スーパー野田ゲーPARTY

【すーぱーのだげーぱーてぃー】

ジャンル パーティゲーム
対応機種 Nintendo Switch
メディア ダウンロード
発売元 吉本興業
開発元 カヤック
YMCAT
レジスタ
発売日 2021年4月29日
定価 1,000円(税込)
プレイ人数 1~2人
レーティング CERO:A(全年齢対象)
判定 バカゲー
ポイント 野田ゲー詰め合わせのパーティーゲーム
とにかく雑すぎるグラフィック
収録ゲームの出来は玉石混交
野田ゲーシリーズリンク


概要

2020年のR-1・M-1チャンピオンとなったことで一躍有名となった、お笑いコンビ『マヂカルラブリー』のボケ・ネタ作り担当である『野田クリスタル』(以降「野田」)が企画・監修を務めた「野田ゲー」詰め合わせのオムニバスソフト。
野田はテレビゲーム好きが高じて「ゲーム制作」を趣味としており*1、持ちネタの一つとしてシュールな世界観と粗い絵柄、笑いを誘うゲームデザインの「野田ゲー」を数多くお披露目している。R-1で優勝した際のネタもこの「野田ゲー」を用いたものであった。
同じく商業化された野田ゲーはスマホではいくつかリリースされていたが、コンシューマーでのリリースは今回が初となる。
事前のクラウドファンディングにより約1300万円もの資金が集まり、16本のゲームが収録されている(後のアップデートにより更に2本のゲームが追加された)。
開発のメインは面白法人カヤックが担当しており、「野田ゲー」とあるが野田自身はプログラミングしておらず、あくまでも野田は企画・監修という立場となっている*2
ディレクターは『ことばのパズル もじぴったん』の生みの親でもある後藤裕之。


特徴

  • ゲームをプレイすることで「ノダクリスタル」というゲーム内通貨が手に入り、野田ガチャを引くことができる。野田ガチャは一回につき100ノダクリスタルを消費する。
    • 野田ガチャを引くと支援者から募集した素材と野田ボイスが手に入り、コレクションで視聴できる。

収録ゲーム

既存移植ゲーム

  • 『太ももが鉄のように硬い男てつじ 令和も!平成も!昭和も!』(プレイ人数:1人)
    • R-1で披露した野田ゲー『太ももが鉄のように硬い男てつじ』の移植版。
    • 敵の弾を太ももに当てることにより、弾き返しながら右に進んでいくアクションゲーム。太もも以外の場所に一回でも当たるとゲームオーバー。
    • ちなみに、野田は本作を「もも鉄」と略しているが、当然某スゴロクゲームとは無関係。サブタイトルも、そのSwitch版を露骨に意識している。
  • 『スーパーブロックくずして』(プレイ人数:1~2人)
    • 野田ゲーの代表作の一つである『ブロックくずして』の移植版。
    • 自動で行われるブロックくずしの中を野田の先輩芸人でもあるデッカチャンの顔写真を操作してボールを避けていくゲーム。
    • デッカチャンにボールが当たるとデッカチャンが大きくなり、4回当たるとゲームオーバー。
  • 『頼むぜ!!ボルダリング姉さん ~アルティメット・エディション~』(プレイ人数:1~2人)
    • 野田ゲーの代表作の一つである『頼むぜ! ボルダリング姉さん』の移植版。
    • ボルダリングの岩の中にフルーツが混ざっており、フルーツを見つけて食べながら、ゴールまで目指すゲーム。レモンを食べるとスピードアップ。
    • ボルダリングなのに上ではなく左に進むのはご愛嬌。

