戦闘行為に関するルールの設定、改訂、裁定です。

先制判定とターン制の廃止

通常ルールにおける先制判定とターン制ルールを廃止し、戦闘に参加するキャラクターがそれぞれ先制値の順に行動します。
この時、キャラクターはターンごとに「先制値0の順番で行動する」ことができます。
冒険者とモンスターの行動順が入り乱れて戦う事になり、「相手側に全く手番を回さずに倒す」という事は極めて難しくなります。

先制値の算出

モンスターの先制値は、もともと設定されている値です。

冒険者の先制値は、以下のように算出します。
  • スカウト技能レベル+敏捷度ボーナス+7
  • セージ技能レベル+知力ボーナス+7
  • ライダー技能レベル+敏捷度ボーナス+7(騎乗時のみ)
  • ドライバー技能レベル+敏捷度ボーナス+7(騎乗時のみ)
  • 冒険者レベル+7
このうち、そのキャラクターの最も高い数値を先制値とします。

行動順が同じ値を持つ、複数のキャラクターの行動

行動順が同じ場合、行動を宣言した順に効果が現れます。
たとえば行動値12のプリーストが仲間にディバイン・ウェポンをかけ、行動値12のファイターが攻撃する場合、そのディバイン・ウェポンの効果は有効です。

同じ行動順のうちに気絶・睡眠など行動不能に陥った場合でも、その手番の行動は可能とします。
たとえば行動値12のファイターと行動値12のモンスターが戦い、ファイターの攻撃でモンスターが気絶した場合でも、
モンスターが「行動値12での行動」をすることは可能です。その結果、両者が相打ちとなる可能性もあります。

ファストアクションについて

戦闘特技《ファストアクション》が効果を発揮するのは、
戦闘に参加する全キャラクターのうち、最も行動順が早いキャラクターだけです。
同点一位のキャラクターが複数いる場合は、その全員が効果を発揮します。

最も先制値が高いキャラクターが後述の「待機」を宣言した場合、
《ファストアクション》の権利は次のキャラクターに譲られます。(次のキャラクターが《ファストアクション》を習得している必要がありますが)

戦闘特技《ファストアクション》が効果を発揮するのは、スカウト技能レベルを用いた先制値でなければなりません。
例えば、スカウト技能7レベル、敏捷度ボーナス+3で、セージ技能15レベル、知力ボーナス+5のキャラクターはファストアクションの効果を受けられません。
先制値はそのキャラクターで最も高い数値を用いるため、「ファストアクションの効果を受けるためにスカウト技能による先制値にする」という事はできません。

待機

手番が回ってきたキャラクターは、「待機」を宣言できます。
待機したキャラクターは、先制値0の行動順で行動できます。
待機した場合、戦闘特技《ファストアクション》は効果を発揮しません。


乱戦エリアについて

乱戦エリアの大きさ

乱戦エリアの大きさは、二人で戦っている最小のサイズでも「3m×3m」とします。
槍やハルバードなど、長柄の武器を用いて戦っている場合、2m×2mでは収まりきらないはずです。
また、これにより、乱戦に参加している人数が5人までは乱戦エリアの大きさが変化しない事になります。

乱戦エリアの発生

近接攻撃を仕掛けた時、乱戦エリアは自動的に発生します。同一座標に移動して宣言する必要はありません。
(そもそも乱戦エリア形成前に複数のキャラクターが同一座標に居ることは不可能です)
特殊な例外として、極めて長い柄の武器を装備しているなどの事情で、形成される乱戦エリアの外から近接攻撃が可能な場合は、乱戦エリアは発生しません。

他のキャラクターの移動を足止めしようとした時、自動的に発生します。(足止め関連の追加ルールは後述します)

すでに発生している乱戦への参加

乱戦エリアの中に移動して乱戦参加を宣言」とします。乱戦エリアの中心まで移動する必要はありません。

この時に「乱戦エリアの範囲内に居るが、近接攻撃を行わず、乱戦に参加しない」ことは可能です。
ただし、乱戦に参加している敵陣営のキャラクターが、「乱戦エリアの範囲内におり、乱戦エリアの中心点では無い場所におり、まだ乱戦に参加していないキャラクター」
に対して乱戦宣言を行い、近接攻撃を行う事は可能です。
従って、乱戦エリアの範囲内であるが乱戦に参加していないキャラクターは、それだけでは安全とは言えません。
味方の人数が多く、相手から乱戦に引きずり込まれないような状況であるなら、安全と言えます。

