セブンスドラゴンIII code:VFD

【せぶんすどらごんすりーこーどぶいえふでぃー】

ジャンル RPG
対応機種 ニンテンドー3DS
発売・開発元 セガゲームス
発売日 2015年10月15日
定価 5,990円(税別)
レーティング CERO:B (12歳以上対象)
廉価版 お買い得版:2016年11月22日/2,990円
判定 良作
ポイント セブンスドラゴン最終作
豊富なメイキング要素
急激なプレイヤー側の攻撃力インフレ
6章以降が色々な意味で凶悪
セブンスドラゴンシリーズ
セブンスドラゴン / 2020 / 2020-II / III code:VFD


概要

『セブンスドラゴン』シリーズの第4作目にして、シリーズ最終作。
2100年の東京を舞台に現在・過去・未来、三時代を駆け巡る「人類と竜の最後の戦い」を描く。

特徴

  • 基本的には前作までとほぼ同じ仕様だが、新しい要素も加わっている。
  • キャラクターメイキングと職業
    • 前作までと同じく、キャラクターメイキングを行える。今作では、一つの職業に該当する外見がA・Bの二種類用意されており、カラーも三種類選べる。ボイスも男女ともに20名の声優による演技が用意され、自由に決められる。
    • 今作ではサムライ、エージェント、ゴッドハンド、デュエリストの4つが最初に選べ、ストーリー進行に応じてルーンナイト、フォーチュナー、メイジ、バニッシャーの4つが追加される。
      • サムライはシリーズお馴染みの職業。今作では一刀と双剣の2タイプがあり、それぞれ使える攻撃スキルも異なる。
      • エージェントはハッキングを使って戦闘を有利に進める職業。
      • ゴッドハンドは拳で戦い、回復も使える職業。
      • デュエリストはターン毎に引けるカードを使って戦う、やや癖があるテクニカルな職業。
      • ルーンナイトは味方をかばったり、積極的な攻撃を多用できる職業。
      • フォーチュナーは状態異常を付与したり、パーティの支援を行いながら戦う支援型の職業。
      • メイジは初代以来の復活となる職業。魔法を使ったスキルが得意。
      • バニッシャーは個数がある弾薬を使用して戦う職業。威力が高いスキルが多いが、動きは遅い。
    • 今作ではフィールド上でのキャラクターの頭身が上がり、前作までのミニキャラではなくなった。
  • パーティ
    • 今作では戦闘に参加できるパーティは3人までだが、最大で3組作ることが可能で戦闘時以外なら自由に切り替えが可能。
      • 一部の場所ではパーティが分かれて行動したり、ボスにどのパーティで戦うか選択するということもある。
    • 戦闘に参加しないパーティはサポートなどで支援してくれる。各職業毎に溜まるゲージを消費して繰り出せる。
      • バディはそのキャラのターンの始めに支援攻撃を仕掛け、相手の能力を下げたりブレイク(強化を打ち消す)を発生させるといった効果がある。
      • サポートはターンの始めに支援効果が発動し、能力をアップさせたり回復効果を発生させることができる。
      • ユニゾンは全てパーティメンバー全員で一斉攻撃を仕掛けることができる。どの攻撃をするか選択も可能で、一部ではスキルの使用制限もないため気軽にスキルが使える。
    • それぞれのパーティには最低1人ずつメンバーを設定する必要があるが、戦闘は1パーティだけで最後まで進む事もできる。9人もメンバーはいらないという人にも安心。
      • 上記のパーティが分かれて行動する場面も、抜け道的な方法を使えば1パーティだけでクリア可能。
      • ただし1パーティにこだわりたいからと言って、サブパーティによる支援、特にバディによるブレイクの使用を封印すると難易度が格段に跳ね上がる。例えばバディのチュートリアルが表示されるボス戦では、被ダメージを1桁にする自己強化を(ブレイクによる強制解除が無ければ)絶え間無く掛けて来る。
  • 好感度・デートイベント
    • ある程度のクエストをクリアすると、ラウンジで主要人物を呼び出してデートイベントを発生させることもできる。どのキャラも凝った内容になっており、思わずにやりとしてしまうことも。
      • 最終的には各キャラ毎に用意された武器が貰える。積極的に呼び出してみよう。
      • 但しあまりに凝りすぎた結果か、一歩間違えばCEROの判定が跳ね上がりかねない内容のイベントも多い。性別不明の1名(?)を除いては、可能な限り主要人物とは性別の異なるキャラクターで発生させる事をオススメしたい。
    • 主要人物だけではなく、パーティメンバーも行える。こちらは声優ごとに用意されたボイスがあるのみだが、好感度によってボイスが変化する。
      • 好感度はバディで呼び出したり、一緒に戦闘することによって増加する。

