71-607『Baby rainy daily』

さて、本日は降水確率は2割。詰まりは20%雨が降る。物事に絶対というものはないし、対策はあるに越した事はない。
親友がやっていた某ロボットゲームのように、7%という数字が如何に大きいものか。
消費税率程度のパーセンテージですら、直撃の危険があるのだ。税率以上のパーセンテージならば、被弾の可能性はより高まる。
降水確率、20%。この確率が如何に大きいものか。準備しておくに越した事なし。
特に本日は塾であり、親友と二人で行く日だ。何事かあっても困る。
だからこそ傘は置いていかなくてはね。

「お前も傘忘れたのか。」
「20%という確率にごまかされてね。数字のマジックだよ。」

午後から雨が降った。2割の数字。やはり侮れない。
メジャーリーグにいる、アダム・ダンのヒットの可能性位だったが、打つと大きいのは変わらない。
こんな天気予報じゃ、キミを困らせるに決まっているよ。
「しゃあねぇ……コンビニまで走るか。ビニール傘買ってくるから、少し待ってろ佐々木。」
「それもいいが、学校から借りればいいさ。こうした事態に備えて、置き傘を回収しているはずだからね。」
少し待ってたまえ、と私は職員室に走る。
「すみません、傘を貸して貰えますか?」
「ああ、佐々木か。好きなの持っていけ。」
段ボールに入った置き傘達。この中でも一番小さいものを選び、先生方に頭を下げ、職員室を出る。そしてキョンの待つ昇降口へ。

「……また小さい傘だな、くそ……」
「無いよりマシさ。」
「背丈の関係上、俺が差さないと濡れるじゃねぇか。」
ブツブツ文句言いながらも、キョンは傘を差す。……雨に濡れるキョンの右肩。風邪をひいているか、下から覗いてやる。
雨の中のキミと僕。

「(濡れたくなければ、僕に密着すればいいじゃないか。)」

キョンの左半身に接近して意思表示はするけど……あえて言わないだけです。

……言えないだけです。

END


タイトルは『神聖かまってちゃん』より。

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最終更新:2013年09月04日 23:50
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