妖怪ウォッチ4 ぼくらは同じ空を見上げている

【ようかいうぉっちふぉー ぼくらはおなじそらをみあげている】

ジャンル RPG
対応機種 Nintendo Switch
発売・開発元 レベルファイブ
発売日 2019年6月20日
定価 パッケージ版:6,458円
ダウンロード版:6,578円
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A
備考 アップグレードパック(1,650円/税込)
で『4++』にアップグレードが可能
廉価版 レベルファイブ ザ ベスト
2021年4月22日/3,520円
判定 良作
ポイント 1人用RPGに特化したナンバリング初の据置機作品
従来のシステムから変更されるが作風のクオリティは高い
世代を越えた壮大なストーリー
クオリティの代償としてボリューム減少
妖怪ウォッチシリーズ


妖怪ウォッチ4++

【ようかいうぉっちふぉーぷらぷら】

ジャンル RPG

対応機種 Nintendo Switch
プレイステーション4
発売・開発元 レベルファイブ
発売日 2019年12月5日
定価 6,480円(税別)(4から引き継いでプレイするアップグレードパックは1500円(税別))
プレイ人数 1人
レーティング CERO:A
判定 良作
ポイント 新しいクエスト、マップ、妖怪が追加投入
主要妖怪と友達になる人数が増量
ボリュームの問題は僅かに解消
主にバスターズの仕様は善し悪しが目立つ
妖怪ウォッチシリーズ


※操作方法はSwitch版のものを記載しています。

概要

『妖怪ウォッチ』シリーズのナンバリング第4作。
3』の発売以降に展開されたアニメ『妖怪ウォッチ シャドウサイド』や劇場版『妖怪ウォッチ FOREVER FRIENDS』などのプロジェクトを繋ぎ、ひとつのゲームに昇華させた一作。


特徴

  • 4つの世界
    • 本作の舞台は主に4つの世界。突如現れた「世界のトビラ」を通じて、これらの世界を行き来しながらストーリーを進めていく。
      • 物語は「現代」から始まる。ここは小学生のケータたちが住む過去作でもおなじみのマップで、HD化によってリアリティの増した世界を堪能できる。
      • 少しストーリーを進めると解禁される「未来」は、『シャドウサイド』の舞台となった現代から30年後の「さくら元町」。長い歳月をかけて妖怪たちも様変わりし、一部はシャドウサイドと呼ばれる凶悪な姿への変身能力を得ている。
      • 中盤で行けるようになる「過去」は、映画『FOREVER FRIENDS』の舞台である60年前のさくら元町。昭和のノスタルジー溢れる風景が広がっているが、地理的には「未来」と同じ場所であるため、一部の地形に共通点を見いだすこともできる。また、ゲーム版では初となる冬の街である。
      • そして4つ目の世界は「妖魔界」。一口に妖魔界といってもさまざまな場所を訪れることになるが、主に探索するのは『FOREVER FRIENDS』で初登場した60年前の先代閻魔大王が治める城下町。たくさんの店が集まる活気に溢れた場所で、4つの世界すべての妖怪ガシャが集まった施設も存在する。
    • 妖怪ウォッチを持つ主人公たちは、「未来」で結成された「妖怪探偵団」に所属していく。フィールドでは操作キャラを自由に交代することが可能。
  • 戦闘システムが一新
    • 行動順(ターン)の概念が撤廃され、アクションRPGに近い内容に。プレイ感覚としては外伝作品「バスターズ」に近く、攻撃範囲をよく見てダッシュで回避したり、タンク役に攻撃を引きつけてもらったりといった戦い方がそのまま通用する。
      • 人間キャラがバトルに参加するようになった。3体の妖怪に加え、「ウォッチャー」として人間が前線に立って戦う。主な役割はともだち妖怪の支援だが、自ら攻撃に参加したり、敵の攻撃を受け止める役割を担うこともできる。詳しくは後述の「6人のウォッチ使い」で。
      • 戦闘中は十字ボタンで操作キャラを切り替えられる。妖怪のさぼり状態を能動的に解除したり、自分の思った通りに行動してもらうことが可能になった。絶対に倒されたくないキャラに切り替え、ひたすら逃げ回るのも作戦のうち。
    • 妖怪のわざはシステムに合わせて一新。設置した場所の周りに回復フィールドを展開する「やすらぎ地蔵」や、近づくと爆発してダメージを与える「妖魔地雷」など、変わった効果のスキルも増えた。
      • わざの使用には YP を消費する。YPは妖怪であれば時間経過で回復する他、ウォッチャーによる「妖気スイトール」「妖気オクール」(後述)の効果でも増やせる。ただし、YPが足りていても、一度使ったわざはしばらく再使用できない。
      • ひっさつゲージが満タンの時にX+A同時押しで、通常の妖怪は「グレート化」が、シャドウサイド妖怪は「シャドウサイド化」が発動。一定時間能力がアップする上に、もう一度X+Aを同時押しすると必殺技を使用する。
      • 敵をひるませたり弱点を突いたりすると稀に「ついげき」が発生し、控えの妖怪がクリティカル相当のダメージを与えてくれる。さらに、これを受けた妖怪は一部を除いて確実に後述の「こんすい」状態になる。
    • HPがゼロになったり、ついげき等の大技を受けた敵妖怪(イベント戦の敵やボス妖怪は除く)はたまに「こんすい」状態になる。これは「昏睡」と「魂吸い」を掛け合わせた用語で、こんすい状態の敵からは「魂」を吸い取ることができる。これは後述の「魂カツ」で活用できるアイテム。
      • 魂の吸い取りには、残りHPにかかわらずその妖怪を倒せるという副次効果も*1。これを狙って、「なまはげ」などの強敵に序盤から挑む価値が高まっている。
    • 必殺技を使うなどナイスな行動をとった仲間がいる場合、Aボタンを押すと「やるじゃん!」と声かけをする。声をかけられた側はすばやさがアップし、妖怪の場合はさぼりにくくなる。
    • +ボタンを押すと「ストップウォッチング」が発動してゲーム内の時間が停止。戦況を落ち着いて見渡しつつ、集中攻撃したい妖怪へピンを刺したり、アイテムの使用や交代ができる。アイテム使用と交代にはクールタイムが設けられており、一度使うとしばらく選択できない。
    • 残りHPの低下や時間経過によって、控えメンバーが交代アピールを出すことがある。Aボタン長押しでアピールに応じると、クールタイムなしで交代できる。
    • 戦闘中のメンバーが全滅すると、たとえ控えメンバーが生きていたとしてもその時点で敗北。これにより、ウォッチャーの交代要員が5人いる中盤以降でも油断はできないバランスになっている。
    • なお、-ボタンを押すとオートバトルに切り替わる。どうしても操作が苦手な人はこれに頼った方が安定する…ということもある。
  • 6人のウォッチ使い
    • 妖魔界の伝承に導かれて、妖怪ウォッチの所有者たちが「妖怪探偵団」として集結。時を超えて黒幕の野望に挑む。
    • それぞれ妖怪と同じように固有のステータスを持ち、また後述のスキルツリーを使ってさまざまな技を習得可能。人間離れした妖術も、ウォッチの力を解放すれば使えるようになる。
    • 全員が共通して「妖気スイトール」と「妖気オクール」を最初から持つ。これはYPを敵から吸い取り、味方の妖怪に分け与えるという効果で、ともだち妖怪が十全に力を発揮するためには欠かせないもの。
    • 基本的にはこのスキルを使って、ともだち妖怪のYPをマネジメントするのがウォッチャーの仕事。戦いに参加できるようになったとはいえ、「人間が妖怪の力を引き出す」という根本は変わっていない。
    • さらに、X+A同時押しで必殺技を発動できる。どれも非常に強力で、タイミングよく使えば戦況を一気にひっくり返せる。
+ 各ウォッチ使いの詳細

