イブニクル

【いぶにくる】

ジャンル フィールドRPG
対応機種 Windows XP(SP2以降)~8日本語版
発売・開発元 アリスソフト
発売日 日本語版
2015年4月24日
英語版
2018年6月28日
2018年10月10日(Steam版)
定価 パッケージ版:8,800円
ダウンロード版:6,800円(共に税別)
レーティング アダルトゲーム
判定 良作
ポイント 広大なフィールドを冒険する王道RPG
快適・親切な設計、絶妙なバランスとボリューム
尖った要素は無いが高い完成度
ALICE SOFT作品リンク


概要

アリスソフトが送る、昔ながらのフィールド探索型RPG。
プロデューサー・ゲームデザインをTADA、ディレクター・シナリオはよーいちろーが担当。

「歩き回って冒険するのが楽しい世界」をコンセプトに、ひたすらエロを求める若者・アスタがたくさんのお嫁さんを目指して冒険を繰り広げる。
戦闘システム等は『ランス・クエスト(マグナム)』をベースとしてシンプルにブラッシュアップされている。
世界設定は『ランスシリーズ』と一部共有しており、別次元間の繋がりを示唆する描写もある。
また、2013年に発売された『どらぺこ!』との繋がりもあり、2名のキャラが結構な重要人物として登場する他、ちょい役として何名かがカメオ出演している。

『どらぺこ!』に引き続き、CGには『閃乱カグラ』のキャラクターなどを手掛ける八重樫南氏が起用された。
 


ワールド -世界観-

騎士となって功績を挙げるほど嫁が娶れる世界。
若者は旅立つ。その情欲を胸に抱いて。

さあ、地を走れ! 海を往け! 空も飛べ!
エロを求めて広い世界を縦横無尽のフィールドRPG!

世界を創った聖母イブは人間に戒律を与えた。
一人の人間が伴侶にできるのは生涯ただ一人……と。

複数の女性を犯す者、人殺す者からはイブの加護は消失する。
彼らは人の道を外れた“アウトロー”と呼ばれ遠ざけられた。

一部の力ある者は騎士として認められ、
優れた血を後世に残すために複数の嫁を娶ることが許された。

双子の美人姉妹を二人とも嫁にしたいと考えていたアスタリスク。
彼が出した答えとは、 「騎士になって、いっぱいお嫁さんを貰う!」 であった。
(公式サイトより)

+ 主要キャラクター
アスタリスク(アスタ)
魚鮮島という過疎の島で双子の美人姉妹に育てられた青年。双子の姉妹とエッチするために騎士となるべく旅に出る。
双子姉妹の後押しも有り、お嫁さんをたくさん貰える立派な男になるのが当面の目的である。
  • パーティーの主力アタッカーとなる魔法戦士。その素性は…。
    高い攻撃力に加え、単体・範囲ともに強力な必殺技を習得。魔力は貧弱だが、雷魔法や属性付与は状況次第で有用。
リッシュ・エデン  CV:北見六花
聖母イブの戒律に守られた世界に戦争を起こそうと企てる悪の組織、蛇紋を単身で追うエデン王国の第二姫。
信頼の置ける自分だけの騎士を探している。
  • 大陸に流れ着いたアスタが最初に出会う少女。後衛として活躍する万能魔法使い。
    3属性の魔法攻撃を習得していく傍ら、回復魔法や蘇生魔法も扱うことができ、パーティーに欠かせない存在となる。
ラミアス・ドライセン  CV:平野響子
伝説となった母に優秀な兄を持ち、焦りからくる失敗が続き仲間からも距離を置かれるようになってしまった女騎士。
それでも国民を守るために日々技量を磨いている。
  • 守りの要となる騎士。アホの子……もとい脳筋&巨乳枠。
    ガードスキルと高い体力・防御力で味方を守る盾役。攻撃能力はやや物足りないが、足止めスキルでの補助も可能。
グリグラ  CV:姫川あいり
騎士の中でも素早さを信条とするレンジャー技術を習得している少女。
ランスロット共和国で野良にゃんこのような野宿生活を送りいつもお腹を減らしている。
  • 暗殺者として育てられ、闇の世界に生きていたレンジャー。ロリ枠。
    快適な冒険を可能にするパッシブスキルが持ち味。攻撃面や補助面も優秀で、編成次第で様々な状況に対応できる。
キャスリン・ラピュセル  CV:秋野花
稀有な付与能力の持ち主であり幼い頃から騎士として将来を嘱望されていたが、アーサー王国滅亡の際に起こった事件をきっかけに
表舞台から姿を消して山奥で引きこもっている。今は怪しげな研究をしながらアムゾン頼りの生活を送っている。
  • 天才的な軍師だが、普段は引きこもりのオタク。ぼっち&貧乳枠。
    攻撃力は低いものの、特殊スキルから回復まで多彩な支援スキルを習得。パーティーを支える縁の下の力持ち。
キノウ & キョウ  CV:和葉 / 萌花ちょこ
姉としてアスタリスクを育てた双子の姉妹。モンスターと戦う技術や生活する術を教え、大陸への旅立ちを後押しした。
  • アスタのことは全てお見通しな魚鮮島の謎姉妹。その正体は…。