足止め関連

ファイター技能、ライトファイター技能、グラップラー技能、ライダー技能(騎乗時)、ドライバー技能(騎乗時)を習得していないキャラクターは、
他のキャラクターを足止めすることはできません。
ライダー技能、ドライバー技能で足止めができるのは、騎乗時だけです。

飛行状態のキャラクターは、飛行状態でないキャラクターから足止めされません。
乱戦エリアからの離脱の際に、離脱に1ラウンド使う必要もなく、回避力判定に-4のペナルティを受けません。

戦闘特技《影走り》を習得しているキャラクターは足止めされません。
乱戦エリアからの離脱の際に、離脱に1ラウンド使う必要もなく、回避力判定に-4のペナルティを受けません。

戦闘特技《ブロッキング》を習得しているキャラクターは、
戦闘特技《影走り》を習得しているキャラクターの移動と、射程/形状の「突破」を足止めすることができます。
また、戦闘特技《鷹の目》を習得しているキャラクターの射撃も妨害する遮蔽となります。
なお、飛行しているキャラクターの移動は足止めできません。

飛行状態のキャラクターは、「大きい」など大きさに起因する攻撃妨害能力を無視できます。
飛行状態のキャラクターは、飛行状態のキャラクターを足止めできます。

「大きい」など大きさに起因する攻撃妨害能力を持つキャラクターは、「大きい」など大きさに起因する攻撃妨害能力を無視できます。

乱戦離脱時のキャラクターの位置

乱戦から離脱したキャラクターは、乱戦エリアの外周の任意の位置から移動できます。
(ここで乱戦エリアの中心点から移動開始にしてしまうと、せっかく離脱したのに、そこから乱戦エリアの範囲外に向かって移動しようとしたとたんに乱戦宣言されてしまうため)

乱戦エリアの拡大・縮小・結合

拡大・結合処理が行われるのは、状況が変化した直後とします。「ラウンド開始処理」のタイミングではなく、ラウンド中にも刻々と変化します。
縮小処理のみ、ラウンド開始時に変化します。

広範囲に効果がある魔法など

「範囲の中に乱戦エリアの中心を含む必要がある」とされていた条件を、
「範囲の中に乱戦エリアの中心を含む」「魔法の範囲の中心が、乱戦エリアの内部である」のどちらかであればよいとします。
乱戦状態で無い対象には、戦闘特技《魔法制御》は適用されません。

広範囲に効果がある魔法などが乱戦エリアを完全に覆い尽くしている場合、戦闘特技《魔法制御》は適用されません。
たとえば、乱戦エリアの大きさが3m×3mであるとき、範囲が半径6mのブリザードを乱戦エリアの中心に向けて放った場合、
味方だけを除外し、敵だけを狙う事ができるはずがありません。
ただし、《魔法拡大・範囲》によって範囲を縮小する、爆発の中心地を乱戦エリアの中心点からずらす、などの手段で「乱戦エリアを完全に覆わない」ことは可能です。
(そのためにも、範囲魔法は「乱戦エリアの中心を含む必要はなく、一部を含む事ができればよい」とする必要があるのです)

形状「貫通」

範囲は「上下幅2m、左右幅2m、長さ「射程」までの空間」とします。

乱戦状態で無い対象には、1d6のランダム判定を使用せず範囲内の全員に効果があります。

乱戦エリアの外から中に向けて放った場合、範囲に乱戦エリアの中心が含まれていなくとも、乱戦中のキャラクターは1d6のランダム判定を行い、1~3が出たら対象になります。

乱戦エリアの中で、同じ乱戦エリアの中にいるキャラクターに向けて放った場合は、いずこかの方向に向けて効果範囲が発生します。
乱戦中のキャラクターは1d6のランダム判定を行い、1~3が出たら対象になります。
乱戦エリアの周囲にいるキャラクターは、偶然その範囲にいたかどうかを2d6を振って決め、結果が2か3であれば対象となります。
この時、明らかに別の位置にいる複数のキャラクターが対象になってしまった場合、さらに2d6を振り、結果が悪かったキャラクターが対象になります。