※名前はデフォルトのもの。最初に変更することもできる。

  • ケータ
    • ゲームが始まったら最初に操作する、おなじみフツーの小学5年生。過去作での実績から「伝説のウォッチ使い」として妖怪たちの間で名が知られるように。最初は初期型の妖怪ウォッチを使っているが、途中で「妖怪ウォッチエルダ」に改造。
    • 妖力、妖術まもりがやや高めで、攻撃系のスキルを中心に習得する。しかし火力はトウマに劣り、妖怪の支援はナツメやフミの方が得意と、設定通り フツー …というか若干パッとしない性能で明確な役割を持ちづらい。
    • 他のウォッチ使いが比較的苦手としている、攻撃重視のサポート型として運用するのが無難。仲間の妖怪が強いほど性能を発揮しやすく、「伝説のウォッチ使い」にふさわしい活躍を見せる。
    • 必殺技は「ミンナヘンゲ【攻】」で、味方妖怪全員をグレート化orシャドウサイド化させ、さらに攻撃力を強化する。攻めに特化した味方が揃っている時に使うのが有効。
    • 物語を進めると2つ目の必殺技「トモダチ召喚・天」が使えるようになる。一撃の威力が非常に大きく、平凡な火力を補える。特に妖怪大相撲の高難度本場所では開幕で敵チームの頭数を減らす手段として有用。
  • フミ
    • ケータが想いを寄せる近所の女の子で『2』以来の主人公回帰。本作では、本編中で初めて妖怪ウォッチを手にするという設定。ただし、その際に以前に自分が妖怪ウォッチを持っていたような気がすると口にしている*2
    • ケータと同じく妖力・妖術まもりに優れているが、より特化型のステータスになっている。スキルは回復系が中心で、特に貴重な全体回復技が使えるのは大きい。
    • 必殺技は「ミンナヘンゲ【癒】」で、味方妖怪全員のグレート化orシャドウサイド化に加え、HPを大きく回復させる。ピンチ状態から一気に攻勢に転じることができる、かなり頼れる技。
    • 物語を進めると2つ目の必殺技「トモダチ召喚・霊」が使えるようになる。こちらもケータ同じく一撃の威力が大きい。
  • ナツメ
    • 未来のケータの娘で中学生。ケースケという小学生の弟がいる。「妖怪ウォッチエルダ」の使い手。
    • ステータスはバランス型で、援護系のスキルが得意。妖怪の攻撃や防御を上げたり、フミほど得意ではないが回復もできるなど、妖怪の力を最大限に引き出すことができる。自分自身の強化・回復手段に欠けるのが弱点か。
    • 必殺技は「ミンナヘンゲ【守】」で、他2人のミンナヘンゲに比べると、守備に不安のある妖怪でも強引に攻めに行けるのが強み。
    • 終盤で2つ目の必殺技を使えるようになる。ある妖怪に一定時間無敵状態で変身するのだが性能はそれほど高くなく、ストーリー演出としての面が強い。
  • トウマ
    • 「妖怪ウォッチオーガ」に選ばれた少年。クールだが、年相応に厨二病っぽい一面も。
    • 彼の特徴は必殺技の「憑依召喚」で、「剣武魔神」という特殊な妖怪を自分の体に降臨させ、しばらくの間その妖怪となって戦う。さらに召喚中は無敵のため、強気に戦える*3
    • ストーリーの進行とともに必殺技で召喚できる妖怪が増えていく他、ウォッチスキルを解放すれば通常の技でも一部の憑依召喚を発動できる。
    • どの技も高性能だが、クールタイムが長いため小回りが利きづらい。加えて憑依召喚中は技が書き換わって妖気スイトール・オクールが使えなくなるなど、味方の妖怪のサポートが手薄になりやすい弱点も。憑依召喚中に味方が壊滅し、解除された途端に大ピンチに陥ることもありえる。
    • 「ひとりのとき全ステータスアップ」というウォッチスキルがあるので、あえて一人で戦うというプレイスタイルも考えられる。ただし本人の守備面は脆いので、装備などでの対策は必須。
  • アキノリ
    • 妖怪探偵団のリーダーである妖術使いの家系の大柄な少年。ストーリーの途中で「妖怪ウォッチアニマス」の使い手となる。
    • 基礎ステータスは守備型。自分がヘイトを集める(攻撃を引き受ける)ことで、味方がダメージを気にせず戦えるようにするのが得意。
    • すばやさの低さが弱点。しかし、ウォッチスキルの「アピール(自分に敵のヘイトを集める効果)」を強化してすばやさアップの効果を加えたり、「やるじゃん!」ですばやさを一時的に上げたりなど、克服の方法は多い。
