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エアバスター - (2014/04/02 (水) 09:58:17) のソース

*エアバスター
【えあばすたー】

|ジャンル|シューティング|&image2(airbustr-01.png,center)|
|対応機種|アーケード|~|
|発売元|ナムコ|~|
|開発元|金子製作所|~|
|稼動開始日|1990年3月|~|
|プレイ人数|1~2人(同時)|~|
|ポイント|ナムコとカネコ、唯一のコンビリリース作&br()凝った演出面とそれに伴った難易度の高さ&br()ゲームタイトルが変更された家庭用移植|~|
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#contents
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**概要
1990年にナムコ(現バンダイナムコゲームス)発売、金子製作所(後のカネコ)開発にてリリースされたアーケード用横スクロールシューティング。当時の金子製作所関連の業務用タイトルは主にタイトーの元での下請け開発が中心であったが、ナムコを発売元としてリリースしたゲームは先にも後にも本作のみであった。

**システム
-二人同時プレイ可能。全6ステージ1周エンド、各ステージ奥に待ち構えるボスを倒せば面クリア。
-敵・敵弾・壁に触れる事による一撃ミスの残機制。ミスすると一切のアイテム効果がリセットされ、その場で一定時間無敵となり復活。ゲームオーバーになると、スクロールとBGMが止まった状態でコンティニューのカウントダウンが始まり、コンティニューするとその場からゲームを再開できる。
-1レバー1ボタンで自機を操作。
--ボタンを連打するとメインショットとサブショットを同時に放つ。自機の初期状態ではメインショットしか撃てない。
--ボタンを押しっぱなしにして画面上部のパワーゲージが溜まったタイミングでボタンを離すと、画面内の敵弾を全てかき消し、敵にもダメージをあたえる特殊攻撃「バスターフラッシュ」を放てる。使用回数無制限だが、放出した後はしばらくの間は溜めができなくなる制限がある。

&image2(airbustr-02.png,center)
#center(){バスターフラッシュ}

-時折登場するアイテムキャリアー「ガンデッチー」を破壊すると、5つのアイテムがばら撒かれる。
--ガンデッチーの出現アイテムパターンは「M(赤)・R・S・P×2個」と「M(赤)・M(緑)・R・6・H」の2種類がある。
--特定ステージではガンデッチーに関係なく、そのままアイテムが放置されている場合もある。

&image2(airbustr-03.png,center,width=720,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1158)
#center(){ガンデッチーとばら撒かれるアイテム/固定出現するアイテム}

-アイテムの種類は以下の通り。サブショット系アイテムに関しては併用効果は無効である。
#region(アイテム詳細)
|CENTER:256|LEFT:494|c
|>|CENTER:BGCOLOR(#FFE4E1):パワーアップ系|
|&image2(airbustr-04.png)|「P」(パワーアップ)&br()最大9段階まで自機のメインショットをパワーアップできる。パワーアップの度合いに反比例して連射性能が劣化するので、連射力を優先する場合、パワーアップを抑え目にする必要がある。|
|>|CENTER:BGCOLOR(#E0FFFF):サブショット系|
|&image2(airbustr-05.png)|「S」(サイドアタッカー)&br()自機上下にて2連射の単発ショットを撃てる補助オプションが付く。また、オプションパーツが高速回転しているため攻撃判定があり、敵に触れるとダメージをあたえられる。ただし敵弾を消す効果はない。|
|&image2(airbustr-06.png)|「6」(6WAY)&br()自機を中心に全方6方向のショットが撃てる。連射が効きにくいのが難だが、攻撃力は高い。|
|&image2(airbustr-07.png)|「M(赤)」(ミサイル1)&br()前方に2連射のホーミングミサイルを放つ。このミサイルは貫通力に優れる反面、前方の敵にしか誘導しない。|
|&image2(airbustr-08.png)|「M(緑)」(ミサイル2)&br()M(赤)とほぼ同じホーミングミサイルを放てるが、威力が弱い代わりに誘導性能が高くなっている。|
|&image2(airbustr-09.png)|「R」(リアーガン)&br()自機後方斜め上下にショットを放つ。連射性能が高く、攻撃力は高め。|
|&image2(airbustr-10.png)|「H」(ヘルポット)&br()自機後方にて半時計回りに貫通ショットを放ってくれる補助オプションを付ける。攻撃は高いが連射が効きにくい。ボタンを押さなくても自動的にオプションショットは放出され続ける。|
|&image2(airbustr-11.png)|「B」(バンパー)&br()自機上下にて壁衝突防止用のバンパーを付ける。バンパー側に攻撃判定があり、敵に触れるとダメージをあたえられる。ガンデッチーからはこのアイテムは一切出現しない。|
|>|CENTER:BGCOLOR(#ffffe0):その他|
|&image2(airbustr-12.png)|「$」…スコアアイテム。ガンデッチーからは出現せず、ステージ2と6限定にて登場する。&br()&br()「1UP」…エクステンド(1UP)アイテム。ガンデッチーからは出現せず、ステージ6限定にて1つだけ登場する。|
#endregion

