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ウィザードリィ サマナー - (2016/10/21 (金) 20:03:51) のソース

「[[修正依頼]]」が出ています。
評価点の追記、伝聞情報のソースの追記をお願いします。
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*ウィザードリィ サマナー
【うぃざーどりぃさまなー】
|ジャンル|3DダンジョンRPG|&amazon(B00005RS5V)|
|対応機種|ゲームボーイアドバンス|~|
|メディア|32MbitROMカートリッジ|~|
|発売元|メディアリング|~|
|開発元|?(メイン)&br()フューパック(一部プログラム、サウンド)|~|
|発売日|2001年12月21日|~|
|判定|BGCOLOR(lightsalmon):''クソゲー''|~|
|ポイント|経験値と金のバランスが逆&br()召喚士1人いれば十分&br()アイテムが外伝2からの無断流用&br()致命的バグの数々|~|
|>|>|CENTER:''[[Wizardryシリーズリンク>Wizardryシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要 
アスキー製のウィザードリィに慣れ親んだウィズファンが待ち望んだGBA初にして唯一のウィザードリィ。~
なのだが…

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**問題点
従来(スターフィッシュ製含)のウィザードリィと同じ感覚でゲームを進めようとすると、まず酒場のパーティ編成で「自動的にカーソルが次のキャラに移動せず、毎回一番上に戻る」ことに違和感を覚えるだろう。~
プレイを進めるとその違和感はどんどん大きくなっていく。

***システム面
-異常なまでに金が手に入る。3回戦闘をこなせばゲーム中で金に困ることは無くなる。そのくせ経験値は今までのシリーズより圧倒的に入りにくい。おそらく取得金額と取得経験値の数値が逆になっている。
--明らかに数値の設定ミスであるが、後発のPS2版でも修正されていない為、ひょっとしたら仕様という説も。
-戦闘中「眠る」などのステータス異常で動けなくなったキャラは最後列に回されるが、戦闘中に異常が解消されても元の位置に戻らない。
--前衛・後衛の役割がはっきりしているゲームでこれは困る。後衛にいても直接攻撃できるような武器は限られているのでなおさら。
-雑魚敵にレベルが設定されていて、同じ敵でも強くなっていくが、もらえる経験値は変わらない。いわゆるFF8仕様。
--クリア後に行ける追加ダンジョンでは、ダンジョン奥のスイッチで出現敵のレベルを調整できる…とのことだが、「敵が''Lv1000台''になってしまい戻せなくなった」という話もあり。注意されたし。

***新規…?
-肝である職業「召喚師」は、先に発売したスターフィッシュ製の『エンパイア』のサマナーとほぼ同じシステム。
-またアイテムはアスキーの外伝2のほぼ完全なパクリ。「シリーズが同じだから似てる」ということではなく、武器性能や並び順すら完全に同一で、パクリというよりもコピペと言った方がいいぐらい。


***召喚師
タイトルにもあるように、本作は召喚師(サマナー)がメインの売りではあるのだが…。

-他のウィザードリィシリーズにおいては、召喚モンスターはキャラクター枠(最大6人)とは別枠で1グループだけ召喚できる。
-しかし本作では召喚モンスターもキャラと同じ枠内で扱われる。つまり従来シリーズの感覚で6人パーティーを組んでしまうと、モンスターを召喚する余地がなくなってしまう。
--なのに、酒場に用意されているデフォルトパーティは「戦士/盗賊/僧侶/魔術師/召喚師/司教」の6人。司教を酒場で待機させて鑑定専門にしろということだろうか?
--召喚用に枠を開け、なおさら前衛3後衛3のバランスを保つのは難しい。「回復を担う僧侶」「戦利品入手に必須の盗賊」「範囲攻撃が可能な魔法使い」そして「召喚師自身」のうち誰かが前に出なければならない…。
---要するに、&b(){パーティーには6人までしか入れられないのに、召喚師とモンスターで2枠以上を使うという発想そのものがウィザードリィの基本システムに合わないのではないだろうか。}