    • 必殺技は、妖怪ウォッチアニマスの力による「幻獣召喚」で、剣武魔神が統べる幻獣を呼び出し、全体攻撃や味方の回復技等を放つ。
  • シン
    • 1960年代の桜町に住む男の子。友達のイツキやタエと一緒に、母の魂を奪った妖怪を追っている。
    • 本格参戦はストーリー後半であり、慣れてきたタイミングで加わるキャラだけにピーキーな性能。
    • 物理まもりはアキノリを凌ぐほど高いが妖術まもりは低いため、ぶつける相手の判断が重要。さらにスキルは「妖魔地雷」「影縫いの術」など妨害系に特化しており、効果的に使うにはテクニックを求められる。
    • 必殺技は「ミンナゲンキ」で、これは戦闘不能の味方を復活させた上に全員を大きく回復させるという破格の性能を持っており、壊滅状態から一瞬で立ち直れる。ただし、攻撃性能はない。
    • 物語を進めると2つ目の必殺技「軍神召喚」が使えるようになる。威力はトモダチ召喚を上回るが、雷に耐性を持つ敵に威力を半減されてしまう属性面での欠点がある。
  • ここで説明したキャラ性能はごく一端に過ぎない。ウォッチスキルの選択によって同じウォッチャーでも戦い方にはバリエーションが生まれる上に、ストーリー終盤になると全員が新しい必殺技を習得したり、専用装備が手に入ったりして新たな特性を得ていく。
  • スキルツリー
    • レベルアップで獲得できる「ウォッチポイント」を消費して、「ウォッチスキル」の習得が可能。「妖気スイトール」にHP吸収効果を追加したり、味方妖怪のステータスを常時アップさせるなど、さまざまなバトルスタイルに対応できるスキルが揃っている。
    • レベルアップで新技を覚える妖怪とは違い、ウォッチャーの技はスキルツリーを使って増やしていくことになる。一度に覚えられる技は4つまでであり、それ以上習得した場合は編成画面で装備中の技と入れ替える必要がある。
    • スキルの内容はウォッチャーごとに異なる。中には固有の必殺技を強化するスキルも。
  • 魂カツ
    • バトルなどで入手できる「魂」を使って妖怪のマッチング、ともだち妖怪の強化ができるシステム。「魂サル」という妖怪が案内役を務める。
    • 「マッチング」では、魂やアイテムと引き換えに妖怪をともだちにできる。妖怪のレベルや性格は事前に確認できるため、いわゆる厳選の手間が必要ない。なお、ここでともだちにする妖怪は最初からニックネームが決まっているが自分で変更することも可能。
    • 他にも、魂やアイテムを消費して妖怪のステータスを強化する「育成」や、強力な装備アイテムを作る「そうびカスタム」がある。大量の魂を要求される場合もあるが、レアリティの高い魂を「ばらす」ことでも集められる。
  • 探索・収集要素
    • マップのいたるところに「ミツマタマーク」が隠されている。サーチライトを当てて発見するとアイテムを入手できる。さらに集めた数に応じた特典も貰える。
    • あるキャラから渡される「トレジャー写真」に映った場所を探し出すとアイテムを見つけられる。ここで手に入るアイテムは比較的良いものが多い。
  • その他細かな点
    • 妖怪の分類が一新された。「プリチー族」や「イサマシ族」といった従来の分け方から変更され、『シャドウサイド』の世界観に準拠した「モノノケ族」や「オマモリ族」などの新分類に。既存の妖怪も全て対象。*4
    • 「ナビワン」が登場。プレイヤーの前を歩き、次に行くべき場所へと案内してくれる。マップ上にピンを指しておくと、その場所への案内も行ってくれる。自動でナビワンに付いて行くという機能も。
    • 妖怪サーチのシステムが変更。今までのように車や自販機の下などを覗き込む必要はなく、マップ上でライトを当てて探すアニメに近い仕様になった。
    • サーチライトで「妖気汚染」が見つかることがある。ひっぺがすと妖怪やアイテムが出てくるが、妖気汚染からの攻撃を受けて吸い込まれてしまうと不利な条件での強制戦闘になってしまう。
    • 同じくサーチライトによって「トビラ」が見つかることがある。ゲーム内で手に入るアークを使用すると中に入ることができ、通常より魂を落としやすい妖怪と戦ったり、ボスと再戦したりできる。
    • 配信アイテムを受け取る「こやぎ郵便」にいつでもアクセスできるようになった。
    • 玩具「妖怪アーク」と連動。1日1回、かざすとアイテムを得られる。
    • セーブデータは1つに減少。代わりにオートセーブ機能が搭載されている。

