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プロ野球ファミリースタジアム - (2017/11/10 (金) 23:10:15) のソース

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*プロ野球ファミリースタジアム
【ぷろやきゅうふぁみりーすたじあむ】

|ジャンル|SPG|&image(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3468&file=FamilyStadium-01.gif)|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|ナムコ|~|
|発売日|1986年12月10日|~|
|定価|3,900円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|
|>|>|CENTER:''[[ファミスタシリーズリンク>ファミスタシリーズ]]''|
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#contents(fromhere)
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**概要
1986年12月にナムコが発売したファミコン用野球ゲーム。ファミコン市場の拡大期とプロ野球人気が重なったことや、3900円という手頃な価格設定から幅広い年齢層に受け入れられた本作は人気を博し、ファミコン通信が巻頭で集計発表していたゲームソフト売り上げランキングベスト10に半年以上ランキング入りを果たすなど、ロングセラーを記録した。また日本市場だけでなく「R.B.I. BASEBALL」のタイトルで米国市場にも輸出されるなど、世界中の野球ゲームファンにプレイされた。

選手データの概念や代打・リリーフといった選手交代、マニュアル守備、BGM付加などの要素を盛り込み、本作登場前の唯一の野球ゲームであった『[[ベースボール]]』(任天堂)の不満点を一気に解消、また本作に於けるシンプル且つわかり易いな操作手順は、その後発売された多くの野球ゲームにも取り入れられている。

本シリーズは『ファミスタ』の略称で親しまれ、続編もしばらくは『ファミリースタジアム』と銘打っていたが、1989年に発売された『ファミスタ'89 開幕版!!』から略称である『ファミスタ』がそのままゲームタイトルに使用されるようになった。
また、本作以降ナムコでは『ファミリーテニス』『ファミリージョッキー』といった「ファミリーシリーズ」もラインナップされていた。

**ゲーム内容
-ゲームモードは任意のチームを選び勝ち抜いていく1Pモード、2人で対戦し3試合を戦う2Pモード、さらにCOM同士の試合を観戦するWATCHモードの3つがあり、1Pモードはパスワードによる継続プレイが可能となっている。
--どのモードに於いても、10点差以上がつくとコールドゲームとなり、延長戦は回数無制限で決着がつくまで行われる。1Pの場合、プレイヤーは必ず先攻となり、WATCHモードで操作する以外に後攻でプレイすることはできない。

-チームはセパ12球団をモチーフにした9球団に、ナムコゲームのキャラもしくはゲームタイトルが選手名になっている架空の球団「ナムコスターズ」を加えた10球団が登場。~
セリーグに関しては6球団全てを再現しているが、パリーグは容量の問題や同リーグの人気面を考慮され、西武をモデルとした「ライオネルズ」のみ単独チームとして登場。近鉄・阪急・南海の3球団は親会社が鉄道会社であることから「レイルウェイズ」、ロッテ・日本ハムは同じく食品会社であることから、「フーズフーズ」という連合チームとして登場している。
//&image2(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3468&file=FamilyStadium-02.gif,width=500,center)
//#center(){ジャパンリーグ10球団/連合2チーム}

-選手データとして、打者には「打席」の他、ヒットゾーンの広さを表す「打率」・打球の飛びやすさを表す「本塁打」・足の速さを表す「走力」、投手には打球の飛びにくさを表す「防御率」の他、「利き腕」・「投法」・「スタミナ」・「最高球速」・「変化球の曲がりやすさ」が設定され、これらの要素により、選手及びチームの個性が表されるようになった。
--なお走力は打撃時のみのデータであり、守備時の足の速さは全選手一律である。

-選手人数はスタメン8人+投手4人+代打4人の計16人。スタメン野手は固定され打順変更は不可、投手は先発型2人とリリーフ型2人で構成され前の試合で登板した先発型投手は次の試合では登板できない。リリーフ型は毎試合登板可能となっており、先発させるのも可能であるがスタミナが低めに設定されているため、完投させるのは難しい。なおCチームかわぐち(川口和久)・Lチームくどう(工藤公康)のように実際のプロ野球では先発ローテ組の投手であったが、選手枠の関係でリリーフ型に設定されている投手もいる。

