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ゴッド・オブ・ウォー

【ごっどおぶうぉー】

ジャンル アクション
対応機種 プレイステーション4
Windows (Steam/Epic Games Store)*1
発売元 Sony Interactive Entertainment
開発元 Santa Monica Studio
発売日 【PS4】2018年4月20日
【Win】2022年1月15日
定価 6,900円
廉価版 【PS4】Value Selection
 2018年11月21日/3,900円
【PS4】PlayStation Hits
 2019年10月4日/1,990円
レーティング CERO:Z(18才以上のみ対象)
判定 良作
ポイント ギリシャ神話から北欧神話へ
物語は旧シリーズから地続き
高難度の謎解き
ゴッド・オブ・ウォーシリーズ
SIEワールドワイド・スタジオ作品


概要

『ゴッド・オブ・ウォー』シリーズの新作。『ゴッド・オブ・ウォーIII』でギリシア神話の神々との復讐を描いた3部作が完結した為、今作では北欧神話を舞台にした「新章」となっている。
ストーリーやゲームシステムも完全新作かつ、北欧を舞台にした新たな物語ということで、タイトルもシンプルに『ゴッド・オブ・ウォー』となった。


あらすじ

ギリシャ神話の神々への復讐を果たしたクレイトスは北欧の地へと流れ着いた。そこで新たな家族を迎え、平和な日々を送っていた。
しかし突然、最愛の妻フェイを亡くしてしまう。「自分の遺灰を九界で一番高い山の山頂から撒いてほしい」という彼女の遺言を果たすため、クレイトスは息子のアトレウスと旅に出る。

特徴

バトル
クレイトスは斧と盾を使い、アトレウスは弓と短剣を使う。クレイトスは「リヴァイアサン」「ブレイズ・オブ・カオス」「素手」の3種類のバトルスタイルを使用可能。

  • リヴァイアサン
    • 本作のクレイトスのメイン武器。刃に冷気を纏って攻撃することができるうえ、投げ飛ばし、呼び戻すことができる。また、仕掛けを凍結することも可能。
  • ブレイズ・オブ・カオス
    • 2本の剣が鎖で繋がっており、広範囲で攻撃が可能。またギリシャ世界の冥界の炎を刃に宿しており、茨を燃やすことも可能。
  • 守護者の盾
    • 防御の他、素手で戦う。レベルを上げるとカウンター攻撃も可能。
  • レイジゲージ
    • 戦闘中の攻撃やステージに落ちているレイジストーンを拾うこと溜まるエネルギー。満杯になるとスパルタン・レイジという強力なモードとなる。
  • かぎ爪の弓
    • アトレウスが使用する。遠距離の攻撃や敵を気絶状態に追い込むことができる。
  • ルーンアタック
    • 各地の伝説の宝箱やボス戦の後に入手することができる。リヴァイアサンとブレイズ・オブ・カオスは2種類、かぎ爪の弓は1種類のルーンアタックを装備できる。

システム

  • サイドクエスト
    • 本作は亡霊からアイテムの収集などを依頼される。
  • 用語集
    • アトレウスが旅で残したメモ。敵や仲間などが彼の口語体で記録される。
  • 収集品
    • 狭間の扉宝の地図、ヨトゥンの三連画などがある。本作の探索によって埋めることができる。
  • 狭間の扉
    • 本作のファストトラベル拠点。最初は一方通行だが、中盤以降は様々な空間に行き来ができるようになる。
  • オーディンの鴉
    • 世界に散らばっているエメラルドのカラス。51羽倒すとトロフィー取得。
  • 宝箱
    • フィールドに置いてある箱。棺もあるが、亡者には必要ないので拝借するということになっている。
  • 世界の裂け目
    • フィールド内に現れる空間の裂け目。世界の裂け目に触れると資源を入手できるが、強力な敵を呼び寄せてしまう裂け目もある。
  • 魔法のノミ
    • 本編を進めると入手できる扉を開けるノミ。序盤の隠し部屋に入れる。
  • ヴァルキュリア
    • 本編終盤で挑むことのできる9人の強敵。
  • ドワーフの店
    • フルドラ兄弟は至るとこで工房を開き、親子の装備を鍛えてくれる。手に入れた工芸品も引き取ってくれる。
    • ちなみに何故移動できるのかは透明になる能力があるかららしい。
    • 売却した工芸品は、テュールの神殿内にあるドワーフの店棚にコレクションされ、眺めることができる。