評価点

  • 魅力的なシナリオ
    • 前述の通り、3つの時代をまたにかけた壮大なストーリーが展開される。『セブンスドラゴン』の舞台であるエデン、『セブンスドラゴン2020』の舞台である東京、そして、『2020』の隠しダンジョンで存在が示唆されていたアトランティスと、全て過去作と関連のある世界である。
      • プレイヤーはそれぞれの世界の人物と、共通の天敵である「ドラゴン」を倒すために共闘。協力を取り付けると、その時代ならではのキャラをメイキングできる。
    • スケールが壮大になると同時に、敵であるドラゴンも今までになく強大。
      • シリーズを通じての最強の敵である真竜が、本作では1体を除いてすべて登場。ただ強力なだけでなく、あらゆる意味で残酷な存在として立ちはだかる。
    • 後述するボーカル付きのBGMは、いずれも物語のクライマックスで流れる。ただ聴くだけでも非常に優れた曲であるが、実際にゲーム内で流れるシーンは必見。
  • 洗練された戦闘システム
    • サポートやバディによる支援、ユニゾンによる一斉攻撃と言ったバトルを盛り上げるシステムも良好。
    • 戦闘自体のバランスも中盤まではよく練られたものになっている。
      • シンボルエンカウントのドラゴンや章のボス戦などでは油断しているとあっという間に壊滅まで追いやられる。しかしキチンと対策を立てていれば余裕をもって突破可能な、ちょうど良いバランスである。
    • また、メイキングで自分好みに設定したキャラがフィールドや戦闘で動くのも高評価。
  • キャラクターメイキングの強化
    • 本作では男女毎にアナザー外見を含む16種類、更にカラーを3種類から選択可能。合計48種類の外見*1が用意されている。
    • ボイスの方も、男女それぞれ20名の声優が起用。本作で登場人物を担当していた声優も、一部を除いて採用されている。
    • また有料DLCのクエストをクリアすることにより、前作『2020』で使用できた外見や、本作に登場するとあるキャラを模した外見が使えるようになる。
      • DLCで使えるようになる『2020』の外見はスチュワードスタイル(所謂カタナコ)など、人気の外見が抑えられている。
    • キャラクターの外見自体も人気が高い物が多く、ヤイバ*2を始め、ムルムル*3、『2020』のあるキャラをモデルにしたと言われているアオギリ(ゴッドハンド女性A)、その顔立ちから人気を集めているラギ(ルーンナイト女性B)などと言った外見は特に人気。
    • 前作までとは異なり、外見やボイス変更の制限はない。ターミナルがある場所ならいつでも自由に変更できるため、気軽にキャラクターメイキングを楽しめる。
  • 上質なBGMとボーカル曲
    • BGMはシリーズお馴染みの古代祐三氏が担当。下記のボーカル曲のアレンジバージョンも手掛けている。
    • 今作にもボーカル曲が4つ収録されており、OPなどで使用される。ボスとの戦闘曲として使われている物もあり、演出もあって高評価。

