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ぞくぞくヒーローズ - (2014/03/03 (月) 00:47:52) のソース

*ぞくぞくヒーローズ
【ぞくぞくひーろーず】

|ジャンル|振力(フルパワー)RPG|~|
|対応機種|ゲームボーイカラー(専用)|~|
|発売元|メディアファクトリー|~|
|開発元|KAZe|~|
|発売日|2000年8月4日|~|
|定価|5,980円|~|
|プレイ人数|1~2人|~|
|セーブデータ|3箇所|~|
|分類|BGCOLOR(lightgreen):''良作''|~|

#contents()
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**概要
-メディアファクトリー(現:KADOKAWA)のゲーム制作部門がゲームボーイ末期にリリースしたロールプレイングゲーム。
-キャラクターデザインは当時コロコロコミックで学級王ヤマザキを連載していた樫本学ヴ。&br()その縁かタイアップ漫画もコロコロコミックや小学館の学年誌で連載されるなど、ターゲットを子供に絞ったかのような販売戦略を取っていた。しかしその内容は決して子供向けと侮ることは出来ない程作り込まれている。
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**ストーリー
それは、ある平凡な町の出来事だった。満天の星空。そこでふたつの光が激突している。ふたつの光球は接触して町へと落下!そして上空からたくさんの光が流れ星のように町へと降り注いでいった。&br()翌日、主人公の一平は、家の前にヘンな男が行き倒れになっているのを発見!一平は、男をじいちゃんの研究室に連れていった。&br()「ワタシ、スペクターは正義の味方デース!宇宙の平和を乱すギャラクタスを倒すためにやってきました。でも、地球の上で相討ちになったのでーす。そのときに50以上ものブライトパワーが全部なくなってしまいました・・・・・・!」&br()ブライトパワーとは超能力を秘めた宇宙の力。それを手に入れると同じ数だけのヒーローになれるという。話を聞いた一平はブライトパワーを集めることを決意した。&br()その翌朝、町はギャラクタス軍団の怪人たちであふれかえっていた!一平はパワーアップさせたゲームボーイによって宇宙ヒーロー初心者が着るブライトスーツを着用できるようになった。これでブライトパワーを集めれば一平もヒーローになれるのだ。&br()「さあ、ゆくのじゃ!イッペイ!」&br()一平はブライトパワーをすべて見つけ出せるのか?&br()今、銀河をかける”ご町内決戦”がはじまる!!&br()&br()(公式ガイドブックより引用) 
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**特徴
-主人公は男の子:一平と女の子:ミナ(名前変更可)の二人から選択可能。選ばれなかった方は主人公の幼馴染みとなり、ストーリー等にも若干の変化がある。本記事では一平で統一する。
-主人公はブライトスーツを着用しブライトボーイ/ガール(名前変更可)に変身する事が出来るのだが、更にそこから「ブライトヒーロー」と呼ばれる姿に変身ができる。ブライトボーイ/ガールの姿ではかなり弱いのだが、ブライトヒーローに変身する事で大きく強化され、怪人と対等に戦うことが出来るようになる。
-ブライトヒーローは複数存在し、その数実に70種類。条件を満たせば好きなブライトヒーローに変身できる。その条件とは、ブライトヒーローに対応した「ブライトパワー」を手に入れる事。
--ブライトパワーは様々なアイテムに宿っており、それを鑑定する事で入手出来る。宿っているアイテムとブライトパワー、ブライトヒーローは頭文字が共通しているという特徴があり、例えばアイテムの「&bold(){う}んどうぐつ」を鑑定すると「&bold(){う}」のブライトパワーを入手でき、「&bold(){ウ}ルトランナー」というブライトヒーローに変身できるようになる。ちなみに同じ頭文字のブライトヒーローは存在しない。
--ブライトヒーローと怪人には「エレキ」「バイオ」「リキッド」「メタル」「フレア」「スピード」の六つの属性がありそれぞれ優劣がある。ちなみに前述のウルトランナーはスピードである。
-怪人とエンカウントすると、ブライトヒーローに変身して戦う事になるが、&bold(){その変身方法こそが本作の最大の特徴}。
--本作には「フルチェンジャー」と呼ばれる周辺機器が同梱されており、これをリアルに3回振って各々のブライトヒーローの頭文字に対応した「宇宙文字」を描いて、そのデータをゲームボーイカラーに送信する事で変身する事が出来る。
---宇宙文字はタテ、ヨコ、ナナメの8方向矢印×3個の組み合わせで表される。例えば「う」の宇宙文字は「↓↑↓」。下、上、下の順にフルチェンジャーを振り、送信すればウルトランナーに変身できるという仕組み。
--受信はゲームボーイカラーの赤外線機能を用いて行われる。故に本作はゲームボーイアドバンスやゲームボーイプレイヤーなどでは遊ぶことが出来ない。ゲーム自体は起動するのだが、チュートリアルで変身が必須なので詰む。
--変身は戦闘中に何度でも可能だが、最初のターン以外は変身に一ターンを費やす。また、戦闘中に二回同じヒーローに変身する事は出来ない。
--HPがピンチの時に別のヒーローに変身するとある程度HPが回復する為、沢山ブライトパワーを集めておけばその分戦闘が有利になる。
--各属性ごとに変身回数が記録され、100回変身した属性のブライドボーイ/ガール専用必殺技を習得可能。これらを使えば変身せずとも怪人と互角に戦う事も可能。
--戦闘はオーソドックスな1VS1の対決。変身によるHP回復が前提なのか、全体的に敵はやや強めに設定されている。
--怪人を倒すと助けたお礼としてお金がもらえるが、未成年はあまりお金をくれず、犬やゴキブリといった人間以外のキャラはお金を全くくれない。
-シナリオをある程度進めるとプレイヤー二人で対戦もできる。要通信ケーブル。
--通信対戦ではアイテムが使えず、一部の必殺技に使用不可、もしく追加効果が発生しないものが存在する。逆に通信対戦専用の必殺技も存在する。
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**評価点
-フルチェンジャーの操作による(リアル)アクションゲームとRPGが上手い事融合している。
--特に変身によるHP回復は大変重要であり、窮地で変身を失敗できないという緊張感はなかなかのもの。
-樫本学ヴによる個性豊かで豊富なキャラクター達。
--ありがちなカッコイイヒーローだけでなく、かわいらしい小動物の様なヒーローやどこかギャグっぽいヒーローも多く、果てには実在の人物をモデルにしたものまで存在する。男女で姿が変わるヒーローも。
--過去に氏の作品を読んでいる人にとってはどこか既視感を覚える場面もあるが、秀逸なデザインも多くプレイヤーを飽きさせない。
--ヒーロー達のステータスは千差万別である。「ゴリラ」のヒーローは攻撃が高かったり、「ダイヤモンド」のヒーローは防御が高かったりと特徴が分かりやすい。各ステータスが低く一見役立たずに見えるヒーローもいるが、実はレベルアップ時にステータスが伸びやすいという特徴がある。
-ゲーム中のドット絵のレベルも高い。
--ブライトヒーローや怪人はもちろん、顔グラはモブキャラを含めた全員分が用意されている。
-主人公がブライトボーイの姿の時のみ怪人とエンカウントする仕様になっている。散策したい時やピンチの時はブライトボーイの姿を解除しておけば絶対にエンカウントすることは無い為、快適にマップを歩く事が出来る。
--ダンジョンなどの危険なマップにいる時は自動でブライトボーイに変身してしまい解除も出来なくなるが、100%逃走できるのであまり問題にはならない。
-詳細はネタバレになる為避けるが、ストーリーも奥が深く面白い。
--ラスボスのギャラクタスはどこか間が抜けており、時折ギャグを挟みつつシナリオが進行していく。所謂コロコロの冒険ギャグ漫画の様なノリが続くわけだが、とにかく主要登場人物全員のキャラが濃く空気になることがない。

