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//>>510 投稿日:2009/11/19(木) 03:34:07 君と私は釣り合わない ある日の体育の時間、 短距離走で学年5位という記録を出した君を見ていて思ったこと 私はというと、平均で言えば速い方ではあった でも、君と比べれば天と地程の差。 その差は一秒もないけど、 陸上で短距離となればそれでも天と地の差だよね いつからか、君に勝るもの、それが私にはなくなっていた気がする 君は多くの女子に囲まれてチヤホヤされて照れていて 私の周りには仲の良い二、三人の女子がいるばかり その女子だって、注目していたのは君だった 「ねえねえりっちゃん、澪ちゃんって運動できる方なんだね!」 できる方なんてもんじゃない。小中学生のころからどちらかといえばできる方だったし 高校に入ってからはまた運動神経良くなったみたいで。昔は私のが運動得意だったのにね 君に欠けてるものなんてない。 恥ずかしがりとか人見知りはあるけど、そんなものだって環境が良ければ 何の邪魔にもならない。部活も学校生活も充実している君に もう欠点なんてなにもない。 私はどうだろう・・・私の欠点。 頭は良くは無い、運動もできない方ではないけど、君にはついに及ばなくなった 背も低いし、胸も小さいし、顔もたまに可愛いとは言われるけど、それ程良い方とは思えない 歌詞だって書けやしないし、歌も上手くないし、 ドラムも・・・多少才能があればすぐ追いつけるくらいのものだと思う 君が、遠く見えた * 「・・・・38度か・・・」 その体育の後、昼休みあたりに急に調子悪くなっちゃって 保健室に行ったら早退を薦められた。風邪気味だってさ 普段風邪なんか引かないのに・・・なんでだろ。 ・・・・まあ大体わかってるけど 私は後ろ向きになると風邪を引くみたい。こうなってみるといつもの自分は どれだけ前向きなのかと、色々考えてしまう それで一応みんなにそのことを伝えて早退して、帰った後はずっと寝てた。 でもその間もずっと考え事してたもんだから、熱も下がらず、むしろ悪化していった 次の日の朝、熱は38度・・・病院に行って検査してもらったところ、幸いインフルエンザではなかった それでも誰かに移したら悪いので、学校は休んで、その日もずっと寝ていた。 「・・・・澪・・・」 あの体育の時間から、君との間に距離を感じていた。ちょっと勝手すぎるけどね。 天性に恵まれたんだなあ。私には何も無い また相も変わらず悩んでいると、一つのリズムが耳に入る このリズム・・・ああ、もう午後か。・・・・来てくれたのかな 「・・・澪?」 「げっ・・・・今回はばれないように入ろうと思ったのに」 ドアを開き、はにかみながら部屋に入ってくる君。 その完璧ぶりにギャグセンスまで兼ね備えはじめたみたい。ずるいなあ。 「・・・風邪、だって?」 「・・・・・うん」 こんな近くにいるのに、遠い 「・・・・・・・辛い?」 「・・・うん・・・」 風邪ももちろん辛いけど、今はそれより精神的に辛い。 自信がどこかに消え失せちゃったみたい 君の笑顔だって、とても優しい笑顔なのに、今の私にはナイフのように鋭く見えて 胸に突き刺さってくるような感覚さえ覚える。 * 「はいこれプリント。あと唯とムギと梓から・・・・・律?」 「え・・・?」 「・・・涙」 ずっと決めていた。どんなに悲しいことがあっても、澪には涙は見せないって なのに今、私の目にはとても熱い感覚があって、全部ぶちまけたい衝動に駆られた 抑えたい、抑えていたい、今の私の悩み こんなこと言われたって澪は困るだろう。だけど、なのに、口の方が素直みたいで 「・・・・澪・・・何で私なんかと・・・・付き合ってるの?」 