賛否両論点

  • キャラメイクについて
    • 男女毎にアナザー外見を含む16種類から選択可能と書いたが、初期状態から使えるのはそのうち8種類のみ。
      • 公式で「サムライ」「エージェント」「ゴッドハンド」「デュエリスト」として紹介されている、現代風の外見しか選択できない。
      • 「ルーンナイト」「フォーチュナー」の外見はCHAPTER.2で中ボスを倒した後、「メイジ」「バニッシャー」の外見はCHAPTER.4のとあるイベント終了後に、それらの職業と共に解禁されるという仕様になっている。有料DLCで追加される外見はクエストを完了させることで追加されるため、こちらも最初から使用できない。
      • 確かに異なる時代を行き来できない時点で、現代にいきなりアトランティス風の露出度の高い服や、エデン風のいかにも魔物と戦ってます的な衣装を着た人物が現れては、不審者どころではない異常事態ではあるだろうが……。
      • 相変わらず周回特典は無い為、周回プレイで最初から全ての外見が使用可能といった要素も無い。
    • ボイスについては『2020』以降問題点が大分改善されてきたものの「作成時に聞けるサンプルボイスから演技の傾向を判断し辛い声優がいる」「執事風のゴッドハンド男性に似合う渋い演技をする声優や、フォーチュナーにぴったりのダウナー系演技をする声優がいない」という声もちらほら聞かれる。
    • モーションについては相変わらず勝利ポーズを除き男女共通、勝利ポーズも職業固定。
      • 例えばエージェントの外見で、恐らくは子供の外見であることを想定しているのであろうデュエリストの勝利ポーズをさせると違和感が凄まじい事に。むしろその違和感を楽しむプレイヤーもいない訳ではないのだが。
      • 特にメイジは相当癖の強いモーションになってしまっている。初代と同様の感覚で起用すると面食らうこと間違いなし。
  • キャラクターの性能について
    • 過去作品と比較しても、プレイヤー側の攻撃力にとんでもない規模のインフレが発生してしまっている。
+ 特に凶悪なものは以下のスキル。スキルビルドの楽しみを損なう恐れがあるので閲覧注意!
  • 「ルーンナイト」のスキル「ブレイブソード」。
    • 自身の体力を消費し、その消費量に応じたダメージを敵単体に与える技なのだが、威力倍率が桁外れの設定になっている。スキルレベルとLIFEボーナスを最大まで上げ、更にルーンナイトの体力が満タンの状態でブレイブソードを放った場合、シンボルエンカウントのドラゴン程度なら一撃で沈む。
      • その代わり攻撃後は瀕死になる為、上手い事リカバリーしないと敵の攻撃の餌食になってしまう……のだが、ルーンナイトには相手の体力を吸収する「ドレインソード」や体力が尽きる程のダメージを食らっても一度だけHP1で耐える「クレンチング」がある。更に万が一リカバリーが間に合わずやられた場合でも、死亡時にカウンター攻撃を放つ「騎士の誇り」があるという充実ぶり。この「騎士の誇り」も条件次第ではあるが「ブレイブソード」に匹敵する程のダメージを出せる。
    • 本来ルーンナイトは「挑発」「身代わり」でHPの少ない味方を守る盾役として設計された職業なのだが、このスキルのお蔭で「生半可な火力職やコンボより大ダメージを出せてしまう」という事態に。さすがにルーンナイトは格が違った
    • 本作ではサポート担当のキャラにダメージを与えてくるような敵は存在しない。更にルーンナイトは最も早くサポートに必要なゲージを溜められる職業の一つである。……ここまで書けばもうお分かりかと思うが、ユニゾンを使い、サポートから繰り出すブレイブソード×6がバグ扱いしても許されるのではないかという位に強い。その威力たるやラスボスはおろか、条件を整えてやれば隠しボスすら(最速でユニゾンを使えるようになる)3ターン目で沈める程。少しでもやりがいを求めるのであれば封印は必須。
  • 「バニッシャー」のスキル「アースクエイク」。
    • 弾薬を全て消費し、その消費量に応じて敵全体にダメージを与える技。スキルレベルを上げると弾薬1の時でも威力は相当高くなり、最大レベル・弾薬となると並のドラゴンは一撃で沈む様になる。
      • だがバニッシャーの仕様として、消費した弾薬は戦闘開始時に最大値まで回復するというものがある。これによって「エンカウント→1ターン目のアースクエイクで瞬殺→またエンカウント→またアースクエイクで瞬殺…」という戦法がラストダンジョンどころか隠しダンジョンまで雑魚・シンボルエンカウント問わず通用してしまうのである。
      • アースクエイク一発で仕留めきれない敵に対しては「弾薬リロードの手間で隙を晒す」などの弱点があるが、これを補う方法も幾つかある。その中でも強力なのが敵単体に大ダメージを与えた上に弾薬を全回復する奥義「爆熱ランスドライバー」。エグゾースト*4中のみしか使えないという欠点はあるが、それを補って余りある性能である。
      • バニッシャーの素の素早さも遅い事も難点だが、転身ボーナスで補えばあっという間に雑魚を一掃できるようになる。