-選手名はまだ肖像権や使用許諾に関する規定が曖昧な時代であったため、実名かそれに近い形で登場。原則として本作が発売された1986年時点での現役選手がゲームに登場するが、Gチーム・Sチームにそれぞれ「王貞治」「安田猛」をモデルとしたOB選手が登場している。
//&image2(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3468&file=FamilyStadium-07.gif,width=700,center)
//#center(){左・先発投手の選択、先発型の連投はできない/右・王と安田}
-現実のプロ野球球団をモデルとしたチームに加え、オリジナル球団として「ナムコスターズ」が登場。選手名は歴代ナムコゲームのタイトルやキャラクターなどから取られている。特に俊足((全選手中1番の走力で、フライを上げない限りは内野ゴロで確実に出塁、盗塁はほとんど阻止できないというチートキャラ。この為、得点が高確率で期待出来るぴのがいるナムコスターズは決して弱いチームではなくなった))の「ぴの」が有名で((イチローが西武の片岡易之を指して「ピノみたいでしょう」と評した、巨人の藤村大介のあだ名が「ぴの村」になったなど、プロ野球選手の間での知名度も高い。))ある。今作では控え((今作の一番は「まっぴ」))だったが、元が『トイポップ』の主人公で同作がファミコンでは移植されてなかったなど知名度が低かった為と思われるが、以降は同作でなく、今作の一番打者として知られるようになる。

**評価点
-打高投低のゲーム内容。打者有利に設定されており、本塁打を打つ醍醐味を味わえる。

-テンポよく進む試合。平均20分程度で終わるため、1日で1Pモードの勝ち抜き戦をクリアすることも可能。試合時間の短さから空いた時間の気分転換などにもプレイされる。

-シンプルなゲームシステム。「ジャパンリーグの選手は投手以外の守備はオールマイティ」((プロ野球ファミリースタジアム必勝攻略法(双葉社刊)より。))という設定であり、野手には守備力・守備位置・利き腕などの概念が無い。このため、実際のプロ野球のように代打を出した後の守備を考える必要がなく、スタメン下位にいる打力の弱い選手に最初から代打を出し、ゲームをより有利に運ぶことができる。

-取り扱い説明書に記載されていない隠し要素。
--ダウンスイングやアッパースイング・同時押しによる素早い送球・表示データよりも優秀なTチームかわとう((ファミコン通信1987年1月29日号より。))・代打選手の一打席目は本塁打データが上乗せされる((ファミコン通信1987年6月4日号より。))・投手のスタミナの消耗量の違い((実はこれについては謎が多く、ファミスタの攻略本ですら「球種によって消費量が違う」「ランナーの有無で消費量が違う」と様々な記述がなされている。))などの公開されていない要素があり、これらのテクニックを使用すればゲームプレイにより幅を持たせることが可能。
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可愛らしい選手グラフィック。ずんぐりむっくりにデフォルメされた選手グラフィックは、ユーザーからも好評を博し、続編や業務用・PCエンジンへの移植作品などにそのまま流用されている。『ファミスタ'93』にて選手の体型がスリム化されたが、ユーザーに不評であったため、すぐに元の体型に戻されている。
&image2(http://www26.atwiki.jp/gcmatome?cmd=upload&act=open&pageid=3468&file=FamilyStadium-04.gif,center)
#center(){左・初代選手グラフィック/右・'93選手グラフィック}

**問題点
-外野ポールの下をすりぬける本塁打。この付近に飛球が当たると、インプレーとならずそのまま本塁打と判定されてしまう。その理不尽さから「ポール下の穴」とゲーム誌に揶揄された。((ファミコン通信ゲームカタログ1991、及びファミコン必勝本・バグボーイデラックスより。))

-外野からの逸れた返球を捕りに行かない。稀に外野手からの返球が逸れることがあるが、ベースカバーに入った野手を動かすことができないため、他の野手に取りにいかせなくてはならない。逸れた返球はファールグランドに転がる場合が多く、捕球までに時間がかかるため、致命的な失策となってしまう。