新規収録ゲーム

  • 『つり革』(プレイ人数:1~2人)
    • M-1の決勝で披露された漫才か漫才じゃないかで物議を醸したネタを元に作成されたゲーム。野田曰くM-1優勝後から僅か3日で急遽作成されたとのこと。
    • ゲーム内容はネタ元通り、つり革につかまりたくないので、激しく揺れる電車の中でバランスを取っていくゲーム。画面外に出るとゲームオーバー。
      • 路線は中央本線(中央線快速)であり、東京-高尾間を走る列車に乗っている設定。高尾まで到着すると再び東京方面へ向かうため、原理上は永遠にプレイが可能となる。
    • Aボタンを押すことでつり革につかまることもできるが、つり革はとても脆いため、長くつかまりすぎるとつり革が取れてしまう。
  • 『将棋II』(プレイ人数:1~2人)
    • あの大人気テーブルゲーム『将棋』の続編。この触れ込みの時点で色々とおかしいがつっこんではいけない
    • 基本ルールは本将棋とほぼ同じだが、以下の相違点がある。
      • 将棋の駒の初期配置の形は本将棋と同じだが、使用できる駒の種類と配置は一局ごとにランダムで選ばれる。
      • 本将棋と同じく王将を取られると負けだが、どの駒が王将になっているのかもランダム。そのためか、王将の代わりに同じ動きができる「主将」という駒が存在する。
      • 駒は盤外にも移動できる。盤外に移動した駒は消滅するが、移動先に相手の顔イラストがあれば直接攻撃ができ、ライフを1減らすことが可能。ライフはお互い3つ所持しており、相手のライフを0にした場合でも勝利となる。さらに盤外への移動で相手の持ち駒も奪い取ることができる。
    • 一度選択した駒は移動できる場所があれば必ず動かさなくてはならない。
    • 本来の将棋の駒にイラストの駒を加えて200種類以上の駒が存在する。大局将棋かよ。
      • ちなみに駒の絵に使用されているイラストは支援者から募集したもの。
  • 『音声衰弱』(プレイ人数:1~2人)
    • タイトル通り同じ音声を見つけていく神経衰弱。
    • 音声は支援者が言ってほしい単語を野田が発したものと、支援者自身が発したボイスが使用されている。
  • 『ボタン遠すぎじゃない!? 早押しクイズ』(プレイ人数:1~2人)
    • 出題自体は普通の3択クイズだが、回答権を得るためのボタンを押すには迷路を通り抜けなくてはならない。
  • 『凄六』(プレイ人数:1~2人)
    • 一兆マス先にあるゴールを目指して進んでいく双六。
    • サイコロを振るのに相手の順番を待つ必要はなく、リアルタイムでサイコロを振り、プレイヤーを進めることができる。
    • マスに止まることでカードが手に入り、サイコロの数を増やしたり、相手の邪魔をすることができる。
      • サイコロの数は合算ではなく、そのまま桁数になる。最大12個までサイコロを増やせる(要は増やせる数字は12桁まで)。
  • 『まぁまぁ あぶないじゃん』(プレイ人数:1~2人)
    • 手持ちの牌がリーチの状態で画面上を動き回る牌の中から、上がりとなる牌にぶつかっていく麻雀。
    • ツモ以外の牌や回転するリーチ棒に当たると「ドン」となり敗北。2人対戦では相手の上がり牌にぶつかることで「ボン」となり、牌を消すことができる。
    • ちなみに上がる役は全て役満以上となっている。
      • 全くの余談だが、野田は過去に「役満」という名前のコンビを組んでいたことがある。恐らく偶然の一致ではあるが。
    • 2人対戦ではお互い25000点持っているが上記の通り、上がる役が全て役満以上なので、完全に点数が形骸化している。