      • 流石に、隠しボスや追加DLCのボスに対しては効果は薄くなってしまうし、ATKを最大まで上げても倒せない敵もいる。
  • 上記のスキル以外にも
    ・次に出す攻撃の攻撃威力と状態異常付与確率を大幅上昇させる「不動居」(サムライ)
    ・比較的緩い条件で味方全体のMANAを大幅回復できてしまう「スケイプゴート.x」(エージェント)
    ・ハッキング状態中にしか命中しないものの攻撃・防御力を猛烈に下げる「ロストパワー.x」(エージェント)
    ・スキルレベルを上げれば全体攻撃+高確率で睡眠の状態異常付与*5というどこぞのエトリアの悪夢を思わせる「レベレーション眠」(フォーチュナー)
    ・初代から相変わらずの威力と汎用性を誇る「メイジズコンセント&マナバレット」(メイジ)
    ・自身への攻撃をバリアの耐久力が続く限りほぼ完璧に防ぎきれる「シールドクラフト」(メイジ)等、強力なスキルは数多い。
  • また、各職業毎の奥義もエグゾースト中のみしか使えないという縛りがあるだけあって、中々に極悪な効果を持ったものが多い。先述した「爆熱ランスドライバー」の他、「不動居」と組み合わせると出血の状態異常と併せた総ダメージがとんでもない事になる「天地断ち」(サムライ)、行動不能の状態異常付与が極めて強力な「アースブレイカー」(ゴッドハンド)等。
  • 強烈なスキルはその殆どがCHAPTER.5以降、奥義に至ってはchapter.5.1にならなければ開放されず、そこまでの戦闘バランスはよく練られている。
    • ……逆にいえば、それ以降の戦闘バランスについては「大味にも程がある」という評価を下すプレイヤーも多いという事でもあるが。
  • BGMについて
    • ラストダンジョンでの戦闘BGMは東京の戦闘BGMのまま。せっかく物語のクライマックスなので、戦闘BGM位は変更して欲しいという声も聞かれる。
      • また東京のダンジョンBGMは、ラストダンジョンを除き同じBGMが使われている。使われているBGM自体は繰り返し聴く事が苦にならない良曲なので、そこまで気にはならないが。
      • 同じように隠しダンジョンでも各ドラゴンの強化版と戦うためか、終盤に使われるドラゴン戦のBGMばかり流れる*6
    • ゲーム中でボーカル曲を聴く方法は基本的に特定のイベントやボス戦のみ。サウンドテストなどという気の効いた物は無い為、自由に聞けない。
      • 一応、クリア後に行ける様になる隠しダンジョンや各種エンディングでも聞くことはできるのだが。
      • このため、ゲーム中の特典としてサウンドテストが欲しかったという声はよく聞かれる。ボーカル曲に関しては後日発売されたサウンドトラックにフルバージョンが収録されており、どうしても聴きたいのであればそれを購入することで解決可能ではあるのだが……。
  • ショップの売り子「リッカ」について
    • 拠点内のショップで買い物をする時、アイテムの購入、売却を行うと「ありがとうございま~す!」非常に甲高い声で喋る。アイテムを連続で売買するとそのたびにこの甲高い声を連呼する事になり、プレイヤーによっては耳障りに感じるだろう。
      • ただし常にハイテンションでワーカーホリックという設定がある彼女のキャラクター性には合致している。キャラ付けの一環と割り切ればむしろ微笑ましく感じられるかもしれない。
  • ストーリーについて
    • 全体的な流れとして「サムライの外見を使ったキャラクター」を操作キャラのポジションに据えていないと不自然になる展開が目立つ。
  • 真竜について「あらゆる意味で残酷な存在として立ちはだかる」と先述したが、その残酷な描写の度合いは個体によって少々バラつきがある。
+ 真竜の描写について、過去作のものも含めかなり踏み込んだネタバレをしています。閲覧注意!
  • 真竜らしからぬ描写として真っ先にその名を挙げられるのが初代および『2020』ラスボスの「第3真竜:ニアラ」。
    • 本作および過去作での描写を纏めると、仮に本作プレイヤーが歴史への介入を行わなかった場合……
  • アトランティスのルシェを食いつくすぜ、自分は神様みたいな存在なんだし全力出さなくても余裕っしょwww(本作)
    → 捨て身の自爆攻撃で手傷を負わされた挙句、折角のルシェ達が全滅してしまったでござる
  • 2万年ほど休息し回復、前回の反省を生かし先ずは人間たちの戦力を削るぜ(『2020』)
    → なんかとんでもない力を持ったほんの数名の人間達(『2020』の13班とタケハヤ)にフルボッコされたんですけど
  • 大分痛めつけられたからもう慢心しない! 強力な帝竜を大勢連れて来たし、万が一に備えて自分と同格の増援も呼んだ!(初代)
    → その増援が仇となり、人間とルシェに「自分を殺す為の決定打となりうる武器」を与えてしまう
      対決の際満を持して放った必殺技も(事前にとある手順を踏んでおくと)たったの数ダメージしか与えられずあえなく敗北、死亡