特徴・システム

広大なワールドマップを探検し、各地の町や城、ダンジョンに立ち寄りながらストーリーを進めていく王道RPG。
戦闘システムは昔ながらのコマンド選択式、育成は経験値によるレベルアップが基本、シナリオも多少の寄り道はあるものの一本道と、非常にオーソドックスな設計。
基本的に「触れば分かる」程度のシンプルさなので詳しく説明するまでもないのだが、ところどころにアリスソフトらしいひとひねりが加えられている。

戦闘関連

  • 最大前衛3人、後衛2人のフロントビュー戦闘(要するに昔の『ドラクエ』のような形式)。
    敵味方を問わず「素早さ」が高いほどターンが早く・多く回りやすい。戦闘画面には11手先までの行動順がアイコンで表示される。
    • ターンが回ってきたキャラは「通常攻撃」or編成画面で登録しておいた「スキル」or「待機」のいずれかを選択する。
      • 「アイテムを使う」「逃げる」といったベーシックな行動もスキルの一種である。ただしこれらはスキルポイント(下記)を消費しないので、実質的には常駐コマンド。
        また、アイテムを使用してもターン終了にはならず、続けて行動を選ぶことができる。
      • 「待機」を選択すると、次の自分の行動順までの間、受けるダメージが軽減される。
  • バトルポイント(BP)
    • スキルを発動するのに必要なゲージ。戦闘中に味方にターンが回るたびに1ずつ増加し、最大で5までストックできる。
    • 基本的に強力なスキルほどBP消費量が多い(ただし消費が0のスキルや、BPをより多く溜めるスキルもある)。
  • エンカウントゲージ
    • フィールドやダンジョン内で表示されるゲージ。これが満タンになるまではエンカウント戦闘が起こらない。
      • ゲージは街道などの安全な場所を歩いていると増加率が少なく、森など危険な場所に入ると増加しやすくなっている。
        また、周辺に出没する敵が格下の場合、ゲージが緑色になって増加が遅くなる。
  • 赤トゲ、トラップ、隠れ強敵
    • 赤トゲに接触すると通常よりも強い敵が出現するが、倒すと得られるEXPが通常の1.5倍。トラップはトラバサミのようなアイコンで、接触すると様々なペナルティ。
      隠れ強敵は黒い霧のようなアイコンで、接触すると赤トゲよりもさらに強い敵が出現する(倒してもEXPボーナス無し)。

ステータス関連

  • スキルポイント
    • スキルは習得しただけでは使うことができず、ステータス画面から開ける編成画面でセットする必要がある。
    • スキルは戦闘中に使用できる「物攻(物理攻撃)」「魔攻(魔法攻撃)」「支援」と、常に効果がある「能力」の4種類。
      • 各スキルには「消費スキルポイント」が設定されており、キャラごとのスキルポイント(レベルアップで増加)上限までしかセットできない。
  • ステータス
    • EXPが溜まっていても自動的にレベルアップはせず、各街にある「レベル屋」に行くか、消費アイテム「レベル屋呼び出し券」を使用する必要がある。
    • 主要パラメータは「HP」「攻撃力」「魔法力」「防御力」「素早さ」の5種+上記の「スキルポイント」。
      • 補助パラメータとして「命中率」「回避率」「衝撃率」「耐性率」「必殺率」「連撃率」「魔抵率」「経験率」がある。
        しかしこれらはレベルアップでは成長せず、装備品やスキルで補強するか、全てを1%だけ底上げするレアアイテムを消費することでしか上昇しない。
    • 装備品は「武器」「防具」「アイテム」(いわゆるアクセサリ枠)の3種。アイテムはイベントを進めることで2枠に増やせる。

