私は唯ちゃんと、学校へ向かっていた。
私の背中には、キーボード。
五人の思い出が詰まったあのキーボードだ。
隣にいる唯ちゃんの背中には、もちろんギー太。
私たちの足は軽快だった。
心は軽やかだった。
縛りつけるものは何もなかった。
悩ませるものが何もないというのが、こんなにも心躍るなんて。
そして。
十六日に皆と会うことが怖かった気持ちとは真逆の今。
皆と会うのが、こんなにも楽しみだなんて。
思い出すんだ。
高校時代の放課後へ向かう時間を。
楽しみなんだ。
楽しめることへの足取りが、皆の笑える条件だって事。
澪ちゃんとりっちゃんが一緒にいるのを見ているのが、幸せだということ。
全部私の中にある。
だから、楽しみだ。
部室でまた、皆でおしゃべりできるのが。
すっごくすっごく楽しみだ。
私の背中には、キーボード。
五人の思い出が詰まったあのキーボードだ。
隣にいる唯ちゃんの背中には、もちろんギー太。
私たちの足は軽快だった。
心は軽やかだった。
縛りつけるものは何もなかった。
悩ませるものが何もないというのが、こんなにも心躍るなんて。
そして。
十六日に皆と会うことが怖かった気持ちとは真逆の今。
皆と会うのが、こんなにも楽しみだなんて。
思い出すんだ。
高校時代の放課後へ向かう時間を。
楽しみなんだ。
楽しめることへの足取りが、皆の笑える条件だって事。
澪ちゃんとりっちゃんが一緒にいるのを見ているのが、幸せだということ。
全部私の中にある。
だから、楽しみだ。
部室でまた、皆でおしゃべりできるのが。
すっごくすっごく楽しみだ。
私は部室で一人ギターを弾いていた。
ストロークに心が跳ねる。
こんな気持ちはいつ以来だろう。
鏡に映った私の顔は、自分で言うのもなんだけど、ちょっと輝いてた。
心の重みが取り除かれた。
不安も寂しさも、孤独も何もない。
そして、先輩たちに会えるんだ。
『楽しみな気持ち』で会えるんだ。
演奏できるんだ。
律先輩と澪先輩の、幸せそうな顔を見ることも、とっても楽しみだ。
泣いた記憶も悲しみの記憶も。
嫉妬に歪んだ記憶も。
全部私の一部だけれど、それを感じさせないわくわく。
今日はある意味で、決別の日だ。
『放課後ティータイム』と『今の軽音部』との。
私は、憂たちと学園祭へ一歩を踏み出す。
だからそのために、今日を笑顔で終わりたい。
そのための、今。
そのために、私は笑う。
笑わずにはいられないよ。
ストロークに心が跳ねる。
こんな気持ちはいつ以来だろう。
鏡に映った私の顔は、自分で言うのもなんだけど、ちょっと輝いてた。
心の重みが取り除かれた。
不安も寂しさも、孤独も何もない。
そして、先輩たちに会えるんだ。
『楽しみな気持ち』で会えるんだ。
演奏できるんだ。
律先輩と澪先輩の、幸せそうな顔を見ることも、とっても楽しみだ。
泣いた記憶も悲しみの記憶も。
嫉妬に歪んだ記憶も。
全部私の一部だけれど、それを感じさせないわくわく。
今日はある意味で、決別の日だ。
『放課後ティータイム』と『今の軽音部』との。
私は、憂たちと学園祭へ一歩を踏み出す。
だからそのために、今日を笑顔で終わりたい。
そのための、今。
そのために、私は笑う。
笑わずにはいられないよ。
心を揺さぶるってことを、皆に伝えた。
伝わったのは嬉しかった。
そして今、ムギちゃんと並んで学校へ歩いている。
久しぶりに皆で演奏できるから、嬉しそうなギー太を連れて。
私はついつい鼻歌を歌う。
ムギちゃんもくすくす笑うんだ。
それが見たかったんだ。
友達の、大好きな友達の笑ってくれる顔を。
あずにゃんの、りっちゃんの、澪ちゃんの笑顔を。
見たくて見たくて仕方がないんだ。
だから部室で皆と出会った時。
そこに絶対笑顔があるって信じれるから。
私は今、心を踊らすことができるんだ。
皆の気持ちを知らなかった苦しみも。
そんなの、ちっぽけで、今は笑い飛ばせるよ。
それを分け合える友達がいる。
それを慰めてくれる音楽がある。
嬉しいから。
ここにいるんだ私は。
ハッピーな気持ちが、全身から湧き上がってるよ。
最高だよ。
本当に。
伝わったのは嬉しかった。
そして今、ムギちゃんと並んで学校へ歩いている。
久しぶりに皆で演奏できるから、嬉しそうなギー太を連れて。
私はついつい鼻歌を歌う。
ムギちゃんもくすくす笑うんだ。
それが見たかったんだ。
友達の、大好きな友達の笑ってくれる顔を。
あずにゃんの、りっちゃんの、澪ちゃんの笑顔を。
見たくて見たくて仕方がないんだ。
だから部室で皆と出会った時。
そこに絶対笑顔があるって信じれるから。
私は今、心を踊らすことができるんだ。
皆の気持ちを知らなかった苦しみも。
そんなの、ちっぽけで、今は笑い飛ばせるよ。
それを分け合える友達がいる。
