ジョニー・ケイジ


"Here's Johnny!"

(ジョニー様のお出ましだぜ!)

+ 日本語吹替声優
安原義人
1995年映画版(VHS版)
千葉進歩
1995年映画版(DVD・BD版)

     
海外の実写グロ格ゲー『モータルコンバット』シリーズの登場キャラクター。
ジョニーといってもこの人この人の事でも真紅の稲妻でもストームでもない。ジョニー・ザ・パックン何の事かな?
屈強な肉体にサングラスが特徴のナイスガイで、同シリーズのコミックリリーフ(要はギャグキャラ)的存在。
本業はハリウッドのアクションスターであり、『ドラゴンフィスト』『ニンジャ・マイン』と言った作品に出演している。
ちなみに「ジョニー・ケイジ」という名前は芸名で、本名はジョン・カールトン。アメリカ・カリフォルニア州ヴェニス出身。
性格は明るく陽気で、それに加えてかなりの女好き。
さらにナルシストかつ目立ちたがり屋で自己主張が激しく、自分がスターであることのアピールに余念がない等、
まさしく一般人の考える芸能人やセレブのイメージを極端に誇張したような人物。
常に軽口やジョークを絶やさないが、そのせいで周囲の反感を買うこともしばしば。
『11』からは挑発としてやたらとを立てるようになった。
ここだけ聞くと嫌な奴に思えるかもしれないが、根は善良で正義感が強く、
地球や家族の危機に対しては敢然と立ち向かう行動力と勇気を兼ね備えてもいる。
荒事とは無縁の世界の住人でありながら、がひしめく戦いを幾度も生き延びた実績は伊達ではないのだ。

映画俳優でありながら類稀なる格闘センス、並びに身体能力の持ち主であり、
出演した作品のアクションシーンはワイヤーやCGはおろかスタントマンすらも使わず、全て自分自身の身体能力のみで演じ切っている。
だが、あまりにも人間離れした動き故にファンや評論家からは特殊効果としか思ってもらえず、
憤慨した彼は自分の能力を証明するためにモータルコンバットに参加する、というのがストーリー。

『MK3』および『UMK3』ではシャオ・カーンに殺されたため登場しなかった(集大成作品である『MKT』では復活)。
なお、トレードマークであるサングラスは『MK1』『MK2』では対戦中に着用しておらず、『MKT』から着用したまま戦う。
戦闘スタイルは空手やジークンドーなどを組み合わせた独自の格闘術であり、
さらには金的まで使う(なお、初期の作品では女性キャラには金的は通用しなかった)。
後述の2nd Timelineでは金的が決まる度に挿入される睾丸破裂のカットがリアルに作り込まれていてタマヒュン物である他、
同ストーリーで登場する実の娘のキャシー・ケイジも同様に金的技を使用する。野郎に潰されるよりは美女に潰されたいよね

前述の通り彼の本業はハリウッドスターだが、敗北者に容赦が無い同シリーズ故に当然フェイタリティも使用する。
具体的な例を挙げるなら、
  • 渾身のアッパーカットで相手の頭をふっ飛ばす。しかも一部作品では特殊コマンドを入力するとふっ飛ばした相手の生首が増える(『MK』)
  • 相手の上半身を自らの腕力だけで引き裂いて真っ二つにする(『MK2』)
  • 相手の頭を手刀で真っ二つにした後、そこにトロフィーをブチ込む(『MK2011』)
  • 相手の背中を引き裂いて、冒頭の台詞を叫ぶ。どこのシャイニングだよ*1(『MKX』)
  • 上半身を引きちぎり、腹話術の人形にする。
    しかも肝心のトークの内容があまりにも酷かったためかブーイングを浴びせられ、相手の顔にトマトを投げ付けられる(『MK11』)
  • 相手の顔面をチャイニーズシアターの手形の如く思い切り叩き付け引き剥がした挙句、相手の顔の断面図を晒した状態で記念撮影(『MK1』)
    ちなみに娘の方も『MKX』で似たような事をやっていた
など、猟奇的ながらどこかコミカルでシュールな内容で相手を惨殺してしまう。
現実ならこの時点でハリウッド追放&死刑は免れない*2が、このゲームでは神様も平気で人間殺しちゃってるので気にしたら負けである。