ダメージを半減する処理について

魔法のダメージを精神抵抗力判定によって半減させる場合など、ダメージを半減させる時は算出ダメージではなく合算ダメージを半減させます。
具体的に例を挙げると、このようになります。

内容 ダメージ 「ソード・ワールド2A」
ハウスルールの場合
『ソード・ワールド2.0』
オフィシャルルールの場合
ファイア・ボールを行使する。威力20でサイコロの出目が7だった。 5 精神抵抗力判定に成功された場合、
ここまでの値を半減する
精神抵抗力判定に成功された場合、
ここまでの値を半減する
魔力は10である。 10
武器「マナスタッフ」を装備しており、魔力が+1されている 1
魔法「ブレスII」をかけられており、知力が+6(知力ボーナス+1)されている 1
魔法「スペルエンハンス」をかけられており、魔力が+1されている 1
装飾品「マナリング」を装備しており、魔法ダメージが+1される 1 この値は半減しない
敵の弱点を見抜いており、「魔法ダメージ+2」である 2
抵抗された場合に与えるダメージ 21点の半分(端数切り上げ)で11点 18の半分(端数切り上げ)で9点 + 3点 = 12点
敵は「マナ耐性」の特技があり、魔法ダメージが-5される -5 与えるダメージが決まった後で計算する 与えるダメージが決まった後で計算する
敵は「インペリアル」を装備しており、魔法ダメージが-3される -3
敵は「アステリアの守り」を装備しており、炎属性ダメージが-3される -3
最終的な結果 11 - 11 = 0 12 - 11 = 1


1H武器の収納について

公式ルールではソードと1Hのガンだけが可能だった補助動作「鞘などへの収納」は、ソードと全ての1H武器で可能とします。
1Hと2Hの切り替えができる武器は、1H武器と同様に収納可能とします。


補助動作について

手番の順序

キャラクターの手番は「移動前に可能な補助動作 → 移動 → 補助動作 → 主動作」の順で行われます。
主動作が終わった後に補助動作はできません。
装備の変更は移動前にしかできません。

補助動作の制限

一度の手番の中で、行使できる補助動作の技能は1種類だけに限定します。
このため、一人のキャラクターが一度の手番で「エンハンサー技能の練技を使い、アルケミストの賦術を使い、ライダー技能で騎獣に攻撃させ、
マギテック技能でターゲットサイトを使い、ファイター技能で攻撃する」ということはできなくなります。
影響がある技能は、エンハンサー技能ライダー技能ドライバー技能(攻撃指令など)、
ガンナー技能(銃弾を込める魔法)、メカニック技能(ターゲットサイト)、ハイ・ソーサラー技能(ブリンク)があります。

補助動作と主動作で異なる技能を使用することはできます。
たとえば、補助動作でライダー技能で攻撃指令を行って騎獣に攻撃させ、主動作でファイター技能で攻撃する事は可能です。

技能を用いない補助動作(武器の持ち替え、宣言が必要な戦闘特技の宣言など)は、制限無く可能です。


「行動の宣言は手番に一度だけ、結果が決まるよりも前」の制限

何かの行動を行うと宣言する時は、行動の結果が分かってから行動を変える事は出来ません。
例はこのようなものがあります。
  • 仲間の回避力判定が失敗したと確定してから、《かばう》宣言をしてはいけません。《かばう》宣言ができるのは仲間が回避力判定を行うよりも前です。
  • 《ファストアクション》で主動作を二度行う時、二度の主動作の内容を両方宣言してから一度目の主動作を実行します。
    その結果、二度目の主動作が実行できなくなった場合、二度目の主動作を中止する事ができます。二度目の主動作として別の行動を取る事はできません。
  • 《双撃》で複数の対象に攻撃する時、二度の攻撃の対象を両方宣言してから一度目の攻撃を実行します。
    その結果、二度目の攻撃が実行できなくなった場合、二度目の攻撃を中止する事ができます。二度目の攻撃として別の対象を攻撃する事はできません。