  • 『マシュマロいくら焼けるかな』(プレイ人数:1~2人)
    • 寝ているおばあさんに見つからないように、マシュマロを焼いていくゲーム。
  • 『~GALS FIGHTER~ 応援』(プレイ人数:1~2人)
    • 自動で戦いを行うギャルたちを応援する対戦ゲーム。
    • Aボタン連打で戦っているギャルたちにバフ・デバフアイテムを投げつけることができる。どう見ても「応援」というより「妨害」してるが。
    • こちらのゲーム、実は『徒然チルドレン』や『幸せカナコの殺し屋生活』などで知られる漫画家の若林稔弥が支援のリターンという形で制作に関わっており、ゲームのアイデアそのものは若林が出したものである。
  • 『次おります早押しバス』(プレイ人数:1~2人)
    • 指定された目的地のアナウンスがされたらボタンを早押しするゲーム。
    • アナウンスにはフェイントも混じっているため、よく見極める必要がある。
  • 『おたけさいこっちょーゲーム』(プレイ人数:1~2人)
    • お笑いトリオ「ジャングルポケット」の一人、おたけの持ちギャグである「おたけさいこっちょー」「おたけさいてっちょー」を題材にしたゲーム。
    • 「おたけさい」まで出た後、後半が「こっちょー」か「てっちょー」か当てるゲーム。野田曰く2~3時間くらいで作成したらしい。
    • ちなみにこのゲーム、おたけが野田に「自分もゲームに出してくれ」としつこく頼んだため渋々作成したゲームであり、後述のすゑひろがりずなどとは違い、おたけは支援者ではない
  • 『世直し すゑひろがりず』(プレイ人数:1~2人)
    • 狂言の漫才で知られるお笑いコンビ「すゑひろがりず」の2人を操作して、悪人を改心させながら、善行を行うアクションゲーム。
      • アクションゲームの中でも見下ろし型で、ゴミを拾ったり落ちているお金を交番に届けるなど、いわゆる「ドットイートゲーム」と呼ばれるジャンルになっている。
    • プレイヤーは範囲攻撃でブロックを壊しやすい「なんじょう」と直線攻撃を放ち敵を倒しやすい「みしま」の2人から操作キャラを選ぶ。
    • ボス戦では音ゲー方式で悪い言葉に合わせてボタンを押していく。良い言葉はスルーしないと、こちらがダメージを受ける。
    • クラウドファンディングで100万円を出資して得られるリターン「野田ゲーをいっしょにつくれる権(ゴージャス)」により、出資したすゑひろがりずと共同制作したゲーム。マヂカルラブリーとすゑひろがりずは共に「大宮セブン」*3の一組である。
  • 『新・干支レース』(プレイ人数:1人)
    • 13匹の動物たちによる新しい干支を決めるためのレースゲーム。
    • 出場する動物は本来の干支の動物に加えて、支援者のペットが参加している。そのため、犬と猫の比率が非常に多い
      • 野田のペットのハムスター「はむはむ」も参加している他、デグーやウーパールーパーなどのペットとしては珍しい動物も参加している。
    • また動物ごとにスピードや重さが設定されているが、大量に動物が存在する都合上完全上位互換が多数存在するというある意味割り切ったパラメータになっている。
  • 『オニオンクエスト』(プレイ人数:1人)
    • 魔王の居ない平和な世界でただひたすらレベル上げをするRPG。
    • このゲームを簡潔に説明すると、「FC時代のRPGのレベル上げ”だけ”を抜き出した」内容。敵の強さも激しく、野田曰くレベルが10000以上でないと倒せない敵も存在するらしい。

