「ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮」の編集履歴(バックアップ)一覧に戻る

ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮 - (2024/01/14 (日) 22:35:41) のソース

//記事移転議論スレ@したらば経由で、バカゲー判定より移転。
*ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮
【うぉーしっぷがんなー つー くろがねのほうこう】

*ウォーシップガンナー2 ポータブル
【うぉーしっぷがんなー つー ぽーたぶる】
|ジャンル|アクション|&amazon(B000K72LYG)|&amazon(B002MZYU5W)|
|対応機種|プレイステーション2&br()プレイステーション・ポータブル|~|~|
|発売元|コーエー|~|~|
|開発元|コーエー|~|~|
|発売日|【PS2】2006年2月23日&br()【PSP】2009年11月12日|~|~|
|定価|【PS2】7,140円&br()【PSP】5,040円|~|~|
|判定|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|~|
|~|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|~|
----
#contents(fromhere)
----

**概要
マイクロキャビンが開発した『鋼鉄の咆哮』シリーズの第6作目。~
''PS2版はコーエーが開発しており前作「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー」まではマイクロキャビンも関わっていたが、本作は「亡国のイージス2035」を作った開発チームと同じであるため原作表記のみとなっている。''~
そのため、''旧作と比べると別の味付けとなっており、シリーズの中でもかなり異色。''

主人公はカムチャッカ半島あたりにある架空の国の海軍士官。WW2(第二次世界大戦)直前の時代に祖国がクーデターにあい演習中に命を狙われる。~
辛うじて軍艦で脱出し同盟国の日本に逃げ込むが、祖国はクーデターと同時に世界各国への侵略を開始。~
侵略する艦隊から各国を護り、最終的に独裁者を倒すのが目的である。

-プレイヤーは戦略パートにて艦船をデザインし、戦闘パートにて自作した艦で敵艦隊を撃滅していくことでストーリーが進む。

-『鋼鉄の咆哮』シリーズは、初代『鋼鉄の咆哮』をベースにトップビュー(俯瞰視点)を用いたラジコン操作感覚で手軽に海戦アクションを楽しめる『''ウォーシップコマンダー''』と、シリーズから派生して艦の後ろや砲撃手からの視点を用いたTPS・FPS感覚で海戦アクションを楽しめる『''ウォーシップガンナー''』に分かれている。本作は、『''ウォーシップガンナー''』の2作目に位置づけられる。

鋼鉄の咆哮シリーズを大別すると3つの流れがある。
-PC版ウォーシップコマンダーシリーズ
--2000年 PC『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』
--2002年 PC『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』
---2003年 PC『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー エクストラキット』(2のパワーアップキット。一応単独でもプレイ可能)
--2004年 PC『鋼鉄の咆哮3 ウォーシップコマンダー』
-PS2版ウォーシップコマンダーシリーズ
--2001年 PS2『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』(PC版1がベース)
--2004年 PS2『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップコマンダー』(PC版2とは別物)
-ウォーシップガンナーシリーズ
--2003年 PS2『鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー』(PS2版『鋼鉄の咆哮 ウォーシップコマンダー』が『鋼鉄の咆哮1』にあたる)
--2005年 PS2『亡国のイージス2035 ウォーシップガンナー』(原作付きスピンオフ)
--2006年 PS2『ウォーシップガンナー2 鋼鉄の咆哮』(本作)
---2009年 PSP『ウォーシップガンナー2 ポータブル』(本作 PSP移植版)