「行動の結果を見てから次の行動を起こすかどうか決める事ができる」戦闘特技などは、
「全ての行動の内容を最初に宣言し、結果にかかわらず実行する。中止する事はできるが、別の行動に変更する事はできない」に変更します。
たとえば、1ラウンドに10回の行動が可能なキャラクターがいるとしたら、
そのキャラクターは10回ぶんの行動の内容を全て宣言してから、最初の行動を開始しなくてはなりません。
途中で行動が実行不可能になった場合、その行動を中止する事ができます。しかし、別の行動を新たに始める事はできません。


達成値を上昇させるアイテムの使用について

能力値上昇の指輪など、達成値を上昇させる消費アイテムの使用は、サイコロを振って達成値が確定する前にのみ可能とします。
達成値が確定して判定の成功・失敗が確認されてからアイテムを使用してはいけません。


アイテムの使用やブレス等、移動制限が明記されていない行動に関する移動制限について

補助動作で行うものは、全力移動・通常移動・制限移動のいずれも可能とします。
主動作で行うものは、通常移動・制限移動で可能とします。


ダメージを増減させる効果について

ダメージを増減させる効果の内容が「武器を強化する行為」である場合、対象が「1体」になっているものは「武器ひとつ」に変更します。
そのため、複数の武器を使っている場合は戦闘特技《魔法拡大・数》によってそれぞれにエンチャント・ウェポンをかけなければいけなくなり、
ブラント・ウェポンをかけられた武器をしまって別の武器を取り出すことで有利に戦う事ができます。

該当するものは以下のようなものです。
ハイ・ソーサラー技能:ブラント・ウェポン、エンチャント・ウェポン、ファイア・ウェポン、アイシクル・ウェポン、ソニック・ウェポン
プリースト技能:セイクリッド・ウェポン、ヴァイス・ウェポン
メカニック技能:エフェクト・ウェポン

グラップラーが装備する、右手用と左手用で2つセットで販売されている武器は、片手だけで「武器ひとつ」となります。
右手、左手、右足、左足の武器を全て強化する場合は、それぞれに強化効果を施さねばなりません。
牙や尻尾など、さらに多くの箇所を強化するには、さらに強化効果を多く施す必要があります。

また、ダメージを増減させる効果でも内容が「キャラクターを強化する行為」であるものは、対象は武器ではなくキャラクターになります。
「ブレス」による筋力+6などがこれにあたります。


投擲・ボウ・クロスボウの強化点

射撃制限

2Hの射撃武器は自分のいる乱戦エリア内のキャラクターには射撃できません。
普段2Hのガンやボウを装備しているキャラクターが、接近戦に持ち込まれた時の用心のために、1Hのガンやショートソードを用意しておくのは有効な手段と言えます。
(新しい戦闘特技《零距離射撃》によって、この制限を解除できます)

移動制限の緩和

投擲・ボウ・クロスボウによる射撃は、制限移動だけでなく通常移動でも可能とします。

近接攻撃技能による判定、戦闘特技による強化

投擲武器、ボウ、クロスボウはファイター技能やライトファイター技能で攻撃の判定が可能です。

近接武器としても使用可能な投擲武器は、近接武器としての武器習熟スキルで使用制限解除や追加ダメージも適用します。
たとえば、《武器習熟/ソード》によって投擲専門の短刀「ダーク」のダメージが上昇します。

射程距離の延長

ボウの射程距離は、武器に定められた射程距離に、キャラクターの筋力を加えた数値とします。
たとえば、射程距離30mの弓を筋力24のキャラクターが使う場合、射程距離は54mとなります。

投擲の射程距離は、武器に定められた射程距離に、キャラクターの筋力の半分(端数切り上げ)を加えた数値とします。
たとえば、射程距離10mのダガーを筋力24のキャラクターが投げる場合、射程距離は22mとなります。