お嫁さん関連

  • 愛情ゲージ
    • アスタに嫁が出来ると、戦闘に勝利するたびに愛情ゲージが貯まっていき、満タンになると自宅で「嫁イベント」を発生させることができる。
      一度見た嫁イベントは愛情ゲージを消費せずに何度でも回想が可能。
  • 婚姻状況画面
    • 現在のアスタの称号と嫁の一覧、愛情レベル(嫁イベントの発生状況)を見ることができる。
      また、表示されている嫁のアイコンをクリックすると、愛情レベルに応じた様々なボイスコメントが聞ける。

その他

  • コレクション
    • ワールドマップ上には「フィールド百景」と「いちゃらぶ」のイベントが発生するポイントが多数用意されている。
      また、シナリオには直接関係無い強敵「大怪獣」が世界各地に存在。
    • ランスシリーズよろしく、特定のスキルを使うことで女の子モンスターの捕獲が可能。捕獲するとアイテム扱いで装備でき、店で売り飛ばしてお金にもできる。
      • 発見した百景・いちゃらぶポイント、倒した大怪獣、捕獲した女の子モンスターは「コレクション」画面で閲覧できる。
    • 世界各地にある「釣り堀」で釣りができる。釣った魚(?)の最大記録が魚拓として保存されるほか、装備品や特殊なアイテムが釣れることもある。
  • ADVメニュー、フィールドメニュー
    • 自動メッセージ送り、既読スキップ、バックシーン、セーブ&ロードといった機能はプレイヤーが好きなものを4つまで選んで常駐させられるようになっている。
      初期設定では画面内には何も表示されていないが、メニューからカスタマイズが可能。  

評価点

  • 優れたゲームバランス
    • RPGの肝となる戦闘はシンプルなシステムながら適度な独自性・戦略性があり、なおかつバランスも良い。
      元々がシンプルな『ランス・クエスト(マグナム)』のシステムからさらに「行動回数」という有限リソースを取り払っているため、非常に分かりやすくとっつき易い。
      • 一歩間違えば簡略化は単調化にもなりかねないが、そこは新たに取り入れられた「BP」が上手く機能している。
        BPはいわゆるMPのようなものだが、ターンごとに自動回復し、最大でも5までしか溜まらないという点で、イメージ的には格闘ゲームなどの「パワーゲージ」に近い。
      • 自動回復するので長い道中でもBP切れによる逼迫感が無く、スキルをガンガン使っていける。一方で、大技はBP消費量も高く設定されているため連発は利かない。
        結果として、BPの使いどころの判断やチームワークの重要性もある程度保たれており、プレイヤーを飽きさせない戦闘に仕上がっている。
    • キャラクターの能力も上手く練り込まれている。
      • どのキャラも1人で2役をこなせる器用さを持っているが、スキルポイントが有限であるため、実際に装備するスキルの選択によって戦略にかなりの幅が出る。
        「明らかに最強」と呼べるような組み合わせは無いので、プレイヤーなりにパーティーバランスを考えながらスキルをビルドアップするのが楽しい。
      • 回復魔法には使用制限があり、乱用はできない。また回復ができるキャラは攻撃や支援もできるので、敵の殲滅を優先するか、回復を優先するかの選択が迫られるという形でバランスが取れている。
    • 敵の強さやダンジョンの難度、味方のレベルデザインも良好。
      • プロデューサーが「少しでも多くの方がエンディングまでいけるRPGを目指しています」と明言している通り、終始サクサク先に進むことができる。
        地道なレベルアップやお金稼ぎが必要な箇所も、詰んでしまうようなポイントも全くと言って良いほど無く、それでいて要所のダンジョンやボス戦はしっかり歯応えあり。
  • 広い世界、テンポ良く進む王道ストーリー
    • 次の街目指して歩き回ったり、大海原に漕ぎ出したり、空を飛んだり、世界の果てまで行ってみたり……近年のRPGではあまり見られなくなった、ワールドマップのワクワク感をしっかりと出せている。
      • ただ単にだだっ広いだけでなく、嫁との「いちゃらぶ」イベントや「フィールド百景」、スキルやアイテムが手に入る祠など、旅が退屈にならないような工夫が随所に存在。
        よく見れば避けられるが、普通に進んでいるとうっかり接触してしまうトラップや隠れ強敵も、冒険の緊張感や刺激を出すのに一役買っている。
    • シナリオは基本的に「敵組織が暗躍し国を腐敗させていく→主人公が解決して出世」の繰り返しで終盤まで進行していくベタな展開だが、その分敵との対立構図や主人公の次の目的は分かりやすい。
      無駄な間は極力なくしてあるので、次から次へとストレスなく進められる。
      • 会話パートの軽快な掛け合い、適度な間隔で発生し息抜きになる嫁イベント、終盤への伏線となっているサブイベントなど、ひとつひとつのイベントの仕上がりも良好。
        また、プレイ間隔が開くなどで次の目的地が分からなくなっても、フィールド画面で仲間がヒントを喋ってくれる。
      • 終盤の展開には起伏があり(ある程度予想はしやすいが)、全体としても丁度良いボリューム。さらに最後の最後にちょっとした種明かしも待っている。
  • 多彩なお嫁さんたち
    • 「お嫁さんがいっぱい欲しい!」というキャッチコピー通り、個性的なヒロインたちがたくさん登場するのも本作の魅力。
      クセのあるキャラばかりなので嫁どうしの掛け合いも面白く、ハーレム設定がうまく活かされている。
    • 全体的に「チョロい」傾向はあるが、それぞれのヒロインがストーリーとしっかり結びついているため感情移入がしやすく、キャラ作りの上手さを感じさせる。
      また、ヒロインの性格はそのまま性癖とも自然な形でリンクしており、かなりの数のエロシーンがありながらテキストが単調になっていない点も評価が高い。
  • とことんユーザーフレンドリーな設計
    • 全滅してもすぐにスキル再編成の上で再戦が可能、どこからでも主要な街へワープが可能、格下の敵を勝手に殲滅してくれるスキル、移動&戦闘の超高速化機能など、面倒なところは徹底的に省略ができる。
    • インターフェース周りも不足なく揃っており、自分で選べるショートカットボタンなど工夫も凝らされていてプレイが快適。
    • また、ちょっとした「抜け道」のような小技がいくつか(おそらく意図的に)用意されている。
      • たとえば、街に戻るかアイテムを使わなければレベルアップできないというシステム。
        一見不便なだけの仕様だが、レベルアップ時はHPも最大まで回復するため、EXPが溜まっていてもあえてそのまま粘り、ギリギリでレベル屋呼び出し券を使って全員全回復…ということができる。
      • その他、ターン消費なしの回復アイテムを一気に使ったゴリ押し、敵を無力化してからのBP溜め・回復などもできる。
        ただしこれらもバランスを崩すほどの要素ではなく*1、旅を少しだけ楽にしたり難敵に対する救済措置といったところに収まっている。

