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ホッターマンの地底探険 - (2011/06/03 (金) 01:53:23) のソース

*ホッターマンの地底探険
【ほったーまんのちていたんけん】
|ジャンル|アクション|~|
|対応機種|ファミリーコンピュータ|~|
|発売・開発元|ユース|~|
|発売日|1986年12月6日|~|
|定価|4,900円|~|
|ポイント|これなんてディグダグ?&br()しかし、本作ならではの要素も少なくない|~|

**概要
-1986年にファミコンにてユース((今は株式会社ザウスと社名を変え、「Xuse」ブランドにてアダルトゲームメーカーとして活躍中。))からリリースされた、面クリア型横画面アクションゲーム。ユースのFCソフト第一弾でもある。
-多くの人がプレイしてまず感じるであろう事として「なんかナムコのディグダグみたいなゲームじゃね?」と思われるかもしれない。そして実際プレイ感覚も似ていたりするが、その内容は意外と差別化が図られているので油断(?)はできない。
-一人プレイ専用、全15ステージ構成のエンドレスループ制。

**主なルール
-十字キーにて主人公であるホッターマンの四方向移動(斜め移動は不可)、ボタンは各自、Aボタンでショット、Bボタンでアイテム使用、SELECTボタンでアイテム選択に使う。
--ショットにて敵を倒す事ができる。壁に当たると弾が消えてしまう射程制限のある直線型ショットで、無制限に発射可能。
--アイテム使用/選択はステージ中に特定のアイテムを入手する事で行える。詳しくは下記参照の事。
--所々に設置されている扉に触れ十字キーを押すとその中に入れる。
-このゲームのクリア目的は、「ステージ中に散らばった4つの鍵を集めた後に出現する扉に触れる」事にある。いわゆるドットイートに近いクリア形式といったところか。
-各ステージのほとんどの地形は地底で埋め尽くされており、十字キーの移動でそれを掘り起こしながら穴を掘って先に進む事となる。概要で述べたディグダグのまんまそれと同様で、地底移動中は主人公スピードが遅くなり、穴では軽快に進めるようになっている。
--また、敵は原則として穴側のみを移動するので、あまり穴を掘りすぎると敵の移動範囲をも広げてしまうというデメリットもあるので、ある程度は考えて移動しないと危険を伴う。
-所々に配置されてる宝箱か卵に主人公が触れると、何かのアイテムなどを落とす。ステージをクリアするのに必至なアイテムが入手できるのがほとんどだが、稀に「はずれ」として敵が出現する場合もある。
--宝箱は一度開けると二度と復活はしないが、卵は時間経過にて何度でもその場に復活する。なお、アイテムは宝箱や卵に触れただけで入手した事になる(アイテムそのものに触れる必要はない)。
-入手できるアイテムは以下の通り。
--使用型アイテムは各自の複数ストックが可能(同アイテムの複数ストックも可)。画面上にて「Z R S F N D」と所持アイテム表示がされているので、それをSELECTとBボタンでアイテム選択/使用する形式となっている。また、ステージをクリアすると、持っていたアイテムはすべて消滅する(次ステージへ引き継げない)。
--ストックしたアイテムは一度使えば1ストックが消えてしまう。アイテムによっては使用しないと鍵が取れないものもあり、すなわち''使いどころを誤るとゲームが詰む恐れがある''。
--即効性アイテム(取った時点で効果発揮)
---「鍵」…これを4つ集めるのがクリア条件となる。
---「パワードリル」…一定時間、穴掘りスピードが二倍速になる。
--使用型アイテム(ストックができ、任意で使用するタイプ)
---「Zスーツ」(Z)…これを使用すると一定時間熔岩ダメージを無効化し溶岩内を通過できる。
---「ルビー」(R)…これを使用すると一定時間ショットの射程距離が二倍になる。
---「シャッター」(S)…これを使用するとシャッターが発生し敵の侵入を防げる。
---「敵あつめの実」(F)…これを使用すると周囲の敵が主人公周りに近づいてくる。
---「ニンニク」(N)…これを使用すると周囲の敵が主人公から遠ざかる。
---「ダイナマイト」(D)…これを使用するとダイナマイトを設置する。通常では絶対に破壊できない壁を壊すのに必要。
-扉に入ると、ステージ内に設置された別の扉にランダムでワープする(同じ扉にワープする事もある)。また、扉に見せかけた偽の扉も存在する。
-一定時間経過してもクリアしないと、画面内に溶岩が縦一列に噴き出すペナルティがある。さらに放置していくと段々と溶岩が画面全体に噴き出し、逃げ場が完全にふさがれてしまう。溶岩はアイテムのZスーツ以外でミスを防ぐ手立てがなく、しかもミス後の復活でも消えないので、最悪の場合これまた''溶岩まみれで何もできずにゲームが詰む恐れがある''。
-残機制の戻り復活だが、復活後は主人公が初期位置に戻るだけで、穴やアイテムなどの配置は復活前状態(''開けた宝箱も空のまま'')での再開となる。残機がすべてなくなるとゲームオーバー。
--上記で述べた通り、このゲームは使用型アイテムの使い方を誤ると詰む恐れがあり、開けた宝箱はミス復活しても空のままである。すなわち、ミス後の復活において、''重要なアイテムを使い果たして詰んでしまうと、残機がいくら残っていようがゲームオーバー直行であるので要注意''。
-とある条件を満たすと、ステージクリア後にパスワード表示に以降する事がある。この画面で特定パスワードを入力すれば裏技に関する情報が拝める(特にプレイ中のゲームに影響するものではない)。パスワードのヒントはゲーム中に隠されている。
-その他詳しい情報は[[こちらのページ>http://www.geocities.jp/frnyanko/setsumei/famicom/hottaman/hottaman.html]]を参照にされたし。