評価点

  • 繋がる壮大なストーリー
    • アニメ版「シャドウサイド」と映画版の「FOREVER FRIENDS」それぞれの展開が、繋がった一連の出来事として描かれる本作。「 時代を越えて続く友情 」がテーマの、シリーズでも屈指のスケールを誇るストーリーが持ち味。
    • 「FOREVER FRIENDS」側のエピソードは、シン1人ではなく妖怪探偵団全員で事件に立ち向かうように変わったのに伴い、映画版ではやや違和感のあったシーンに説得力が加わった上、新たな燃えどころも生まれている。
      • ケータやフミ、イナホなどの住む現代はあまりストーリーに絡んでこないため「出す意味があったのか?」と途中で思うかもしれないが、しっかりと重要な役割を果たす場面が存在している。
    • ラスボスは『シャドウサイド』に因縁の深いキャラクターだが、その最終決戦には過去作や『FOREVER FRIENDS』を彷彿とさせるギミックも組み込まれており、シリーズの集大成と言えるものになっている。
  • 主要妖怪を簡単にともだちにできる
    • 今作では、かなり多くの妖怪がストーリー上(または簡単なクエスト)で必ずともだちになってくれる。ちょっと寄り道するだけで現代版とシャドウサイド版両方の「コマさん」「コマじろう」が中盤には揃い、終盤ともなると一部のSランク妖怪すらともだちになる。
      • 今までのシリーズでは主要な妖怪や特別枠の妖怪に関してはシリーズによるがクリア後での特定場所で戦闘勝利後からともだちになるか、一日一回限定のバトルを挑み、その上で運が良ければともだちになるという仕様で仲間になってくれないストレスやメダル集めのモチベーション低下を及ぼす要素だった。今作にもそういう妖怪は残っているが、確定加入の妖怪+ウォッチャーの強化でパーティがおおかた完成するため、そこまで気にならない。
    • レジェンド妖怪*5の撤廃や妖怪の総数自体が減っているのもあり、(連動特典などを除けば)コンプリートの難易度は大きく下がっている。
  • 進化した戦闘システム
    • 後述のように複雑ではあるが、アクションRPGとして生まれ変わった戦闘システムは自由度が非常に高く爽快感がある。『3』で見られたテンポの悪さも払拭。
    • 戦闘中の操作キャラの切り替えが無制限なのが最大の特徴。状況に応じて操作キャラを切り替える、妖怪一体だけに絞って戦う、過去作のように人間を操作してサポートに徹するなど、戦術がより広まった。
      • ガン攻めするも良し、ヒットアンドアウェイでも良しと、一つのキャラだけでも多様な動きが取れる。今までは他の妖怪に守ってもらう必要があった打たれ弱い妖怪も、うまく攻撃をかわしつつ技を撃っていくことで手軽に活躍させることができるようになった。
    • 今作の敵妖怪は強めに設定されていて、しかも同時に7体まで出現する。今までのようにランクの高い妖怪を使ってゴリ押すのは難しく、特に終盤では「弱点を突いて "ついげき" を発動させて "こんすい" 状態にし、魂を抜いて敵の数を減らす」といった、システムを活用した戦略が重要。
      • 『2』のようにやや難しめだが、装備や編成をちゃんと考えればどのようなプレイスタイルであってもエンディングまで行ける難易度に収まっている。
    • 通常攻撃に妖術の数値を参照する攻撃が登場。基本的に妖術特化のステータスを持つ妖怪が持っており、バスターズのように物理攻撃を強いられるアンバランスな戦闘を強いられることはほぼ無くなった。
    • バスターズには一部妖怪にしか搭載されなかった回避アクションが全員に追加された。攻撃の回避に運が絡む要素がなくなったので、操作に気をつければ安心して戦える。
    • オート操作のAIは結構賢く、技の動作中でなければ範囲攻撃をしっかり避けてくれたり、体力が減っている味方に近づいて「回復の陣」を張るなど、おおむね適切な行動を取ってくれる。サボる時も敵から大きく離れてフィールド端へ待避してからサボるので、『2』みたいに無防備な状態で猛攻に晒される場面は少ない。
    • アイテムに制限が追加。一度使うごとにクールタイムが発生し、妖怪の切り替えやアイテムが使用不能になる*6。状況や戦局に応じてどのタイミングで使うかという、プレイヤーの技術も試されるように。
    • 一部のボス戦では特殊なギミックが存在し、上手く使ってボスをダウンさせると「CHANCE!」という表示とともに一定時間一方的に攻撃できるようになる。妖怪ウォッチのボス戦ならではの爽快感が味わえるだけでなく、終盤では黒幕に対する形勢逆転の演出としても使われる。
  • 移動の利便性がさらに向上
    • 作品を追うごとに早くなっている自転車の入手タイミングは、ついに最序盤となった*7
      • マップ上でのスタミナが撤廃。常時ダッシュで移動することも可能になった。
    • ワープ担当の妖怪「うんがい鏡」は、場所の移動だけでなく時間の移動も自由自在*8。設置頻度自体も前作から増え、どこでも使用できる「ポケットうんがい」の解禁も早くなった。
    • ナビワンについていくだけで、絶対に迷子にならずに目的地にたどり着ける。立体的な地形が多い妖魔界では特に重宝する他、地図上でピンを指した場所に自動で案内してくれる機能も便利。
  • アニメに近づいたグラフィック
    • シリーズ初の据置機であるSwitch/PS4で発売されたため、高画質かつ綺麗なグラフィックに仕上がっている。
      • とくに背景は力を入れており、現代の住宅街や神社はもちろん、過去や未来の世界の建設物まで細かいところまでアニメと同じように再現されている。まるでアニメと映画の世界に入り込んだような体験をさせてくれる。
    • イベント中の演出やカメラワークも強化され、没入感を高めてくれる。ストーリー性が増したことでイベントシーンが全体的に長くなっているが、急いで進めたい人のために早送り・スキップ機能もある。
  • 充実のファンサービス
    • シャドウサイドの「妖怪探偵団」と『3』におけるイナホ&USAピョンの「不思議探偵社」の絡みや、シンが「ガッツ仮面*9」の名前を出したりと、本作と共通点のある過去作の要素がしっかりと拾われている。
    • ケータは「ウォッチ使いの先輩」としての一面が掘り下げられた。30年後の世界ではフミと結婚しているのだが、その未来に向けた布石も打たれる。
    • アニメでは触れられなかった、コマさん兄弟のシャドウサイド版が別物にしか見えない変貌を遂げている真相も明らかに。ちなみに、それを示す伏線もゲームシステムにさりげなく組み込まれている。
      • 新規BGMの中には、初代テーマやアニメED曲「ダン・ダン ドゥビ・ズバー!」のアレンジもある。どちらも流れる場面と相まって非常に好評。

評価点(4++ ぷらぷらバスターズ)

