7:00………すやすやと眠る佐々木を眺めていたらいつの間にか二時間近く経っていたらしい。少し心苦しいが起こすか。「おい、佐々木。朝だぞ。」「んぅにゅ………大好きだからあと30ぷん…」意味が分からん上に延長時間がえらく長いな……しょうがない。長門他一名に聞きたいこともあるし佐々木を置いて学校に行くか。こんなこともあろうかと制服と鞄は持って来てあるのさ。
「よし。行って来るからな佐々木。」そう言って佐々木の頭を撫でて俺は佐々木邸を出た。施錠の為に鍵を借りたが、平気だよな?
《しゅくしょうしゃしゃき そのⅡ~キョンside~》
いつものように地獄な坂を登って学校へ向かう。途中谷口に声を掛けたがチャックが開いてたので返事を聞かずに追い抜いて教室に着いた。どうやら事の元凶、涼宮ハルヒはまだ来ていないらしい。めずらしいこともあるもんだ。まだHRまで少し時間があるな。長門じゃない方にでも話を聞きに行くか。
「僕も丁度お話があったところですよ。」こちらにほほ笑むのはニヤけハンサムエスパーゲ泉こと古泉一樹だ。正直こいつの冗談はキツすぎる。「なら俺の言いたい事は分かるな?」「ええ。そうでなくてもあなたの言いたい事ならなん「黙れ。」キモいぞ。「冗談ですよ。涼宮さんのことですね。僕も驚きましたよ。」俺にはお前が驚いているようには見えんが。むしろ楽しんでないか?「それで、今回の原因はなんだ。」「今回もあなたのせいです。」どうやらこの超能力者は全ての責任を俺に押しつけたいらしい。「またか……意味が分からん。説明しろ。」「まぁ今回は少しいつもと違いますからね。鈍いと切って捨てる訳にはいきませんか。思い出したくないかも知れませんが昨日は何がありましたか?」忘れられるか…昨日はハルヒがパソコンで見つけた最低な性格診断テストをみんなでやったんだ。
「ほらキョン!次はアンタの番よ!」へいへいやりますよやればいいんでしょう。問1『あなたは好きなものは先に食べる?』イエスだ。後に取っておくと妹に取られるからな。さて次は……「何ちんたらしてんのよ、ちゃっちゃとやりなさいよ!」これでも最高速度出しててさっきから頭の警告ブザーがなりっ放しなんだが。「豆腐運べとかコップの水を零さないようにやれって言ってる訳じゃないんだから早くしなさい!」何をそんなに急ぐ必要があるんだ……急がば回れというだろう…ん?問9『あなたは年下好み?』…………なんだこの質問は。「なに顔をしかめてんのよ。………年下好み……はっはーん、そういうことね。確かに選びにくいでしょうね。そうよねー妹ちゃんを溺愛してるもんねー。そういえば部誌の小説の娘も妹ちゃんの同級生だったわね。そっかー。」 ニヤニヤしてんじゃねぇよ何が言いたいんだ?「キョン!アンタ、ロリコンなんでしょ!」んなぁぁっ!!?「まぁ怖い!有希も気をつけなさい。有希みたいな小柄な可愛い娘もキョンに食べられちゃうかもしれないわよ!?」「ふざけんな俺はロリコンじゃない!年下に興味はねぇ!」「ムキになるところが怪しいわ…ねぇみんな?キョンはロリコンよー!!!!」でかい声で叫ぶなよ部室棟は音が響くんだぞ!朝比奈さんそんな目で見ないでくださいかなり凹みます……「とんだ変態さんだねキョン君っ!!」何故このタイミングで現れるんですかー!「あら鶴屋さんじゃない!ねぇ聞いてよ鶴屋さん!」「向こうの校舎まで響いてたさっ!まさかキョン君がねっ!お姉さんは悲しいよっ!」鶴屋さん満面の笑みですね冗談だって分かってるでしょう止めてくださいよこの人間拡声器を!「あなたの趣向は偏っている。矯正することを推奨する。」長門まで……なんか口元緩んでないか?「僕はあなたは年上好きだと思っていたんですが、どうやら認識を改める必要があるみたいですね。残念です。」髪を払いながら気障に言うのは気に食わないがそれだ古泉ィィィィ!!「おいハルヒ!お前は勘違いしている。」「何よ今更何言っても遅いわよ!悩んだのが証拠じゃない!」「確かに悩んださ!だがそれはお前の言い分とは正反対にもとれるだろう!」「何よハッキリ言いなさい!」
「俺 は 年 上 の お ね え さ ん 萌 え だ ! ! ! !」
あれ?なんでみんなそんな固まってるんだ?朝比奈さん大丈夫ですか顔色が悪いですよ?手を貸しましょうか?「い、いやぁぁぁぁ!!」「みくる逃げるっさ!!」
ハヤテのごとく去って行ったな………「気分が悪いわ…私も帰る…………」「お大事に涼宮さん。」おい古泉。笑顔で手を振ってないでフォローしろよ。「世間体的にはロリコンのほうがマズいでしょうが、あんなに真っ赤な顔、血走った目でハァハァ言いながらおねえさん萌えなんて言い切ってしまわれたら、そりゃだれだって引きますよ。」 では僕もバイトがあるので、と笑顔で古泉は去って行った。………長門、情報操作で何とかならんのか?「無理。あなたの趣向は偏っている。矯正することを強く推奨する。」今度はあからさまに不快な表情だな。お前もそんな顔ができるようになったか。素直に喜べないが……。「私も帰る。」冷たいなみんな…。
「わかりましたか?」さっぱりだ。昨日は散々だったが、佐々木が縮む理由にならん。……どうした?素頓狂な顔して。「え?いえ、佐々木さんが縮んだんですか……?」「なんだお前。何の話だと思ってたんだ?」「そうですか…まぁ佐々木さんは元々大人びていますし……。ならばあなたはまだ涼宮さんを見ていないんですね。」ハルヒか?まだ教室に来ていなかったが。「それはそうでしょうね。……おっと時間です。では昼休みにまた。」なんだ?意味の分からん奴だな。……ヤバい始業チャイムがなり始めた。「走ればギリギリ間に合うか?」と廊下を走り出すと、後ろから聞き覚えのある声で怒鳴られた。「コラー!廊下を走ってるんじゃないわよ!!」ヒィィゴメンナサイ!!
って今の声ハルヒだよな?「なんだハルヒ。来てたのか。」
振り向くとそこには見慣れた黄色いリボンと長い髪………長い髪?「呼び捨てにしてんじゃないわよ!ハルヒ先生でしょ!」俺を睨んで仁王立ちしていたのは普段見慣れた涼宮ハルヒではなく、大人の色気をスーツで包んだ長髪美人のおねえさんだった。
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