーとして有名になってしまった今では「ゲームの目的そのものが謎だ」というネタが独り歩きしてしまい、「自機の名前はコンボイ」(正しくは前述のとおりウルトラマグナス)と誤解するなどトランスフォーマーを知らないレビューも多く見られる。

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**余談
''クソゲー関連''
-「ゲームセンターCX」でもDVD-BOX vol.1の特典映像として有野が挑戦した。
--有野は「まあファミコン世代のソフトなんでね」等と甘く見ていたが、背景に溶け込んだ敵弾が見えず、開幕と同時に即死するというお約束を披露。本作でゲームオーバー最短記録を樹立したうえ、それから一時間余りも開幕に囚われるという稀に見る苦戦を強いられた。最終的に序盤をADが攻略するハメになるという異例の事態となった。
--新型のモニタを使ってもなお敵弾の見づらさは尋常でなかったらしく、何度も「あら?死んだ?」と不可解そうに呟いており、本作の厳しさを改めて印象づける形となった。

-WiiのVCで500ポイント(500円相当)で配信されている…のはいいのだが、配信に際してメーカーのブログでは[[こんなコメント>http://web.archive.org/web/20090227100626/http://www.takaratomy.co.jp/products/gamesoft/blog/i0300/post_46.html]]が出されていた。(2012年3月末にタカラトミーのゲーム関連のページが縮小されゲーム情報局ブログも終了したためリンクはWebArchive)
--''「レッツトラウマ」「CERO:A(全年齢対象)←ホントに!?」''といった文字が並ぶあたり、''業界内(どころか内部)でもクソゲーとしての知名度が高い模様''。

''トランスフォーマー関連''
-アニメ『戦え! 超ロボット生命体トランスフォーマー』のDVD第5巻と10巻には本作の業者向けPVが1本ずつ収録されている。
--PVでも、隠しステージで犯人が判ることや、条件を満たせば2周目でロディマスコンボイが使えるのは「TVに先駆けてコンボイに替わる新司令官を知る事ができる」という仕掛けであることが言及されている(PVでは11月発売と言っているが、実際は12月に発売延期され、2010でロディマスが登場するテレビ放送よりもゲーム発売日の方が遅くなってしまったが)。

-『トランスフォーマー・ザ・ムービー』は後に日本国内でも公開された。VHS、DVDも発売されたが現在は入手困難である。
--『ザ・ムービー』では多くのキャラクターがほとんど一撃で死ぬため、マグナスの弱さも原作とかけ離れているわけではないという見方もある。映画でもマグナスは一度バラバラに破壊されている。
--そしてゲームでの弱さに始まり、無反応なマトリクス、『ザ・ムービー』でバラバラにされた姿、その直前の情けない台詞、格下のホットロディマスに次期指令の座をとられる、最終回のアレ、『2010』のEDの歌詞…ウルトラマグナスという男は未だにネタキャラ扱いされている(ただし''『トランスフォーマー』という作品自体が高レベルのネタ''なのだが)。

-2009年に発売された「トランスフォーマー オルタニティ」(玩具のみで展開するシリーズの一つ、超常的な力を得た様々な次元のコンボイやメガトロンが時間や次元を超えた戦いを繰り広げる)によって本作の背景設定がついに明らかにされた。発売から20数年経ってようやく真の「コンボイの謎」が明かされたと言えるかもしれない。
--それは、''本作は「別次元のコンボイとメガトロンの介入によって行われる、死と苦しみに満ちたゲーム」であった''というもので、とある未来のメガトロンはかつてこのゲームと似たような強化された状況でウルトラマグナスに敗北しており、自分の敗北が偶然であったことを証明するためにコンボイにこのゲームを持ちかけたという。
--メガトロンはデストロン軍団全体に異常な強さを与える・コンボイは選んだ1人のサイバトロン戦士にのみ力を与える・そしてそのサイバトロン戦士が死ぬたびに1面開始時点から新しい歴史ルートの平行世界を