基本的に『赤白月』からの改善点を中心に記述。

  • ボリュームの問題は解消
    • 新妖怪や新マップの追加に伴って新たなクエストや収集要素が増えた。
    • ウォッチ使いのレベル上限解放やともだちになれなかった朱夏や空天、ボス妖怪の紫炎やフクロウなどの妖怪達も条件を満たせばともだちにできる。
  • 武器と防具を両方装備可能
    • 本編で入手した装備を持ち込む事も可能。武器を装備すると紙装甲になる問題点を解消。
  • 極モードボスの挑戦ハードル低下
    • 常識的な攻撃力に下がった事で『赤白月』の「死ななきゃ安い」世紀末な戦いがほぼ無くなった。
      • その代わり、HPが高めの耐久寄りに調整されており、十分なレベル上げ、特定種族へダメージアップ装備、遅延行為阻止手段の用意等で工夫しなければ時間切れの危険が孕んでいる。
    • B極玉*10の汎用化及び極ボス挑戦条件の要求内容の見直し。
      • 『赤白月』の極玉は特定ボスにしか使えなかったが、本作のB極玉はどの極ボスにも使えるようになった。挑戦の際に表示上のおすすめレベルに比例した、ボス毎に異なる個数を要求される。
      • 別の超ボス周回でB極玉を稼ぎ、目的の極ボスに挑戦というプレイが可能となった。鬼玉稼ぎ、素材、鬼ガシャコインの出やすさを基準に超ボスを任意選択出来る為、自由度がアップしている。
    • 同時に本編ボス戦には『赤白月』の極ボスに匹敵する難易度「炎極」が追加されている。
      • 『赤白月』のプレイ経験者からは「従来の即死火力を持つ極ボスと戦いたかった」という声があり、こちらで代用する人が多い。
  • 鬼玉消費効率の改善
    • レベルアップに必要な鬼玉の数が大幅に緩和され、ほぼ半分以下に収まっている。
    • 装備関連ではジミーの店から鬼玉で買うが、装備強化は本編装備と同じく魂カツで必要な素材と本編の所持金を払う形となり、強化に鬼玉が不要となった。
      • ストーリー終盤に深く関わる妖怪の専用装備も陳列されているが、かなりの高額。周回プレイで鬼玉をサクサク稼げるようになってから買うのが無難。
      • 本編のガシャで使える特別なコイン「Yコイン」や、本編用の「極玉」*11等の本編用のアイテムも販売されている為、鬼玉の活用範囲自体が極端に狭まったわけではなく、余ったら本編のブーストアイテムに回せるようになっている。
  • 鬼ガシャによるダウンロードコード限定妖怪入手の救済措置実装
    • 『ぼく空』時点で雑誌付録ダウンロードコード入力でなければ入手不可だった一部の妖怪が鬼ガシャから出るようになっている。対象妖怪は超か極の上位の鬼ガシャコインを回すと低確率で出てくることがある。
    • 本編ガシャで回すYコインで魂カツ用の赤魂が出る該当妖怪も居る。
    • 但しダウンロード版限定の百鬼姫(現代)やダウンロードコード限定の影オロチ(シャドウサイド)は救済措置の対象外で、ウキウキペディアのコンプリートを阻害した状態のまま放置されている。

