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//>>402 投稿日:2010/12/11(土) 00:32:03 『世界を敵に回しても君を守るよ』 「…………ぶはっ」 「…おい、なに笑ってんだ」 律が珍しく借りてきた恋愛もの映画を見ていて。 終盤で盛り上がってきているところで、男優が言う感動的な台詞を聞いて。 こいつは口を抑えて笑っている。 「いや…くせえ台詞だなって…くっくっ」 「どこが!男の覚悟と想いが存分に詰まったいい台詞じゃないか!」 「澪しゃん、深読みしすぎ」 まだニヤニヤしてる。 むぅ。解らないのかこの作品の良さが。 ていうか借りてきたのお前だろう。 もっと真剣に見ろよ… 「あ、エンドロール」 「なっ!?」 終わっちゃった… 最後の所見逃しちゃったよ…律の馬鹿! 「いやー恋愛モノ見るのはなんか疲れる」 言いながら首をコキコキと鳴らす律。 だから借りてきたのはお前だろうが… それより早く巻き戻ししてラストを… 「世界を敵に回しても君を守るよ」 なんて律が私を見て言う。 まるでさっきの俳優みたいに、復唱した。 「…って実際どうよ?」 「…どうって?」 「うーん、世界が敵になるってどんぐらいのスケールなんだろ?」 律には珍しく恋愛作品について考察してる。 本当に珍しいな今日は。 仕方ない、乗ってやろう。 「世間から白い目で見られるってことじゃないか?」「…それってプロポーズとしてどうなんだ?」 「んー、愛する人がいれば、他には何も要らない…的なニュアンスだと私は思うんだけど」 「流石だな澪…」 「教養の差だ」 「ひでぇ…じゃあ、澪はこんなん言われたら、嬉しい?」 「んー?…まぁ、好きな人に、言われたらそりゃあ」…実際、さっきは本当にビックリした。 不意打ちにも程があったぞ。危うく勘違いするところだった。…馬鹿りつ。 「えー?世界が敵なんだぜ?そりゃあ、家族とか親戚とか」 うっ、それは嫌だな… そう見たら、この台詞も考え物だな。 「ご近所さんとか、学校とかも…」 「…うぅ」 「唯!…は敵になるとか全く考えつかないや」 確かに。全く気にしないだろうな。澪ちゃん世界が敵なの?大変だねぇ、みたいな。 「ムギ…もむしろ助けてくれそうだな」 うむ。なんか色々な力が働いてな。 というか一番敵に回したくない。世界のがマシな気がする。 「梓が澪の敵っていうのもなぁ」 まあ、私だって想像できないな。むしろ力になってくれそうな…。 「あれ?軽音部敵に回らなくね?まさしく無敵?」 あと和とか憂ちゃんとかも… やっぱり、いい友達に恵まれてるなって思う。 …ん?お前はどうなんだ? 「…まぁ、あいつらもエネミーになると仮定して…」 あんまり想像したくないな… 皆と離れるなんて… 「澪の味方は、澪の好きな人と、私だけになっちゃうなー」 …ん? 「…なんでお前がいるんだ?」 「やっだもー、言わせんな恥ずかしい」バシバシ 「いたいいたい」 「私が澪の敵になるわけ無いじゃん」 …なんて、なんてことを笑顔で言うんだ。 その台詞もよっぽどくさいぞ。 「澪は世界より大切なんだ!澪を守るためなら、世界とか敵じゃねぇよ!むしろ征服してやるわ!」 「…完全に悪役思考だな」 「澪も私の味方になってくれるよなー?」 「…あぁ、必ず私がとどめをさす」 「ひでぇ!」 でもな、律。 それだったら、結局、私の側にいるのは一人になっちゃうんだよな。 なんでかは、教えてやらないけどな。 私にも世界より大切なものがあるんだよ。 END #comment
//>>402 投稿日:2010/12/11(土) 00:32:03 『世界を敵に回しても君を守るよ』 「…………ぶはっ」 「…おい、なに笑ってんだ」 律が珍しく借りてきた恋愛もの映画を見ていて。 終盤で盛り上がってきているところで、男優が言う感動的な台詞を聞いて。 こいつは口を抑えて笑っている。 「いや…くせえ台詞だなって…くっくっ」 「どこが!男の覚悟と想いが存分に詰まったいい台詞じゃないか!」 「澪しゃん、深読みしすぎ」 まだニヤニヤしてる。 むぅ。解らないのかこの作品の良さが。 ていうか借りてきたのお前だろう。 もっと真剣に見ろよ… 「あ、エンドロール」 「なっ!?」 終わっちゃった… 最後の所見逃しちゃったよ…律の馬鹿! 「いやー恋愛モノ見るのはなんか疲れる」 言いながら首をコキコキと鳴らす律。 だから借りてきたのはお前だろうが… それより早く巻き戻ししてラストを… 「世界を敵に回しても君を守るよ」 なんて律が私を見て言う。 まるでさっきの俳優みたいに、復唱した。 「…って実際どうよ?」 「…どうって?」 「うーん、世界が敵になるってどんぐらいのスケールなんだろ?」 律には珍しく恋愛作品について考察してる。 本当に珍しいな今日は。 仕方ない、乗ってやろう。 「世間から白い目で見られるってことじゃないか?」 「…それってプロポーズとしてどうなんだ?」 「んー、愛する人がいれば、他には何も要らない…的なニュアンスだと私は思うんだけど」 「流石だな澪…」 「教養の差だ」 「ひでぇ…じゃあ、澪はこんなん言われたら、嬉しい?」 「んー?…まぁ、好きな人に、言われたらそりゃあ」 …実際、さっきは本当にビックリした。 不意打ちにも程があったぞ。 危うく勘違いするところだった。 …馬鹿りつ。 「えー?世界が敵なんだぜ?そりゃあ、家族とか親戚とか」 うっ、それは嫌だな… そう見たら、この台詞も考え物だな。 「ご近所さんとか、学校とかも…」 「…うぅ」 「唯!…は敵になるとか全く考えつかないや」 確かに。全く気にしないだろうな。 澪ちゃん世界が敵なの?大変だねぇ、みたいな。 「ムギ…もむしろ助けてくれそうだな」 うむ。なんか色々な力が働いてな。 というか一番敵に回したくない。世界のがマシな気がする。 「梓が澪の敵っていうのもなぁ」 まあ、私だって想像できないな。むしろ力になってくれそうな…。 「あれ?軽音部敵に回らなくね?まさしく無敵?」 あと和とか憂ちゃんとかも… やっぱり、いい友達に恵まれてるなって思う。 …ん?お前はどうなんだ? 「…まぁ、あいつらもエネミーになると仮定して…」 あんまり想像したくないな… 皆と離れるなんて… 「澪の味方は、澪の好きな人と、私だけになっちゃうなー」 …ん? 「…なんでお前がいるんだ?」 「やっだもー、言わせんな恥ずかしい」バシバシ 「いたいいたい」 「私が澪の敵になるわけ無いじゃん」 …なんて、なんてことを笑顔で言うんだ。 その台詞もよっぽどくさいぞ。 「澪は世界より大切なんだ!澪を守るためなら、世界とか敵じゃねぇよ!むしろ征服してやるわ!」 「…完全に悪役思考だな」 「澪も私の味方になってくれるよなー?」 「…あぁ、必ず私がとどめをさす」 「ひでぇ!」 でもな、律。 それだったら、結局、私の側にいるのは一人になっちゃうんだよな。 なんでかは、教えてやらないけどな。 私にも世界より大切なものがあるんだよ。 END #comment

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