「え・・・」 「澪は勉強もできて・・・運動も出来て・・・キレイでスタイルもいいし・・・」 いいやもう、何の解決にもなりはしないだろうけど 吐き出そう。 「それなのにっ・・・ひぐっ・・・・私なんかっっ・・・何も無い・・・何も持ってない・・・・ 釣り合う部分なんて何もないよっ・・・・ 私なんかがっ・・・・澪と関わっちゃいけないんだよ・・・・」 私の嘔吐のような告白に君は当初驚いていたようだったが、大方吐き出し終えると 君は少し笑いながら私の頭を撫でてくれた 「・・・バカだな。そんなことで悩んでたのか?」 笑顔だけど、君は陰りを帯びていた。一言で言えば、泣きそう そんな表情だった * 「私・・・・律に認めてほしくて・・・・今まで頑張ってきたんだよ」 ・・・・・え? 「いつも私は律に助けられてた・・・・いつも心配ばかりかけて・・・ だから勉強や運動や・・・人付き合いも頑張って・・・律に心配かけないように・・・ そうなろうって・・・・頑張ってきたんだよ?」 君の目からも涙がこぼれた 「なのに・・・・なのにっ・・・・そんな寂しいこと・・・・言うなよっ・・・・」 今私たち、二人揃って泣いてる。 おかしいや 「律に見てもらえないんじゃっ・・・・何したって・・・意味無いよっ・・・・・うっ・・・・えええん」 あーあー・・・そんなに泣いちゃって・・・・目真っ赤だよ? 「・・・・そんなっ・・・勝手に一人で悩むなよ・・・・・・いつもいつも・・・・・・ なんでっ・・・・・・本気で頼ってくれないんだよっ・・・・・・ 私だってもっとっ・・・・律に頼られたい・・・・ずるいよっ・・・・・ もう私が一人前になったからっ・・・・・関わるのはやめようなんて・・・・私もっ・・・・律を助けたいよっ・・・・・」 私も君も、涙が止まらない 涙だけで海ができるんじゃないか?そんなバカなことも考えてしまうほど 「ごめん澪っ・・・・・・・じゃあっひぐっ・・・・今だけ・・・頼って良い・・・・?」 「・・・・・・・ううん・・・・今だけなんて言うなよ・・・・いつだって・・・・頼ってくれ 貯金はいっぱいあるから」 出会ってから初めてかもしれない 君にこの体を全て託すのは 「澪っ・・・・澪ぉっ・・・寂しかったっ・・・・・・・辛かったよお・・・・」 「大丈夫だよ・・・・いつも一緒に居てあげるよ・・・・・ これからは、私が律をずっと見ててあげるから!・・・・だからっ・・・もう心配しないでッ・・・・」 「うっ・・・・ううっ・・・うわぁぁぁん」 * あーあ、何がどうなってるんだか。気付けば朝だった 抱き合ってバカみたいに泣いたまま、泣きつかれたのか私が寝ちゃったみたいで 起きたら私がベッドに、君が床にお泊り用の布団を敷いて寝てた。久々だね、お泊りするの。 風邪はというと、熱の方はわからないけど、体は嘘みたいに楽になった。これなら多分熱も引いてると思う やっぱ気持ちに左右されやすい体質なのかなあ にしても昨日が金曜日でよかった。平日だったら遅刻してたところだよ・・・・ 私と一緒に目覚めた君も、目は真っ赤。髪はぼさぼさ。多分私もそう・・・一緒だよ 「ははっ。目がぐりぐりする・・・顔洗おう、澪!」 「うん。ほら、起きれる?」 久々に君に投げかけた、私の笑顔。 君は安心したみたい。良かった。 もう、抱え込まない。私の荷物、これからは君にも少し持ってもらおう。 いいよね。・・・・・だって、君がそう言ったんだよ? ・・・・澪! - 素晴らしいですはい -- 名無しさん (2011-10-31 23:00:03) - すごくいい -- 名無しさん (2012-01-10 19:56:23) - なう。 -- 名無しさん (2012-01-28 12:09:44) #comment