+ 2nd Timeline
元々人気キャラではあったものの、2011年版(以下『9』)から始まった一連のストーリーにおいては、
物語の狂言回しとも言うべき重要なポジションとなった。
ついでに、胸にでっかく「Johnny」のタトゥーを入れてちょっぴり見た目が派手に。
あんなにデカデカと目立つ位置にあると映画撮影に支障が出そう。CG修正も費用が掛かるし

リブートされた歴史においてもモータルコンバットに参戦した経緯は変わらないものの、『9』の劇中ではライデンの介入によって歴史が変わり、
シャオ・カーンに殺害される事無く、ソニア・ブレイドと共に人間界側の数少ない生き残りとなった。
ソニアとは後に結婚し、そのままスペシャルフォースへ入隊。映画俳優と軍人の二足の草鞋を履く事となる。

『9』から二十数年後の『X』では中年となったものの強さに衰えはなく、クァン・チーの暗躍によって復活したシノックを打倒すべく、
離婚した妻のソニア、そして愛娘であるキャシーを含む新世代の人間界戦士側のリーダー格として活躍する。

『11』でも、ソニアと復縁し引き続き地球の戦士として戦い続けていた。当の彼女とはストーリーの序盤で永遠の別れとなってしまったが
そんな中で、時の女神クロニカによって過去(『9』当時)の若いジョニーと二十数年後の中年ジョニーが邂逅を果たし、
共に復活したシャオ・カーンの軍勢へと立ち向かう。
また、DLCを購入すれば顔とボイスを1994年に公開された映画版でジョニーを演じたリンデン・アシュビー氏に変更することも可能。
グラサンのせいで変更してもほぼ顔が見えないのはナイショ

『9』から『11』におけるジョニーは各作品を通して身をすり合わせるほどの接近戦において真価を発揮する近接キャラ。
至近距離での猛烈なラッシュ力に物を言わせて一気に相手を倒し切る戦法を信条とする。
特に「ナッツパンチ」(旧翻訳版では「ダイヤモンド・クラッシャー」。所謂金的パンチ)はヒットさせれば大幅有利な状況に持ち込める。
放物線を描く飛び道具の「フォースボール」や突進技の「シャドーキック」もあるため、遠距離戦もそこそこ。
対空も昇龍技の「ライジングスター」があるので抜かりなし。
さらに『11』では飛び道具の性能が良い上に各種通常技が高性能で隙が少なく、壁際ならノーゲージで3割コンボも可能。
突出した強みは少ないものの、立ち回り・コンボ・飛び道具・対空等が満遍無く強い器用万能と言える性能で、
キャラランクはトップクラスに位置する強キャラとなっている。
とはいえ、シリーズ通しての上位勢で同じくインファイトが得意な主人公と比べると飛び道具の性能や単純な手数ではやや劣り、
さらにゴリ押し気味の攻めが持ち味のあちらと違い、こちらは中下段の打撃と投げをフルに駆使した揺さぶりで相手を翻弄するのが真骨頂。
考えなしに攻めまくるだけで勝つのは難しく、加えて高火力コンボの難度がやや高めなことも相まって、
お世辞にも初心者向けとは言えず、どちらかと言うと中級者以上に向いたキャラ。
ポテンシャルこそ高いがその強さを十全に引き出すにはそれなりの技量と場数が必要となっている。
スピードを生かした怒涛のラッシュで有無を言わさず仕留めるリュウ・カンがケンなら、
敵のガードを崩せるだけの知識とある程度の対応力を求められるジョニーはさしずめリュウと言った所か。
性格は両者ともまるっきり正反対なのがちょっと皮肉