----
**バカゲーとしての側面
-ストーリーだけ見れば平凡に見えるが、中身はまさにカオス。
--最初はWW2の兵器(大砲、魚雷、機銃など)しか使えないが、中盤になるとミサイル、CIWS((ミサイルを迎撃する機関砲。史実で登場するのは1970年代ごろ。))、速射砲などの現代兵器、ヘリコプターやジェット機などの現代航空機が使えるようになる。艦船も現代艦船であるフリゲートが登場する。
---ヘリコプター、ジェット機は条件さえ揃えれば序盤でも使用可能。
--最終的にはレールガン、レーザーといった近未来に完成すると思われる兵器や、史実の倍以上の砲口径を誇る100cm砲((史実の艦砲は大和の46cmが最大。計画だけなら51cm砲もあった。))といった無茶苦茶な兵器、波動砲と言ったどっかのアニメやシューティングゲームで見た事がある兵器、さらにはねこビーム、カニ光線、あひる戦闘機、あひる戦艦、サメ潜水艦など…意味不明な兵器を開発することができる。
--軍艦旗も設定できるのだが、日の丸や旭日旗などの史実に沿ったものから、鯉のぼり、大漁旗、ペナントなど意味不明なものまで登場する。
---しかも、意味不明な軍艦旗の方はいろいろな付加効果があるため、非常に有益。
--さまざまな補助効果をもたらす「補助兵装」もレーダー、ソナーといったごく普通のものからイージスシステムのような現代兵装、さらに実弾兵器のダメージを軽減する防御重力場、火災などの災害を完全防止する「お守り装置」や、さらに軍艦の性能を変動させる「謎の装置」なるものまで登場する。

-敵のボス的な存在として「超兵器」と呼ばれる軍艦や航空機などが登場するが、これもすごい。
--最初は非常に速い戦艦、二隻の戦艦を横に2つ合体させた双胴(そうどう)戦艦、単純に巨大な艦など架空戦記に出てきそうな軍艦だが、中盤になるにつれてドリル戦艦、160cm砲を搭載した列車砲、コロニーレーザーのような太い光線を放つ海上要塞、最終的には反物質兵器を放つ超兵器が登場する。
--超兵器自体はシリーズ恒例なのだが、今作では「超兵器とは何か?」という疑問に、今作独自とはいえ明確な答えを提示している。そのため超兵器の禍々しさはシリーズでも随一。

-一度クリアすると腹筋崩壊物のギャグシナリオ『特殊任務』をプレイ可能。
--古き良き時代の日本の親父を具現化したような主人公の仕官学校時代の教官はポンコツオヤヂと化し、超兵器への科学者としての興味と恐ろしさに悩む若き天才女性科学者はヤクザ映画の大ファンで妙な広島弁で話し始め、ある重大な秘密を持つ主人公の後輩(男)はオカルト趣味で電波を受信している上、主人公(男)に恋心を抱くキャラとなる。その他の人物たちも完全にぶっ壊れている。
--ここで登場する超兵器も変なヤツばかり。主人公に果たし状を出してくる「ドリル三兄弟」や、Win版恒例の「ゴキブリ」と呼ばれる目視できない戦艦。特にラスボスは爆笑モノ。
---さらに超兵器とオペレーター嬢のやり取りもあり、これもバカバカしい。

----
**評価点
-旧作とは比べものにならないストーリー。
--前作までは申し訳程度のストーリーであったが、WSG2では個性豊かなキャラクターが多く、内容にも力が入っている。
--3つのシナリオルート分岐が用意されており、長く楽しめる。

-丁寧なチュートリアルの追加。
--旧作でもチュートリアルはあったが、本作では今までよりかなり丁寧に解説してくれる。
--そもそもマニアックなゲームなためミリタリーに関して知識がないと訳が分からないことが多いが、丁寧に解説してくれるため取りつきやすい良い仕様である。

-『鋼鉄の咆哮』シリーズの象徴ともいえる、艦船を自由に設計する「HLGシステム」
--自分が操る軍艦を設計することが可能であり。大和、長門、アイオワなどといった現実の名軍艦を造ることもできるし、90ktの超高速艦や、双胴戦艦、航空戦艦など現実では造れない・未完成や不首尾に終わった船を造ることもできる。
--どこに何を置くか、重量制限をどうしのぐか、有効な兵装は何か、速度と攻撃・防御とのバランスをどう保つかといったことを試行錯誤しながら設計する楽しみがある。また、有効性を確かめるための「試験航海」もできるため、数値だけでは分かりにくい、実際の運用面も事前にチェックできる。
--PS2版では初となる「潜水艦」も設計可能となった。
--また空母にもVLSが搭載可能になった((Win版ではEKから登場する特殊空母のみ搭載可能だった。))。

