「短編103」(2010/11/19 (金) 12:55:01) の最新版変更点
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投稿日:2010/06/07(月) 00:48:12
少し風が強くて、窓のきしむ音が気になって・・・そんなこんなで眠れない夜
布団に潜りながら、私は初めて律の家に泊まったときのことを思い出していた。
あの日もこんな風に風が強くて、少し肌寒くて
わざわざ自分のベッドを私に譲り、お客用の布団に眠る律に話しかけたんだった。
「りっちゃん・・・まだ起きてる?」
「んー・・・澪ちゃん?どしたのー・・・」
私は目をこすりながら返事をする律に、風が怖くて眠れないという旨を伝えた。
自分の事とはいえ少し怖がりすぎるのでは?と、今になって思うところではある・・・
そのとき既に異常なまでの悪戯心を持ち始めていた彼女に、その相談は餌を与えるようなものだった。
「あっ、今思い出したんだけど・・・学校の近くに誰も住んでないおうちがあるでしょ?」
「ひっ・・・うん」
あいつは突拍子もなく、少し重いトーンで何の関係もない怖い話をしだす
その空き家には大きな怪物がすんでるとか、今になると子供だましというレベルにも及ばないくだらない話だ。
しかしながら、当時の私はその話が怖くて布団にうずくまってしまった。
そんな怖がる私に軽く謝りながら、彼女は少し驚くような提案をした。
「一緒に寝たら怖くないよ!大丈夫!」
「え、で、でも・・・」
少し動揺する私を尻目に、律は布団から出た後、私が寝ていたベッドにもぐりこんできた。
今思うとただお客用の布団より自分のベッドが良かっただけなんじゃないか・・
でもそのときの私は、それだけのことでも恐怖が和らいだんだから、幾分今よりも単純だったのだろう。
「風、強いね。」
「うん・・・強い。」
初めてのお泊りで、初めての添い寝。当時まだ幼いこともあってか、緊張より安心感のほうが上回っていた記憶がある
そのあと風のせいかはわからないが、自転車か何かが倒れる音に驚いて・・・
「ひゃあっ!!」
「わっ、み、澪ちゃん。だいじょうぶだよ」
律に抱きついちゃったんだ・・・震える私の髪を、律は優しくなでてくれたんだっけ・・・
そのときの律の体温がすごく暖かくて、結局抱きついたまま寝ちゃったのも覚えてる。
今でもあれだけ素直になれれば・・・
なんてな、あのときみたいに一緒に寝るときだけはある程度素直に振舞ってる・・・つもりだ!
「ふふ・・・・・・ん」
そんな記憶を遡ってふと外を見ると、すっかり風は止んでいて
時計は午前3時前のあたりを指していた
まずい、思わぬ夜更かしをしてしまった・・・
明日遅刻するかも・・・いや、そんなこと心配せずに寝るだけだ・・・心配で寝付けなくなっても困るから
まったく、お前のこと考えてるとすぐ時間が経っちゃうんだよ・・・
もし遅刻したら責任取れよ・・・バカ律!
投稿日:2010/06/07(月) 00:48:12
少し風が強くて、窓のきしむ音が気になって・・・そんなこんなで眠れない夜
布団に潜りながら、私は初めて律の家に泊まったときのことを思い出していた。
あの日もこんな風に風が強くて、少し肌寒くて
わざわざ自分のベッドを私に譲り、お客用の布団に眠る律に話しかけたんだった。
「りっちゃん・・・まだ起きてる?」
「んー・・・澪ちゃん?どしたのー・・・」
私は目をこすりながら返事をする律に、風が怖くて眠れないという旨を伝えた。
自分の事とはいえ少し怖がりすぎるのでは?と、今になって思うところではある・・・
そのとき既に異常なまでの悪戯心を持ち始めていた彼女に、その相談は餌を与えるようなものだった。
「あっ、今思い出したんだけど・・・学校の近くに誰も住んでないおうちがあるでしょ?」
「ひっ・・・うん」
あいつは突拍子もなく、少し重いトーンで何の関係もない怖い話をしだす
その空き家には大きな怪物がすんでるとか、今になると子供だましというレベルにも及ばないくだらない話だ。
しかしながら、当時の私はその話が怖くて布団にうずくまってしまった。
そんな怖がる私に軽く謝りながら、彼女は少し驚くような提案をした。
「一緒に寝たら怖くないよ!大丈夫!」
「え、で、でも・・・」
少し動揺する私を尻目に、律は布団から出た後、私が寝ていたベッドにもぐりこんできた。
今思うとただお客用の布団より自分のベッドが良かっただけなんじゃないか・・
でもそのときの私は、それだけのことでも恐怖が和らいだんだから、幾分今よりも単純だったのだろう。
「風、強いね。」
「うん・・・強い。」
初めてのお泊りで、初めての添い寝。当時まだ幼いこともあってか、緊張より安心感のほうが上回っていた記憶がある
そのあと風のせいかはわからないが、自転車か何かが倒れる音に驚いて・・・
「ひゃあっ!!」
「わっ、み、澪ちゃん。だいじょうぶだよ」
律に抱きついちゃったんだ・・・震える私の髪を、律は優しくなでてくれたんだっけ・・・
そのときの律の体温がすごく暖かくて、結局抱きついたまま寝ちゃったのも覚えてる。
今でもあれだけ素直になれれば・・・
なんてな、あのときみたいに一緒に寝るときだけはある程度素直に振舞ってる・・・つもりだ!
「ふふ・・・・・・ん」
そんな記憶を遡ってふと外を見ると、すっかり風は止んでいて
時計は午前3時前のあたりを指していた
まずい、思わぬ夜更かしをしてしまった・・・
明日遅刻するかも・・・いや、そんなこと心配せずに寝るだけだ・・・心配で寝付けなくなっても困るから
まったく、お前のこと考えてるとすぐ時間が経っちゃうんだよ・・・
もし遅刻したら責任取れよ・・・バカ律!
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