     ……ということになる。人、それを「ヘタレ」という。

  • 更にプレイヤーが歴史に介入した場合、余裕をこいていたアトランティスの時点で本作の13班(プレイヤー)にやられてあっけなく死亡する。終盤になって再生怪人よろしく復活するも、小物臭しかしない台詞を吐いた上にやっぱり13班にやられて桧舞台からご退場。
    嘘みたいだろ……こいつ、初代と『2020』のラスボスなんだぜ……?
  • この描写故か、一部コミュニティでは「真竜のマスコット担当」「ナナドラ1の萌えキャラ」「ニャアさん」とまで呼ばれる有様。
    • まぁ、彼の元ネタからして原典では微妙にヘタレな描写が存在していたり、最近になって萌えキャラ化していたりするので、これはこれで正しいあり方なのかもしれないが。ニアラ様黄金かわいいクァハ
  • 初代でニアラに増援として呼ばれた結果「竜殺剣」に封印されてしまった「第6真竜:ヘイズ」も、本作では竜殺剣の封印が弱まったことにより復活する。…但し、その竜殺剣が額に刺さったままの状態で。
    • このあまりにもあんまりな見た目の所為で「ヘイズが何言ってきても『でもお前頭に竜殺剣刺さってるよな』で返せそうな気がする」とまで言われてしまうこともあるとか。
    • また初代では扱いこそ良いとは言えないものの、その風貌や言動は真竜らしい威厳を備えていた。しかし本作ではまるで蜘蛛のような体躯に、背中に背負う巨大な大砲*7、そして上述の頭に竜殺剣…と随分気色悪い風貌になってしまった。その上チンピラのような笑い声を上げるようになり、こちらも小物感が増した。
    • 一方で初代では帝竜の使い回しだった戦闘BGMは本作でもそのまま。そこは変えてやれよと思ったプレイヤーは少なくない。
  • 「第1真竜:アイオト」は登場こそするものの、本編中で戦う機会は存在しない。また『2020-II』のラスボス「第5真竜:フォーマルハウト」は『2020』の13班によって倒されたという扱いになっており、本作で復活することも無い。
    • この2体とは隠しダンジョンでも戦えない。『2020-II』の隠しダンジョンでニアラが出てきたように、フォーマルハウトが隠しダンジョンに出てくるのでは?と予想していたユーザーもいたのだが、肩透かしに遭ってしまった。
  • 「第7真竜:VFD」については致命的ネタバレを含む為詳しい言及は避けるが、やはりというか何というか「説明不足」という意見が目立つ。
    • またそれに関係する「ドラゴンクロニクル」についての説明も不足気味。初代から登場しているものの明確な説明がなく、最後まで消化不良気味となっている。
  • 一方で初代の影が薄い隠しボスだった「第2真竜:ND」は、本編中の残酷極まる所業やその裏に隠された真の目的などから存在感を大幅に高めた。
    また「第4真竜*8」も、特に過去作のとあるキャラクターに愛着を持っているプレイヤーにとっては別の意味で残酷な存在となっている。
  • CHAPTER.6以降の内容の凶悪さに心を折られたプレイヤーが続出した。
    • 多くのコミュニティで「攻略用のセーブデータとは別に、chapter.5.1までのセーブデータを保存しておくこと」が推奨されるほど。
+ CHAPTER.6の展開について、かなり踏み込んだネタバレをしています。閲覧注意!
  • 具体的にはある緊急事態が発生し、あるキャラが黒幕だったことを明かす。その時に戦うことになるボスも、身近にいた人物である。
    • そしてこの黒幕の手により、本シリーズはおろかRPG至上でも稀に見る大惨事が引き起こされてしまう。
      • 黒幕の裏切り、親しかった人物との死闘、そして無慈悲に襲い来る惨事により、これまでドラゴンとの戦いの中で築き上げてきた日常や人間関係が一瞬にして跡形もなく粉砕される事に。
    • この時から拠点の光景が一変し、BGMも悲しげな物になってしまう。
  • その前のchapter.5.1の最後で心温まるイベントが用意されていたこともあって、この展開には度肝を抜かれたプレイヤーが多かった。
    • 5.1以前の章でも「CHAPTER.5のボス戦」を除けば、ライバルとの協力あり、異なる時代の住人との和解・共闘あり、歴史書き換えによる鬱フラグの破壊ありと前作までの鬱展開は何だったのかと思う程に正統派の「燃える」シナリオである。また「CHAPTER.5のボス戦」もボス自身の強さや専用BGM「終撃のイグニト」の存在もあって「ラスボス戦より熱い戦闘だった」という感想を述べるプレイヤーがいる程である。
      • それだけに、CHAPTER.6で唐突に突きつけられた「ある意味では前作までを遥かに超える鬱展開」には面食らうプレイヤーが続出してしまった。中には「暫くリアルに固まってしまい、その後3DSをそっ閉じした」「うっかりネタバレを踏んでしまい、あまりの衝撃にchapter.5.1から先に進めなくなった」と洩らすプレイヤーも……。
    • 但し、セブンスドラゴンシリーズは程度の差こそあれ全作品に鬱展開が存在しており「ある程度予想はできていた」「むしろこうした鬱展開があってこそのセブンスドラゴン」という感想を述べるプレイヤーもいる事は記述しておく。
  • その後シナリオを進めると、chapter.5.1以前と似て異なる微妙な状態に遷移する。
    • この状態は例えラスボスを倒してゲームクリアしようとも元通りになる事は無く*9、虚しさを感じるプレイヤーも少なくない。
  • 体験版をプレイしていた場合の特典について
    • 体験版のセーブデータがあれば、既に製品版を始めていた場合でも特典を受け取れる……のだが、その内容が あまりにも豪華な点 に困惑するシリーズ経験者が続出した。
      • 通常プレイでは唯一品に該当する「エクスアッパー」と「スキルアッパー」、そして この方法でしか入手できない強力な物 *10まで含まれている。2020-IIの特典と比べてみても、明らかに豪華すぎる。