アップデートによる追加ゲーム

  • 『漫才王』(プレイ人数:1~2人)
    • ボケとツッコミの二人を引っ張り、飛ばすことで制限時間内に舞台上に揃えるゲーム。
    • ボケ・ツッコミ・マイクの3つが舞台上に収まっていればクリアとなる。
  • 『人面ニャ』(プレイ人数:1人)
    • 人面ニャと呼ばれる謎の生き物に捕まらないように、家からの脱出を目指すアドベンチャーゲーム。
    • 公式では全く触れられていないが、ゲームシステムやグラフィックなどが、有名フリーホラーゲーム『青鬼』と非常に酷似している。……大丈夫なのだろうか?

バカゲー要素

  • 非常に野田ゲーらしい雑なグラフィック
    • 全体的なクオリティが誇張抜きで落書き・雑コラレベル。写真の切り抜きが雑だったり、フォントが潰れていたりと、良くも悪くも家庭用ゲーム機のソフトらしくなく、野田ゲーの雰囲気が存分に醸し出されている。
      • あまりに低クオリティなため、野田が作成したものと思われがちだが、これらのグラフィック、実はカヤックのデザイナーが野田ゲーの雰囲気に合うように”あえて”クオリティを下げて作成したもの
        本作のディレクターである後藤裕之曰く「エンジニアからも「本当にこれでいいのか」と何度か言われた」とのこと。(4gamer.netより
    • 支援者が描いたイラストもそのまま使用されているが、大勢から募集したため当然画風やイラストのクオリティもバラバラである。
      • 支援者から募集した写真も画質が粗かったりする。一般人から募集したので多少は仕方ない部分はあるだろうが。
    • ちなみに本作のイラストやBGMの大半は支援者から募集したものである。
  • 登場人物が知らない人だらけ
    • 本作のクラウドファンディングにあたり、支援してくれた特典として、支援者がゲーム内に登場するのだが、その大半は一般人である。
      • 支援者たちは顔写真をそのまま使用、もしくは似顔絵で登場している。
    • 一応、登場する支援者の中には、すゑひろがりずなどの芸人の他にも、漫画家やVTuberなどもいるため、一般人しか出てこないわけではない。
  • 破天荒なコンセプトの収録ゲーム
    • 普通の本将棋を『I』扱いしている『将棋II』や、一兆マス先のゴールを目指すというインパクトのあるルールを採用した『凄六』など、コンセプトの時点でバカバカしいゲームが多数を占めている。
  • その他の笑いどころ
    • 『将棋II』の駒のイラストは例に漏れず支援者のものが使用されているが、都合よく対になるものがあるとは限らないため、成った結果滅茶苦茶な成りをすることがある。
      • 例えば、お笑いコンビ「ニューヨーク」の屋敷のイラストの駒があるが、相方・嶋佐を描いた支援者がいないため全く関係ない駒に成る。
    • 『凄六』のマスの止まった際に表示される文章はプレイヤーにとってプラスであろうがマイナスであろうが関係ない文章が表示される。金を落として前に進んだり、株で儲けて後ろに戻ったりすることもよくある。
    • 『新・干支レース』では「片足を飼い主の掌に乗せている(お手をしている状態の)猫の写真」が採用されているが、野田曰く「綺麗に切り抜くのも難しい」ため「猫+人間の掌」の状態でそのまま走っている。
      • このゲームの参加動物は他にも、2匹のペットが一つのキャラ扱いで同時参加していたり、殆どが実写の中で唯一イラストで参加しているペットがいるなど、ツッコミどころは多い。
    • 『人面ニャ』は人面猫に触れると全力でモフモフしたくなってしまい、帰宅が数日単位で遅れて出勤に穴をあけてしまうという、怖いと言えばリアルに怖いが、どこから突っ込めばいいか分からないズレたホラーテイストのアドベンチャーとなっている。
    • 支援者から募集したBGMの中にはボーカル付きのものも少なくなく、例えば『次おります早押しバス』のタイトル画面で演歌が流れたりと、なかなかカオスである。
      • ちなみに、歌入りの曲が送られてくることは完全に想定外だったらしく、野田もどう扱うかかなり困ったらしい。