**問題点、及び賛否が分かれそうな点
-とにかく詰む要素満載で、適当な行動は行えない。よって本作は必然的に攻略の道筋を暗記する必要がある。
--使用型アイテムを誤って使うだけでもうゲームオーバーを待つしかない。このゲームにおける一番遭遇する機会が高いであろう罠がこれで、結構なプレイヤーからは無理ゲーとみなされる恐れがある。
--また、溶岩が噴出されると、それも行動が制限されて強制詰みとなる事を意味する。「Zスーツ(Z)」を所持していなければどうしようもなくなり、溶岩に突っ込んで自殺ENDが確定してしまう。
--とはいえ、絶対に攻略に必要なアイテムは壁破壊に必要な「ダイナマイト(D)」と溶岩を通過できる「Zスーツ(Z)」位で、後は特に無理に使うようなものではないのが救いではある。
--この数々の詰みに耐えられないプレイヤーにとっては、クソゲーの印を押されても致し方ない程の不親切さで、この辺はまずプレイヤーを選んでいるように思える。
--但し、裏技扱いではあるがコンティニューやステージセレクトは可能なので、「パターンを覚えていけば」いくら詰もうがクリアは可能である。
-1ステージあたりのフィールドがやや広めで、クリアまでに時間がかかる事が多々あり、あまりテンポ良くクリアできるものではない。本家(?)であるディグダグと比べると、明らかにクリアまでの間延びが激しい。
--但し、致命的なまでの間延びでもないので、パターン記憶と腕前さえあればそこまで酷いものではないというフォローもしておく。
-グラフィック周り茶色メインで色彩が少ない故に、若干事の把握がし辛い。FCの性能上仕方がない部分もあるが、これも本家ディグダグより劣っている。
-ステージ数がこの系統のゲームとしては全15ステージと少なく、少々ボリューム不足感なのは否めないところ。FC誕生期のソフトならともかく、1987年前のリリースでこれはちょっとアレかもしれない。
-使用アイテム表示が「Z R S F N D」とそのまんまのアルファベットであり、視覚的に何のアイテムを持っているのかが確認し辛い。この辺は慣れる以外に方法がないのが面倒である。

**評価点
-本作ならではの要素も少なくなく、ただのディグダグのパクりでは済まされない意欲的な部分もある。
--「アイテムをどのように使わせて道を切り開いていくか」という要素はなかなか新鮮で、(不親切な部分はあれど)独特の戦略性を持たせている。
--本家ディグダグに比べれば、敵やトラップの種類が多く、そういう意味ではプレイバリエーションに富んでいるといえる。実際、仕掛けを駆使して頭を使う必要のあるパズル的なステージも用意され、ディグダグとの差別化を図っている節も感じられる。
--各ステージの構造は動物などを形取った地形や、地底らしを表現したものなど、遊び心に溢れた構造になっており、この辺はなかなかユニークさを感じさせる。
-BGMは耳に残るようなノリのいい楽曲メインで、なかなかのクオリティである。残念ながらサウンドテストは用意されていないが…。
-ゲーム中でパスワード入力にて裏技をプレイヤー自らの手で発掘させようとした試みも意欲的だ。今となってはネット検索で裏技情報なんて一発な時代だが、やり込みの一環としてプレイヤーに裏技を探させるのは当時ならではの手法だったように思える。

**総評
-やはり「ディグダグのパクり」という悪印象は強く、ユースというメーカーのうさんくささを証明してしまった存在であろう。最も後のユースリリースのゲームと比べれば、ゲームとしては割と普通に遊べる部類なのだが…。
-数々の問題点はあれど、致命的に悪い欠陥は特に確認されておらず、「遊べなくはない」「ディグダグにはない要素は割といけるクチ」という評価に落ち着いている模様。実際、本作を支持するプレイヤーは少数ながらも存在する。