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ドラえもんメモリーズ のび太の想い出大冒険 - (2019/05/14 (火) 10:05:23) のソース

*ドラえもんメモリーズ のび太の想い出大冒険
【どらえもんめもりーず のびたのおもいでだいぼうけん】
|ジャンル|アクションゲーム|&image(BDMJ-F.jpg,height=160,http://www.amazon.co.jp/dp/B000069S6U)|&image(BDMJ1.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2960&file=BDMJ1.jpg,width=120)&image(BDMJ4.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2960&file=BDMJ4.jpg,width=120)|
|対応機種|ゲームボーイカラー(全GB共通)|~|~|
|発売元|エポック社|~|~|
|開発元|スタジオクリシェ&br()酒田エス・エー・エス|~|~|
|発売日|2000年3月10日|~|~|
|定価|4,179円(税込)|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|~|
|ポイント|会話シーンとアクションシーンの温度差&br()ただし、キャラゲーとしての評価は高い|~|~|
|>|>|>|CENTER:''[[ドラえもんシリーズリンク>ドラえもんシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
ドラえもんの漫画30周年記念イベントと連動して制作・発売されたゲーム。キャラクター同士が掛け合う会話シーンを見つつ、合間に挿入されるアクションシーン内で漫画の一部を抜粋した「メモリアルショット」を集めるのが目的。~
パッケージイラストこそ当時のアニメ絵だが、ゲーム内のグラフィックや源静香を「しずちゃん」と呼ぶなどの設定は漫画準拠となっており、漫画を熟読していないと元ネタがわからない会話シーンやクイズがあったりと、数あるドラえもんゲームの中でもターゲット層が従来と明らかに違う異色作。

**ゲーム内容と流れ
***会話シーン
-全6ステージがあり、1-4ステージは数エリア、5.6ステージは1エリアのみで構成。まずステージを選ぶとドラえもんやのび太たちいつものメンバーによる会話シーンとなる。
--会話の内容はメンバーが思い出話をする設定で大長編を含めた漫画のエピソードを振り返るというもの。
--5ステージはのび太の結婚式を見に行くため、6ステージは生前のおばあちゃんに会うためにタイムマシンに乗り目的地に向かうのだが…&openclose2(show=さらにネタバレ){''着いた先は無関係な工場や森で、結局これらの目的は達せられずに終わる''というあんまりなオチ。}

***アクションシーン
-会話シーンが終わるとアクションシーンに入る。
--はじめにドラえもん・のび太・しずか・スネ夫・ジャイアンの5人からプレイヤーキャラクターを選ぶ。キャラクターにより「ステージ内のドラ焼きやお金を集めた数」「規定時間内にクリアする」「敵を倒した数」など、メモリアルショットを入手するための条件が変わる。メモリアルショットはこの条件を満たした状態、さらにはアイテムの「あとからアルバム」を入手しステージクリアした時にそれぞれ手に入る。
//---スネ夫の場合はお金を集めるのだが、実際に集めるのは札束とかドル袋とか財布とかではなく、&bold(){なぜか¥マーク}。
//特筆する点とは思えない。
-内容はオーソドックスなライフ制スクロールアクションで、アイテム回収をしながら先へ進みどこでもドアに入ればいいのだが…
-このアクションシーンをクリアすると会話シーンの続きを見られる。

***クイズ
-メモリアルエリア(後述)直前にはライフ増加の特典があるボーナスクイズが始まる。
--全3問。漫画を熟読していないとわからないレベルのものも多数。ただし次のメモリアルエリアは何度もやり直しができるので、不正解で何も特典が得られなくても特に不利にはならない。
--エンディングを見るとタイトル画面から10問連続クイズにチャレンジできる。

***メモリアルエリア
-最終エリアは特定のキャラクターを操作し漫画のエピソードを体現するミッションクリア型のアクションシーン「メモリアルエリア」となる。

***メモリアルショット
-集めたメモリアルショットはタイトル画面から入る「メモリアルショット」で閲覧できる。
--ただコマ絵を見るだけでなく、キャラクターデータやコミックスの掲載巻数とサブタイトル、あらすじなどの情報も見ることもできる。ポケットプリンタがあれば印刷も可。