評価点

  • 全体的にわかりやすい操作方法。
    • 『つり革』を始めとした多くのゲームがスティック+Aボタンしか使用しないシンプルなゲームとなっており、取っつきやすい。
    • 多くのゲームが2人プレイ対応の上、操作方法もシンプルなため、Joy-Conを使ったおすそ分けプレイとも非常に相性が良い。
  • 『将棋II』は王将がランダムという仕様上、運の要素が大きいが、戦略性が全くないわけではなく、意外と奥深い。
    • 運の要素が大きいおかげで本将棋と違い実力差を気にせずに楽しむことができるのは、将棋に馴染みのない人からは好評。
    • 一方で手に入れた持ち駒は王将ではないので安心して使うことができる、膨大かつ覚えづらい駒の動きを何とか覚えて使いこなすなど、戦略性もある程度存在するため、完全な運ゲーというわけでもない。
    • 一度選択した駒は必ず動かさなくてはならないという仕様も、面白さに繋がっている。駒の動きがわからない最初の内は、予測不可能な動き方をする駒に翻弄されること間違いなし。
  • 『まぁまぁ あぶないじゃん』は麻雀に関する最低限の知識があれば、中々楽しめる。
    • 最低限、役の作り方を理解しておく必要があるが、それさえ理解していれば、自身の手配を確認しながら、違う牌やリーチ棒に当たらないように、上がりとなる牌にぶつかっていくゲームとなっている。
    • 二人用モードであれば、難易度設定で「二枚のペア一組と、残りは全て三枚組の連番または同じ牌に揃える」という、基本中の基本に当たる組み合わせしか登場しないようにもできる。
    • 最初に手牌が全て表示されるまでに少し時間があり、その間も牌やリーチ棒が動き回っているため、手牌を確認している間に負けてしまうということもよくある。
    • 麻雀初心者でも楽しめるゲーム内容となっている上、普通の麻雀と比べて時間がかからず、決着が早く着くといったメリットも存在する。
    • システム上、手牌が「国士無双 十三面待ち」の場合、圧倒的に有利という欠点はあるが。
  • 『世直し すゑひろがりず』は2021年のゲームとしてはシステムがかなりレトロではあるが、一つのアクションゲームとしては、非常に作り込まれている。100万円出資しただけはある。
    • まず、すゑひろがりずのボイスがとても充実している。老人に間違えて攻撃した際や交番にお金を届けた際に専用ボイスが用意されている他、老人をおぶって歩く際に狂言風に「そろりそろり」と言い続けるなど、細かく設定されており、2人協力プレイだと、いい意味で騒がしくなる。
    • パワーアップアイテムなども存在し、純粋なすゑひろがりずのゲームとして見ても、完成度が高い。
    • ステージ数も全部で9つと、なかなかのボリューム。
  • 『オニオンクエスト』はFC時代のRPG一本分に相当する遊びごたえがある。
    • 特に淡々とレベル上げをするのが好きな人にとっては非常にハマるゲームとなっており、本サイトでいうスルメゲー的な魅力が存在する。
    • 操作系はシンプルながらかなり快適に作られており、無駄な待ち時間も少なめでサクサクと遊べる。
  • 追加ゲームの一つ『人面ニャ』は、やり込み要素もそれなりにあって遊び甲斐がある。
    • 特定タイミングで出現する人面ニャに接触しないよう回避ルートと隠れ場所を探し、アイテムを集め道を切り開いていくという、小粒ながらも意外に充実したアクションアドベンチャーとなっている。
  • 一部BGMが良い。
    • 前述のボーカル曲の他にも『世直し すゑひろがりず』のタイトル画面等で使用されている「和魂洋才」や『凄六』のプレイ中に流れる「暁の反応」など、意外と良曲が多い。

