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<div class="mes">『分裂p82:古泉思考』<br />
彼:キョンさんは分裂p82で中学時代の彼女のことを話してくれました。<br /><br />
・・・・・・・・・・<br /><br />
中3の春、俺はお袋に学習塾にたたき込まれた。その塾にたまたま同じクラスの佐々木がいて、どちらともかく話かけた<br />
「よう、お前もここに来ているか」だったっけ。確か<br />
―――ナンパ乙<br /><br />
中学の教室でもたまに話すようになった。<br />
―――たまに?『いつも』の間違いですね。形容詞は正しく使いましょう。<br /><br />
大して注意を払ってなかったが、佐々木の僕という堅苦しい男しゃべりは男向け限定で、女に対しては普通の女言葉であることに気付いた。<br />
―――ずっと佐々木さんを気にしていたのですね。はいはい<br /><br />
佐々木の男言葉は『自分を恋愛対象と見てくれるな』という意思表示だったのだろうか。どうでも良いことだったけど。<br />
―――自分だけを恋愛対象として見てもらいたかった、としか聞こえない件について<br /><br />
佐々木は、俺のキョンというあだ名のことについて面白がった。そして、俺の下の名前を推理した。<br />
「多分、こういう字を書くんだろ」<br />
浮かび上がった文字を見て、俺は感嘆した。寸分違わない俺の下の名前がそこにあった。<br />
―――佐々木さん頭が良いですね。しかし嫁自慢はつまらないですよ。というか、涼宮さんがいるのにまだ嫁のつもりなのですか?<br /><br />
「由来を聞いて良いかな?どことなく高貴で壮大なイメージの名前」<br />
俺は由来を語る<br />
「良い名前だね。僕は好きだよ」<br />
佐々木が言うと本当にこれが良い名前であるように思える。<br />
―――はいはい。谷口さんあたりに聞かせると、面白い反応が見れそうですね。まったく。<br /><br />
「でも、キョンのほうが僕は好きかな。響きが良い。僕もそう呼んで良いかな?<br />
それとも別のニックネームが良いかな?君はこのニックネームが気に入らないらしいし」<br />
―――おおこれは、特別に仲良くしたいというフラグ<br /><br />
佐々木が何故気に入らないか判ったかと言うと、名前とあだ名でコンマ2秒の反応の遅れがあるらしい。<br />
そんなことが判るのは驚きだったぜ。<br />
―――佐々木さんはよく見てらっしゃりますね。よほどキョンさんが好き…<br /><br />
学校から塾に行くには、一度俺の家に寄り自転車を引っ張り出して行くのが一番早い。<br />
どうせだから佐々木を自転車の荷台に乗せるのがいつもの習慣だった。<br />
―――どうせだから…<br />
かわいい女の子と二人きりで塾に行くなんて、男なら誰でもあこがれる夢ですよ。<br />
あなた憂鬱でそう言ってませんでしたか?それがあたり前かのように言わないで下さい。<br /><br />
塾でも同じ教室だが、馬鹿話をする余裕があるわけでなく、いつも生真面目に勉強した。<br />
―――もっと佐々木さんと馬鹿話したかったのですね。今もそうなんでしょう<br /><br />
おかげで俺の成績が下げ止まりの傾向を見せ、お袋も安心していた。<br />
これで「もっと勉強しないと佐々木さんと同じ大学いけないわよ」という口癖が直ってくれればますます良いのだが<br />
何故俺と佐々木が進路を同じくしなければいけないか理解しかねた。<br />
―――親公認ですか?しかし、そのお小言はもしかして現在のことですか?<br /><br />
帰りはバス停まで佐々木を送り、バス停で別れる俺達だった。<br />
―――夜中に女の子と二人きりですか…役目上もっと聞くべきですが、もうお腹いっぱい。<br />
(終わり)</div>