クロスボウの追加ダメージ

クロスボウの追加ダメージは、武器ごとに設定された値ではなく、
射撃に用いる技能レベル+[武器のランクが B:3、A:4、S:5、SS:6]
とします。

射撃攻撃での戦闘特技の使用

戦闘特技《全力攻撃》およびその強化系は、投擲、ボウによる射撃攻撃の際に使用可能です。
戦闘特技《必殺攻撃》およびその強化系は、投擲、ボウ、クロスボウによる射撃攻撃の際に使用可能です。
戦闘特技《魔力撃》およびその強化系は、投擲、ボウ、クロスボウによる射撃攻撃の際に使用可能です。
戦闘特技《牽制攻撃》およびその強化系は、投擲、ボウ、クロスボウによる射撃攻撃の際に使用可能です。
戦闘特技《挑発攻撃》は、投擲、ボウ、クロスボウによる射撃攻撃の際に使用可能です。
戦闘特技《マルチアクション》は、投擲、ボウ、クロスボウによる射撃攻撃の際に使用可能です。

クロスボウでは全力攻撃できない事だけ注意すれば、あとは全部できるという事です。
後衛にいるキャラクターが、魔法と弓で同時に支援できるようになりました。


睡眠、気絶について

睡眠と気絶について、以下のように規定します。

睡眠

  • 睡眠状態のキャラクターは転倒します。
    • ゲーム進行上の特別な措置として「転倒した時の衝撃で目覚める」ことは無いとします。
      • ただし、飛行中のキャラクターが落下してHPにダメージを受けた場合は目を覚まします。
  • 睡眠状態のキャラクターは、乱戦エリアから自動的に除外されます。離脱には手番を必要とせず、回避力判定に-4のペナルティもかかりません。
  • 睡眠状態のキャラクターは、能動的な行動はできません。(移動、攻撃、魔法、練技など)
  • 睡眠状態のキャラクターは、自己に及ぶ影響に対してどのように対処すればいいのか合理的な判断ができません。
  • 睡眠状態のキャラクターは、回避力判定を行う事はできません。(6ゾロのみ回避成功という事もありません)
  • 睡眠状態のキャラクターは、生命抵抗力判定、精神抵抗力判定、生死判定は自動的に行います。
    • この時、精神抵抗力判定は、かけられる魔法がいかなる効果であっても行います。
      前述のとおり、睡眠状態のキャラクターは、自己に及ぶ影響に対してどのように対処すればいいのか合理的な判断ができません。
      • また、アウェイクンは「抵抗:必中」とし、睡眠中のキャラクターが精神抵抗力判定を試みても必ず効果が現れるようにします。
        アウェイクンは「抵抗:なし」なので「睡眠中のキャラクターをアウェイクンで起こす事はできない」という事になってしまうためです。
  • 睡眠状態のキャラクターは、HPやMPが減少すると確実に目を覚まします。
  • 睡眠状態のキャラクターは、近接攻撃が届く位置にいるキャラクターが、主動作で目を覚まさせる事ができます。判定を行う必要は無く、自動的に目を覚まします。
  • 睡眠状態のキャラクターは、自分の手番が来た時に、周囲で物音がしている場合(戦闘中なら確実に)危険感知判定を行い、成功すれば目を覚ます事ができます。判定の難易度はGMが定めます。
  • 睡眠状態のキャラクターを起こさずに攻撃したり魔法をかけたりする場合、攻撃するキャラクターの隠密判定(スカウト技能レベル+敏捷度ボーナス。ルールブック1-107ページ)と睡眠中のキャラクターの危険感知判定による達成値の比べ合いを行い、睡眠中のキャラクターが勝った場合は攻撃が行われる直前に目を覚ます事ができます。
    • GMはこの判定を行うとしてもよいですし、行わないとしてもよいです。夜中に睡眠中の敵を奇襲する場合には判定を行った方がいいでしょうし、
      戦闘中に判定を行ったら眠らせる行為がほぼ無意味になってしまうでしょう。
      また、「眠らせたら勝ち」という戦闘にしないために、戦闘中でも行うとしてもよいです。