-生産タイプの廃止。
--前作まではゲーム開始時に日本/アメリカ/イギリス/ドイツの4種の中から兵器タイプを選ぶ必要があり、決めてしまうと変更不可能だったが、本作では廃止され様々な国のパーツが混ぜて使えるようになった。
---ただしシナリオによってある程度の制約が残る((例えば日本ルートでは酸素魚雷を開発できるが、独ルートでは代わりに誘導魚雷となる。))。

-VTOL機、ヘリコプターの追加
--従来のPS2版の作品では、戦艦と巡洋艦は水上機しか搭載できなかったため、中盤あたりですでに戦力外であったが、これにより終盤でも補助程度の活躍が見込める。
--特に自動でアイテムを回収する「救助ヘリ」が非常に便利。中には、救助ヘリがないととれないアイテムもある。

-軍艦の種類ごとのバランスが修正された。
--従来のシリーズでは火力、耐久に優れた単純に性能の高い戦艦が有利だったが、艦の性能を大きく変える「補助兵装」の搭載数が艦種によって変わったため変動。
--駆逐艦は補助兵装を9つ搭載できるようになり、終盤では砲弾・防御力不足を大幅に補うことができるようになった。従来の作品では序盤ではHPが低く、兵装も乏しい駆逐艦でのクリアはゲームクリアでもしない限り厳しかったが、今作では駆逐艦で全てのステージをクリアすることも割と容易になった。
--戦艦は補助兵装が6つしか装備できなくなっため、場合によっては思わぬ被害を受けるリスクが増大している。
---こうした要素のため、戦艦でごり押しするという作戦は従来の作品に比べても取りにくく、ミッションごとに有効な艦を選ぶ必要がある。

-アクション面も改良されている。
--弾切れした兵装があるときに敵艦を撃沈すると高確率で弾薬が出てくる。このため、弾切れに悩まされにくい。弾幕シューティングよろしく砲撃を行うこともできるため、爽快感も大きい。
--耐久度を任意で完全回復できる。これまでのシリーズでは耐久度の回復手段が限られていたため、かなりプレイしやすくなっている。
---しかし、耐久度を完全回復させる「完全修理」中は機関・兵装停止する上、「完全修理」中の被ダメージは2倍になるというリスクもある。そのため、大ダメージを回復させるタイミングをしっかり見極める必要がある。
-FPS視点のため、飛び交う砲弾・レーザー、迫りくる敵艦、超巨大な超兵器などの迫力は物凄い。
-2周目からは敵が強くなるため、簡単には三国無双シリーズのようにいかない。

-ボスの部位破壊。
--ボスである超兵器の特定部位を破壊することが可能となった、それに応じて変化もある。
---艦橋が破壊されドリルが止まるドリル戦艦。艦尾が破壊され潜航できなくなる潜水艦など。
---特定部位を先に破壊して弱体化を狙うという今までとは違った戦い方が可能。

----
**賛否両論点
-旧作から登場する超兵器の扱いが酷い。
--例えば鋼鉄の咆哮シリーズ初代から毎回登場する「超巨大航空戦艦ムスペルヘイム」という「プラズマ兵器」を主に使う強敵ボスがいるのだが、本作では光学兵器すら装備していない上に中盤のボスとして登場する。
---艦載機と強力な兵器で旧作では猛威を振るっていたボスだが、見る影もない。一応だが、驚くくらいにはロケット兵器を大量に撃ってくるが……。
--歴代でラスボスを務めたヴォルケンクラッツァー級がついに変更された。
---相変わらず波動砲を装備しているが、前作まで共通で装備していた「δレーザー」や「レールガン」などが外されてしまった。
---一応高難易度では「砲塔型レールガン」を装備する。
--ただし「またヴォルケンクラッツァーか」という声も多かったため、変更に関しては評価の声も多い。
--レーザー戦艦なのに実弾砲がメインのボス、登場ムービーでレールガンを展開するのに戦闘中となると格納状態になっており撃たないボスなど、今までのボスキャラクターの特徴が活かされていない意味不明な点が多い。