賛否両論点

  • オンライン対戦の撤廃
    • 今回のバトルシステムはテンポが良く好評なので、通信対戦がないことが惜しまれている。
    • 先述したように高ランクや高性能妖怪でごり押しができなくなったり、どの妖怪もちゃんと鍛えればSランクと互角に戦えるまた、改造もいないため、「使えない妖怪」がいないことが好評だったのでアップデートで追加してよかった意見はあった。
      • ただし、『2』ではバグを利用した戦法と改造の横行、ゲームバランスの悪さ。『3』ではバトルシステムでのテンポ悪化やランクバランス不安定の問題が目立ったなど、過去作の通信対戦の評判が良くなかったと考えると評価を下げてしまう原因を消して1人用に特化したことが功を奏したという見方もできる。
  • 冷遇扱いの未空イナホ
    • 前作『3』で主人公だった未空イナホは本作でも続投したのだが戦闘をサポートするだけのサブキャラへ即座に降格。しかもその降格理由が妖怪ウォッチを無くしたという地味な設定*12
    • 『3』の世界観はアニメ設定に準拠していた理由からフミちゃんに代わって女の子主人公となったがその評価は感情移入し辛いキャラクター性やアクの強い言動がファンの反感を買い、ヘイトを集めた批判対象の一つとして挙げられていた*13。今作でもキャラクター性はそのままだが中盤を境に物語からフェードアウトするため、前作よりも気にならなくなっている。
      • 元々発売前には近年のメディア展開から既にレギュラーから外され、登場機会は減らされていた。レベルファイブも人気を得られなかった事を概ね認める動きは見せていた。
    • 結果として「こればかりは対応が正しい」「降格は妥当な判断」と肯定的な意見が多いものの、「外されたことに理解が出来ない」「人気がないから外すのか」も決して不満意見も少なくない。立ち位置でも「無かったことにされず、ちゃんと出番があって良かった」と考えるファンもいるが最後までシナリオに関与しない理由に疑問を持つプレイヤーからは「わざわざ出演する必要はあった?」と厳しい意見にやはり分かれている。
    • 一応、後のサブクエストで今までの言動を指摘されるという形でフォローされるが、すぐに元の調子に戻る。
    • DLCまたは『4++』を買うと遊べるバスターズモードで、限定的ながら操作が可能。
  • かなり複雑な戦闘システム
    • とにかく戦闘に関わるシステムが多すぎて取っつきにくい。比較対象を挙げると、発売当初「複雑」との声が多かった『ゼノブレイド2』を上回るレベル。
    • 技だけでも結構な種類を使い分けなくてはならないのに、その上で攻撃の回避や、攻撃や回復のターゲット切り替え、操作キャラの選択、必殺技やYPゲージの管理、交代アピールへの応答などを行わなくてはならず、忙しさが尋常ではない。
    • グレート化/シャドウサイド化/必殺技はX+A同時押しであり、焦って操作すると別の技が暴発しやすい。
      その上で「憑依召喚」などの個別システムがあり、ボス戦では専用ギミックも加わったりして複雑さが頂点を極める。
    • 「ストップウォッチング」でゲーム内の時間を止められるのが救い。慣れるまではこまめに時間を止め、落ち着いて戦況を見回すことで対処できる。それを続けるうちにだんだんシステムがわかってきて、最終的にはストップウォッチングを使わずとも動けるようになっていく。
    • ただ『バスターズ』の経験者は本作と似たシステムなので経験者視点で見るとあまり気にしない意見はもちろんある。
      • その上『バスターズ』は「2」「3」ではミニゲームとして搭載されていたため本編のみのファンであっても未経験者は少ない。
    • いざとなったらオートバトルに任せてしまうのも手。これはこれで、妖怪の編成と交代の指示が重要な一つのゲームとして成立している。
    • 戦闘終了時に一定条件を満たすと次の戦闘開始時にひっさつわざゲージが空になるバグ*14を抱えている妖怪やウォッチ使いも居る。この点踏まえると、ゲージ管理がシビアに。
  • 操作していないキャラがひっさつわざを勝手に使う
    • こちらが指示を出さずとも、操作していないキャラは自分の判断でひっさつわざを発動する*15。ピンチに備えて温存しておきたいと思う状況は少なくないので、やや困った仕様。
    • 「ひっさつわざを使って欲しくないキャラを常に操作する」「いっそ控えに降ろす」などと、勝手に発動されないようにする方法はある。このようなテクニックも含めてゲーム性と捉えられるかどうかは人による。
  • 既存妖怪の大規模なリストラ
    • 700体以上いた妖怪は、たったの200体弱にまで削減された。派生の妖怪や色違い妖怪はほとんど削除、メリケン妖怪や古典妖怪もかなり減らされている。さらには上級怪魔や過去作のボス妖怪も仲間にならない。このため、好きな妖怪が外されたプレイヤーからは特に不満が寄せられた。
      • また前作で好評だった「マイニャン」も廃止。妖怪の総数激減にあわせニャン系妖怪もリストラされたため、この廃止も仕方ない点はある。
      • また、からくりベンケイに至っては、 そもそもベンケイの色違い妖怪であるにもかかわらず 、なぜかオリジナルのベンケイがリストラされてしまっている。おそらく、アニメでの出番を考慮して登場したと思われる*16
      • 一部の進化後妖怪は進化元妖怪のシャドウサイド扱い(つまり同一妖怪化)されているのもより妖怪数が少なく感じる。
    • 妖怪リストラの弊害を実感しやすいのはザコ敵のラインナップ。序盤から終盤までずっと出てくる「ひも爺」など、種類が少ないせいで長期にわたって同じ妖怪が出てくるケースが少なくない。
    • グラフィックの向上やモーション・セリフの増加などを見れば、妖怪1体あたりにかけられている手間が大幅に増えているのは明らかなので、初の据置機進出というのもあってやむを得ない部分もあると思われる。
    • 逆に言えば、妖怪をコンプリートしやすくなったとも言える。ゲット済みの妖怪が確率でまた入手するモチベとしての阻害や同じ妖怪が何度もザコとして出現するのも、魂を大量に集める上ではプラスに働く。
  • ミニゲーム・イベント等の大幅減
    • 鬼時間、虫取り、夕飯などのミニゲームはほぼ全面撤廃。さらに、手洗いや登り棒、電車での移動、おばあさんの道案内といった細かいイベントの類も大幅にカットされている。
    • 過去作は「適当に歩いているだけでなんらかのイベントに遭遇する」というレベルで密度が濃かったのに対し、本作では積極的に探さなければほとんど何も起こらない。
    • ストーリーに関わらないミニゲームやイベントがわずらわしいという声もあり、廃止によってゲームのテンポが良くなったのは確か。しかし、そういった要素が「小学生の夏休みを体験できる」「意外な場所に妖怪が潜んでいる」といったシリーズの魅力の一部を形づくっていた面もあり、なくなって初めて物足りなさを感じることも多い。
    • 特にコレクション要素もあった虫取りと魚釣りに関しては廃止しないでほしかったという意見も多い。
    • 本作はほとんどの店に入れない。多くの店に持ち帰り用のカウンターが用意され、外から店員に話しかけて買い物ができるようになっている。ロード時間が無くなって便利になってはいるのだが、入れない建物のハリボテ感が否めない。