**問題点
-メインとなるアクションシーンがひどく退屈。&bold(){どう見ても2000年のGBレベルではない。}
--敵や針山に当たってもライフがわずかしか減らず、元のライフも回復アイテムも十分にあるので、ゴリ押しで進む攻略法になり単調。
---ゲーム性としても敵の種類もギミックも乏しく、ファミコン最初期レベル。
--当たり判定がはっきりしない。特に小さい敵を踏んだと思ったらダメージを受けた、ということが多々ある。
--ジャンプがフワフワして制御しにくい。
//--上下に広く見通しの悪いステージ構成で落下ミスが多い。前述のジャンプや十字キー下+Aボタンで下段に降りる動作も落下ミスに拍車をかける。
//停止中に上下キーを操作すれば、画面がスクロールし画面外を見る事ができる。この操作を活用すれば見通しはそれほど悪くなく、落下ミスもそうは起こらない。
--エリア途中で任意に引き返せず、ステージ選択はできてもエリアは選択できないので、「あとからアルバム」を回収しそこなった場合はわざとミスするなどしてやり直す方がよい。
---妨害アイテムとして触れるとスタート地点にもどされる「ふりだしにもどる」がある。このために配置されてるのではと思わせるほど。
--各ステージには大長編ドラえもんまたはコミック各話の題名が付いているものの、アクションシーンの背景やBGMは同じ物の使いまわしが多く、どの面も代わり映えがしない。はっきり差別化されていると分かるのはドラビアンナイトのステージくらい。
--落下ミスになったら「ボシュッ」という効果音が鳴って突然キャラクター選択に戻される。ミス専用のメロディーなんかはない。
--またキャラの性能差は移動速度などの能力が異なるが、メモリアルショットを集めるには入手条件の緩いのび太かしずかを選んだ方が格段にラク。ほかのメンバーを使う必要性は薄い。
//--落下穴自体は後半に多くなる程度なので難易度が高いわけではないし針のごり押しに関してもアクションが苦手な人はSFCドラえもんを最後までプレイできない人もいたため、低めの年齢層に向けているのだろう。ステージ内の収集などもステージやキャラクターに応じて収集場所が異なっていたりするので詰まっても他のキャラクターだと楽であったりする。救済措置がかなり多いゲームだと言える上、&bold(){メインはアクションではない}
//救済措置が多すぎて、難易度が低くくつまらないのが問題。またネタがマニアすぎて、低年齢層向けとはとても思えない。

-アクションシーンのキャラクターグラフィックが今ひとつ。
--体型のバランスが悪く目玉がやたらでかい上に片手を上げながら棒立ちでジャンプするドラえもんをはじめ、むくれた表情ののび太、点目で善人面のジャイアン、顔の潰れたスネ夫、下膨れのしずちゃんなど。
//、&bold(){素人が書いたレベルの絵。}
//言い過ぎ。
---初代GB版や前年の「あるけあるけラビリンス」の方は半分のドット数でつぶれ気味だが、まだ特徴は捉えていた。
---会話シーンなどその他の画像は漫画に準じたクオリティなのでよけいに落差が目立つ。
--等身が若干大きめなので、粗いドット数のGBCでは若干きついと言えなくもない。似ていないわけではないが、ジャンプなどのアクションの表現の方が物足りない。
#region(参考画像)
|&image(BDMJ2.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2960&file=BDMJ2.jpg,width=200)|&image(BDMJ3.jpg,https://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=2960&file=BDMJ3.jpg,width=200)|
|>|背景がそれなりに書き込まれているぶん余計に浮いている。|
#endregion

