「がんばれゴエモン外伝2 ~天下の財宝~」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

がんばれゴエモン外伝2 ~天下の財宝~ - (2021/01/08 (金) 22:20:47) のソース

*がんばれゴエモン外伝2 ~天下の財宝~
【がんばれごえもんがいでんつー てんかのざいほう】
|ジャンル|ロールプレイングゲーム|&amazon(B000068HYD)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|
|発売・開発元|コナミ|~|
|発売日|1992年1月3日|~|
|定価|6,980円|~|
|レーティング|【VC】CERO:B(12才以上対象)|~|
|配信|【WiiU】バーチャルコンソール&br;2015年5月20日/514円(税8%込)|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[がんばれゴエモンシリーズ・関連作品リンク>がんばれゴエモンシリーズ]]''|
----
#contents(fromhere)
----
**概要
『[[がんばれゴエモン外伝 ~きえた黄金キセル~]]』の続編。シナリオと登場キャラクターは一新されている。~
システムは前作を踏襲したオーソドックスなRPGだが、世界観やシナリオ、キャラクター周りのコメディ色がより強くなっているのが特徴。


**ストーリー
大江戸タウンで開かれる「世界ドロボウ大会」に参加することになったゴエモン・エビス丸。~
順調に予選を勝ち抜いた二人は、やがて「天下の財宝」の存在とそれにまつわる陰謀に巻き込まれていく。

**評価点
-特殊カセットの採用により巨大容量を実現し、FCなのにも拘らず、SFCと比較しても見劣りしないグラフィック、音質、ボリュームを実現。

-ストーリーは8つの鍵を集めて伝説の財宝を見つけるというありきたりなものだが、世界は広大で地底世界や月まで冒険するというバラエティの多彩ぶり。
--前作で掲示された「現代要素を含んだ奇想天外な時代劇」という要素が大きく前面に押し出されており、後のシリーズに続く作品カラーが色濃く見られている。

-戦闘面での改善
--前作では戦闘のテンポがいまひとつだった点を見事に解消している。
--また、戦闘画面のレイアウトが大きく変更されており、前作の顔グラフィック表示から、ドット絵で描かれたちびキャラがグラフィック表示枠の下側に横並びで整列するという形になっている。これにより画面が横に広くなり窮屈さがなくなった。
--更に敵のみならず、味方側も行動の度にアニメーションするという豪華仕様で、多彩な動きが見ていて楽しい。

-めききダヌキと呼ばれる存在を雇うことで、アイテムの鑑定や、装備可能な人を調べることが可能となった。
--雇用料も10両と安く、序盤から終盤まで頼れる存在となっている。


-『悪魔城ドラキュラ』シリーズからシモン、ドラキュラ、『ツインビー』シリーズからシナモン博士が友情出演したりとセルフパロも豊富。

-オマケ・やりこみ要素の充実
--買い物をすると「ベルクーポン」ポイントが溜まり、それを使ってミニゲームを楽しんだり、様々なアイテムと交換できたりする。
--装備すると非常に不利な能力修正がつくが、その状態で50回戦闘をこなすと壊れ、同時に能力値がアップする「ウルトラギプス」など、ユニークなアイテムもある。

**賛否両論点
-ダンジョンが全体的に広く、エンカウント率も地味に高い。
--ダンジョンは容量軽減のためか使い回しのパーツが多く、同じ形状が何度も登場するため、またこの地形か…という印象を持ちやすい。
--また敵も堅めで数も多いため、特定の術が弱点になっている敵等以外は非常に戦いづらい。後半は確定逃げのアイテムを使用して殴られながら逃走するゲームになりがち。

-敵が全般的に強い。
--雑魚敵はもちろんのこと、問題なのはボス達。前作ではあまりに歯ごたえがなく、ほとんど空気だったが、それを反省したのか今作はどいつもこいつもかなりの難敵。余程レベルを上げていない限りは、戦い方を練りアイテムをしっかり準備していないと勝負にならないほど。
--一番の原因は敵がゴエモン達が使う術系を通常攻撃扱いでポンポン使う。この一点に限る。術は相手の防御力を無視して一定のダメージを与えられる効果を持つ。しかしこの防御力無視の特性を持った攻撃を味方全員に遠慮なく使ってくるうえ、その威力も洒落にならない。攻撃を無効化する対抗手段も単体にしか効果が無いので、なおさら敵が強い印象を受ける。
--とにかくボスの堅さが異常と言っていいほどであり、有効な攻撃はその時に持っている最高の攻撃手段のみ。回復をしつつひたすらそれを繰り返すだけという単調な作業になりがち。また後半の一部の街で買える術ポイント中回復アイテムはイベントクリア後には購入不可になるため、((厳密にはイベントクリア後にも1か所だけ買うことのできる場所はあるが、そこは移動技で飛ぶことができないのでそこに行くためにかなり長いダンジョンを往復することになる。))どれだけ仕入れてどれだけ温存出来るかでラスボス戦の難易度が変わる。
--普通にダンジョンを探索し、出会った敵からは逃げずに戦っていけば普通に戦えるLVにはなっている。問題は敵が非常に固く面倒な相手が多く、いちいち相手にしたくなくなる部分。それが気にならないのならば、各々がそのときの最大威力の攻撃を連発していれば、それほど中ボス戦も問題ではない。エンカウント率も高いので、中ボス戦よりも雑魚戦にうんざり…という印象を持つ人も多いかと。
---ただし、「スパークキセル」や「じごくぶえ」、「がんせきヨロイ」など、道具で使うことで術の効果が発動するアイテムがあり、これらを活用することで攻略が一気に楽になる。ただし、「めきき」を使ってもこれらの効果はわからず、理解せずに終わったプレイヤーが多いとされる。