賛否両論点

  • エロCG
    • 八重樫南氏の画風が「エロ」よりも「可愛い」寄りなこともあり、エロゲなのに実用性が低いと言われやすい。
      • キャラクター自体は好評で、立ち絵のかわいさやエロ以外のCGの評価は高いのだが、ことエロシーンになると顔が崩れているように見えたり、なんか体型が変わっていたりと不安定。
        絵の好みは人それぞれではあるが、好みを抜きにしても違和感を覚えるという声が多い。
    • 陵辱や異種姦といった結構エグいエロシーンもそれなりに含まれている。
      • サブヒロイン限定、かつ絵柄のおかげで多少生々しさは緩和されているが、苦手な人は要注意。
  • その他、好みが分かれるところ
    • 主人公の性格
      • ネタバレになるので詳細は伏せるが、本作の主人公・アスタの性格や行動(あとニヤケ顔)については賛否が分かれている。
        もともと『ランス』世界と関連が深い作品であり、予約特典『イブニクルの主人公がランスだったら… もしもディスク』(後述)の存在もあって、ランスとの比較が特に論点になりやすい。
      • アスタの人格そのものに大きな欠陥があった訳ではなく、またランス版もそれ自体は好評なのだが。
    • おちゃらけた世界観
      • 一見普通のファンタジー世界のようだが、いつものアリスソフト通りわりと何でもアリ。バカバカしい要素が散りばめられていたり、メタな設定が多かったり。
        合わない人は合わないと思われるが、これはもうそういうノリなのでしょうがない。
    • BGM
      • 決して出来が悪い訳ではないのだが、これと言って印象に残る曲も無く、サウンドに定評のあるアリスソフトにしては平凡な仕上がりである。