**批評点
-疾走感溢れるスクロール、凝った演出の数々。本作は同時期のシューティングと比べ、スピーディな展開に富んでいる作品であり、激戦地を駆け抜ける疾走感はかなりのものであった。それ故に、同時期シューティングと同じ感覚でプレイすると妙な違和感があり、多少の慣れが必要とされるゲームでもある。これを「味」ととるか「プレイし辛い」ととるかはプレイヤー次第だろう。
-ステージ毎に特色のある演出があり、プレイを盛り上げてくれる工夫がなされている。以下一例。
#region(各ステージとボス)
|&image2(airbustr-13.png,width=360,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1168)|ステージ1・SEASIDE FRONT/海岸沿いの市街地&br()&br()ボス戦前では、ボスが地上に放ったレーザーの雨により青空だった背景が真っ赤に焼きつくされ、ビル群を瓦礫の山にしてしまう。|
|&image2(airbustr-14.png,width=360,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1169)|ステージ2・MACHANIZED CAVE/機械化洞窟&br()&br()通常スクロールと高速スクロールの交互で構造されているという変則的な構造となっているが、スクロールが変わる都度にBGMがシンクロする。高速スクロールが序盤の難関であり、初回から殺しにかかってくる。|
|&image2(airbustr-15.png,width=360,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1170)|ステージ3・SCRAMBLE/地上~成層圏&br()&br()斜め上にスクロールし、空の雲から隠れるように敵が奇襲を仕掛けてくる。またステージ後半部では青空だった空間が大気圏に突入し、黒い宇宙背景となる。|
|&image2(airbustr-16.png,width=360,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1171)|ステージ4・OUT OF GRAVITY/衛星軌道~地球圏脱出敵&br()&br()このステージより自機の移動に独特の慣性が働き、レバーをニュートラルに戻しても自機はその場に停止せず、画面端まで移動する。移動操作が困難となり、慣れないとまともな操作はほぼ不可能に近い。|
|&image2(airbustr-17.png,width=360,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1172)|ステージ5・THE BORDERLINE/敵要塞惑星外縁部&br()&br()斜め下にスクロールするステージ。引き続き慣性が自機に働くが、中ボスを撃破すると慣性が停止する。|
|&image2(airbustr-18.png,width=360,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1173)|ステージ6・DEATH CIRCUS/敵要塞惑星内部&br()&br()最終ステージは2部構成になっており、クライマックスといわんばかりに戦況がより激しくなる。前半はスクロールと障害物がこまめに上下へと揺れ、初見で避けるのはかなりきつい超難関となっている。|
#endregion

-ミス後は特に復活アイテムなどの救済処置もない影響で、復活後の連鎖ミスを招きやすいのは不親切といわざるを得ないところ。
-グラフィック、BGM周りに関しては優秀。1990年のゲームとしてはグラフィックの書き込みが丁寧で、硬派な世界観をしっかりと再現できている。カネコゲーの多くは色々ととち狂った世界観の作品がやや目立つが、本作に関していえば非常にまともな外見となっている。むしろカネコゲー的には本作は異端なのかもしれない。
-痺れる程にかっこいいロック調メインのBGMに関しても評価が高く、ゲームを盛り上げるのに一役買っている。