-COMの守備が下手。フライ処理は無難にこなすものの、ゴロを横に追うのが苦手なため、平凡な内野ゴロを後逸していまい長打にするケースがしばしば見受けられる。このためCOM同士の試合では大味な乱打戦になる場合が多い。

-パターン化で容易にハメれるCOMの打撃。外角に逃げる変化球やフォークに弱く、これらの変化球が得意な投手を使えば、三振の山を築くことも可能。またインコースの球でのけぞらせ、打者を打席の端に移動させた後、外角に投げればあっさりと引っ掛かってくれるなど、左右の揺さぶりにも弱い。

-フリーパスの二盗。走者一・三塁から盗塁を企図した場合、COMは重盗を警戒し二塁には絶対に送球しない。このためノーリスクでチャンスを広げることができる。
--現実でも仕掛けられた側に高度な判断を要求するプレーであり、投手含む野手間の連携が取れずに本盗を許してしまうケースがままあるため、この場合の二盗に限りそのまま見送るケースも多い。ゲームでもうかつに「何が何でも送球する」仕様のため、一三塁であれば確実に得点できてしまう野球ゲームも少なくない。当時のAI的にもいっそ送球しないとしたのは英断であろう。

-スイッチヒッターがいない。まつもと(松本匡史)・よしひこ(高橋慶彦)・まつなか(松永浩美)など、スイッチヒッターをモデルにした選手は全て左打者に設定されている。なお、スイッチヒッターがファミスタに登場するのは'90から。

-四死球を連発するCOMえがわ(江川卓)。同選手の変化球データは「右16・左3・下0」となっており、キレの良すぎるカーブ((現役時代の江川はストレートとカーブだけで勝負する投手として有名だった。))が逆に仇となり、四死球を誘発しやすい。このため「Gチームとの対戦時には強引にでも左打者をそろえる」という攻略法が、当時のゲーム雑誌などに掲載された。

-容量の都合とは言え、合併球団にされた西武以外の当時のパリーグ球団ファンからは当然評価が悪い。プロ野球人気の低下が叫ばれて久しいが、逆にパ・リーグの人気は今では考えられないほど低かった(球場の観客が選手より少なかったとかはザラ)為である。ちなみにレイルウェイズで一括りにされた近鉄と阪急(の後継球団のオリックス)は2004年に現実に球団合併しており、ある意味預言的ソフトになった。

**裏技・バグ
-1P側のみ、ピッチャーにリリーフを出して、次にその交代したピッチャーが打席に入った時に代打を出すと、ピッチャーはそのまま、打席にはその代打のバッターが引き続き出場するというDH制のような状態になる裏技が可能((ただし、ピッチャーにさらにリリーフを出すとバッターはその交代したピッチャーになってしまう。))。
-試合開始直後、画面がスコアボードからバッターボックスに切り替わる瞬間にタイム(ポーズ)を出して、画面にピッチャー・バッター・キャッチャーも誰も表示されてない状態で代打を出すと相手のピッチャーが画面から消えてしまい、投球が全てボールになってしまうバグが存在した((盗塁などで画面を切り替えれば元に戻る。))。
--COM戦で最初にこれをやると、四球連発で得点が稼ぎ放題になる。ちなみに100点を超えると画面上の表示は「0」に戻るが、記録自体はされている。

**総評
初代の時点でほぼ完成されたゲームシステム((1988年月刊LOGIN・ゲームアーツ開発スタッフコメントより。))は、シンプルながら奥の深いゲーム性を持ち((ファミコン通信ゲームカタログ1991より。))、多くのゲームファンから支持を受ける。

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**その後の展開
業務用への逆移植をはじめ、パソコン・PCエンジン・ゲームボーイなど多くのプラットフォームにて発売、打順変更や球場選択、好調選手など細かな付加要素を加えつつファミスタは成長を遂げ、次世代ゲーム機に移行した現在もトップの座こそパワプロシリーズに譲ったもののなお新作がリリースされつづけている。