問題点

  • 露骨な「見えない壁」
    • マップの端は透明な壁で強引に封鎖されている。アップデートで解禁される可能性を見越してのものと思われるが、ゲームを最後まで進めても行けるようにならないと気づいた時のがっかり感が尋常ではない。
      • 団々坂など一部は実際にアップデートで実装されたものの、最後まで見えない壁のままだった箇所も多い。
    • 「異界のトビラ」から行ける異世界も同じで、通常世界なら通れる場所の一部も透明な壁で通行止めになっている。異世界には地図がないため、どこがマップの端となっているかを事前に知る方法がない。追ってくる妖怪から逃げようとしたら、見えない壁にぶち当たって戦闘になってしまう、なんてことも。
  • 結局運が絡む魂カツ
    • 「魂を集めれば指定した妖怪を必ず友達にできる」という触れ込みだったものの、結局は過去作と変わらない運頼み。
    • 肝心の魂を落とすか否かはランダムであり、面倒な作業は無くなっていない。先述のように同じ妖怪が何度も出てくる可能性が高いのがせめてもの救いか。
    • 特に低ランクの妖怪の入手難易度が大幅に上がっている。各妖怪の魂には金・赤・白の3種類があり、妖怪をともだちにするためにはこれらが指定された数必要になるのだが、ランクが低い妖怪であっても全色の魂を要求されるせいで、強さに見合わない手間がかかってしまう。
      • レア度の高い魂からレア度の低い魂を大量に作ることはできても、その逆はできない。せめてこれができれば、「必ずともだちにできる」という看板にも偽りはなかったのだが…。
    • 「なまはげ」のような高ランクの妖怪に限って金魂1~2個だけでいいなどなぜか条件が緩く、強い妖怪の方がともだちにしやすいという逆転現象が起こっている。
      • 妖怪ガシャのラインナップに魂が追加。相対的に妖怪が直接出てくる可能性が下がったため、過去作のようにトントン拍子にともだち妖怪を増やしていくことはできない。
      • ガシャで直接A以上の高ランク妖怪はハート形のフレームで表示される「好きな人」の枠*17が無い状態で出る事が多い。魂の場合、直前セーブした上で魂カツのマッチングに表示される3体から選ぶという手段が使える*18為、好きな人枠有りに拘るならこっちのほうが良い。
  • 一部キャラクターの描写不足
    • アニメ版『シャドウサイド』は学校の先生や転校生に主要人物が多いのだが、本作は一連の事件がすべて夏休み中の出来事という設定に変わったため、学校に関わるキャラの描写が全体的に薄い。
    • ナツメの弟、ケースケの存在感はもっと薄い。彼の登場する重要なシーンがストーリー中に1回だけあるが、前後の出番が無さすぎて唐突に思えてしまう。
    • シンとあるキャラの出会いのシーンがカットされている。終盤にそれを踏まえた展開があるため、映画を見ていないと違和感が残ってしまう。
      • ただし、映画で描かれたそのシーンは「自殺しようとしていたところを止められる」というものであり、原因となった母の死*19もかなりショッキングな描写が含まれているため、ゲームの雰囲気が暗くならないための配慮で入れなかった可能性が高い。
  • セーブデータお預かり
    • Nintendo Switch Onlineのセーブデータお預かりに対応していない。

問題点(4++追加モード ぷらぷらバスターズ)

総じて『赤白月』から改善された要素が多い一方、改悪された要素もある。

  • バスターズでもサボる
    • 本編や大相撲とは違い、敵のすぐそばや攻撃範囲内でも平気でサボる為、事故死のリスクが増している。
    • サボっている妖怪を操作する際にレバガチャ復帰が必要で、これで生じた隙が原因で回復系の技が間に合わなくなって味方が気絶・昇天、ボスの遅延行為阻止に間に合わなくなるといった実害が生じている。特に超・極ボス戦でこうなりやすい。
    • 絶え間なく操作を切り替えていけば理論上、味方が全員サボらなくなるのだが、元々操作が忙しい本作が更に忙しくなってしまう。
    • 「超まじめ」*20が廃止され、「いあつかん」*21が弱体化している為、根本的な解消法が存在しない。
  • 気絶から昇天までの猶予が短い
    • 『赤白月』と比べても明らかに速い。体感で2倍強。
  • アイテムを所持・使用出来ない
    • 最大レベルで存分に戦えるミッションではあまり気にならないが、自分側のレベルが制限され、相対的に紙装甲になってしまう超ボスミッションで顕著。
    • 『赤白月』は2個持てたが、敵の火力が世紀末過ぎたので身代わり系でほぼ固定されてしまっていた。敵の遅延行為を阻止する為の専用対策アイテムを持ち込む余裕すら無い。
    • 『3』のバスターズTは9個まで持て、敵の火力も本作よりやや高い程度で概ねバランスが取れていた。
    • もっとも、使用出来てしまうと漢方系アイテムで昇天の概念を潰して本編戦闘と大差なくなってしまうのだが。
  • 素材出現率のバラツキが激しい
    • 装備強化の際に複数種類の特定の素材を要求されるのだが、出やすい素材と出にくい素材のペアである事が多く、強化が滞りがち。
      • 同格の素材が片方はほぼ毎回出るのに、もう片方は20回以上やってもなかなか出ないパターンも存在する。前哨戦が長いボスミッションがこの傾向。
      • 普段なかなか出ないのに本体リセットした上で周回挑戦したら2~3個連続で出てくることも稀にある。*22
  • レベルを上げにくい時期がある
    • レベル20から60にかけて、レベル制限を受けてしまう超ボスミッションが主戦場となる事と、レベル制限を受けない稼ぎに適したミッションがおすすめレベル60もしくは70に設定されている為である。
    • 逆にレベル60から70程度まで上がれば稼ぎミッションを安全に周回できるようになる。

総評

ブームが一段落した『妖怪ウォッチ』シリーズである本作。1人用RPGと劇的なシステム変更に不安を募らせていたが新しいシステムや物語はこれまでのシリーズの積み重ねがあったからこそ実現できたものばかりであり、個々の要素の中に『妖怪ウォッチ』という作品の魅力を見出せる。
初の据置機でグラフィック向上の代償にやり込み度と妖怪の数は減少したが、妖怪達の細かな動きやメインストーリーのボリュームはむしろ増加しており、エンディングまで遊ぶだけでも十分に評価自体は良好でフルプライスの価値がある。

しかし今までシリーズに続いた6体編成だったバトルシステムとオンライン対戦の撤廃によりゲーム性は大きく変化。かつて『第二のポケモン』と呼ばれたシリーズの本編ではあるが、ポケモンシリーズとは大きく異なるものとなり、ソロプレイに重点を置いた一般的なRPG作品に近い作風となった。また一部キャラクターの扱いなど、前作からの変化は良くも悪くもあらゆる部分で大きい。 『4++』は追加要素を加えたことによって減少したボリュームの問題を多少なりとも改善したものの、バスターズ関連は良くも悪くも妖怪ウォッチらしい内容に仕上がっている。

とはいえ、シリーズファンやJRPGファンはもちろん、一度シリーズから離れた人やアニメをきっかけに新たに興味を持った人にもおすすめできる仕上がりとなっている。今からプレイする場合はボリュームが増えた拡張版である『4++』を推奨。


