*がんばれゴエモン外伝2 ~天下の財宝~ 【がんばれごえもんがいでんつー てんかのざいほう】 |ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B000068HYD)| |対応機種|ファミリーコンピュータ|~| |メディア|4MbitROMカートリッジ|~| |発売・開発元|コナミ|~| |発売日|1992年1月3日|~| |定価|6,980円|~| |レーティング|【VC】CERO:B(12才以上対象)|~| |配信|【WiiU】バーチャルコンソール&br;2015年5月20日/514円(税8%込)|~| |判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~| |>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク>がんばれゴエモンシリーズ]]''| ---- #contents(fromhere) ---- **概要 『がんばれゴエモン外伝 消えた黄金キセル』の続編。ストーリー及び主人公たちを除く登場キャラクターは一新されており、新たな物語が描かれる。~ 大江戸タウンで開かれる「世界ドロボウ大会」に参加することになったゴエモン・エビス丸は、やがて「天下の財宝」の存在を知ることになる。 **評価点 -特殊カセットの採用により巨大容量を実現し、FCなのにも関わらず、SFCと比較しても見劣りしないグラフィック、音質、ボリュームを実現。 //--当時がFC末期ということを考えても、そのグラフィックは流石と言える。 //グラフィックは確かに優れているがさすがにSFC並みではないだろう。 -ストーリーは8つの鍵を集めて伝説の財宝を見つけるというありきたりなものだが、世界は広大で地底世界や月まで冒険するというバラエティの多彩ぶり。 --前作で掲示された「現代要素を含んだ奇想天外な時代劇」という要素が大きく前面に押し出されており、後のシリーズに続く作品カラーが色濃くみられている。 -戦闘面での改善 --前作では戦闘のテンポがいまひとつだった点を見事に解消している。 --また、戦闘画面のレイアウトが大きく変更されており、前作の顔グラフィック表示から、ドット絵のちびキャラがグラフィック表示枠の下側に横並びで整列するという形になっている。これにより画面が横に広くなり窮屈さがなくなった。 --更に敵のみならず、味方側も行動の度にアニメーションするという豪華仕様で、多彩な動きが見ていて楽しい。 -『悪魔城ドラキュラ』シリーズからシモン、ドラキュラが友情出演したりとセルフパロも豊富。 -オマケ・やりこみ要素の充実 --買い物をすると「ベルクーポン」ポイントが溜まり、それを使ってミニゲームを楽しんだり、様々なアイテムと交換できたりする。 --装備すると非常に不利な能力修正がつくが、その状態で50回戦闘をこなすと壊れ、同時に能力値がアップする「ウルトラギプス」など、ユニークなアイテムもある。 //-戦闘時は前作のように味方側の顔グラが縦に表示されるのではなく、下にキャラクターが並んで表示される。結果、戦闘画面は横に広くなった。 -今作に登場した仲間キャラ・コリュウタは後の作品にも友情出演している。 **問題点 -ダンジョンが全体的に広く、エンカウント率も地味に高い。 --ダンジョンは容量軽減のためか使い回しのパーツが多く、同じ形状が何度も登場するため、またこの地形か…という印象を持ちやすい。 --また敵も堅めで数も多いため、特定の術が弱点になっている敵等以外は非常に戦いづらい。後半は確定逃げのアイテムを使用して殴られながら逃走するゲームになりがち。 -敵が全般的に強い。 --雑魚敵はもちろんのこと、問題なのはボス達。前作ではあまりに歯ごたえがなく、ほとんど空気だったが、それを反省したのか今作はどいつもこいつもかなりの難敵。余程レベルを上げていない限りは、戦い方を練りアイテムをしっかり準備していないと勝負にならないほど。 --一番の原因は敵がゴエモン達が使う術系を通常攻撃扱いでポンポン使う。この一点に限る。術は相手の防御力を無視して一定のダメージを与えられる効果を持つ。で、この防御無視の特性を持った攻撃を味方全員に遠慮なく使ってくるうえ、その威力も洒落にならない。攻撃を無効化するその対抗手段も単体にしか効果が無いので尚更敵が強い印象を植え付けてしまう。 --とにかくボスの堅さが異常と言っていいほどであり、有効な攻撃はその時に持っている最高の攻撃手段のみ。回復をしつつひたすらそれを繰り返すだけという単調な作業になりがち。また後半の一部の街で買える術ポイント中回復アイテムはイベントクリア後には購入不可になるため、((厳密にはイベントクリア後にも1か所だけ買うことのできる場所はあるが、そこは移動技で飛ぶことができないのでそこに行くためにかなり長いダンジョンを往復することになる。))どれだけ仕入れてどれだけ温存出来るかでラスボス戦の難易度が変わる。 --普通にダンジョンを探索し、出会った敵からは逃げずに戦っていけば普通に戦えるLVにはなっている。問題は敵が非常に固く面倒な相手が多く、いちいち相手にしたくなくなる部分。それが気にならないのならば、各々がそのときの最大威力の攻撃を連発していれば、それほど中ボス戦も問題ではない。エンカウント率も高いので、中ボス戦よりも雑魚戦にうんざり…という印象を持つ人も多いかと。 --ただ、歯ごたえがあるのは確かなので一概に悪いとも言えないのだが。 -パーティメンバーの4人目はゲスト参戦扱いの枠になっており、仲間の入れ替えが激しいため、感情移入しにくい。 --しかも4人目が入れ替わることにより、実質大きく戦力ダウンしてしまう場面がある。特に中盤で仲間になり強力な補助技「がんばって!」を使える記憶喪失の女の子と、低燃費高威力の攻撃技「ペモシューム」が使える宇宙人「ペモペモ」が抜けてしまうのは大きく、「ボス戦辛いんだから仲間ぐらい自由に選ばせてくれ!」と憤りたくなる。 --詳しく書くとネタバレになってしまうのだが、ラストのほうで仲間に関するかなり理不尽な展開があり、初回プレイではそれが分からないため、最終戦でその仲間が役立たずになりがちなのも痛い。 -フィールドがストーリー展開の区切りに会わせて数個のエリアに分断されているため、お使いイベントなどとは違った意味で一本道感が強い。自由度の低さは強制的な4人目の仲間のチェンジと相まって、さらに気になってくるところ。 **総評 ダンジョンの調整や戦闘の難易度などの問題点が大きく目立っていることや、シナリオの自由度の低さ、4人目の仲間の入れ代わりが激しい点は大きなマイナス点である。 そうした欠点や微細な粗もある一方で、ロールプレイングゲームとしての大枠はきっちりと形作られている。ゲームバランスを著しく崩壊させるほどまでに破綻している点もなく、当時の技術的背景も鑑みれば十分良作といえる範疇に収まっている作品である。~ ゴエモンシリーズに通じる個性的な世界観やネタ要素も多く、後のシリーズの方向性がこの作品によって決定付けられたといっても過言ではない。~ ストレスを感じさせる要素も多く今では少々遊びづらいところもあるが、シリーズが好きな人で未プレイの人に、おススメしておきたい。 **余談 -登場人物の一部に権利面で怪しいキャラが存在する。 -故・帯ひろ志による本作を基にした漫画「がんばれゴエモン外伝 天下の財宝編」がデラックスボンボンにて掲載されていた。~ 帯氏によれば、単行本も出たものの元々の流通数が少なかった上、ボンボン編集部の売り上げ見込み判断によって極めて短期間の内に絶版になってしまったため、入手が困難との事らしい。 --帯氏の作風らしくオリジナル設定も多く見られており、シモンは「臆病で見栄っ張り、卑怯なヘタレキャラ」と原作とは全くかけ離れたキャラとして描かれている。また、後の「新がんばれゴエモン 地獄編」では彼の祖父であり、容姿・性格共にそっくりな「ピエール・ベルモンド」というキャラが登場している。 ----