賛否両論点

  • 『凄六』は要はいかにサイコロを12個揃えて先に進むかというゲームになっている。見た目的にもなかなか派手であり、仕様と戦略さえ理解できれば面白く感じる。
    • 反対に、仕様を理解していない最初の内は面白く感じづらい。そのため、面白さを理解する前にやめてしまう可能性も。
    • ゲームバランスも若干大味であり、対戦では下手をすれば決着が着くまで10分近くかかる泥試合になる可能性もある。故に総合的な評価はやや賛否両論。
    • 賛否が分かれる要因としては以下の通り。
      • 一兆ものマスがあるのにも拘らず「ふりだしに戻る」という非情なマスが存在する。止まる確率は低いがこれのせいで運次第では全くゴールに辿り着けない。
      • 「相手をストップ」というカードを相手が進んでいる最中に使うと強制的に停止させることができる。そのためお互いがこのカードを持っていると、互いにサイコロを増やせなくなり、時間が長引く。手に入る確率もそこそこ高い。
      • 基本カードゲーなのに「相手のカード全消し」という強力すぎるカードが存在する。一応、手に入る確率は低めに設定されているが、明らかなぶっ壊れカードなのは事実。
    • 以上から、『凄六』のゲームバランスはやや粗め。ゲームバランスの悪さを含めて面白いと取るか、調整不足と取るかはプレイヤー次第と言える。
  • 良くも悪くもレトロな『オニオンクエスト』。
    • 特徴でFC時代のRPGに例えたが、細かい仕様の部分までFC時代のRPGのようになっており、昨今の親切なRPGしか遊んでいない人からは、若干厳しい要素も。
    • エンカウント方式がランダムエンカウントであり、敵を倒した後、一歩でエンカウントしたり、反対に全然エンカウントしなかったりする。
      • 基本、エンカウント率は非常に高く鬱陶しい。出現する敵の大部分は一撃で倒せる雑魚であるため、こういう演出と割り切ってしまえば、そこまでテンポが悪いわけでもないのだが。
    • 魔法も敵ごとに弱点が決まっているが、弱点以外の攻撃魔法は一切効かないので、かなりシビア。
    • 橋を渡るとモンスターが強くなるというレトロRPGのお決まりも存在するが、エンカウントエリアの処理が大雑把であり、川の近くでエンカウントすると、川を挟んだエリアのモンスターとエンカウントしてしまうというところまで再現(?)している。
    • ゲームバランスもレベルを1000以上上げることを前提としたバランスとなっており、敵の強さの上がり方がやや高め。レベルとモンスターによっては5・6桁のダメージを食らうこともある。
    • 上記の要素を「懐かしい・やりごたえがある」と感じるか「古臭い・不便」と感じるかは人による。
  • 『人面ニャ』は割とガチで怖い。
    • 世界観やグラフィックスこそ緩いギャグ調なのだが、不気味なBGMと共に追いかけてくる人面ニャからの逃走劇は、意外にもきちんとホラーになっていて怖い。
    • セーブのための電話のある通路に出現することも多く、システム上の嫌らしさも相まってプレイヤーに恐怖を刻み込んでくる。
    • 登場人物たちの緩い会話も、当初は単なるギャグと認識できるのだが、徐々に狂気の産物のように思えてくる。
    • 見た目こそ緩くて手抜きなアドベンチャーなのだが、人によっては、いざ遊んでみるとガチのトラウマを植え付けられる恐れもある。
    • もちろん「怖い」というのは、ホラーとして真っ当に成立している証拠でもある。ただし本作の性質上、プレイヤーによって評価の分かれる要素ともなるだろう。