-敵兵装の仕様変更。
--敵が最初から全兵装を使用する。
---最大7種の兵器を装備しており、前作までは「最初は1番から4番目の兵器まで使い、中破すると4番から7番までが解放、全兵器を使用する」というシステムがあった。
---ボスである超兵器を追いつめると強くなり戦闘が熱くなる、というのも鋼鉄の咆哮シリーズの面白さだった。
---ただし今作でも戦闘中に一定条件を満たすと強くなるボスもいる。

-超兵器戦で敵の名前を言わなくなった。
--これまでの超兵器戦では、接近すると警報が鳴り、副官が「超高速巡洋戦艦ヴィルベルヴィント接近!」などと言って臨場感を盛り上げていたが、今作ではイベントが発生するにとどまっている。
--初見である敵艦の名前は分からないのだから当然と言えば当然だが、少し寂しい。
---『鋼鉄の咆哮3』の場合は「ステージ開始前に諜報員が情報をキャッチしているため名前が判明済」という設定がある……が、一部の超兵器は前情報無しに叫ぶ。

-空母への兵装の搭載仕様が変更。
--旧作までは砲などは右舷側に寄せて配置され、甲板は航空機の離着陸の邪魔にならないよう設置不可能であったが、今作では堂々と甲板のど真ん中に置ける。
--見た目は劣悪だが、兵装が多く載せられるため性能に関しては格段に上がっている。

----
**問題点
-これまで見てきたように、架空戦記のノリなので、史実重視派にはまったく向かない。
--現実の船も造れることは先に述べたが、実際に造ってもあまり実戦では使いものにならない。
---理由は中盤以降になると40kt以上の超高速艦でないと敵の攻撃を回避できないため。現実の戦艦や駆逐艦では、常時これだけの速力を出せる艦はあまり存在しない。
---後半になると超兵器はおろか雑魚ですら固くなるので、史実で最大の46cm三連装砲でも威力不足。そのため、SF風味の武装でなければ歯が立たない。
---装備が強力になるにつれて艦型や上部構造物も現代艦風味のものになるので、WW2風の艦で遊びたい人間には少々酷。
--前作(WSG)にあったWW2モードは削除された。

-ボスの耐久力。
--最大難易度では、ボスである超兵器の耐久力が非常に高い。
--これはPS2版の第一作目であるウォーシップガンナーでも問題だったが、2作目のコマンダーで改善されたはずなのだがまた戻ってしまった。
---前記した通り、開発チームに変更があったのも影響していると思われる。
--敵の射程外から長時間一方的に攻撃をするということになり作業感が強い。
--PSP版では敵が硬くなっているためさらにタフになっているが、逆に敵の射程も伸びているため回避しながらの戦闘など、作業感は若干薄れた。

-空母でのプレイが非常に厳しい。
--本作では航空機が弱いため、艦載機任せでのミッションクリアは非常に難しい。
--艦載機の火力が低いため、敵が全く撃破できない。
---ただしPSP版だと航空機がかなり改善され、逆に非常に強い。
--救助ヘリのアルゴリズムがいまいち。
---複数のヘリを出撃させても、すべての機が一番近い漂流物に向かってしまうので無駄が多く、漂流物が時間切れで消滅してしまうこともしばしば。

-潜水艦は、原子力潜水艦でなくともいつまでも潜行していられる。
--鋼鉄の咆哮3では、バッテリーが切れると浮上して充電する必要があったため、そのため攻撃を受けにくい潜航状態にも弱点が持たされていた。
---艦船そのものの操作・動きもお手軽な反面、決して本格的とは言えないので、本格的な操艦シミュレーション路線を期待しているとがっかりするだろう。

-潜水艦の使用できるステージが決まっている。
--主に超兵器戦では出撃不可能。
---旧作で唯一潜水艦の使えた鋼鉄の咆哮3では、一部の超兵器に対して一方的に攻撃が可能という強力な艦種だった、それを防ぐためであると思われる。
---PSP版では設定ミスなのか、ストーリーモード中のアラハバキ戦だけは潜水艦で出撃できる((潜水中ならドリルも無効、対潜兵器による反撃も無し。))。