//-メモリアルエリアのシーン再現が雑
//--のび太がジャイアンをやっつける設定のエリアでは&bold(){ドラえもんが敵キャラとして複数}出てきたり、スネ夫を操作してスネツグに合う設定のエリアでは&bold(){逃げ回るスネツグを踏みつけることができる}など、設定とアクションが噛み合っていない。
//--ドラえもんが敵なのではなく、ドラえもんに見つからないようにジャイアント闘うという設定としては矛盾がない。土管が浮いているがアクションステージにしづらい町中なので仕方ない部分もあり
//--マップは一応のび太の町を再現しているようなのだが、&bold(){土管や家・ブロック塀などが空中に浮いている}ので違和感バリバリ。どこの亜空間だ。
//他のステージでも足場の岩などが宙に浮いている。単にサイドビューアクションで、ありがちな描写というだけ。


-メモリアルは赤外線通信でないと出現しないものもあるようで、ゲームボーイカラーとテレビのリモコン等がないとコンプリート不可能。
--一応箱には「ゲームボーイカラーがないと手に入らない想い出があります」と注意書きがあるが、肝心の「想い出 = ゲーム内のメモリアルショット」であることはもちろん、ゲーム内容の説明すらない。
--ここが一番のネックで、当時はGBCを売りにしたゲームが多く、グラフィックもGBCかどうかでも評価が分かれる。

**評価点
-漫画からセリフなど多数のネタを引っ張って構成されており、原作好きなら思わずニヤリとできるオマージュ的な内容。
--想い出を語るように原作のセリフやネタに対してキャラクターが話している様子が楽しく、漫画やアニメの特に人気な話・大長編をメインで扱っているため良く知っているお話はもちろん、見たことがない話にも興味がわくような作りになっている
--てんとう虫コミックス時代、1970年代半ばから1990年代半ばまでの広範囲なネタを拾ってくるという、かなりのこだわりよう。

-アクションシーンの背景がやたら書き込まれている。
--ただ、ゲームボーイカラーでは綺麗に見えるが、モノクロのゲームボーイでは見づらい。

-作中のサウンドは版権問題からか原作曲は一切使用されていないが、クソゲーの例に漏れず良曲揃い。
--ただしいずれも1ループが短めだったり、前述のように場面とかみ合ってない使われ方もされている。

**総評
アクションゲームとしては、まるでお子様向けのような超低難易度な上、単調なアイテム収集作業をこなすのなんの面白味も見いだせない代物。対して鏤められたネタの数々は、マニアも喜びそうなほど深いもの。双方の温度差が激しく、一体どの層を狙って作ったのかよく分からないゲーム。~
//-アクションシーンは作画崩壊したキャラクターが単調なステージで単調なアイテム収集作業をこなすだけ、と擁護できないほどのクソゲー。
//--アクションが慣れていない子供向けとしてキャラに応じたミッションをこなしてお話にある程度準じたステージを進める凡アクション。しかしSFCのドラえもんが難易度の高いアクションゲームだとするとこっちは想い出アドベンチャーといった種類わけで楽しめるのでクソゲーと一言で断じられない。
//ネタがマニア向けすぎて、とても子供向けとは思えない。
事実上漫画のゲーム化であり、「原作漫画にスポットを当ててプレイヤーの想い出を呼び起こさせる」(説明書あとがきより要約)というドラえもんのキャラゲーとしては他に類のない観点のゲーム。実際、合間合間に入るストーリーの回想や会話劇はしっかりした作りになっており、オマージュ漫画並によくできている。ただそうは言っても、制作側の熱意が空回り気味かつゲームの出来が反比例なのは否めない。~
漫画版ドラえもん名鑑およびカルトクイズを収録したキャラグッズとしては持っていても損はない。ただしドラえもん名鑑を完成させるまでアクションシーンの単調さに耐えられる、という制限つきでのオススメだが…。
//--合間合間に入るストーリーの回想や会話劇はしっかりした作りになっており、オマージュ漫画並によくできていると思う。アクションも難易度は高くなく、そもそもアクション目当てで買う人が少ないと思うので簡単に収集要素も攻略可能。ゲームのドラえもんの中では会話劇が一番しっかりしているので理解した上での購入を勧める。