問題点

  • インターフェースの悪さ
    • 選択肢は基本的にキーを入力しないと、選択肢の移動やボタン操作を受け付けてくれない。
    • タッチ操作が使用できるのは、名前選択とサポート・ユニゾン使用時くらいのみで、下画面はほとんど使われることがない。
    • クエストの依頼主・場所への自動移動と言った要素もない。何度も所定の場所に行く事も多い。
  • セーブデータを保存できる数が3個しかない。
    • ゲーム本編で劇中歌を聞ける箇所が限定されており、サウンドトラックが発売されるまでは劇中歌を聴きたいが為だけにセーブデータを取っている人も多かった。
      • また前述の通り各所で「chapter.5.1までのセーブデータを保存しておくこと」が推奨されていたため、それに従ったプレイヤーは自由に使えるデータ数を更に絞られることになる。
      • DL版ならバックアップ機能を利用することで擬似的にセーブデータを量産できるものの、当然ながらパッケージ版では3個しか使用できない。
    • また先述した通り、データ引き継ぎや全ての外見が最初から使えるなどといった周回特典は一切無い。
      • 追加される外見を最初から使ったり、周回プレイで楽しみたいという意見は非常に多い。
  • 有料DLCについて
    • 稼ぎのクエストはどこかにいる魔物のシンボルを探し出して倒すという目的なのだが、シンボルが目立たない場所に発生していることもあり、何度も受ける場合は面倒になってくる。
      • スキルポイントを稼げるクエストでは、SPを大量に落とす「フロワロシード」だけでなくEXPを大量に落とす「クイーンラビ」も一緒に登場するためどちらか一方だけを稼ぎたい場合は非常に邪魔になる。
      • お金を稼げるクエストでは迷路のような場所でシンボルを探し出す必要があり、面倒さが更に悪化している。
    • 『2020』の外見が解禁されるクエストはCHAPTER.1の途中からすぐ受注できるようになるが、クエスト最後に戦う敵がかなり強く、受注可能になったばかりの戦力では勝てない…とまではいかないものの、長期戦になる可能性が極めて高い。後から追加される外見を最初から使えるようにする手段が無いことも相まって、余計にこの問題点が目立ってしまっている。
      • 『2020』の外見クエストは3種類あるのだが、依頼者の行動以外は基本的に内容が使い回しされており、3種類とも同じような展開になっているのもいただけない。
      • また外見の配信は『2020』に限定されており、初代セブンスドラゴンのキャラクターの外見は一切配信されていない*11
    • 本作登場キャラを模した外見が解禁されるクエストは、何とクリア後でないと受注することができない*12
    • 強敵と戦える「アリーのデスマーチ」のクリア報酬の使い道が無く、ただの記念アイテムとなっている。
      • 報酬内容が隠されており「いかにも何かありそう」な思わせぶりだったため、このガッカリ報酬は余計に非難された。
    • 有料DLCクエストは1つ300~350円と少し高めに設定されている。もう少し安くしてほしかったという声も聞かれる。
  • その他細かい問題点
    • スタンダードを超える難易度が存在しない。より高い難易度を求めるプレイヤーも多かった。
    • キャラクターメイキングで外見を変更する、或いは「転身」によってキャラの職業を変更すると、そのキャラのパーティメンバー間の好感度がリセットされ、0からやり直しになる。
      • 普通にゲーム進行する分には問題ないが、PT間の関係を脳内で色々構築するようなプレイヤーにとっては気になるところである*13
      • 「転身」したキャラには転身前の職業とレベルに応じて能力値にボーナスが付く。このボーナスは累積するため、何度もレベル上げと転身を繰り返せばカンスト能力値をもったキャラを作ることもできる。……但し上述の仕様により、パーティメンバーの好感度を犠牲にする必要はある。
      • 主要人物からの好感度は転身しても変わることは無いのがせめてもの救いか。
