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//>>807 投稿日:2009/12/14(月) 01:38:29 何の気なしに眺めていたテレビから聞こえてきた『今夜はふたご座流星群がピークを迎えるでしょう』の言葉。 思い立ったが吉日、やらずに後悔よりやって後悔。 早速携帯電話を手に取り、澪に電話をかける。 『んー、どうした?』 さすが幼馴染み、素っ気ない応対だ。こっちも手短に用件を伝える。 「今宵、星のかけらを探しに行こう」 『えと、福耳の曲だっけ、それ?』 「そうじゃなかったかな? はっきりとは覚えてないけど」 『で、何の用なんだ? 用が無いなら切るぞ』 「だから言ってんじゃん。今宵星のかけらを探しに行こうって」 『……あー、なるほど。そういうことか。そういやテレビでもやってたな』 ようやく理解したようだ。長いつきあいなんだから、阿吽の呼吸で伝わるかなと思ったんだけど。 「そういうこと。今日は流れ星がピークを迎えるって言ってたから、一緒に見ようかと思ったんだけど」 『んー、わかった。つきあってあげる』 「よっしゃ。それじゃ今から迎えに行くから、準備して待ってて」 電話を切るなり私は防寒着を身にまとい意気揚々と家をとび出した。 数分後、澪の家に到着するとすでに玄関前に澪が立っていた。 「お待たせ。じゃあ行こうぜ」 白い息を吐きながら二人並んで寒空の下を歩く。 観察ポイントとして目星をつけていた河川敷に到着するとすでに数組の先客が夜空を見上げ天体ショーを楽しんでいた。 空気は澄みわたり、とても綺麗な星空が見えていた。 「よーし、たくさん願い事するぞー」 「それが狙いか。で、どんなお願いするんだ?」 「そうだなぁ……」 少し考えて浮かんだ答え。それは、半分は澪をからかう気持ちから。残り半分は、本当の気持ちから。 「澪とずっと友達でいられますように、とか?」 さて、こんな恥ずかしいセリフを言われて澪しゃんはどんな反応をするのかなー? 「なんだ、それなら大丈夫。私と律は、ずっとずっと友達だよ」 「えっ」 てっきり何かしらのツッコミがくると予想していた私はその思いがけない答えのために視線を夜空から澪へと落としてしまう。 その顔はよく見えないけど澪の視線は上空に向けられたままだ。と、同時に周りの人々から歓声が上がる。 「あっ、流れ星! ねえ律、見た?」 「いや、見逃した。てか誰のせいで見れなかったと思ってんだ? さらっと『ずっとずっと友達だよ』なんて恥ずかしいセリフ言っちゃって。 そりゃ言いだしたのは私だけど、普段の澪ならなかなか言いそうにないセリフだったからビックリしちゃったんだよ」 「でも律だって正直な気持ちだったんだろ?」 「そ、そりゃまあな。私だって澪とはずっと友達でいたいよ」 「それに律だって普段あんなこと思ってくれてたとしても口にはしないだろ?」 「まあ、そう、だな。でもそれは、この雰囲気っていうか何ていうか……」 完全に攻守逆転。私から仕掛けたはずなのに、たった一言で澪にペースを握られていた。 「それはきっと流れ星の魔法にかけられたんだよ、私も律も。素直な気持ちを伝えちゃう魔法に」 ここにきて、とても澪らしい答え。 なるほど、流れ星の魔法ね。かけられてしまったならしょうがない。今日は素直な気持ちでいきますか。 「ようし、今日は何回も願ってやるぞ。ずっとずーっと澪と友達でいられますようにって」 「私も、律とずーっと友達でいられますようにってたくさん願おうっと」 #comment
//>>807 投稿日:2009/12/14(月) 01:38:29 何の気なしに眺めていたテレビから聞こえてきた『今夜はふたご座流星群がピークを迎えるでしょう』の言葉。 思い立ったが吉日、やらずに後悔よりやって後悔。 早速携帯電話を手に取り、澪に電話をかける。 『んー、どうした?』 さすが幼馴染み、素っ気ない応対だ。こっちも手短に用件を伝える。 「今宵、星のかけらを探しに行こう」 『えと、福耳の曲だっけ、それ?』 「そうじゃなかったかな? はっきりとは覚えてないけど」 『で、何の用なんだ? 用が無いなら切るぞ』 「だから言ってんじゃん。今宵星のかけらを探しに行こうって」 『……あー、なるほど。そういうことか。そういやテレビでもやってたな』 ようやく理解したようだ。長いつきあいなんだから、阿吽の呼吸で伝わるかなと思ったんだけど。 「そういうこと。今日は流れ星がピークを迎えるって言ってたから、一緒に見ようかと思ったんだけど」 『んー、わかった。つきあってあげる』 「よっしゃ。それじゃ今から迎えに行くから、準備して待ってて」 電話を切るなり私は防寒着を身にまとい意気揚々と家をとび出した。 数分後、澪の家に到着するとすでに玄関前に澪が立っていた。 「お待たせ。じゃあ行こうぜ」 白い息を吐きながら二人並んで寒空の下を歩く。 観察ポイントとして目星をつけていた河川敷に到着するとすでに数組の先客が夜空を見上げ天体ショーを楽しんでいた。 空気は澄みわたり、とても綺麗な星空が見えていた。 「よーし、たくさん願い事するぞー」 「それが狙いか。で、どんなお願いするんだ?」 「そうだなぁ……」 少し考えて浮かんだ答え。それは、半分は澪をからかう気持ちから。残り半分は、本当の気持ちから。 「澪とずっと友達でいられますように、とか?」 さて、こんな恥ずかしいセリフを言われて澪しゃんはどんな反応をするのかなー? 「なんだ、それなら大丈夫。私と律は、ずっとずっと友達だよ」 「えっ」 てっきり何かしらのツッコミがくると予想していた私はその思いがけない答えのために視線を夜空から澪へと落としてしまう。 その顔はよく見えないけど澪の視線は上空に向けられたままだ。と、同時に周りの人々から歓声が上がる。 「あっ、流れ星! ねえ律、見た?」 「いや、見逃した。てか誰のせいで見れなかったと思ってんだ? さらっと『ずっとずっと友達だよ』なんて恥ずかしいセリフ言っちゃって。 そりゃ言いだしたのは私だけど、普段の澪ならなかなか言いそうにないセリフだったからビックリしちゃったんだよ」 「でも律だって正直な気持ちだったんだろ?」 「そ、そりゃまあな。私だって澪とはずっと友達でいたいよ」 「それに律だって普段あんなこと思ってくれてたとしても口にはしないだろ?」 「まあ、そう、だな。でもそれは、この雰囲気っていうか何ていうか……」 完全に攻守逆転。私から仕掛けたはずなのに、たった一言で澪にペースを握られていた。 「それはきっと流れ星の魔法にかけられたんだよ、私も律も。素直な気持ちを伝えちゃう魔法に」 ここにきて、とても澪らしい答え。 なるほど、流れ星の魔法ね。かけられてしまったならしょうがない。今日は素直な気持ちでいきますか。 「ようし、今日は何回も願ってやるぞ。ずっとずーっと澪と友達でいられますようにって」 「私も、律とずーっと友達でいられますようにってたくさん願おうっと」 - 星屑の中 散りばめられた 心が二つ 愛の闇を駆け抜けてく想い 流星になり 流れてゆくよ 君のそばまで 消える前に 僕たちは同じ星座だと 信じてるから  コブクロ「流星」 -- アクティブ (2012-03-17 21:10:35) #comment

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