気絶

  • 気絶状態のキャラクターは転倒します。
  • 気絶状態のキャラクターは、乱戦エリアから自動的に除外されます。離脱には手番を必要とせず、回避力判定に-4のペナルティもかかりません。
  • 気絶状態のキャラクターは、能動的な行動はできません。(移動、攻撃、魔法、練技など)
  • 気絶状態のキャラクターは、自己に及ぶ影響に対してどのように対処すればいいのか合理的な判断ができません。
  • 気絶状態のキャラクターは、回避力判定を行う事はできません。(6ゾロのみ回避成功という事もありません)
  • 気絶状態のキャラクターは、生命抵抗力判定、精神抵抗力判定、生死判定は自動的に行います。
    • この時、精神抵抗力判定は、かけられる魔法がいかなる効果であっても行います。
      前述のとおり、気絶状態のキャラクターは、自己に及ぶ影響に対してどのように対処すればいいのか合理的な判断ができません。
      • また、アウェイクンは「抵抗:必中」とし、気絶中のキャラクターが精神抵抗力判定を試みても必ず効果が現れるようにします。
        アウェイクンは「抵抗:なし」なので「気絶中のキャラクターをアウェイクンで起こす事はできない」という事になってしまうためです。
  • 気絶状態のキャラクターは、HPやMPが減少しても、気絶状態から回復しません。


自動成功、自動失敗

6ゾロによる自動成功、1ゾロによる自動失敗と経験点50点増加は、戦闘中にのみ発生します。
非戦闘中の行為における判定では、自動的成功・失敗は発生しません。
戦闘の直前・直後に起きる判定は、先制判定はルールの変更によって判定のためにサイコロを振る事が無くなり、
魔物知識判定は戦闘中であれば戦闘行為に含まれ、事前調査での魔物知識判定など非戦闘時には戦闘行為に含まれません。
戦利品獲得は、もともと6ゾロを振っても「自動成功」ではありません。

あらゆる判定において、技能を用いずに平目で判定したり、冒険者レベルで代用する方が基準値が高くなる場合でも、
技能を用いた場合の基準値で判定します。

武器に設定されている「自動命中した場合に発動する効果」は、命中判定で6ゾロを振った場合にのみ発動します。
次のような「自動命中」では効果を発揮しません。
  • 「チャンピオンのロインクロス」など、攻撃を必ず命中させる効果を使用した場合
  • 対象が回避判定で1ゾロを振った場合
  • 対象がなんらかの理由で回避力判定を行わなかった場合
  • 対象が構造物であるなど、回避力判定を行う事なく攻撃が命中する場合
これらの場合、自動命中した場合の特殊能力が発動するかどうかを決めるために命中力判定を行います。
その際に1ゾロが出た場合は自動失敗とするか、特殊能力が発動しなかっただけで攻撃は命中したか、GMはどちらとしてもよいです。


ダメージ算出時の自動失敗

ダメージ算出時において1ゾロを振った場合、「攻撃は命中したが、ダメージは0だった」と裁定します。
投げによる転倒、絡みなど、ダメージを与えていなくても発生する特殊効果は、有効です。
(相手の防護点が高すぎてHPを減らせなかった場合の処理と同じ、とします)

なお、特殊効果に「対象のHPを1点でも減らした場合に発動」などと注釈がある場合は、やはりHPを減らしていないので、特殊効果は発動しません。


戦闘時の消耗品数制限

1ラウンドの間に使用できるアイテム(ポーション、魔晶石など)は、1つまでとします。


戦闘特技《カウンター》

宣言と判定

戦闘特技《カウンター》の宣言は、近接攻撃の対象になった事が判明した時点、命中力判定の達成値を確認する前に行います。
ただし、モンスターの命中を固定値で行っている場合、達成値が確定した後に宣言を行ってよいです。

相手の命中力判定と、カウンター側の命中力判定による達成値の比べ合いを同時に行います。
カウンター側が能動側、攻撃側が受動側とします。達成値が同点の場合、攻撃側の攻撃が命中します。

騎芸【チャージ】【トランプル】などに対する《カウンター》

騎芸【チャージ】【トランプル】と形状「突破」の攻撃を行われた時、対象となったキャラクターがカテゴリ〈スピア〉の武器をあらかじめ装備していた場合、
戦闘特技《カウンター》を習得していなくてもカウンターの宣言ができます。
その際、攻撃側の【チャージ】などの突撃によって上昇したダメージは、カウンターを行う側も上昇します。
また、カウンターが成功すると、【トランプル】などによる突破の効果は失われ、対象に足止めされます。