    • 東京で最初に攻略するダンジョンである、セブンスエンカウント(東京スカイタワー)に行くのが地味に面倒くさい。
      • 他のダンジョンに行く際はショートカットメニューから一瞬で行ける上、ダンジョン内で中継地点を発見できれば再突入時にそこから探索を始めることも可能。しかしセブンスエンカウントに行く際はわざわざ拠点の別館へ行き、そこの奥にある端末からアクセスしなければならない。
      • ダンジョンから脱出する手段もスタート地点まで歩いて戻るか、特定のスキル・アイテムを使うしかない。
      • 前作『2020』での外見が使えるようになるDLCクエストや中盤以降のストーリーで、この問題が特に顕著になる。
    • 初代の舞台であるエデンで移動可能なエリアが少ない。
      • 対象となるエリアは、初代のホームタウンである「カザン共和国」と、今作ではダンジョンとして登場する「学都プレロマ」のみ。もっと色々な場所を訪れたかったという初代経験者の声は少なくない。
      • 更にエデンで最初に訪れる事になるダンジョンは、カザンに突如出現したアトランティスのダンジョンと言う設定。当然ながら初代とは全く関連性が無い。
    • CHAPTER.6に入る前の状態になった場合、ベッドで寝ることで進められる一部のクエストが、CHAPTER.6をクリアするまで完了させることができない。
      • ベッドで休憩することもできない。フィールドスキルの回復手段がネコカフェ利用でしか行えず、不便な印象を受ける。
    • CHAPTER.6では、取り逃したまま次の章へ進むと入手不可能になるアイテムが複数存在している。どれも能力アップや状態異常を防ぐ効果がある、強力な装備品ばかりである。
    • クリア後に行ける隠しダンジョンで施錠された場所があるが、その扉が開くことがない。
      • これは隠しダンジョンの内装が「既存のダンジョンの物を流用」したものであるために起こってしまった問題である。
      • ちなみに有料DLCのクエストでも扉が開くアイテムは貰えない。
    • 画質の劣化・モーションの使い回しが目立つ。
      • 今作の目玉でもあるサムライの「双剣」の使用スキルのほとんどが前作「一刀」からの流用であり目新しさは薄い。またこの影響で一刀側のスキルが減少している。最も割を受けたのが「居合」の型で、最大のメリットであるスキル「不動居*14」が全型共有のスキルに変更されたほか、スイッチ・奥義を抜いたスキルがたった二つに減らされ殆ど選択肢が無い状態になっている。しかも敵に状態異常耐性ダウンが付加できるのに、自身は抜刀状態にシフトしない限り状態異常を付加できない。
      • 他の職業に関してもエージェントは前作のトリックスターとハッカー、ゴッドハンドはデストロイヤー、メイジはサイキッカーの流用*15であり、完全新規はデュエリスト・ルーンナイト・フォーチュナー・バニッシャーの4職のみ。またデュエリストのモーションの多くはサイキッカーやモンスターの流用で、フォーチュナーのモーションは前作のアイドルから一部流用されている。
      • 帝竜も「インソムニア」「トリニトロ」「ゼロ=ブルー」と2020シリーズから流用。トリニトロに至っては3度目の登場である。また今作では作品内での流用もあり、序盤に出てきた帝竜とダンジョンが終盤に再登場する。
      • 使い回しそれ自体は工数・経費削減という側面もある為、一概に責める訳にはいかないが、それでもせめて新たな仕様や外見に合わせた調整ぐらいはできなかったものなのだろうか。
      • その一方で7体いる真竜のうち2020-IIのラスボスのみ登場しない。せっかくの集大成なのだから流用でもいいから出してほしかったといった声が多い。
    • 相変わらず小部屋からショートカット機能が使用できない。
      • この仕様のせいで、ダンジョンから脱出して帰還した際に転送装置のある部屋から一度出なければならない。そのため、前作以上に2020から改善されていない点が目立ってしまっている。

