水木しげるの妖怪百鬼夜行
【みずきしげるのようかいびゃっきやこう】
ジャンル
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和風ボードゲーム
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対応機種
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スーパーファミコン
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発売元
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KSS
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販売元
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日本ソフトシステム
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発売日
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1995年12月20日
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定価
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11,800円
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プレイ人数
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1~4人
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周辺機器
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同時対戦時:マルチタップ対応
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セーブデータ
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2個
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判定
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なし
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ポイント
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雰囲気、難易度はゆるい 1995年が舞台 鬼太郎は登場せず
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水木しげる関連作品リンク
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概要
本作は4人の妖怪が1995年の日本を舞台に地獄の君主になるため各地を回るボードゲーム。
指定された地域へ向かい課題をこなし霊力を集めていくもので、さしずめ『桃鉄』の妖怪版と言って差し支えない。
特徴
ストーリー
舞台は本作が発売されたのと同じ1995年。4人の妖怪、一つ目小僧、から傘、ゆきんこ、かっぱ、4人の妖怪が閻魔から召集される。
それは人間たちの荒廃ぶりに事態を重く見た大王は妖怪を統べる王を選ぶことにしたためである。
しかし4人とも自分こそが相応しいと言い合いになり閻魔に窘められる。
そこで、霊力を一番多く集めたものが君主になるという話になった。
ゲーム内容
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最初に参加人数を決め、任意のキャラを選び、ゲーム内の日数を決めてゲームスタートとなる。
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先ほどの4人の妖怪がコミカルなドット絵として登場。参加人数は2~4名、選択キャラも重複して良いなど柔軟な仕様となっている。
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空白デフォルトネームは「ゆきんこ」「かっぱー」「ひとつめ」「からかさ」になる。同じキャラを選ぶと色違いはあるが名前は同じである。
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尚、3~4人でするには別途マルチタップが必要となる。
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操作はAIに丸投げしたり、戻したりすることも出来る。
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日数選択
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プレイ日数は01~99まで。長く取り過ぎても後で自由に変える事も出来る。
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セーブ先を設定
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セーブファイルは1と2いずれか選べる。オートセーブ仕様でターン毎にセーブ。また、ファイルを使わずセーブしない事も出来る。
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目的
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ゲームスタート直後、進行役の女の人から目的地を言われ、そこにいる妖怪を仲間にするのが課題だと言われる。
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プレーヤーはサイコロ…ではなくスロットを回し目的地へ向かうのが本作の柱である。
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1日は、子~亥ノ刻の12ターンで構成。
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日付を回るごとに「中間発表」が行われる。仲間がいれば霊力がもらえたり、妖怪たちの協力回数とHPが回復する。
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霊力
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誰よりも一番多く集めるのが本作の目的であるが、通貨としての役割もあり買い物なども行える。
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スロット
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基本的に0~4のスロットを2個回して合計分進めるというもの。
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目的地に入るにはピッタリでないとダメなのだが、1つだけ進むという選択肢も用意されており、かゆいところに手が届くと言える。
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他には状態異常の回避判定や戦闘不能の継続ターン数を決めるのもこれ。
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スロットでゾロ目が揃うと、そのターンに限りハイパー状態になる。専用BGMとともにキャラの色が金色になり一時的に次のような効果が発生する。
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更にもう一回行動できる。
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能力が向上したり、状態異常を跳ね返せるようになる。
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ただし、ハイパー状態で更にゾロ目が揃ってしまうと今度はオーバーロード状態に陥ってしまう。戦闘不能と一緒で、スロットを回した分だけ行動不能を経て復帰する。
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力くらべ
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道中では妖怪や他のプレイヤーと遭遇した際に戦闘画面に移行。
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1ターンのみ技を出し合い、より多くのダメージを与えた方が勝者であり相手から霊力を頂ける。
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HP0になった場合はダメージ量に関係なく敗北となる。その際の文章も用意されている。
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仲間の妖怪
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色々な妖怪を仲間にする事ができる。こちらはレベルの概念があり強くなっていくようになっている。
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アイテムの効果を発揮させることも出来るが、協力回数があり、0になると別れてしまう。
