「短編183」(2010/12/11 (土) 13:11:02) の最新版変更点
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//>>402 投稿日:2010/12/11(土) 00:32:03
『世界を敵に回しても君を守るよ』
「…………ぶはっ」
「…おい、なに笑ってんだ」
律が珍しく借りてきた恋愛もの映画を見ていて。
終盤で盛り上がってきているところで、男優が言う感動的な台詞を聞いて。
こいつは口を抑えて笑っている。
「いや…くせえ台詞だなって…くっくっ」
「どこが!男の覚悟と想いが存分に詰まったいい台詞じゃないか!」
「澪しゃん、深読みしすぎ」
まだニヤニヤしてる。
むぅ。解らないのかこの作品の良さが。
ていうか借りてきたのお前だろう。
もっと真剣に見ろよ…
「あ、エンドロール」
「なっ!?」
終わっちゃった…
最後の所見逃しちゃったよ…律の馬鹿!
「いやー恋愛モノ見るのはなんか疲れる」
言いながら首をコキコキと鳴らす律。
だから借りてきたのはお前だろうが…
それより早く巻き戻ししてラストを…
「世界を敵に回しても君を守るよ」
なんて律が私を見て言う。
まるでさっきの俳優みたいに、復唱した。
「…って実際どうよ?」
「…どうって?」
「うーん、世界が敵になるってどんぐらいのスケールなんだろ?」
律には珍しく恋愛作品について考察してる。
本当に珍しいな今日は。
仕方ない、乗ってやろう。
「世間から白い目で見られるってことじゃないか?」「…それってプロポーズとしてどうなんだ?」
「んー、愛する人がいれば、他には何も要らない…的なニュアンスだと私は思うんだけど」
「流石だな澪…」
「教養の差だ」
「ひでぇ…じゃあ、澪はこんなん言われたら、嬉しい?」
「んー?…まぁ、好きな人に、言われたらそりゃあ」…実際、さっきは本当にビックリした。
不意打ちにも程があったぞ。危うく勘違いするところだった。…馬鹿りつ。
「えー?世界が敵なんだぜ?そりゃあ、家族とか親戚とか」
うっ、それは嫌だな…
そう見たら、この台詞も考え物だな。
「ご近所さんとか、学校とかも…」
「…うぅ」
「唯!…は敵になるとか全く考えつかないや」
確かに。全く気にしないだろうな。澪ちゃん世界が敵なの?大変だねぇ、みたいな。
「ムギ…もむしろ助けてくれそうだな」
うむ。なんか色々な力が働いてな。
というか一番敵に回したくない。世界のがマシな気がする。
「梓が澪の敵っていうのもなぁ」
まあ、私だって想像できないな。むしろ力になってくれそうな…。
「あれ?軽音部敵に回らなくね?まさしく無敵?」
あと和とか憂ちゃんとかも…
やっぱり、いい友達に恵まれてるなって思う。
…ん?お前はどうなんだ?
「…まぁ、あいつらもエネミーになると仮定して…」
あんまり想像したくないな…
皆と離れるなんて…
「澪の味方は、澪の好きな人と、私だけになっちゃうなー」
…ん?
「…なんでお前がいるんだ?」
「やっだもー、言わせんな恥ずかしい」バシバシ
「いたいいたい」
「私が澪の敵になるわけ無いじゃん」
…なんて、なんてことを笑顔で言うんだ。
その台詞もよっぽどくさいぞ。
「澪は世界より大切なんだ!澪を守るためなら、世界とか敵じゃねぇよ!むしろ征服してやるわ!」
「…完全に悪役思考だな」
「澪も私の味方になってくれるよなー?」
「…あぁ、必ず私がとどめをさす」
「ひでぇ!」
でもな、律。
それだったら、結局、私の側にいるのは一人になっちゃうんだよな。
なんでかは、教えてやらないけどな。
私にも世界より大切なものがあるんだよ。
END
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//>>402 投稿日:2010/12/11(土) 00:32:03
『世界を敵に回しても君を守るよ』
「…………ぶはっ」
「…おい、なに笑ってんだ」
律が珍しく借りてきた恋愛もの映画を見ていて。
終盤で盛り上がってきているところで、男優が言う感動的な台詞を聞いて。
こいつは口を抑えて笑っている。
「いや…くせえ台詞だなって…くっくっ」
「どこが!男の覚悟と想いが存分に詰まったいい台詞じゃないか!」
「澪しゃん、深読みしすぎ」
まだニヤニヤしてる。
むぅ。解らないのかこの作品の良さが。
ていうか借りてきたのお前だろう。
もっと真剣に見ろよ…
「あ、エンドロール」
「なっ!?」
終わっちゃった…
最後の所見逃しちゃったよ…律の馬鹿!
「いやー恋愛モノ見るのはなんか疲れる」
言いながら首をコキコキと鳴らす律。
だから借りてきたのはお前だろうが…
それより早く巻き戻ししてラストを…
「世界を敵に回しても君を守るよ」
なんて律が私を見て言う。
まるでさっきの俳優みたいに、復唱した。
「…って実際どうよ?」
「…どうって?」
「うーん、世界が敵になるってどんぐらいのスケールなんだろ?」
律には珍しく恋愛作品について考察してる。
本当に珍しいな今日は。
仕方ない、乗ってやろう。
「世間から白い目で見られるってことじゃないか?」
「…それってプロポーズとしてどうなんだ?」
「んー、愛する人がいれば、他には何も要らない…的なニュアンスだと私は思うんだけど」
「流石だな澪…」
「教養の差だ」
「ひでぇ…じゃあ、澪はこんなん言われたら、嬉しい?」
「んー?…まぁ、好きな人に、言われたらそりゃあ」
…実際、さっきは本当にビックリした。
不意打ちにも程があったぞ。
危うく勘違いするところだった。
…馬鹿りつ。
「えー?世界が敵なんだぜ?そりゃあ、家族とか親戚とか」
うっ、それは嫌だな…
そう見たら、この台詞も考え物だな。
「ご近所さんとか、学校とかも…」
「…うぅ」
「唯!…は敵になるとか全く考えつかないや」
確かに。全く気にしないだろうな。
澪ちゃん世界が敵なの?大変だねぇ、みたいな。
「ムギ…もむしろ助けてくれそうだな」
うむ。なんか色々な力が働いてな。
というか一番敵に回したくない。世界のがマシな気がする。
「梓が澪の敵っていうのもなぁ」
まあ、私だって想像できないな。むしろ力になってくれそうな…。
「あれ?軽音部敵に回らなくね?まさしく無敵?」
あと和とか憂ちゃんとかも…
やっぱり、いい友達に恵まれてるなって思う。
…ん?お前はどうなんだ?
「…まぁ、あいつらもエネミーになると仮定して…」
あんまり想像したくないな…
皆と離れるなんて…
「澪の味方は、澪の好きな人と、私だけになっちゃうなー」
…ん?
「…なんでお前がいるんだ?」
「やっだもー、言わせんな恥ずかしい」バシバシ
「いたいいたい」
「私が澪の敵になるわけ無いじゃん」
…なんて、なんてことを笑顔で言うんだ。
その台詞もよっぽどくさいぞ。
「澪は世界より大切なんだ!澪を守るためなら、世界とか敵じゃねぇよ!むしろ征服してやるわ!」
「…完全に悪役思考だな」
「澪も私の味方になってくれるよなー?」
「…あぁ、必ず私がとどめをさす」
「ひでぇ!」
でもな、律。
それだったら、結局、私の側にいるのは一人になっちゃうんだよな。
なんでかは、教えてやらないけどな。
私にも世界より大切なものがあるんだよ。
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