-2chにおいて、極端なやり方ではあるが、他職を入れずに「召喚師+召喚モンスター達」のみで冒険した方がやりやすいとの指摘があった。
--召喚モンスターはキャラ枠を1つ使うが、同一モンスターを複数召喚する事が可能。(『[[Wiz4>ウィザードリィ4 ワードナの逆襲]]』のクラシックバージョンのような方式)
---しかもレベルが高い為、LV1のキャラを新規に作成して育てるより楽である。
--召喚モンスターの種類を増やすには各地の魔法陣で契約を交わす必要があるが、それらを得ていなくても最初からボーパルバニーを召喚出来るので戦力は何とかなる。
--ただ、これだと宝箱の罠を外すキャラもいないため、''アイテム収集もせずに突き進む''スタイルとなるが、それでも問題なくクリアできてしまう。
---ちなみに、召喚呪文さえ覚えてしまえば転職しても召喚が行えるため、全呪文を習得した召喚師を司教に転職させてしまえば、いよいよキャラ1人で事が足りるようになってしまう。((ただし召喚師が呪文を全部習得するのも、司教が全呪文習得するのも、非常に時間がかかる。))

//-タイトルにもあるように召喚師がメインではあるのだが、他のウィザードリィシリーズは召喚モンスターが別枠で召喚されるのに対して、本作では女神転生のように召喚モンスター1体につきキャラのスロットを使う。つまり、従来シリーズの感覚で6人パーティを組んでしまうとモンスターが召喚出来ず、召喚師のやる事がほぼ無くなってしまう(一応召喚師は召喚呪文の他にも補助呪文を習得出来る)
//--なのに、初回プレイ時のデフォルトパーティは戦士、盗賊、僧侶、魔術師、召喚師、司教の6人。わざとか。
//-Wizのパーティーの構成は基本的に前衛(前から3番目まで)を戦士で揃えた「戦士、戦士、戦士、僧侶、盗賊、魔法使い」か、3番目を僧侶にして最後尾に二人目の魔法使いを入れた「戦士、戦士、僧侶、盗賊、魔法使い、魔法使い」のどちらかが定石((そこに上位職の侍、君主、忍者、司教が絡んで様々なパターンが存在する。))。
//--初期パーティーに本作の目玉職業である召喚師を入れるために、前列の戦士が一人だけになってしまい、盗賊が前列に出るというバランスの悪い構成になってしまっている。せめて「戦士、戦士、僧侶、盗賊、召喚師、魔法使い」にならなかったのか。
//---しかし、そうだとしてもモンスター用の枠が無いため召喚師は本来の実力を発揮できない。召喚師のためにモンスター用の枠を作るのなら「前衛を支える戦士」「回復を担う僧侶」「戦利品入手に必須の盗賊」「範囲攻撃が可能な魔法使い」の誰かを削らなければならない……。

////((従来のウィザードリィのシステムでは、前衛が戦士3人、回復の僧侶・戦利品獲得の盗賊・戦利品鑑定の司教、呪文攻撃の魔法使いも複数いれば心強い……と考えると、理想的なメンバー構成は8人となる。しかしゲームの制約で6人しか参加できない。ウィザードリィのパーティーは根本的に枠の余裕なんて無いのだ。必要な8人ぶんの戦力のうち、どの2人を外すのか?どうやって6人で8人ぶんの戦力を確保するか?という思案が必要であった。そこに新たな職業を追加すること自体がゲームシステムと矛盾しているのである。))なぜこのゲームを作った。←8人説は偏り過ぎ、その論法だと回復役も何人も欲しい、キリがない。
//--召喚師呪文レベル1のサモン・ザ・サンは召喚陣モンスターと契約を交わさずとも初期からボーパルバニーを召喚出来る。
//---モンスター召喚は別に召喚師でなくとも召喚呪文さえ習得していれば誰でも行える為、全呪文を習得した召喚師を司教に転職させてしまえば、いよいよキャラ1人で事が足りるようになってしまう。((ただし召喚師が呪文を全部習得するのもその後司教に転職して全呪文習得するまで育つのも合わせると非常に時間がかかる。))
////---ただ、完全にWizardry本来の楽しみからかけ離れたプレイスタイルであり、そうまでして遊びたいかと言われると…←本来の楽しみについては諸説アリ