余談

  • 2018年TGS版のPVではタイトルデザインが異なっており、アニメ版「妖怪ウォッチシャドウサイド」に近いものとなっている。
  • あるクエストの中で、福岡県大牟田市のマスコットキャラクター「ジャー坊」が登場し、妖怪として仲間になる。いわゆるタイアップなのだが、実は元々このキャラを制作したのはレベルファイブである。
  • 出来はこれまでの作品よりも断然良いのだが、売上はあまり伸びなかった。
    • 4と4++を合算した売上は約35万本であり、ハーフミリオンにも達していない。本編としての前作『3』は全バージョン合算で約210万本ほどなので大きく減少したと言わざるを得ない。

その後の展開

  • 次回作にスピンオフ作品『妖怪学園Y ~ワイワイ学園生活~』が発売された。
    • しかし、作風およびゲームジャンルの大きな路線変更や世界観の違いからか売上は再び大幅に減ってしまった。
    • ここでは詳細は省くが、端的に言えば妖怪の擬人化キャラが繰り広げる学園モノという作風である。歌い手ユニット「すとぷり」やYouTuberと大々的なタイアップを行う等のこれまでに無い展開も見せたが、既存ファンからは概ね否寄りの賛否両論であった。*23
    • 「シャドウサイド」同様にこのシリーズも約1年で終了し、再びケータを主役としたシリーズに回帰した。
      • 本来は後日談にあたる映画が製作される予定だったが新型コロナウイルスの影響で中止となり、TVアニメのエピソードとして放送された(レベルファイブ日野社長公式Twitterアカウントの発言)。
      • それ以来は『1』のスマホ移植版が配信された他にゲーム作品に関する動きが無い状態が2023年現在に至るまで続いている。
  • 2023年春には約9年間放送されたアニメ版も終了*24。このような情勢を受けてプレイヤー達はソーシャルゲーム「妖怪ウォッチぷにぷに」*25に移行し始め、そちらが妖怪ウォッチシリーズの事実上のメインコンテンツと化しつつある。
    • こちらは本編では描かれなかったストーリーと完全オリジナル妖怪*26が描かれたり、S以上の新たなランク、ソシャゲの利点を活かした大胆なコラボの実施*27など、独自の展開を見せている。一方でインフレが凄まじいことになっている等、長寿ソシャゲ特有の問題も散見されるが…
      • 日野社長はアニメ終了時のタイミングで、妖怪ウォッチの系譜に繋がる新コンテンツ製作をTwitterで示唆している。これについては新キャラクターと思われるイラスト以外の詳細は2023年末時点では不明である。(該当リンク)。
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最終更新:2024年02月19日 15:06

*1 「妖怪の命に関わる魂を抜いてしまって大丈夫なのか?」という疑問については、「しばらくしたらまた生えてくるので大丈夫」とフォローされている

*2 本編中では過去作で起こった一連の事件を解決したのはケータということになっており、『3』に登場したパラレルワールドの記憶という可能性が高い。

*3 ただし、攻撃を受けたらノックバックするし、行動不能の石化状態にもなり、YP切れもあるのでゴリ押しはできない。

*4 ソーシャルゲーム『妖怪ウォッチぷにぷに』では従来の分類のまま続投。

*5 指定の妖怪をコンプリートすると特別な妖怪が手に入るシステム

*6 今までのシリーズでは妖怪の切り替えに制限がなく、難易度を下げる原因になっていた。

*7 ただし、ここで手に入るのはナツメとトウマの分だけ。他のキャラで自転車に乗るためには、各自の家に取りに帰る必要がある。

*8 『2』での時間移動は「うんがい三面鏡」という別の妖怪の力を借りる必要があった。

*9 『2』に登場した、60年前の漫画のヒーロー。

*10 本編用の極玉と区別する為に極玉から改称。

*11 本編の大妖魔の扉で挑戦する極ボス用。ぷらぷらバスターズでは使用不可。

*12 後に取り戻したことは示唆されるが、その上でイナホ自らパーティ入りを断った。

*13 それ以前に人気キャラであったフミちゃんとの入れ替わりという点も影響が大きく、掲示板には作品ではなくイナホキャラ個人のアンチスレが発売後に即刻立つ程。

*14 形態変化する妖怪は形態変化中、トウマは剣武魔神に憑依召喚した状態、アキノリは幻獣召喚後の痩せた状態でそれぞれ戦闘終了すると発生。

*15 操作を切り替えた途端、即座にひっさつわざを無断使用される事も多い。

*16 実際アニメではベンケイが登場しておらずこちらの方が登場している。

*17 妖グルトで枠を増やせるが、妖怪のランクが高いほど要求数も増える。

*18 3体とも好きな人枠が無い妖怪となる場合もある。当該妖怪の魂の所持数が増えるとマッチングの選択肢が変化する。

*19 後に魂を取り返せば生き返れることが判明するのだが、世間的には死んだ扱い。本作では「魂を奪われた」とだけ語られ、世間での扱いにはほとんど触れられない。

*20 「まじめ」よりもサボりにくいが、『2』は低ランク妖怪しかこれに出来なかった。『3』では木魚系スキルの影響下でない限り一切サボらなくなった。

*21 『3』までは一部の妖怪を除いて敵味方全員サボらなくなる効果だった。

*22 本作の乱数の仕様が乱数調整の類に影響されやすいと思われる。

*23 特に歌い手ユニットは女性向けに特化しており賛否両論なボーイズグループであった為、そちらのファンとアンチの対立が持ち込まれて妖怪ウォッチユーザーの界隈が荒れるという弊害もみられた。

*24 ただし「一旦お休み」とのことで再開に含みは持たされている。

*25 サービス開始はブーム中の2015年で、長年にわたって本編ゲームやアニメと並行して展開されてきた。

*26 『極妖怪』『ぷにぷにVSカチカチ』『半妖の滅龍士』『妖魔将棋兵団』『妖魔人』『ぷに神の闇』のシリーズ系統。

*27 ナンバリングで経験のある『FF』シリーズやパズルゲーム繋がりで『ぷよぷよ』はもちろん、『ホロライブ』『UUUM』『五等分の花嫁』『サンリオ』など意外な作品とのコラボも多い。