鳴子一颯

うん、〝仕方ない〟よね。



【銘】 鳴子一颯(なるこ いっさ) 
【性】 男 
【齢】 十七 
【種】 半妖 
【職】 レイリスフィード学園高等部三年生 
【躯】 身長百六十八/体重五十七 
【人】
見た目こそ何だかチャラそうな印象があるが、実際は明るく礼儀正しい性格。どんな人とも仲良くなれる非常に高いコミュニケーション能力を持っており、交友関係も広い。
普段は、ごく普通の学生なのだが……その性格には、思考の"切り替え"が異常なまでに早いという奇妙な特徴がある。
"仕方ない"という口癖と同時、それまで信じていた全てを切り捨てて心を切り替える能力が、彼には備わっている。
悩むことも迷うことも一切無く切り替わる思考は、時折彼の中にいやに大人びた陰を覗かせる……。
とはいえ基本的には、学校では生徒会の手伝いなんかもやって、放課後はバイトで学費を稼ぎ、家に帰れば家事や勉強に勤しんで、たまには友達と遊びに行ったりなんかもする、健全すぎるぐらい健全な高校生である。要するにリア充



姿

【黒い地毛を染料で茶色に染め、ワックスを使って前髪を上げた髪型をした男子】
【派手っ気な外見は一見近寄りがたく感じるかもしれないが、彼の黒色の瞳には、人を威圧するような気配は一切感じられない】
【背丈も平均身長より少し低め程度で、顔つきもやや幼い。そして何より、その表情は明るく人懐っこそうなものだ】
【そんな彼を一言で表すなら、おそらく『少年』という言葉が一番的確であろうか】




◆妖気と能力

つむじ風と共に現れ、鎌のように鋭い爪で切り付けてくるとされる妖怪・「鎌鼬」の妖気を使った、「空気を回転させる」ことを主幹とする風操作能力。
ひとことで表せば『竜巻を作る能力』である。操作された空気には常に妖気の影響が付きまとい、強力な斬撃属性と妖気の色である銀色が付与される。
これによって操る風は銀色に可視化されて避けられやすくはなっているが、それを差し引いてもこの斬撃効果はかなり強力なもの。
生み出される"斬撃の竜巻"は近寄るものを微塵に引き裂き、全力で放てば建造物すら吹き飛ばす巨大竜巻も生成できる、威力・範囲共に申し分ない能力である。
また、発生させられる竜巻はかなりバリエーション豊富。
回転の要素一つとっても、通常の左右回転から上昇・下降する螺旋状回転、回転の速度や強弱、回転の角度(竜巻の伸びる方向)などを自由に設定できる他、
離れた場所の空気を中心に向かって吸い寄せながら回転する「吸い込む風」、中心付近の風を外側へ押し出すように回転する「吹き飛ばす風」なども発生させられる。

反面、明確な攻撃力を持つレベルまで回転速度を上げるのに時間が掛かってしまうため、「出が遅い」というのが大きな欠点として挙げられる。
既にある竜巻を移動させたり回転方法を編集する場合も同様に遅さが欠点となり、ゆっくりとした動作しかできない。
基本的に、作り出す竜巻が大きければ大きいほど、またその発動場所が一颯本人から離れれば離れるほど、竜巻の発生は遅くなってしまうようだ。
上記のような建物を破壊するレベルの竜巻となると数十分単位の時間が必要となるため、そのような使い方が通常戦闘において不可能なのは言うまでもない。
その他、竜巻という性質上、回転の中心にはいわゆる「台風の目」が必ず出来上がる。小さな竜巻であれば関係ないが、巨大なものになるとこれが安全地帯になってしまうことも。

なお、元となっている妖気を吸収してしまえるため、風の斬撃効果は自分自身には効果が無い。
しかし妖気によって操る風の方はその限りではなく、自分の起こした暴風で自分自身が吹っ飛ぶということもあり得る。
これを利用すれば空を飛ぶことも可能だが、人一人浮遊させるレベルの風となるとやはり発生速度は遅くなり、結果上昇と落下を交互に繰り返す形の飛行に。
数メートル吹っ飛んでは数メートル墜落し、また数メートル吹っ飛んでは……という空中をぴょんぴょん跳ね回る飛び方は、ぶっちゃけちょっと格好悪い。