+ 3rd Timeline
再び時間軸がリセットされた『MK1』でももちろん登場。
本作でもアクションスターであることは変わらないものの、人気絶頂の大スターだった過去作とは違って既に俳優としては落ち目というまさかの立ち位置に。
さらに私生活では自身の浪費癖により破産寸前、妻には愛想を尽かされ離婚を切り出される等まさに踏んだり蹴ったりな状況。
……なんというか、後述するモデルになった人の経歴をそのままなぞっているような気がしないでもない
だが、自宅にコレクションしていた日本刀を奪いに現れたケンシ、そして火の神リュウ・カンとの出会いを切っ掛けに戦いに巻き込まれていく。

性能も飛び道具が削除されるなど従来から一新、より一層接近戦に比重を置いたファイトスタイルに。

さらに「HYPE」という固有のシステムを習得。これは必殺技をヒットさせる、あるいは専用技で周囲にアピールをすることでHYPEゲージを溜め、
ゲージが満タンになると自身にスポットライトを当てて一定時間パワーアップする技が使えるというなんとも個性的なもの。
また、HYPE状態では攻撃を当てる度に画面外からファンの歓声が飛んでくる。ウザいと評判
ただし、アピールをしている間は隙だらけになるので安全に実行できるタイミングの見極めが重要となる。
ストリートファイターIII』におけるパーソナルアクションや『マッスルボマー』のアピールを想像するとわかりやすいかもしれない。
発動に手間がかかるだけあってパワーアップの効果は凄まじく、HYPE状態になると最大二回まで必殺技を必殺技でキャンセルできるようになり、
安くてもワンコンボで3割、カメオファイターのアシスト次第では5割以上のダメージを与えるなど怒涛の攻めが可能。
至近距離での火力に特化している半面、ワープ技や飛び道具が無いため立ち回りには若干の不安を抱えているものの、
カメオファイターである程度フォローできる。
それを抜きにしても全身無敵状態でダッキングするエンハンス版「Shadow dash」や、
相手の攻撃に反応して回り込む「Show off」などで守りもそこまで弱くない。
何よりツボにハマるとワンチャンスで試合を決めかねない圧倒的な爆発力を持つことから最上位クラスの強キャラとなっている。

+ 余談
ハリウッドのアクションスターにして武道家。そして、開脚アクション。
この時点でピンと来た人もいるかもしれないが、ジョニーにはモデルとなった人物が存在する。
その名もジャン=クロード・ヴァン・ダム
1980年代の後半から90年代の前半にかけてアーノルド・シュワルツェネッガー氏や、
シルベスター・スタローン氏と肩を並べるほどの人気を誇ったアクション俳優であり、
日本では『木曜洋画劇場』でピックアップされる事の多い方である。
2000年代になるとめっきり低迷し、しまいにはそのことをネタにして自虐映画まで作ってしまったほど
スーパーヴァンダミングアクション!!

そもそも『モータルコンバット』という作品自体が、
1987年に公開されたヴァン・ダム氏の初主演映画『ブラッド・スポーツ』から強い影響を受けていたりする。
初代のジョニーの衣装とか構えとかそのまんまだしね
さらに制作当初はヴァン・ダム氏を主役とした実写取り込み式の格闘ゲームになる予定だったのだがスケジュールの都合で実現せず、
苦肉の策として名前と一部の設定を変えた結果誕生したのがジョニー・ケイジというキャラクターなのだ。
開脚しての股間パンチやヘリコプターキックなど、ヴァン・ダム氏の代名詞たるアクションをジョニーが使うのはその名残なんだとか。
え、別の実写取り込み格ゲーでは主役で出てた?そんなこと俺が知るか!