-兵器開発のコンプリートが廃人仕様。
--特定の艦船を一定数撃沈するたびに特典がもらえるのだが、その中で「航空戦艦999隻撃沈」というのが非常に厳しい。
---航空戦艦はたった1面でしか登場せず、そこで撃沈できるのは最大4隻。つまりそのステージを250回以上プレイしなければならない。
---4隻しか登場しないのはPS2版の話で、PSP版では1周目で16隻、2周目で24隻出現する。
--しかもこの特典がないと開発できないものがある。このため、全ての兵器を開発しようとしたらとんでもない時間がかかる。
---一応、クリア済みのミッションを任意でプレイできる「演習」でいつでも挑戦できるもののきついことには変わりない。
--PSP版では難易度UltraHardで、2周目以降設定にて全ステージSランクを取る、もしくはストーリを10周すると全装備が開発可能になる。
---しかしUltraHardの難易度は、チート級の補助装備「謎の装置η」(全兵装スロット自動化)と「無限装填装置」(弾薬無制限)の2種が通信対戦同様つかえず。その上敵が滅茶苦茶強い。おとなしく普通の条件を満たしたほうが早い。

-一部兵器の産廃化。
--パルスレーザー
---対空迎撃に有効な対空パルスレーザーが弱体化。高速移動する航空機にまったく攻撃が当たらない。バグと思われるがベスト版、PSP版でも直っていない。
--噴進砲
---駆逐艦の専用兵器、旧作では「射程は短いが威力が非常に高い兵器」であったのだが、今作では威力が死んでいるため使い物にならない。
---PSP版では強化されたが、その影響で噴進砲を主兵装とするボス「デュアルクレイター」がとんでもない強さにパワーアップするという副作用も生じてる。
--大口径ガトリング砲
---AGSに速射機能が内蔵されている上、連装数、砲門数を増やすことで同時発射数も増える為、相対的に使えなくなった。
--ミサイル系統
---砲より威力が高いわけでもなく、射程が長いわけでもないので死んでいるものが多い。
---ただし高威力&広範囲の特殊弾頭ミサイル、敵を痺れさせる電子攪乱ミサイルなどは強い。
---PSP版では一応改善されたが、RAMのように存在意義が怪しい兵器も相変わらず残っている。

-敵のモデルの扱いが雑。
--旧作「鋼鉄の咆哮2 ウォーシップガンナー」から引き続き「提督の決断4」のモデリングを流用したものとなっている。
---元のモデリングは史実に存在した艦だが、本シリーズはレーザーまで登場する世界なので、外見と全く合わない装備を放つ敵が出てくるため非常に違和感がある。
--超兵器の武装が崩れる
---元のモデルを無理矢理動かしているのか、ポリゴンが崩壊、砲の旋回基点がずれて空中に浮いているなど粗い作りが目立つ。

-バグ。
--AGS((誘導性を持つ速射砲。))の着弾点がややずれる。相手が大型艦ならあまり問題はないのだが、終盤登場する小型レーザー艦艇の掃討に一苦労する。
---特にAGSは駆逐艦・フリゲートにとって強力な砲であるため、両者を生かす上でこのバグは少しつらい。
--PSP版では「AGS砲弾が着水しても消えない」というバグがあり、この影響で敵の弾を回避しても水中を突き進んで一周して戻ってくるという2次災害が起きている。
--電子撹乱ミサイルの不可解なバグ。使用したり、場合によっては装備しているだけでフリーズする。PSP版では修正された。

-余談であるが、プレイヤーに有利になるバグもあるにはある。
--本来ロックオン出来ない対象を無理やりロックできる。例えば水上艦を対艦ミサイルでロックし、ロックしたまま対空ミサイルに切り替えると、対空ミサイルで艦艇を攻撃できる。
---対潜誘導魚雷を水上艦艇に使用すれば、通常魚雷よりも大ダメージを与えられる((しかも対潜誘導魚雷は酸素魚雷や誘導魚雷よりも先開発できる。))。
---AGSでひみつ基地を攻撃出来る。爆雷を忘れた時のあがきとして。
---対艦兵装である電子撹乱ミサイルで航空機を直接攻撃できる。電子装置を使用不能にするという設定の為か、いかなる航空機であっても一撃で撃墜出来る。超兵器も例外ではないので…