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火妖怪、水妖怪、風妖怪、地妖怪に分類されており最も多く仲間にしたプレイヤーには最終日に特別点が加算されるボーナスもある。
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アイテム
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全部で7個まで持てる。装備品が1つと使用アイテムが6つまで。
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装備品は能力値の向上の他、状態異常やオーバーロードを防いだり、スロットの個数を増やすなど強力な効果を持ち合わせているものがある。
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使用アイテムは、HP回復や他プレーヤーへの妨害などの効果を発揮する。
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終了
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最終日を終えると閻魔の元に集い、それまでの実績に応じて地獄の君主が選ばれる。見事、1位になった人物は多くの妖怪たちの前で勝利ポーズを行う。
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誰が勝ってもスタッフロールは流れて来て最後にハイスコアも表示される。ちなみに最高値は9億9999万9900である。
評価点
豊富な妖怪が登場
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妖怪が豊富に登場。
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多くの妖怪の画像も多数用意されておりいずれも高品質である、行動した際はエフェクトも派手なものが多い。
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戦闘背景も実に多彩。
グラフィックの水準も高い
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OPのみになるが、一枚絵が多数用意されており品質がとても良い。
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フォント
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独特の味わいがあり本作の雰囲気によく合っている。数多くの妖怪も名前は漢字で表示されている。
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アイテムには解説が用意されている。
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AIが優秀。
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丸投げして長時間放置していたら、かなり強くなっていることに愕然とすることになる。それくらい頭がいい。
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目的地へ最短ルート、敵との応戦は勿論、店で装備を整えるという事までやっている。
賛否両論点
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過激な要素は無く緩い世界観になっている。
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KSS製の妖怪ものと聞いて過激な要素を期待したプレーヤーにとっては肩透かしと言ったところ。
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ストーリーは無い
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1995年の日本を舞台とは言っても人間たちとのイベントは一切出てこない。会話もなく、あるのは進行役の女性からのメッセージのみである。
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最終目標もなく、とにかく課題をこなしたらまた次という流れであり、それが最終日まで延々と繰り返されるのみ。飽きたら日数を切り上げるのが良いだろう。
問題点
鬼太郎は出てこない
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水木しげると言えば鬼太郎、鬼太郎といえば水木しげるである。それなのに鬼太郎のきの字も出てこない。
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作中では、ぬりかべ、こなき、一反木綿、更にはぬらりひょん、朱の盆まで登場するのに、ネズミ男やネコ娘も登場はしない。貧乏神も出て来そうで出てこない。
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西洋妖怪も出てこない
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舞台は日本全土であり、バックベアードやその部下たちは登場しない。あくまで日本妖怪のみ。その気になれば取り入れる事も出来たのではと思われる。
コントローラーの問題点
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1人vsCOMの始め方が面倒
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複数人数でプレイする分には普通に始められるが、1人vsCOMで始まる場合は「2人」を選択してから1P側を入力して2Pのコントローラーを使っての入力が求められるので煩雑。
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特に、3~4人の場合はマルチタップは必須になってしまう。人間同士でのプレイで必要なのは分かるが、1人vsCOM3人をするためにも必須というのはいただけない。
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コントローラーの本数を確保できない場合は、マルチタップを購入して、立ち上げの際は活線挿抜を応用すれば良い。
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AI関連の操作性
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AI操作中にYボタンを押しっぱなしにしておけばメニュー画面を出す事が出来るのだが、うっかり閉じてしまうともう1ターン待つことになる。
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「設定→操作→人間」を経由しておかないとならないのが少し面倒。
その他
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アイテム周り
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アイテムの整頓がない。手動で並び替えも不可。
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持ち切れない場合には捨てるのみで、使うことはできない。
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カセットラベル
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赤地に白文字のデザインは硬い印象があり、本作の緩い雰囲気とは上手くマッチしているとはいいがたい。
総評
パッケージは堅苦しい印象を与えているが本作はフレンドリーなボードゲームに仕上がっており、妖怪百鬼夜行のタイトル通り日本全土各地で多くの妖怪と戦ったり仲間にしたりしていく楽しみがある。
鬼太郎は何かの形で登場させて欲しかったのは非常に惜しいところではあるが、それでもファンアイテム、ゲーム作品ともに高い水準を満たしているとは言える。
余談
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AIに丸投げすれば後は全部やってくれるので、時間は少々かかるものの、エンディングを見るのが一番簡単なゲームとしても知られている。
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アイテム・打ち出の小づち
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5つのスロットを回し1~7の数字に応じて霊力が増えるというもの。「全部揃うと…。」とあるが非常に低確率であり、何が起こるのかは確認されていない。
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隠し要素
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地獄マップには隠しルートが存在する。地獄マップ左下(溶岩のところ)にある赤いドクロ(亡骸)がワープマスとなっている。ルートを示す道はないが、その赤いドクロの左マスから入ることができる。
ワープ先は地獄マップの外枠に配置されている謎のマス。上方向に進んでいくとお店マスがあり、そこに止まるとゲーム内では破格の能力をもつお守り(装備)が購入できる。
ただし購入費用(霊力)も高額なため、一度地上で霊力を稼いだあと緑マスの落とし穴で地獄マップに来るか、地獄の切符で地獄マップに落とされよう。
最終更新:2023年08月18日 15:19