そして、2023年発売の『Mortal Kombat 1』のDLCとして、ジョニーの顔とをヴァン・ダム氏その人に変更できるスキンの実装が発表。
初代『モータルコンバット』から数えて30年余り、ついにヴァン・ダム氏のゲーム本編への登場が実現し、多くのファンを驚かせた。
……が、肝心のモデリングの出来がイマイチなせいで微妙に顔が似ておらず、ぶっちゃけ不評というオチが付いているが
衣装も『ブラッド・スポーツ』仕様というこだわりっぷり


MUGENにおけるジョニー・ケイジ

+ OMEGAPSYCHO氏製作『MK1』『MK2』仕様
  • OMEGAPSYCHO氏製作『MK1』『MK2』仕様
     
多数の『モーコン』キャラを製作したOMEGAPSYCHO氏によるジョニー。『MK1』『MK2』仕様のキャラが別々に公開されている。
同氏の他のキャラと同じくMUGEN1.0以降専用。
金的攻撃をはじめ、様々な攻撃も再現されている。
さらに、スタートボタンを入力する事でキャラのコマンド表も表示されるという親切設計。
もちろんフェイタリティも搭載されているため、動画使用の際は要注意。

+ Diegoni氏製作 手描きドット
  • Diegoni氏製作 手描きドット
手描きMK勢に定評のあるDiegoni氏によるジョニー。
高クオリティなドット絵だが、操作性はモーコンに準ずる。
勿論フェイタリティも搭載。

+ MelvanaInChains氏製作 BlackGlass
  • MelvanaInChains氏製作 BlackGlass
ALTER AMIBAの作者で知られる氏が、海賊版ゲーム『Mortal Kombat 6: 28 People』のスプライトを使用して製作したカオスなアレンジキャラ。
移動しながらのアッパーカットや金的のポーズを取りながらのスライディング、
挙句の果てには突然倒れ込み、首が取れてそのまま相手にぶつかっていく超必殺技といった奇っ怪な技を繰り出す。
あと、日本語を喋るが何故か非常にガラが悪い。


上記の他にも、Mauteck氏やjuano16氏など、多数の海外製作者によるジョニー達が確認されている。


"You got Caged!!"
ケイジ()にハマったか !!)

出場大会

その他

週刊「載ってねぇ」(Vol.24、Mauteck氏製およびDiegoni氏製)


*1
言うまでもなくスタンリー・キューブリック監督の映画『シャイニング』が元ネタで、
ジャック・ニコルソン氏が演じるジャック・トランスの有名なセリフと自分の名前を引っ掛けたパロディ。
元々ジョニーのセリフは相手をおちょくったりクスッと笑えるギャグ的なものが多かったが、
『11』では試合前のイントロで各キャラとの長めのやり取りが追加されたせいもあって、メタ発言やパロディが非常に多い。
やりたい放題なイントロ

加えて、本作ではプレイ中のナレーションボイスをジョニーに切り替えられるのだが、
各キャラを選択した時のボイスも、
  • フロスト→エルザ(『アナと雪の女王』から。冷気を操る能力繋がり)
  • シャオ・カーン→カァァァァン!(『スタートレック』の悪役カーンから。劇中でも同じように名前を叫ぶシーンがある)
  • ライデン→1.21ジゴワット(『バック・トゥ・ザ・フューチャー』から。映画では雷が重要な要素)
等々おフザけ全開。正にコミックリリーフの面目躍如と言った所か。
次回作の『MK1』においてもストーリーモードでいきなり某冒険家そのまんまな映画に出演するわ、開始前のイントロで某銀河の守護者のパロディをかますわ、
挙げ句の果てにはHYPEゲージを溜めるためのアピールで"I Can Do This All Day"とか言っちゃうわとやりたい放題に磨きがかかっている
少しは自重しろ

*2
ただし、彼のフェイタリテイの中には、アッパーカットで相手の首を吹き飛ばそうとするが顎のみ粉砕して失敗、
リテイクが掛かり19テイク目でやっとOKが貰える、そしてジョニーは首をこちら(カメラ)に投げつけ中指を立てるという物があり、
また、ジョニーの固有エンディングには新作の撮影オチというケースもいくつか見られるため、
一連のフェイタリティも単に映画の1シーンとして見られている可能性はある。
ちなみにこのフェイタリティは先述の『1』と『2』で隠しコマンドを入力した際に、
アッパーカットを三回繰り返すモーションがモチーフであり、れっきとした原作再現である。
1:49あたりから。だんだんイラつくジョニーさん


最終更新:2024年04月27日 12:00