***その他
-初回プレイ時のみ、オープニングが飛ばせない。
--しかも何が言いたいのか、ストーリー紹介にすらなっていないオープニング。
-初回プレイにも関わらず、ギルドにあるモンスター図鑑が数体埋まっている。
-一部のレアアイテムは売ると在庫が激増する。商店が品物を気に行って大量生産していると解釈するにしても、説明がない。装備etc…

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**総評
-致命的なプログラムミスやバグ、破綻したゲームバランスで数多くのファンを激怒させたと同時に、アスキー製のウィザードリィの出来の良さを改めて実感せしめた作品。当時アスキーはゲームの制作業務から撤退してそれほど日も経っていなかった為、改めて涙したユーザーも少なくない。
--アスキー製wizもバグ自体は多かったが、本作のような致命的・破滅的なものは僅少で、いずれも普通にプレイするにはなんら支障のないものばかりだった。

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**余談
-一部バグの修正されたバージョンが存在する模様?
-ソフトには、隠しボスをあしらったカードが封入されている。
--カードには隠しボスのイラストと、謎の文字列が記載されている。カードゲームでもやらせるつもりだったのか?
-後にPS2に移植されて発売されているが、根本的なゲームデザインの時点で色々とおかしいので、やはり評判は芳しくない。
--「商店での買い物時に、そのキャラが装備出来ない事を示す♯が表示されない」「CD-ROMを採用している為読み込みでもっさり」と、上位機種で後発なのに何故か劣化。
--しかも『ベスト版』として廉価版を発売。何かの冗談ですか。
-PS2版サマナーの発売を担当したタイトーは後に外伝シリーズを手がけたスタッフによるWindows用『ウィザードリィ外伝~戦闘の監獄』のPS2移植版を発売するが、原点回帰と言える簡素なグラフィックやマウス前提の画面構成・操作性をゲーム機用にアレンジすることなくベタ移植しておりあまり評判は良くない。
--なお元のPC版は一定の評価を得ており、ベタ移植のためゲーム内容自体は悪くは無い。但しPC版の有料追加シナリオはない。

**攻略本
このように散々な評価が下されているウィザードリィサマナーであるが、なんと新紀元社から攻略本が出ている(新紀元社は神話関係の書籍を多数出版している大手出版社である)。

-ドワーフのモーガン、エルフのきき、ノームのメイソン、ホビットのラッキー、人間のアルビレオと言った著者のオリジナルキャラがキャラ作成からゲーム攻略までを、特徴的な語り口で教えてくれる。
--ゲームはアレだが、このキャラ達の掛け合いは割と面白い。
-64ページに私的[Wizardry]考察と題したコラムが掲載されている。
--当時のFC版ウィザードリィ発売当時の思い出などが語られている事から、筆者は結構なウィザードリィファンであった事が伺える。
-サマナーの攻略本だから当たり前だが、サマナーを誉めており、コラムの最後の項では『続編を希望したい』などと書いている。
--にも関わらず、その前の項では『本当の「ウィズ」は世界観やシステムが受け継がれている1から3、そしてGBで発売された外伝だけだ』とサマナーを全否定している。5以降を抜いている上に外伝を入れていることから原典尊重の謙遜というわけでもないようだ。
---このコラムを誰が書いたのか解らない(文責の記名が無い為)。奥付にある著者の名前3人のうちの誰かが書いているのだろうが、心中お察しします。

**参考
-「得物屋24時間」という国内最大のwiz攻略サイトの掲示板のサマナー専用掲示板には当時のログがそのまま保存されており、当時購入したユーザーたちの悲痛な叫びが生々しく残っている。
-発売当時の2chスレ→[[1>http://game.2ch.net/poke/kako/994/994641743.html]] [[2>http://game.2ch.net/test/read.cgi/poke/1011949857/]]。「エナジードレインで経験値10億」などの恐るべき現象が報告されているが、わずか2スレで終了しており、大きな話題にならなかったことが伺える。