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**問題点
-フルチェンジャーでナナメの入力がかなり難しい。正確に振ったつもりでもタテやヨコになってしまい、変身に失敗したり想定外のヒーローに変身してしまう事がしばしばある。
--これを見越してか、ナナメ入力が必要なヒーローは強力なものが多い。中でも作中で最強のヒーローと称される「ぽ」のヒーローは唯一ナナメ入力が3回必要である。
-隕石により商店街が壊滅するというイベントがゲームの比較的序盤に発生するのだが、商店街ではブライトパワーの宿ったアイテムが大量に販売しており、もしあまり収集していないうちに壊滅させてしまうと、少数のヒーローでクリアを目指さなくてはならなくなる。
--章をクリアすれば商店街は復活するものの、この章自体の難易度が高めの為クリアが余計に難しくなる。
-入手時期が限定されているブライトパワーが存在する。
--救済措置もなく、入手しないままゲームを進めてしまうとそのパワーは同じデータでは二度と手に入らない。しかも真のエンディングを見るためには全70種のブライトパワーをコンプリートしなくてはならない為、データを作り直すしかなくなる。
-フルチェンジャーをリアルで振らなければない性質上、携帯ゲーム機にも関わらず屋外で遊ぶのはためらわれる。
--更にフルチェンジャーを振る度に「ピッ」「ピッ」「ピロリピロリ」と大きめの電子音が鳴る為、自宅でもやかましい存在である。音量調節が出来れば・・・。

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**総評
フルチェンジャーを振ってヒーローに変身するというその恰好は、まさに子供たちが夢見たヒーローものの変身シーンに近い。しかもゲームを通して実際に変身が出来る為、子供たちの夢が叶ったと言えなくもない。故にターゲットは子供に絞らざるを得なくなったが、ゲーム性やストーリーの奥深さから今も続編を待ち続けているファンは多い。
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**余談
-本作は続編の発売が予定されていたが、10年以上経った今でも発売していない。
--ゲーム中で続編への伏線を大量に貼っており、公式ガイドブックでも発売を明言していたが結局実現しなかった。
--伏線の一つとして、本作では入手できない拗音を用いたブライトパワーが存在する事がゲーム終盤で判明する。フルチェンジャー内にも既に宇宙文字のデータが入っていたようで、全ヒーローをコンプリートしているときに誤った宇宙文字を変身で用いると「そのもじはまだみつけていない!すべてのもじをあつめたはずなのになぜだろう・・・?」という意味深なメッセージが表示される。
--VCで本作の復刻を求める声も多いが、その仕様上絶望的と思われる。Wiiリモコンなどのデバイスも充実してはいるのだが・・・。
-フルチェンジャーを同梱し忘れたパッケージが混ざっていたらしい。
--箱の外からも見えるのですぐ気付きそうなものだが、例えばゲームに疎い父親が子供へのプレゼントとして買った場合などだと・・・。
//これは私(初稿執筆者)の体験談です(´・ω・`)