----
**PSP版の問題点
改善点も多いが、問題点も増えている。特にゲームバランスの調整が極端になっており、[[無双シリーズ]]の影響が窺える。

-ボスの耐久値。
--さらに硬くなっており、非常に長期戦となる。

-超兵器の兵装が超強化
--一部の超兵器の兵装が大幅に強化され、80cm砲や100cm砲に換装されている。戦艦でも2発も喰らえば沈む威力を持つ上に射程も非常に長い。
---このため「レーザー戦艦」や「波動砲装備の戦艦」の超兵器なのに、副砲?の100cm砲が最大脅威となってしまっており何かおかしい。
---ではレーザーやビームの類が弱いかというとそんなこともない。威力こそ100cm砲に比べれば控えめだが、回避が困難な上途切れること無く乱射してきてガリガリ耐久力を削ってくる。
--対抗策が無いわけではないのだが…ゲームバランスのおかしさが余計引き立つ。
---どうせ当たれば終わりなら、ということで回避に優れ魚雷も使える駆逐艦プレイが推奨される場合も。
---''チャフグレネード''が最重要兵装と言われるほど重要になっている。チャフグレネードにはミサイルを引きつける他に、非誘導兵器の照準を外す効果もあるため、これが有るのと無いのでは被弾率が目に見えて違ってくる。
---PSP版では航空機が強化されているため、艦載機に任せるという手もある。砲撃の届かない場所で距離を取って待ってれば、そのうち艦載機が倒してくれるが…。
---VERYEASYで挑めば砲撃を受ける前に倒せる程耐久力が下がる。1周目などストーリーがどうしても進められない時の最終手段で。

-防御装置の仕様変更。
--光学兵器の威力を軽減する「電磁防壁」と、実弾兵器の威力を軽減する「防御重力場」が弱くなった。
---PS2版までは高性能のものを装備していればまず負けないが。今作では最高ランクのものを装備した戦艦でも100cm砲など5発前後で沈む。
---光学兵器も侮れなくなっている。超兵器のそれは当然として、数で押してくるザコのレーザーもなにげに痛い。

-産廃兵器の増加
--ハウニブーシリーズ
---シリーズ通じて最高のレベルの能力を持っていたハウニブーシリーズだが、PS2版でも独特の飛び方ゆえの攻撃頻度の少なさだったが、他航空機強化の煽りを受けてさらに価値が失われた。
---普通の飛び方をするあひる航空機シリーズもあるし…
--波動砲
---前作までは連続ヒットしていた様で、超兵器でも一撃で轟沈できるほどの威力が有ったが、今作では1ヒットしかしないので威力が大幅に激減((プレイヤー艦の耐久力なら一発で沈む威力は有るのだが。))。
--一方で、追加された160cm砲はチート級の破壊力がある。超兵器すら数発で、しかもアウトレンジで一方的にタコ殴りできる。入手難易度もそこまで高くない。
--ほかにもにゃんこビームも強力な面制圧能力のある兵器であり、産廃と優秀兵器とのギャップがいささか大きい。

----
**総評
従来のシリーズとは大きく仕様変更された部分がある特異な作品となっているが、良く仕上がっている。~
シナリオ本編は一応シリアスなのに、戦闘時は敵味方共に無茶苦茶かつバカバカしい兵器で暴れまわるバカゲーであるのだが、アクション面は非常に良好である。~
史実艦への強いこだわりがないのならば、プレイして損はない。

----
**移植版
-PSP版は、武器が追加され、バグの修正や一部アイテムの取得条件の緩和、PS2版では使い物にならなかった航空機の強化など、おおむね改善されている。
--また、超兵器が大幅に強化されているため、アクションゲームが苦手な人にはややハードルが高くなっている。~