-物語の舞台がより多彩になったのはよいものの、和風な世界観からかけ離れた世界観描写も多いため、和風RPG色は前作と比べるとやや薄め。


**問題点
-パーティメンバーの4人目はゲスト参戦扱いの枠になっており、仲間の入れ替えが激しい。
--しかも4人目が入れ替わることにより、実質大きく戦力ダウンしてしまう場面がある。特に中盤で仲間になり強力な補助技「がんばって!」を使える「記憶喪失の女の子」と、低燃費高威力の攻撃技「ペモシューム」が使える宇宙人「ペモペモ」が抜けてしまうのはかなり痛い。
--また、ラスト近くには仲間に関するかなり理不尽な展開がある上に初見ではまず回避不能で、そのことがラストバトルに響いてしまうのも痛い。
#region(詳細についてネタバレ)
-問題となる仲間キャラは''秘密特捜くのいち「ハヅキ」。''
--中盤から終盤にかけて何度かスポット参戦し、最終的には、ラストバトル間際というタイミングで最終固定メンバーとして加入するのだが、~
''その際の装備とレベルがなぜか初期状態に戻っている上、最後に離脱した時点での装備アイテムは消滅したまま一切戻ってこない。''~
このため、最後に離脱する直前に予め装備を剥ぎ取っておかないと低レベル化+装備弱体化という二重の仕打ちにより、直後に最終戦を控えているにも拘らず役立たずになりがちになってしまう。~
装備が初期化されるのはともかく、レベルまで初期化されるのはさすがに理不尽すぎだろう。(バグなのか仕様なのかは不明。ただし、ハヅキがレベルアップするためには65000もの経験値が必要となっており、離脱するまでに獲得できるかどうかは怪しいところ。)~
さらに酷いのは、4人目の最強武器である「まさむね」の入手タイミングが離脱イベントの直前である点。ここまで来るともはや悪意すら感じる。
---ただし、シモン以外のゲストキャラは、ボス戦と離脱する時期が離れているため、あらかじめ離脱するタイミングが分かっている場合、装備品を外すことで被害を抑えられる。ハヅキはペモペモの装備もすべて使える((4人目の装備可能品は全て共通))ため、ペモペモが離脱する直前に装備を外しておけば、ラスボス戦でも十分活躍させられる。
#endregion

-フィールドがストーリー展開の区切りに会わせて数個のエリアに分断されているため、お使いイベントなどとは違った意味で一本道感が強い。自由度の低さは強制的な4人目の仲間のチェンジと相まって、さらに気になってくるところ。

**総評
ダンジョンの調整や戦闘の難易度などの問題点が大きく目立っていることや、シナリオの自由度の低さ、4人目の仲間の入れ替わりが激しい点は大きなマイナス点である。

そうした欠点や微細な粗も多い一方で、ロールプレイングゲームとしての大枠はきっちりと形作られている。ゲームバランスを著しく崩壊させるほどまでに破綻している点もなく、当時の技術的背景も鑑みれば十分良作といえる範疇に収まっている。~
また、後のゴエモンシリーズに通じる個性的な世界観やネタ要素も多く、後のシリーズの方向性がこの作品によって決定付けられたといっても過言ではない。

ストレスを感じさせる要素が多いため今では少々遊びづらいところもあるが、今ではヴァーチャルコンソールで手軽に遊ぶことが可能なので、本作未プレイのシリーズファンに、おススメしておきたい1作である。

**余談
-本作で登場した仲間キャラのコリュウタは後のシリーズにもゲスト出演している。

-登場人物の一部に権利面で怪しいキャラが存在する。

-帯ひろ志氏による本作を基にした漫画「がんばれゴエモン外伝 天下の財宝編」がデラックスボンボンにて掲載されていた。~
帯氏によれば、単行本も出たものの元々の流通数が少なかった上、ボンボン編集部の売り上げ見込み判断によって極めて短期間の内に絶版になってしまったため、入手が困難との事らしい。
--帯氏の作風らしくオリジナル設定も多く見られており、シモンは「臆病で見栄っ張り、卑怯なヘタレキャラ」と原作とは全くかけ離れたキャラとして描かれている。また、後の「新がんばれゴエモン 地獄編」では彼の祖父であり、容姿・性格共にそっくりな「ピエール・ベルモンド」というキャラが登場している。((飽くまで漫画独自の設定であり、実際にシモンの祖父ならソレイユの息子となるだろうが、そういった描写は存在しない。))

-本作でも「トラのコテ」は健在。前作を意識したのか、道具で使うと強力な技である「ひかりシュリケン」が発動する。

----