問題点

  • 『おたけさいこっちょーゲーム』は実質コイントスの裏表を当てるだけとほぼ同一内容なので、すぐに飽きてしまう。
    • 一応、おたけの写真のパターンから判別することは可能ではあるが、判別ができたらできたで作業ゲーと化すためどうしようもない。手に入るノダクリスタルも多くないため、稼ぎにも使えない。
    • 対戦では山勘で2択を選んだ方が先手を取れる分若干有利なため、単にボタンを連打しまくるゲームになりがち。
    • 収録ゲームの中でもぶっちぎりで評判が悪い。中には、おたけが居ない分コイントスの方がマシという辛辣な評価を下す人も……。
    • おたけのバラエティ番組での扱いや前述の制作経緯(しつこく頼んで作ってもらった)を考えると、ある意味これも「野田ゲーらしい」とも言える。
  • 『~GALS FIGHTER~ 応援』は、勝敗がキャラクター性能と運の要素による部分が大きく、プレイヤーの操作が勝敗に響きにくい。
    • まず、肝心のアイテムの効果が微小な上に、対戦しているキャラクターが動き回るため、狙った位置に当てにくい。仮に的確にアイテムを当てれたとしても、キャラクター次第では負けるときは負けてしまう。
    • キャラクターの中でも「不知火照美」が強すぎる。その証拠として一人プレイモードで不知火照美を選択した後、アイテムを全く投げずに、そのまま放置しても高確率で勝ち進んでしまう
      • 一応これを利用して、楽にノダクリスタルを稼ぐ裏技もあったが、流石に酷すぎたのでアップデートによりキャラバランスの修正がされた。
  • 『次おります早押しバス』の対戦が泥仕合になりやすい。
    • 2人対戦時のお手つきをした際に減点するというルールと、ラウンドを進めていくとアナウンスが高速化していく仕様の2つが原因となり、プレイヤーがお互いお手つきを出してしまうと、アナウンスを読むのが難しくなってしまい、決着が着きづらくなってしまう。
  • 『まぁまぁ あぶないじゃん』は、麻雀の知識がないと遊べない。
    • 役の組み方さえ知っていれば問題はないのだが、これを知らないと本当にどうしようもない。
    • ゲーム内では「“アガリ”の牌に当たればボーナス点」という以上の説明が皆無に近く、また失敗した際も、どの牌に当たればよかったのか正解を教えてくれない。
      • 配牌によっては多数のアガリ牌が発生することもあるため、「正解」を表示しにくかったのかもしれないが。
      • 何をどうしたら「アガリ」なのかの説明すらないので、麻雀を知らないとまったく意味が分からない。また、これが麻雀であるという説明もない。
    • 四面子+一雀頭の法則さえ知っていれば大丈夫かと思いきや、これに該当しない特殊役もかなりの頻度で平然と出てくる。
      • 前述の通り、「二人で遊ぶ」際に限れば特殊役が登場しない難易度も用意されている。一人プレイでも同様のオプションが選択できれば、まだもう少し間口が広かっただろうと思われるのだが。
  • 既存移植野田ゲーは基本的な仕様はそのままの状態で移植しているため、出来は若干粗い。原作を尊重したとも言えなくもないが……。
    • 『もも鉄』は一回でも被弾すると即ゲームオーバーになるため難易度が高め。
    • 『ブロックくずして』は実質2回ボールに当たると負けが確定する。というか被弾すると大きくなるという仕様上、ノーミスが理想。
      • 相棒と一緒モードでは相棒を利用した安全地帯が存在する。
    • 『ボルダリング姉さん』は対戦する際に遅れている方にしかカメラが追尾しないという点がそのまま。ちなみに野田はこれは仕様と言い切っている。
      • もっとも実際、「圧勝している側は手探りのプレイになる」というこの要素が、対戦ゲームとしてのバランス調整に寄与している側面はあるのだが。
      • とはいえ自分の操作キャラクターが見えないというもどかしさは、いかんともしがたいストレス原因となるのも事実で悩ましい。
    • 同じく『ボルダリング姉さん』で、アルティメットの背景が支援者から募集した画像になっているが、視認性を考慮してないため、ゲーム画面が非常に見づらくなっている。
  • アップデートにより修正された問題点
    • Joy-Conで本作を起動すると、強制的におすそ分けプレイになってしまう。Proコンを持ってない人だと、一々再設定する必要がある。
    • 特定の手順を踏むことで、ノダクリスタルを消費せずに野田ガチャを引けるという、とんでもないバグが存在した。手順も難しくなく、方法さえ知っていれば簡単にコレクションをコンプリートすることができてしまう。

総評

収録ゲームこそ、出来の良いものもあれば悪いものもあり、はっきり言って玉石混交である。
1,000円という低価格で16+2本の様々なおふざけゲームが遊べるコスパの良さもあって、総合的にバカゲーとしては佳作レベルのクオリティと言える。
単なるタレントゲー、野田ゲーとして切り捨てずにプレイしてみると、意外と楽しめることだろう。


