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SIMPLE1500シリーズ Vol.99 THE 剣道 ~剣の花道~ - (2013/12/24 (火) 23:48:18) のソース

*SIMPLE1500シリーズ Vol.99 THE 剣道 ~剣の花道~
【しんぷるせんごひゃくしりーず ぼりゅーむ99 ざ けんどう けんのはなみち】
|ジャンル|スポーツ(剣道)|&amazon(B000068QF1)|
|対応機種|プレイステーション|~|
|発売元|D3パブリッシャー|~|
|開発元|アメディオ|~|
|発売日|2002年8月29日|~|
|定価|1,500円(税別)|~|
|廉価版|ゲームアーカイブス:2010年8月11日/300円|~|
|分類|BGCOLOR(MistyRose):''バカゲー''|~|
|ポイント|貴重な剣道ゲーム&br()単純ながら意外にそこそこ良い出来&br()※よいこはまねしないでね&br()全体的なショボさと低ボリュームが難点|~|
|>|>|CENTER:''[[SIMPLEシリーズリンク>SIMPLEシリーズ]]''|

**概要
廉価ゲームシリーズ・SIMPLEシリーズのPSレーベル『SIMPLE1500シリーズ』の1作。~
SIMPLE1500シリーズで特に多かったスポーツ物作品のひとつで、剣道を扱っている。~
3D対戦ゲームであり、全体的なデザインは格闘ゲームに近い。~

**特徴
-モードは「ストーリーモード」「野試合モード」「対戦モード」の3つ。
--ストーリーモードは一般的な格闘ゲームと同様に、シナリオの合間にCPU戦が挟まれる。
---シナリオは3種類。シナリオの順番は決まっており、陽太→よしみ→鉄蔵の順でないと始められない。
--野試合モードは、ひたすらCPUの剣士を倒していく耐久モード。剣士は徐々に強くなっていく。
---初期状態ではライフを5つ持つ。一本取られると1ライフ失い、5人倒すごとに1ライフ回復。
--対戦モードはいわゆるフリー対戦。対人戦とCPU戦の両方が可能である。

-ルールは実際の剣道に準じる。基本的に三本勝負((ストーリーモードでは一本勝負の試合もある。))で、試合時間は5分、延長3分。
--ゲーム内の時間計測は実時間より早く、実時間の1秒がゲーム内の2秒程度に相当する。

-○×△□ボタンで、それぞれ胴、払い、面、突きが出せる。小手は上キー+×。
--攻撃を出していない際はオートで防御が行われる。
---そのままなら中段防御(胴を防ぐ)、上キーを押していれば上段防御(面を防ぐ)になる。
--面・胴・突きは他の攻撃技でキャンセルができるため、フェイントを仕掛けることができる。
--L1ボタンで、「固有技」と呼ばれるキャラごとの特殊技を出せる。これについては後述。
--移動は左右キー、R1・R2ボタンで四方向に可能。相手に接近すると鍔迫り合いになる。

-野試合モードや対戦モードで使用できるキャラは、ストーリーモードや野試合モードの進行により徐々に追加される。
--最終的には、ストーリーモードに出てきた敵キャラを含め8人が使用できる。

**評価点
-剣道という、ゲームにしづらい素材をそれなりにまとめてある。
--剣道は有効打突一本で勝ちが決まってしまう性質上、テレビゲームの題材に不向きでソフトは極めて稀である。
---剣道キャラが出てくる作品こそあれど、実際のルールに則った剣道の試合がある剣道ゲームは他に『[[六三四の剣 ただいま修行中]]』があるぐらいで殆ど唯一に近い。
---もっとも、『[[ブシドーブレード]]』のような立ち位置の近いゲームや、剣道を数あるゲームのひとつとして収録した『デカスポルタ2』のような例はいくつかあるが。
--単純な操作とフェイントなどの戦略性を両立していて剣道の読み合いをちゃんと味わうことができ、地味ながらそこそこ程度良い出来と言える。
--もっともCPU対戦では運ゲー的な要素も強く、対人戦でないとシステムが活きないのはやや残念。