評価点

  • 北欧神話の神々と戦い、成長する2人の親子の旅
    • 前述の「クレイトスと息子のアトレウスが母の遺灰を撒く旅に出る話」を軸としながらも。神々の妨害や悪霊たちとの戦闘や冒険を繰り返し、幾度も衝突し、協力し、成長する2人の親子が描かれる。
    • 物語は、世界共通の普遍的な親子・家族を鮮明に描写しており、クレイトスと息子のアトレウスの親子関係は日本でも普通に存在しそうな親子関係となっており、非常に親近感が湧きやすいストーリーとなっている。
    • 北欧神話を下地としており、神話マニアや歴史マニアも楽しめるような内容となっている。
  • 親子とキャラクター
    • クレイトスは以前の復讐の権化から大分丸くなり、不器用な父親ながら深い愛情を持つキャラへと変貌した。以前からは信じられないほどの変貌であるが、父親ということなら納得できるので、違和感を覚えにくい。
    • また、戦いだらけの人生だった自分の経験から息子を諭すということも増え、人間的な魅力は増している。
    • アトレウスは少年であり、父との交流が少なかったため、他人行儀に接していたが、旅をする内にどんどん心を開く。少年らしい言動や態度もあるが、そこからきちんと反省することもできるので気分を損ねる事は少ないと思われる。そして冒険の最後には彼の秘密に鳥肌が立つユーザーも多い。
    • その他のキャラも北欧神話を絡めながら進んでおり、受け入れやすい。
  • グラフイック
    • 北欧の冷たい冬と轟轟しい山々、花や紅葉の美しい風景、清い川など北欧の景色の再現は実に優れている。
    • 美しい自然を眺めて旅行した気分が味わえる。
  • バトル
    • 3種類のスタイルとアトレウスの弓を利用して戦うバトルは戦略性や爽快感に富んだものとなった。
    • クレイトスの力でゴリ押しするパワーバトルも進化しており、思わずストレスが発散できる。全体的に心地よいアクションとなっている。
    • 特にリヴァイアサンの戦闘はブーメランのような使い方も可能で実に個性的である。
  • 収集要素
    • 北欧神話やクリーチャーなどの様々な物があり、やり込み要素一つとなっている。

賛否両論点

  • ボリューム
    • 総プレイ時間は概ね25~35時間とボリュームも多く長めである一方、お使い等の遠回りなイベントが多くダレやすいという声も。
  • ストーリー
    • 戦う動機の弱さ
      • 本作で敵と戦う理由は「謎の敵に一方的に因縁を付けられ仕方なしに戦う」というもので旅の目的そのものとは関係がない。そのため、神々への復讐を目的としていた過去シリーズと違い完全な巻き込まれパターンであり、受動的な印象が強い。
      • もっともこれはクレイトスの軟化したキャラクターとはトレードオフであり仕方のない変更点ではあるのだが、シリーズ通して復讐を第1に考え戦っていた彼を見てきたファンの中には違和感を感じる者もいた。
      • 悪役がクレイトス達を襲う本当の理由も本作の時点では明らかにされない。
  • アトレウスが無敵
    • アトレウスがほとんど無敵であり、戦闘でピンチになるシーンは一場面を除いて無い。
    • リアリティが無いと言う意見もあるが、子供を気にしないで戦闘を行えると言う利点もある。
  • 狭間の扉が面倒
    • 狭間の扉は、目標の空間と現時点の空間を繋げる異世界の道を通るというもので、いわゆるファストトラベルに当たるものだが、いちいち異次元の間という細い迷路状の空間をミニマップなどのガイドもなしに実際に歩いて移動しなければならない。
    • もちろん、ファストトラベルなしに歩いていくよりも何倍も早く目的地につけるものの、移動できるポイントの少なさも相まってか、「単なる移動であればロード画面を挟んでもよかったのではないか?」という声も。
    • とはいえ、「ゲームオーバー以外、画面が暗転したローディング画面を挟まない」という部分はシリーズ初期からのこだわりでもあり、本作もタイトル画面から一度も暗転しない作りになっているため仕方ないという声も多い。また、異次元の間を歩いている間に目的地のマップを裏読みしているのでこのあたりの技術はさすがとも言える。
    • また、その時点のストーリー進行具合にあった内容の会話が異次元の間を移動中に繰り広げられるなど、退屈しないような配慮もされている。その会話の内容も世界観や無口なクレイトスやアトレウス親子を理解するのに一役買っており、目的地に辿り着いても会話が終わるまで先に進めないプレイヤーも多い。