余談

  • 当初は2021年3月の発売を予定していたが、1ヶ月延期になっている。
    • その理由はマヂカルラブリーがM-1チャンピオンになった事で野田が多忙になってしまい、打ち合わせの時間が取れなくなってしまった為。(ファミ通.comより
      • 発売延期を経験したゲームは数多くあれど、製作者の一人がお笑い賞レースで優勝した事を理由に延期したゲームというのも本作が最初で最後であろう……。
    • その結果、野田の知名度が大幅に上昇し、発売日もゴールデンウィーク直前という最高の状況とタイミングでリリースできたのは怪我の功名とも言える。
  • 一般人から募集した素材をそのまま使用するというコンセプト上、結構苦労した部分もあるらしい。
    • ディレクターの後藤裕之によると「著作権に抵触しないか,あるいは倫理的に大丈夫なのかなど,そこの確認が大変でした」「人によっては遠慮なく下ネタを入れてくる」と語っている。(4gamer.netより
    • 発売前に先行披露した際にも野田自身も審査に通らない可能性があると、心配する様子もあったが、無事問題なく発売された。
  • 野田はあらゆる場所で「本作の配信に制限は一切ない」と発言していたが、実際にはよしもとゲームズによるガイドラインが決まっている。(参考:よしもとゲームズ公式サイト
    • そこまで厳しいものではないが、プレイ動画を投稿する際は目を通しておくと良いだろう。
  • 発売前や発売直後から様々なニュース番組やバラエティ番組などで宣伝されたおかげか、発売から僅か2日で3万ダウンロードを突破した。(ファミ通.comより
    • そして発売から一週間で5万ダウンロードを突破した。(4gamer.netより
    • ニンテンドーeショップのパッケージソフトを含むランキングでも一時期『New ポケモンスナップ』と『モンスターハンターライズ』の間に挟まれ、2位になったことがある。このことは野田もちょくちょくアピールしている。
    • Nintendo Switchの2021年上半期ダウンロードランキングでも、21位にランクインしている。(My Nintendo Storeより
    • ファミ通オンラインでは発売前からイベントなどを通してプレイ動画を逐一生配信していた他、発売後も野田がゲーム発売後の各種バグに対して開き直り謝罪会見が生配信されているなど、これらの動画もコンテンツの人気に一役買っているといえる。
    • 2021年末には9万ダウンロードを突破した模様。(公式Twitterより
  • 当ページのトップにも使われているメインビジュアルの画像(野田が顔の上半分だけ出して上の方を見ている)は『たけしの挑戦状』のカセットラベルを模したデザインになっている。見たことがある人ならすぐに分かるので意図的に狙ったのだろう。
  • 2021年8月19日に無料アップデートでゲームが2本追加された。
    • これは単なるサービスではなく、クラウドファンディング時の「ゲーム内の主人公になれる権」「ゲーム内の相棒になれる権」「ゲーム内のヒロインになれる権」を購入した支援者に対するフォローと予測される。
      • 実際、アップデート前のコレクションの中に、ゲーム内に未登場の主人公・相棒・ヒロインの支援者がいた。アップデート後に追加されたゲームでは、主人公・相棒・ヒロインとして、ちゃんと登場している。
  • 「2021 61st ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS」の「メディアクリエイティブ部門」に本作が入賞している。
  • 2021年10月29日発売の「別冊コロコロコミックSpecial12月号」に本作を題材とした読み切り漫画が掲載された。

その後の展開

  • 2021年8月19日に次回作である『スーパー野田ゲーWORLD』がNintendo Switchで2022年にリリース予定であることが発表された。
    • 本作の時と同じくクラウドファンディングによる資金調達が、2021年8月19日から10月18日の2か月の間実施され、『PARTY』のクラウドファンディング時の3倍以上となる約4200万円もの金額が集まった。
    • その後、2022年3月12日に行われたファミ通のイベントで、収録ゲームが一部先行公開され、(審査が通れば)2022年7月下旬に発売予定であることが発表された。
    • 更に同年5月11日に公開された任天堂の「Indie World」の動画において発売日が2022年7月28日であることが決定し、発売日通りに発売された。

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最終更新:2022年11月01日 22:39

*1 使用しているのは「Hot Soup Processor」

*2 野田曰く、野田がプログラミングしてしまうと任天堂の審査に通らなくなってしまうらしい。

*3 吉本興業の大宮にある劇場でお笑いライブを行っているお笑いグループの総称。