総評

再び任天堂機種に舞戻ったことで心配もされていたが、前作までに決して劣らないストーリーやBGMでファンを魅了した。
セブンスドラゴンという「人類と真竜との対決」を描いた物語の完結編として、当初の開発元であるイメージエポックの倒産という試練を乗り越え有終の美を飾ったと評価できる一作であることは間違いない。
とはいえ中盤以降の攻撃力インフレなど決して問題点が無い訳ではなく、インターフェースやキャラメイクでは痒い所に手が届かない印象も受ける。

ディレクター・川端真之氏曰く「開発ノウハウも社内に蓄積されているので、それらを活かした続編なども、可能であれば考えていきたい」とのこと。
本作の問題点を改善し、評価点を更に洗練させた「新たな人と竜の物語」を待ち望むプレイヤーも多い。

余談

  • 発売前から体験版が配信されており、CHAPTER.1の途中までプレイ可能。
    • キャラクターメイキングが行えず、用意されたキャラでプレイすると言った制約があるが、先述の通り製品版に引き継ぐことでしか入手できないアイテムが存在する。
      • 製品版に既にセーブデータがある場合は、引継ぎ特典のアイテムだけを引き継ぐという選択もできる。
  • 本作のキャラクターの外見には全員分名前が付けられており、公式動画などで確認可能。体験版でも、この名前が登録されたキャラが使用された。
  • 初回購入特典として「ナガミミのぬいぐるみ」という特典アイテムが貰えるDLコードが付属。内容はこれでしか聞けない、声優毎に用意されたボイスが聞けるというもの*16
    • お買い得版にもそのコードが付属されており、それに伴って発売当初に封入されて使われないまま残っているコードも入力可能になっていた。中古屋で買ったソフトに発売当時の未使用のコードが入っていたという報告も。
  • 各種予約特典・雑誌の付録で3DSのテーマが配布されていた。現在では一般配信限定の物を含め、8種類全てのテーマが有料(各200円)で一般配信されている。
    • 歌詞の無いインスト+ショートバージョンではあるが、主題歌「ChRøNiClESeVeN」、劇中歌「Re:Vanishment」「サンクチュアリを謳って」「終撃のイグニト」をいつでも聴く事ができる。
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最終更新:2023年03月13日 11:27

*1 有料DLCのクエストで使用できる分を合わせた場合、男性51種類、女性57種類

*2 パッケージの中央にいるキャラで、サムライ女性Aに当たる外見。

*3 パッケージの左側にいるキャラで、フォーチュナー女性Aに当たる外見。

*4 シナリオを進めると解禁される、攻撃や相手からのダメージによって溜まるゲージを最大まで溜めると使用可能なコマンド。1ターンのみ、発動したキャラクターに「最速行動」「攻撃力上昇」「回復アイテム使用時の効果上昇」という効果を発生させる。

*5 行動前の敵の場合、そのターンに別の攻撃で起きても行動できない。しかもフォーチュナーはかなり速い。

*6 ごく一部のエリアでは、東京の戦闘BGMになる

*7 初代に出てきた「千人砲」らしいが、明らかに小さくなっている。

*8 その名前自体が致命的ネタバレとなってしまう為、ここでは名前を伏せさせていただく。

*9 正確にはEDでほぼ元通りになるが、それがセーブデータには反映されない。

*10 「ナガミミのお守り」というアクセサリー。「ATK・MAT+5 SPD+8 回避率+10%」という強力な効果を持つ。

*11 本作デザイナーの三輪士郎氏は過去に初代セブンスドラゴンのキャラクターを描き下ろしたことがあり、本作がシリーズ集大成を謳っている事もあって期待するプレイヤーは多かった。

*12 このクエストに関係するキャラ自体が相当なネタバレ要素を内包している上、クエストをクリアすると各職の最強武器が手に入るため、受注できるタイミングがクリア後に限定されているのも仕方ない面が無い訳ではないのだが。

*13 特に本作は同じ3DSでの発売ということもあってか、『世界樹の迷宮』シリーズでそういう楽しみ方をしているプレイヤーが数多く流入してきた。

*14 次の攻撃の攻撃威力と状態異常付与確率を大幅増加させる。賛否両論点でも述べた通り、強力なスキルの一つ。

*15 賛否両論点で述べた、メイジの癖の強いモーションはこれが原因か?

*16 現在はコードの入力期限切れにより入手不可。