//>>510 投稿日:2009/11/19(木) 03:34:07 君と私は釣り合わない ある日の体育の時間、 短距離走で学年5位という記録を出した君を見ていて思ったこと 私はというと、平均で言えば速い方ではあった でも、君と比べれば天と地程の差。 その差は一秒もないけど、 陸上で短距離となればそれでも天と地の差だよね いつからか、君に勝るもの、それが私にはなくなっていた気がする 君は多くの女子に囲まれてチヤホヤされて照れていて 私の周りには仲の良い二、三人の女子がいるばかり その女子だって、注目していたのは君だった 「ねえねえりっちゃん、澪ちゃんって運動できる方なんだね!」 できる方なんてもんじゃない。小中学生のころからどちらかといえばできる方だったし 高校に入ってからはまた運動神経良くなったみたいで。昔は私のが運動得意だったのにね 君に欠けてるものなんてない。 恥ずかしがりとか人見知りはあるけど、そんなものだって環境が良ければ 何の邪魔にもならない。部活も学校生活も充実している君に もう欠点なんてなにもない。 私はどうだろう・・・私の欠点。 頭は良くは無い、運動もできない方ではないけど、君にはついに及ばなくなった 背も低いし、胸も小さいし、顔もたまに可愛いとは言われるけど、それ程良い方とは思えない 歌詞だって書けやしないし、歌も上手くないし、 ドラムも・・・多少才能があればすぐ追いつけるくらいのものだと思う 君が、遠く見えた * 「・・・・38度か・・・」 その体育の後、昼休みあたりに急に調子悪くなっちゃって 保健室に行ったら早退を薦められた。風邪気味だってさ 普段風邪なんか引かないのに・・・なんでだろ。 ・・・・まあ大体わかってるけど 私は後ろ向きになると風邪を引くみたい。こうなってみるといつもの自分は どれだけ前向きなのかと、色々考えてしまう それで一応みんなにそのことを伝えて早退して、帰った後はずっと寝てた。 でもその間もずっと考え事してたもんだから、熱も下がらず、むしろ悪化していった 次の日の朝、熱は38度・・・病院に行って検査してもらったところ、幸いインフルエンザではなかった それでも誰かに移したら悪いので、学校は休んで、その日もずっと寝ていた。 「・・・・澪・・・」 あの体育の時間から、君との間に距離を感じていた。ちょっと勝手すぎるけどね。 天性に恵まれたんだなあ。私には何も無い また相も変わらず悩んでいると、一つのリズムが耳に入る このリズム・・・ああ、もう午後か。・・・・来てくれたのかな 「・・・澪?」 「げっ・・・・今回はばれないように入ろうと思ったのに」 ドアを開き、はにかみながら部屋に入ってくる君。 その完璧ぶりにギャグセンスまで兼ね備えはじめたみたい。ずるいなあ。 「・・・風邪、だって?」 「・・・・・うん」 こんな近くにいるのに、遠い 「・・・・・・・辛い?」 「・・・うん・・・」 風邪ももちろん辛いけど、今はそれより精神的に辛い。 自信がどこかに消え失せちゃったみたい 君の笑顔だって、とても優しい笑顔なのに、今の私にはナイフのように鋭く見えて 胸に突き刺さってくるような感覚さえ覚える。 * 「はいこれプリント。あと唯とムギと梓から・・・・・律?」 「え・・・?」 「・・・涙」 ずっと決めていた。どんなに悲しいことがあっても、澪には涙は見せないって なのに今、私の目にはとても熱い感覚があって、全部ぶちまけたい衝動に駆られた 抑えたい、抑えていたい、今の私の悩み こんなこと言われたって澪は困るだろう。だけど、なのに、口の方が素直みたいで 「・・・・澪・・・何で私なんかと・・・・付き合ってるの?」 「え・・・」 「澪は勉強もできて・・・運動も出来て・・・キレイでスタイルもいいし・・・」 いいやもう、何の解決にもなりはしないだろうけど 吐き出そう。 