備考
魔動バイクによるトランプルは移動距離150m。これを75mの距離から行い、また75mの距離まで離脱してラウンドを終えられると
パーティー内の最大射程距離が30mや50mのパーティーでは為す術も無くなってしまいます。
この詰み状態を解消するため、トランプルやその他の突破を防ぐルールを作成しました。

射程距離が長い銃に対してはそれ以上の遠距離から突撃できる騎士が攻撃し、騎士の突撃に対しては槍兵が待ち構え、
機動力の無い槍兵に対しては銃が射程距離で優位に立てるという仕組みです。


使い魔について

使い魔が主人とごく近い位置にいる時、使い魔は主人と同時に受ける同じ効果を受けません。
たとえば、敵からエネルギー・ボルトを《魔法拡大・数》で2倍に拡大し、主人と使い魔に向けて行使された場合、
使い魔に向けて行使されたエネルギー・ボルトはMPを無駄に消費するだけになります。

この「ごく近い位置」というのは、接触可能な位置、一度の制限移動で接触できる位置、などで構いません。
「接触」でないのは、戦闘中にネコが主人に必死にしがみつき続けなければならなくなる事態を避けるためです。
つまり、ネコは主人の足下にいるだけでよく、主人に接触するためにしがみついていなくても構いません。
鳥は主人のすぐ側を羽ばたいているだけでよく、主人に接触するために主人の肩の上などに着地し続けている必要はありません。


アンデッドとゴーレムへの命令について

公式のルールから大きく変更されます。
ウィザーズトゥーム等のルールとも異なります。
変更の骨子は「特に制限は設けない」「命令は1ラウンドに1体・距離30mまで・補助動作・アイテム不要」「ゴーレムは意外と頭がいい」です。

命令の手順

術者が、アンデッドやゴーレムに対して(以降、ゴーレムとだけ記述します)命令する際の条件を変更します。
  • ゴーレムに接触する必要はなく、命令が届く距離は30m(操霊魔法【コマンド】と同じ距離)とします。
  • 命令変更指示は補助動作で、1ラウンドに1回だけ行うことができるとします。主動作ではありません。
    複数のゴーレムを同時に使役している場合、「各ゴーレムに1回ずつ命令」ではなく、「使役している全てのゴーレムのうち、術者が選択した1体に対して1つ命令」です。
  • 呼応石(ルールブック3-159ページ)の消費や、支配の杖(アルケミスト・ワークス98ページ)を装備する必要はありません。
    これらのアイテムは、ゲーム中に登場しません。
  • 術者が作成したゴーレムに命令するためには、操霊魔法【コマンド】(ルールブック2-96)を使用する必要はありません。
    この魔法は「他者が作成したゴーレムの支配権を奪う魔法」という意味合いになります。

知能

ゴーレムの知能は「命令を聞く」です。(アンデッドは「低い」の場合があります)
知能「低い」は、ルールブック1-335ページに「自立的な判断は行いますが、あまり応用は利きません」とありますが、これを以下のように明確化します。
  • 特に命令が無くとも、自己防衛のために行動します。つまり、回避力判定、精神抵抗力判定、生命抵抗力判定は常に行います。
    • 「Aを攻撃せよ」と指示された時に、Bからの攻撃に対して「指示の内容に含まれていないので回避しない」という事はありません。
  • 特に命令が無くとも、命令の遂行を妨げるものを排除します。
    • 「Aを攻撃せよ」と指示された時に、BがAに《かばう》を行った場合、「命令の遂行が不可能になったので機能停止」という事はありません。
      Aへの攻撃を妨げるBを攻撃します。
  • キャラクターを個別に認識するだけの判断能力を有します。
  • 判断能力は「動物並み」に準じます。「プログラミングされていない事は一切行わない」ではありません。