◇体質・身体能力

一颯はただ半妖というだけでなく、一般的な半妖と比べてもかなり特殊な、人間状態と妖怪状態との境界が非常にはっきりとした体質を持っている。
平常時はうっすらとしか妖気を感知できず、その体はまったく人間と変わらない。この状態では退魔の力も一切効果が無いほどである。
だが一度妖気を使い始めると、感情の昂ぶりや妖気の使用量によって見た目を妖怪のそれへと変化させていく。当然、退魔の力も通るように。
……そして何より異様なのは、例えそれまでにどれだけ化物じみた姿に変貌を遂げていたとしても、
ただ妖気の使用をやめるだけで、力に呑まれることも何かの障害を残すことも一切無く、普通に人間へ戻ることができることである。

彼の中での人間と妖怪との関係は、いわば水と油のようなもの。掻き回せば一時は混ざるが、放っておくとまた乖離する。
人間と妖怪、日常と非日常をを一瞬で"切り替える"ことのできるその体質は、やはり彼の性格を由来とするものなのか……。

またこれのせいで、身体能力の方も平常時と戦闘時で大きな隔たりがある。
普段の状態ではちょっと運動神経のいい男子高校生レベルだが、妖気使用時は体の変化に伴って少しずつ身体能力も人間離れしていく。




◆短刀・華 / 短刀・雀

一颯の使用する二振りの匕首。まず外観は、前者は白鞘に無骨な刀身を備えたシンプルな小太刀。
後者は細やかな〝金の翼〟が描かれた美しい漆塗りの鞘に、艶めくような刃が特徴の一振りとなっている。
また、〝華〟の方は切れ味などよりも耐久性や硬さを重視して作られていて防御力が高い。
逆に〝雀〟はそこまで頑丈ではないものの〝切れ味〟に秀でていて攻撃性能が高い……と、見た目だけでなく性能も対極的な二振りとなっている。
以前は〝華〟しか持っていなかったためこれ一本で戦っていたが、最近〝雀〟を手に入れたことで二本を逆手で持った二刀流の構えを使うことが多いようだ。

◆名刀・正櫻

櫻の国でとある依頼を受けた際、報酬として受け取った刀。
斬っても斬っても切れ味が落ちない驚異的な頑強さに加えて〝破魔〟の力さえ宿した、名刀の中の名刀である。
使いこなせれば当然強力で、時と場合によって上記の二本と使い分けていくものの……まだ刀を使い始めて日が浅いため、短刀の扱いに比べると未熟な面も。
一颯はこれを扱うためだけに剣道部に入部し、幼馴染にも付き合ってもらって目下修行中である。




幸徳井佳乃の友人にして、彼女と同じ辰羽山の小さな村落「白座村」の出身。
この村の住民の血を引くものは、多かれ少なかれ"神気"を操る退魔の力を受け継いで生まれるのだが、一颯は突然変異的に何の力も持たず生まれ落ちる。
その為、妖怪からすると"食べてもまずい"村の人々の中で、彼は唯一"食べると美味しい"普通の人間であり、周囲と比べて格段に妖怪に狙われやすかった。
元々妖怪の集まりやすい土地柄に、その体質はとても危険なもの。危惧はやがて現実となり、彼は十一歳の冬、ついに妖怪「鎌鼬」に取り憑かれてしまう。
そんな彼を"処分"するか否かを巡って、村の中央でとても小さな論争が巻き起こって…………。
一颯は、傷心して大泣きする佳乃に付いていく形で、村を出て行くことを選んだのだった。

――――彼が時々、故郷である辰羽山や白座村のことをあまり好いていないような素振りを見せるのは、この辺りに原因があるのかもしれない。

山を下りた現在は、かつて村を捨てて都会に下りた祖母を頼り、佳乃共々居候中。祖母のツテもあってレイリスフィード学園という学校に通わせて貰っている。
その祖母も最初こそいい顔をしなかったが、人懐っこい笑顔でバリバリ働く彼の姿を見て心を開き、今ではそんな孫の事をたいそう可愛がっているようだ。
祖母に少しでも恩を返すべく、万年コミュ障の同居人を差し置いて家事手伝いから生活費の調達まで何でもこなし、健気に孝行しているらしい。
ちなみに学校では非常に友達が多く、かなり人望もある様子。そのお陰か、まだ一年生の身ながらも生徒会役員に就任している。

また、最近はとある人物との出会いの影響か、積極的に見識を広めるため、学校生活に程よく折り合いをつけて旅へ出かける事が多くなった模様。
水の国のみならず、異国の地で情報収集に勤しむ一颯の姿を見かけることがあるかもしれない。
……あとこちらはそれほど重要ではないが、最近剣道部に入部したようである。








今まで - 回もぼくの事が見られてるんだね。何だか照れくさいなぁ……。


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最終更新:2014年06月01日 19:12