&image2(airbustr-19.png,center,width=680,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1174)
#center(){目を引く演出の多いゲームだが、反面エンディングはスタッフロールだけのシンプルなもの}

**総評
-ゲーム自体の完成度は高く、そのスピーディさや演出面のクオリティの素晴らしさで一部シューターには好評を得ている。
-90年のACシューティングといえば『パロディウスだ!』や『雷電』といったヒット作が注目を集めていた時期であり、さらに開発元のカネコがゲーメストに攻略情報を掲載しないよう要請したことも手伝い、市場での注目度は低く、本作の存在はさらに薄まってしまう運命であった。
-家庭用には通好みなシューティングが多いPCエンジンとメガドライブにて移植されている。しかし、ゲームタイトルが変更され、『エアバスター』としての家庭用移植は存在しない。
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**移植版
-PCエンジン・メガドライブにて発売。双方ともAC版エアバスターの移植だが、ゲームタイトルが『エアロブラスターズ』に変更されている。タイトル変更の理由はHAL研究所リリースのファミコンソフト『エア・フォートレス』の雑誌の事前告知にて『エアバスター』と名乗っており、そちらが先に商標申請されていた影響だという説がある((あくまでも一説なので真相は不明。))。
-両機種共に、ショットとバスターフラッシュが専属のボタン配置に振り分けられ、ショットボタン押しっぱなしでオートショット、溜めボタン押しっぱなしでバスターフラッシュが出せる。なおMD版は原作同様の連射でショット、押しっぱなしでバスターフラッシュが出せるAC基準のボタンも存在する。

|対応機種|PCエンジン|&image2(airbustr-20.png,center)|&image2(airbustr-21.png,center)|
|メディア|4MbitHuカード|~|~|
|発売元|ハドソン|~|~|
|開発元|カネコインターステイト|~|~|
|発売日|1990年11月2日|~|~|
|定価|6,500円|~|~|
|プレイ人数|1~2人(同時)|~|~|

業務用のリリース直後から開発が進められ、1990年8月末にゲーム雑誌にて緊急特集が組まれ、開発情報が初公開される。この時点でマスターアップがほぼ完了、その2ヶ月後に発売という、スピード移植となっている((1990年マル勝PCエンジン・月刊PCエンジン9月号))。
-ロック調の強かったAC版と比べると、BGM全般がフュージョン寄りの曲調と化している。また、ステージ2のメインBGMがオリジナル楽曲に差し替えられている(曲のシンクロ演出は健在)。
-二人同時プレイ限定で出せる「スーパーバスターフラッシュ」「ブラスターズサンダーアタック」が追加されている。
-グラフィック周りがAC版に比べて雰囲気が変わっている。この他、ステージ2の高速スクロール中に警告看板が表示されない、スコアの最低点が1万点など若干の相違がある。とはいえグラフィック・サウンドなどは当時のPCEソフト全般からしてみても上質な部類に入り、総合的にはアーケードに近い移植度になっている。

&image2(airbustr-25.png,center)
#center(){PCE版の高速スクロールは警告看板が出ないので難度が高い}

|対応機種|メガドライブ|&image2(airbustr-22.png,center,width=250,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1177)|&image2(airbustr-23.png,center,width=250,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1178)|
|メディア|4MbitROMカートリッジ|~|~|
|発売元|金子製作所|~|~|
|開発元|カネコインターステイト|~|~|
|発売日|1991年1月31日|~|~|
|定価|6,000円|~|~|
|プレイ人数|1~2人(同時)|~|~|

-PCE版よりはAC版寄りの外見となっており、純粋に移殖度という意味ではMD版の方が優秀。
-オプションモードが搭載され、残機・難易度・クレジット設定・サウンドテストが設定可能(PCE版では隠しコマンドとなっていた)、またMD版独自の機能として、スコア・残機などのゲーム情報を画面から消すことも可能。
-ステージ開始前やデモプレイの最中に、一枚絵表示と共に数秒間のウエイト(スキップ不可)が発生する。これはROM内に圧縮されたデータを展開するためのロード時間だと思われる。

&image2(airbustr-24.png,center,width=500,http://www26.atwiki.jp/gcmatome/?plugin=ref&serial=1179)
#center(){ロード中に表示される一枚絵/オプション画面}