具体的な命令内容

ゴーレムは以下のような命令を遂行することができます。
ゴーレムの判断能力は前述の「知能」に基づき、GMが判断します。パーティーに加わっているNPCという扱いです。
また、GMは「ゴーレムの行動決定は術者のPLが行う」としても構いません。GMの手間は極めて少なくなり、ゴーレムの行動は非常に柔軟性に富んだものになるでしょう。
  • 対象を防御する
    • 対象は、場所、物体、キャラクターなどを指定します。(例:城門を防御、宝玉を防御、術者を防御、術者が護衛対象とした人物を防御、など)
    • 防御するための「所定の位置」を指定します。(例:城門前5mの位置で待機、術者の30m前方の位置に就いて術者が移動したら同じ間隔を保って移動する、など)
    • 防御対象からどれだけ離れても良いかを指定します。(例:城門から100m離れた場所までは迎撃に向かってもよいが、それ以上離れたら所定位置まで戻る)
    • 防御対象に対して攻撃的な者が現れたら、自動的に防御・攻撃を行います。
      攻撃の意志を感じ取って判断するため、「無関係な人が近づいたらいきなり攻撃する」とか、「実際に攻撃されるまでは無防備に立っているだけ」という事はありません。
  • 対象を攻撃する
    • 対象は、場所、物体、キャラクターなどを指定します。(例:城門を攻撃、宝玉を攻撃、ゴブリンAを攻撃、ゴブリンたちを攻撃、など)
      • 対象を個別に指定した場合、前述のとおり、ゴーレムはキャラクターを個別に認識するだけの知能を有するため、的確に対象を狙います。
        対象との間に別のキャラクターが割り込んできたり、《かばう》が行われた場合、命令遂行の障害となるものを先に排除した方が効率的か、
        あくまで対象に向かう方が効率的かを自立判断して行動します。「《かばう》が行われたら命令遂行不可能になるので行動停止」ではありません。
        対象を撃破してから次の命令が来ない場合、ゴーレムは次の指示を待って待機状態になります。
        たとえば「ゴブリンAを攻撃せよ」という命令が行われ、ゴブリンAを倒した時、自動的にゴブリンBに対して攻撃は行いません。
        そのため、術者の手番になったら「ゴブリンBを攻撃せよ」という命令を新たに下す必要があります。
        (命令は距離30m以内、補助動作で、呼応石などのアイテムは必要ありません)
        こういう性質があるので、集団戦闘の場合は「ゴブリンたちを攻撃せよ」「蛮族たちを攻撃せよ」「あの者たちを攻撃せよ」など、対象を大まかに指定する方が効率的に戦ってくれるでしょう。
      • 対象をおおまかに指定した場合、ゴーレムはどの対象を選択してどのように対象を攻撃するか、自立的に判断します。
  • 移動する
    • 術者を守護しながら移動する場合、「対象を防御する」と同じことになります。
    • 移動先を指定し、移動先までゴーレムに移動させることができます。移動先は術者が具体的に知っている場所でなければなりません。道中の障害はゴーレムが自動的に排除しようとします。

戦闘中の行動順

アンデッドとゴーレムが戦闘中に行動する順番は、それぞれに定められた先制値の順です。
術者よりも手番が先に回ってきた場合は、それまでに受けていた命令を実行しようとし、不可能ならば「待機」を選んで「先制値0」の行動順まで遅らせます。
それでも術者から指示が来なかった場合は、それまでに受けていた命令を実行しようとし、不可能ならば手番を放棄します。
(たとえば、敵を全て倒してしまって攻撃するべき対象がおらず、術者も倒れてしまっていて命令を出せる者がいなくなってしまった場合など)


剣のかけらの効果

剣のかけらによってモンスターを強化する際に、「HP+5、MP+1」だけでなく、
「打撃ダメージ+3」「命中+1」「生命抵抗力+1、精神抵抗力+1」
「魔法適性(魔法拡大/**、魔法誘導、魔法制御、ワードブレイク、ワードブレイクII)の追加」*1も可能とします。
これは、ひとつの剣のかけらによって全てが同時に行われるものではなく、それぞれの能力を個別に強化することが可能であり、
また、それは平均的に行わなくても構いません。

これにより、防護点に特化したキャラクターに対しては打撃ダメージのみを上昇させたり、
回避力に特化させたキャラクターに対しては命中力のみを上昇させたモンスターを出し、
「モンスターが冒険者を倒せない」「そんな冒険者を倒せるようなモンスターを出したら、今度は冒険者が耐えられない」
という戦闘を行わなくて済むようになります。


最終更新:2015年05月06日 03:02

*1 PCが戦闘特技を習得する時に必要な戦闘特技の数やレベルの制限は関係なく追加可能。ワードブレイクIIは戦闘特技のページを参照。