それを慰めてくれる音楽がある。
嬉しいから。
ここにいるんだ私は。
ハッピーな気持ちが、全身から湧き上がってるよ。
最高だよ。
本当に。
私は、律と並んで歩いていた。前と同じように、ドラムは斎藤さんに運んでもらった。
道を手を繋いで歩く。
律は照れくさそうに、でもこれ以上ない可愛い笑顔で笑ってくれるんだ。
それを見ているだけで、私はとっても幸せだった。
思えばそうだ。
私の書く詩は、そんな一瞬の光景から生まれてた。
いつか目にした、君のマジ顔も。
好きになるほど切ない夜も。
愛をこめてスラスラと、手紙を書こうとしたことも。
好きの確率を割り出したいと思ったのも。
前髪を下した姿を見てみたい思ったのも。
どんなに寒くても、僕は――私は幸せなのも。
全部。
全部律のおかげだったし、律がいるから。
律のための、言葉だったから。
だからそんな一瞬から生まれる詩を、私は好きだと言えるんだろう。
皆で作り出した曲と演奏を、大事に思えるんだと思う。
律が掛け声を掛けて。
一緒にリズムを作っていく。
私は、『放課後ティータイム』の演奏が大好きだ。
そして走り気味でも、強弱が極端だったりしても。
私はそんな律のドラムが大好きだ。
そしてそれを叩く律が、大好きだ。
道を手を繋いで歩く。
律は照れくさそうに、でもこれ以上ない可愛い笑顔で笑ってくれるんだ。
それを見ているだけで、私はとっても幸せだった。
思えばそうだ。
私の書く詩は、そんな一瞬の光景から生まれてた。
いつか目にした、君のマジ顔も。
好きになるほど切ない夜も。
愛をこめてスラスラと、手紙を書こうとしたことも。
好きの確率を割り出したいと思ったのも。
前髪を下した姿を見てみたい思ったのも。
どんなに寒くても、僕は――私は幸せなのも。
全部。
全部律のおかげだったし、律がいるから。
律のための、言葉だったから。
だからそんな一瞬から生まれる詩を、私は好きだと言えるんだろう。
皆で作り出した曲と演奏を、大事に思えるんだと思う。
律が掛け声を掛けて。
一緒にリズムを作っていく。
私は、『放課後ティータイム』の演奏が大好きだ。
そして走り気味でも、強弱が極端だったりしても。
私はそんな律のドラムが大好きだ。
そしてそれを叩く律が、大好きだ。
暖かい手と、暖かい心。
澪とこうやっていられること。
『放課後ティータイム』で集まる事に、楽しみを感じれること。
そんな高校時代に当たり前であったことが、またできること。
『過去』だけのものじゃない。
『未来』にまで繋いでいけるから。
私たちは幸せだと、確信できる。
梓やムギ、そして唯の鳴らすそれぞれの楽器。
そして。
大好きな澪と、大好きな澪のベース。
私のドラムも、皆で鳴らすロックの一部だ。
音楽を通して、澪と重なることも。
気持ちが通じ合えるのも。
私と澪が、一緒にいる証だって思うから。
澪とこうやっていられること。
『放課後ティータイム』で集まる事に、楽しみを感じれること。
そんな高校時代に当たり前であったことが、またできること。
『過去』だけのものじゃない。
『未来』にまで繋いでいけるから。
私たちは幸せだと、確信できる。
梓やムギ、そして唯の鳴らすそれぞれの楽器。
そして。
大好きな澪と、大好きな澪のベース。
私のドラムも、皆で鳴らすロックの一部だ。
音楽を通して、澪と重なることも。
気持ちが通じ合えるのも。
私と澪が、一緒にいる証だって思うから。
不安だった。苦しかった。
だけど、そんなのどうだっていい。
だって大好きだから。
あんなに嫌いだった自分も、澪が好きって言ってくれるから。
澪が好きって言ってくれるから、私は私を好きでいられる。
澪が好きな、私が好き。
それ以上に、澪が大好き。
だから。
歩けるよ。
手を繋いで。
だけど、そんなのどうだっていい。
だって大好きだから。
あんなに嫌いだった自分も、澪が好きって言ってくれるから。
澪が好きって言ってくれるから、私は私を好きでいられる。
澪が好きな、私が好き。
それ以上に、澪が大好き。
だから。
歩けるよ。
手を繋いで。
私たちの言葉は、それぞれの心を揺り動かした。
大好き。
大好きをありがとうって。
大好き。
大好きをありがとうって。
■
「ワン、ツー!」
■
辞書でも引いてみようかな。
ROCK。ロック。
名詞での意味は――音楽のジャンル。ロックンロール。ロックを演奏する。
動詞での意味は……。
名詞での意味は――音楽のジャンル。ロックンロール。ロックを演奏する。
動詞での意味は……。
――動揺する。
――心を揺り動かす。
――感動させる。
――心を揺り動かす。
――感動させる。
だから私たちの『ROCK』は、永遠に終わらないんだ。
この手が繋がっている限り。
この手が繋がっている限り。