問題点

ゲーム

  • 謎解きが面倒かつ難しい。
    • ノーヒントだと難しい謎解きが程々にある。息子のアトレウスも子供なのでヒント的な行動を取ることが少ない。
    • せっかく二人旅なのだから、同じ場所にしばらくいると何かしらのヒントが聞けるシステムなどがあってもよかったとの声も。
    • 登るポイントや謎解きのキーポイントが風景に溶けこんでいており見逃しやすい。
    • その他にも初見ではどうしようもできないが、後に手に入れる力で謎が解けるようになるものなども多い。しかも、「初見かつその場で謎解きができるのか、後でもう一度訪れる必要があるか」の判断がし辛い。
    • 世界観もしっかりとしており、風景にもそれが反映されているのに、「クレイトスが訪れて謎解きをするためだけに足場が壊されているのでは?」といったようなご都合主義的な配置も散見される。もっとも、この手のゲームではありがちな「一種のお約束」ではあるが。

バトル

  • バトルがほとんど単調
    • 敵が出没し、それを倒すだけというのを繰り返すだけなので飽きやすい。
    • 火を守るという防衛戦もあるので、そのようなシチュエーションなどを増やせれば良かったかも知れない。
  • 雑魚から逃げるという選択がほぼない
    • 戦闘の大部分は逃げることができず、全滅させないと先に進めない仕組みであり、一々相手にすると面倒。
  • レベルデザインもやや大雑把
    • 難易度がノーマルの場合、強化素材や資金に乏しい前半は敵がやたらに強く、スキルを取得し、強化をし始めると無双状態とまでは言わないがかなり敵が倒れやすくなる。
    • またNPCであり子供であるので仕方ないことだが、無敵であるアトレウスを囮にするのが最も安全かつ確実な策であるのはせっかく態度や考えが軟化したクレイトスに似つかわしくないとの声も多い。

シナリオ

  • 登場人物の少なさ
    • キャラ全体を含めると10名いるかいないか。せっかくマップが広大になっても人(神)に出会うことはほとんどなく、名前のないいわゆるモブキャラもいないため、世界観が狭まっている。
    • そのためその誰もがいい意味で癖が強く、味のあるキャラクターではあるものの、同じキャラクターがシナリオ上様々な役割を担うような場面も。
    • とりわけドワーフの兄弟は仕掛けを解かなければ辿り着けないような場所にも先回りして(一応、その理由付けもあるものの)武器を強化してくれるが演出はややしつこい上に不可解。
  • せっかく北欧が舞台なのに登場する神もあまり多くない。
  • 実際に戦うことができる神も何人かいるものの、主神オーディンやトール、軍神テュールなどは会話やレリーフなどで語られる程度に留まっており、本格的な登場は続編までお預けとなる。

総評

人気シリーズである北欧神話を舞台に親子というテーマで変貌を遂げたアクション。
築かれる親子愛のシナリオと派手なパワーアクションにハマる人はハマる。
PS4のアクションとして薦めたい一品である。


余談

  • 本作ではキャラクター性の変化からか、クレイトスの声優が1作目から演じ続けた玄田哲章氏からMCUのソー役*2でお馴染みの三宅健太氏に変更されている。
    • なお、アトレウスの声はアニメ『デュエル・マスターズ!』の切札勝役等で知られる小林由美子氏が演じている。

その後の展開

  • 2022年11月9日に本作の続編である『ゴッド・オブ・ウォー ラグナロク』がPS5/PS4で発売された。
    • 副題の「ラグナロク」は北欧神話における最終戦争を意味しており、この続編でクレイトスとアトレウスの物語が完結する。
  • 2022年1月15日に本作のPC向け移植版が発売された。これまで一貫してPS系ハード専売を続けてきた本シリーズで、初めての他ハード向けタイトルとなった。
    • Win版はPS4版と異なり、ウルトラワイドモニターと高リフレッシュレートのモニターに対応。フレームレート制限もないためそれなりのスペックさえあれば4Kかつ高fpsでのプレイが可能。遅延軽減技術のNVIDIA Reflexや超解像度技術であるNVIDIA DLSSといったGeForce GPU独自の機能もサポートしている。
      • それ以外にもRadeon GPU/Intel Arc/Nvidia 旧GTX向けにAMDの超解像度技術であるAMD FSR 2に対応している。
    • 操作デバイスもDUALSHOCK 4やDualSenseの他、多くのコントローラーやキーボード&マウスが使用可能なうえ、自分のプレイスタイルに合わせてカスタマイズできる。
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最終更新:2024年04月17日 04:39

*1 LinuxもProtonで動作可能。Deck認証済み。

*2 モデルは次回作に登場する北欧神話の神トール