-ストーリーモードのシナリオが突っ込みどころ満載。3つのシナリオを順に紹介する。
--陽太「真夏の青春 全国大会」
---剣道部の男子高校生が主人公で、剣道の全国大会を勝ち上がるシナリオ。
---''いきなり大会前日の練習戦から始まり、それが終わるともう大会本番である。''
---プレイヤーに対するチュートリアルになっているのだが、いくらなんでも''大会前日に先生から基本操作を教えてもらう''のはどうなのか。
---変なキャラもいくつか登場するが一応王道的な展開であり、これでも''他の2つに比べれば全然マシ''である。
--よしみ「ズッコケ婦警のはみだし捜査」
---「''剣道よしみ''」((演歌歌手・天童よしみのパロディであることは言うまでもない。))という主人公の名前からしてボケる気満々。
---新人婦警のよしみが、剣道場に紛れこんだ強盗を探すというストーリーなのだが、どこに剣道が絡んでくるかというと・・・
---怪しい奴がいる→道着を着ているので犯人かどうかわからない→''面を割れば顔がわかる!''
---というわけで、よしみが''片っ端から怪しい人物に試合を申し込み、面を面打ちで割っていく''のがよしみ編のストーリーである。
--鉄蔵「剣の道 闇の道」
---''なんか暗いタイトル、ごついオッサンの主人公''と妙に物々しい。
---それもそのはず、鉄蔵編は''男たちを剣道で戦わせて賭博のダシにする地下賭博場''が物語の舞台なのである。……どういう設定だよ!
---『遊戯王』が何でもカードで決めるのと同じようなシュールさを感じさせる。
--なお、実は3つのシナリオは内容が微妙に繋がっている。
---これに関しては遊んで確かめてほしい。

-他にもバカゲー要素多数。
--陽太で試合に勝つと、勝利ボイスで「''ン”ェェェェェェェ!!!''」と奇声を発する。
---というか、陽太のボイス(若い男性の汎用ボイス)は全体的に声が上ずっていて、例えば「面」が「''ウ”ェン!''」といった感じである。
--「固有技」が色々とひどい。文章だけで説明するのは難しいが、お前ら遊んでるだろと言いたくなるような技ばかり。
---最初の主人公である陽太の「片手面」(竹刀を''片手で持って''面を打つ)も相当アレだが、''他に比べれば全然マシ''である。
---''エビ反りになって相手に向かって大ジャンプしながら面を打つ''よしみの「かえる飛び面」。
---''竹刀を垂直に構えてグルグル回りながら胴を打つ''鉄蔵の「回転胴」。
---終いには''手から謎のビームを出して妨害する''キャラまで出始める。剣道って何だっけ?
--''洋剣を持って洋式鎧を着た、どう見てもそれ剣道じゃなくてフェンシングだろと言いたくなるオッサン''が対戦相手に出てくる。
--教団っぽい衣装を着ており、''防具を全く付けていない''組織のボスが対戦相手に出てくる。危険どころの話ではない。
--オプションの効果音欄に''「通常」「派手」''の設定がある。
---こんなオプション項目もそうないのではなかろうか。

**問題点
-ボリュームは乏しい。
--ストーリーモードの試合は、1つのシナリオにつき5、6回程度。シナリオ自体も短い。
--後述の難所さえ除けば、1時間半もかからずクリアできる。
--あとは対人戦を除くと野試合モードで記録を伸ばすぐらいしかやることがない。隠しキャラも出せるが、単なる耐久モードなので飽きは早め。
-演出も微妙。
--動きはリアルさに欠ける。素人でも実際の動きをあまり研究していないのが察せるクオリティ。
---まあ、''ビーム出す奴がいるゲーム''でそれほどリアルとか言う必要があるのかという意見もあるかもしれないが。
--ボイスが男性ボイス2種と女性ボイスの計3タイプしかないのは悲しい。
-鉄蔵シナリオ・3戦目が理不尽に難しい。
--何が難しいかというと、クリア条件が「勝負を''引き分けにする''」ことなのである。
--剣道で引き分けは時間切れ以外で発生しないので、ここでは''試合5分+延長3分(実時間で計4分程度)の間、ひたすら決着が付かないよう耐えなければならない''。
--3本勝負なので、最初の5分に限り1回一本を取られても取り返せばなんとかなる。
---ただし、延長に入った後は一本で勝負が決まってしまうのでその方法も使えない。
--CPUの思考を突いて時間稼ぎのコツをつかめばなんとかクリアできなくもないが、不必要に難しくストレスが溜まるだけである。

**総評
剣道の試合を専門で扱った数少ないテレビゲーム。~
当時のSIMPLE作品ゆえかどうも全体的なショボさは否めないが、基本的な造り自体は比較的良好。~
バカゲー的にもポテンシャルを持っているだけに、ボリュームのなさが特に残念なところである。~
現在はゲームアーカイブスで300円となっているので、遊んでみるのも良いだろう。~