「それなのにっ・・・ひぐっ・・・・私なんかっっ・・・何も無い・・・何も持ってない・・・・ 釣り合う部分なんて何もないよっ・・・・ 私なんかがっ・・・・澪と関わっちゃいけないんだよ・・・・」 私の嘔吐のような告白に君は当初驚いていたようだったが、大方吐き出し終えると 君は少し笑いながら私の頭を撫でてくれた 「・・・バカだな。そんなことで悩んでたのか?」 笑顔だけど、君は陰りを帯びていた。一言で言えば、泣きそう そんな表情だった * 「私・・・・律に認めてほしくて・・・・今まで頑張ってきたんだよ」 ・・・・・え? 「いつも私は律に助けられてた・・・・いつも心配ばかりかけて・・・ だから勉強や運動や・・・人付き合いも頑張って・・・律に心配かけないように・・・ そうなろうって・・・・頑張ってきたんだよ?」 君の目からも涙がこぼれた 「なのに・・・・なのにっ・・・・そんな寂しいこと・・・・言うなよっ・・・・」 今私たち、二人揃って泣いてる。 おかしいや 「律に見てもらえないんじゃっ・・・・何したって・・・意味無いよっ・・・・・うっ・・・・えええん」 あーあー・・・そんなに泣いちゃって・・・・目真っ赤だよ? 「・・・・そんなっ・・・勝手に一人で悩むなよ・・・・・・いつもいつも・・・・・・ なんでっ・・・・・・本気で頼ってくれないんだよっ・・・・・・ 私だってもっとっ・・・・律に頼られたい・・・・ずるいよっ・・・・・ もう私が一人前になったからっ・・・・・関わるのはやめようなんて・・・・私もっ・・・・律を助けたいよっ・・・・・」 私も君も、涙が止まらない 涙だけで海ができるんじゃないか?そんなバカなことも考えてしまうほど 「ごめん澪っ・・・・・・・じゃあっひぐっ・・・・今だけ・・・頼って良い・・・・?」 「・・・・・・・ううん・・・・今だけなんて言うなよ・・・・いつだって・・・・頼ってくれ 貯金はいっぱいあるから」 出会ってから初めてかもしれない 君にこの体を全て託すのは 「澪っ・・・・澪ぉっ・・・寂しかったっ・・・・・・・辛かったよお・・・・」 「大丈夫だよ・・・・いつも一緒に居てあげるよ・・・・・ これからは、私が律をずっと見ててあげるから!・・・・だからっ・・・もう心配しないでッ・・・・」 「うっ・・・・ううっ・・・うわぁぁぁん」 * あーあ、何がどうなってるんだか。気付けば朝だった 抱き合ってバカみたいに泣いたまま、泣きつかれたのか私が寝ちゃったみたいで 起きたら私がベッドに、君が床にお泊り用の布団を敷いて寝てた。久々だね、お泊りするの。 風邪はというと、熱の方はわからないけど、体は嘘みたいに楽になった。これなら多分熱も引いてると思う やっぱ気持ちに左右されやすい体質なのかなあ にしても昨日が金曜日でよかった。平日だったら遅刻してたところだよ・・・・ 私と一緒に目覚めた君も、目は真っ赤。髪はぼさぼさ。多分私もそう・・・一緒だよ 「ははっ。目がぐりぐりする・・・顔洗おう、澪!」 「うん。ほら、起きれる?」 久々に君に投げかけた、私の笑顔。 君は安心したみたい。良かった。 もう、抱え込まない。私の荷物、これからは君にも少し持ってもらおう。 いいよね。・・・・・だって、君がそう言ったんだよ? ・・・・澪! - 素晴らしいですはい -- 名無しさん (2011-10-31 23:00:03) - すごくいい -- 名無しさん (2012-01-10 19:56:23) - なう。 -- 名無しさん (2012-01-28 12:09:44) - Good -- 名無しさん (2012-01-29 07:56:36) #comment

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