問題点

  • パーティーが完全固定
    • 物語序盤に一時加入するゲストキャラクターを除けば、パーティーメンバーは主人公+順次加入するメインヒロイン4人で完全に固定。前衛後衛の入れ替えもできない。
      よって、パーティー内でのスキル編成による自由度はそこそこ高いものの、パーティー自体の自由度は皆無。
      • 嫁となる女性はメインヒロイン以外にもたくさん登場するが、戦闘に参加することは一切無いため、どうしてもキャラの扱いや思い入れには格差が出てきてしまう。
        せっかく魅力的な嫁がたくさん登場するのだから、メンバーを入れ替えて色んなキャラを使ってみかったという意見は根強い。
      • 一方で、あえて戦闘可能なキャラを絞り込むことで良好なゲームバランスを実現しているという側面もある。
        実際、大量のキャラが仲間になるランクエは度重なる修正が行われたのに対し、本作はパッチが一度しか出ておらず(それもほぼ細かなバグの修正のみ)、最初から十分に調整が行き届いていた。
  • やり込み度が低い
    • 初回プレイで全ての要素をコンプリート可能、2周目の引継ぎ・追加要素もほぼ無し。
      • コレクションはフィールドをくまなく探索していれば大体はすんなり集まる。難度が高いのは終盤に登場する大怪獣の討伐と、レアモンスター「幸福きゃんきゃん」の捕獲ぐらいのものである。
        また頑張ってサブイベントを消化したり大怪獣を倒しても、報酬は大して嬉しくないものばかり。
      • 本作にはレア装備が存在せず、武器や防具は全て店で揃えることができる。
        一応、宝箱や釣りで高ランクのものが入手できるが、「必ず現在装備中の武具の上位ランクが出る」という単純な仕組みなので、やり込んでもあまり楽しくはない*2
    • とはいえ、明らかに本作はあえて初回プレイで綺麗に終わるように作られているし、1周のボリュームも十分にある。
      やり込み派のプレイヤーには物足りないかもしれないが、クリアしたら後腐れなく終われるというのはそれはそれでスッキリしている。

総評

フィールドRPG要素とエロゲ部分をうまく調理しつつ丁寧に作り込み、きれいに纏め上げた秀作。
難しすぎず簡単すぎない絶妙な難易度、ストレスフリーなシステム、王道でテンポの良いストーリー展開で、クリアまで一直線に楽しむことができる。
その分飛び抜けたところも無く、人によっては物足りなさやノリの合わなさを感じてしまうかもしれないが、「遊べるエロゲ」として非常に完成度の高い一本と言えるだろう。
普通のゲームとして見てもよく出来ているため、(エロや陵辱要素に抵抗がなければ)気軽に本格的なRPGがやりたい人にもオススメである。


余談

  • アリスソフト公式通販では限定予約特典として『イブニクルの主人公がランスだったら… もしもディスク』が付属していた。
    • 完全なifシナリオであり、イブニクル本編ともランスシリーズとも繋がらない内容となっている。
    • あくまでオマケシナリオなのでかなりカオスな内容だが、「あぁ、確かにランスならこうなるだろうな…」という展開が見られる。
  • これまでのアリスソフトのゲームではメモリの制限上、エリア切り替えという形でマップの小ささを誤魔化していたが、「言ってみたらプログラマーが作ってくれた」らしい。やればできたのである…。
  • Rance X』のCGには本作のヒロイン達(のそっくりさん)が登場する。またクゥや、CGなしだがアスタとヒロインたち一行(本人)も登場する。
  • キャラ名や地名の多くは『旧約聖書』、『アーサー王伝説』、『三銃士』、『鏡の国のアリス』、『ドン・キホーテ』、『ハムレット』など、世界のベストセラーが元ネタになっている。
  • Steamで配信されているが、日本からの購入は不可能。
  • 定額で30日間ゲームを遊び放題の「DMM GAMES 遊び放題」に本作が提供されている。
    • 2019年7月22日に定額サービス「ひかりTVゲーム 美少女Rゲームパック」でも今作が配信されたが、2022年6月30日にサービス停止済み。

関連作品

  • エピローグ的なおまけシナリオ、公式サイトの人気投票結果発表などを収録した『イブニクル外典』が無料配布されている。
    • 当然ネタバレが盛大に含まれているので、本編クリア後に見ることを推奨。
  • 2019年2月22日に『イブニクル2』が発売。

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最終更新:2023年09月04日 20:06

*1 特に回復アイテムは所有数に応じて値段が跳ね上がっていくため、大量に用意するにはかなりの大金が必要。

*2 そもそもオプション付加枠が1つしかない(固定オプションが付いているものは実質0枠)ので強化の選択肢も狭い。