ゆっくりいじめ系1731 一緒

迷い竹林の中、えーりん実験室の地下には特殊実験棟というものがあった。
そこにはゆっくりたちが集められていた。

「みんなと一緒になれるお部屋甲」と冷たい文字で書かれた部屋に、八意永琳と鈴仙・優曇華院・イナバは入っていく。

ここはゆっくりたちの中身を改造する施設、
ゆっくりたちは地上の実験室で協調性、友愛に富む者、ないしは欠ける者がここに連れて来られる。

「ちかのへやではみんなといっしょになかよくできる」
「ちかのへやではじぶんひとりでかってにやれる」

ゆっくりたちの宿舎でそんな噂を少し流してやると、
噂には尾が付き鰭が付き、ゆっくりたちにとって地下の部屋に連れて行かれる事は最大の幸福となっていた。


「やっぱりね」
真っ二つに裂けてしまったゆっくりありすを永琳は摘み上げる。
ゆっくりありすの中身はカスタードクリームのはずだが、何故か裂けた一方には餡子が詰まっていた。
「師匠、ここは・・・何の実験なのですか?」
鈴仙は周りを見渡し困惑する。二、三匹はまともなゆっくりがいるが、
他はどれも挙動がおかしく、発している言葉も安定しない。

「二匹のゆっくりの中身を一回り大きなゆっくりに入れ替えたのよ。思考や行動が混ざらないようにビニールの膜で仕切って」」
真っ二つに裂けてしまったゆっくりありすの中からカスタードと餡子のべったりついた薄いビニールの膜を取り出す。
「外科的な処置だけれど、何とかなるものね。もっとも、最初の頃は少し失敗もしたわ」
「じゃあ、一緒になれるって」
「そうよ。物理的に一緒になるのよ。この子達は結局、一緒になれずに別々の動きをしたせいで二つに裂けてしまったけれど」
永琳は摘んでいたゆっくりありすの半分をもう半分の上に落とす。
「こうやって中身が混ぜ合わさってしまえば一つの体に二つの精神を有する事は不可能なの。けど」
資料に結果を書き込みながら淡々と続ける。
「こうやって中身が混ざれば精神は統合されるわ。こんな裂けるなんて事はないはずよ」

そう言われれば挙動のおかしいゆっくりは全て同じような事を言っている。
「ゆぅー、こっちだよ。こっちのおかしがおいしいよ!!」「ちがうよ。あっちのおかしがおいしいんだよ!!」
何故かその場でもぞもぞしているゆっくりまりさ、何か喋ったと思うとすぐにそれを否定することを喋る。
「お菓子の好みが違う二匹を一緒にしてみたの。あの子達はもう四日、食事をしていないから体が裂けるほどの力が残っていないのよ」
資料には『変化なし、観察を継続』と書き込まれる。

逆に挙動に違和感がないのはどうなのだろう。
永琳から離れ、鈴仙は一人で部屋の中のゆっくりを見て回る。
その中で仲の良さそうなゆっくりれいむとゆっくりまりさを見つける。
「こんにちは、ゆっくりさせてね」
鈴仙はそう声をかける。二匹はニッコリ笑い元気よく、
「ゆっくりしていってね!!」と返してくれるがすぐに、その言葉は否定される。
「にんげんはゆっくりできないよ。はやくにげてね」「はやくにげてね。おかーさんのいうことがきけないの?」
渋々といった感じの表情を浮かべ、二匹は鈴仙から遠ざかる。
それを見かけた永琳は説明にやってくる。
「あれは子どもとその親の餡子を入れてあるゆっくりよ。親は妥協して子どもの行動を制限しない」
資料に何か書き込みながら永琳はそのゆっくり達の方を一切見ずに解説する。
「けど、危険なものが近づくと警戒して親が体のコントロールを奪おうとするの」
二匹のゆっくりは鈴仙の方を見ながらも、部屋のすみで震えている。
「親がれいむとまりさ、子もれいむとまりさで。ボディも空きがあったからちょうど良かったのよ」

「ままぁ、あのおねーさんはだいじょうぶだよ」「だめだよ。にんげんはみんなゆっくりできないんだよ」
「そうだよ。にんげんにつかまったらころされちゃうんだよ」「でも、ゆっくりしてそうだよ」
そのやり取りを聞いて、永琳はクスッと笑う。
「余りが出たから、それを別の実験で使った所を見られてしまって。あんなに人間に対して恐れを持つようになったのよ」
それから二匹の方を向き、ちょうどいいわ。と笑う。

「ゆーっ、ままはいっつもダメしかいわないよ。れいむゆっくりできないよ」
「そうだよ。まりさだってほかのことあそびたいよ」
反発する子らに対し、親たちは嗜める。
「おかーさんたちはれいむのことをおもっていっているんだよ。ゆっくりりかいしてね」
「まりさはまだこどもなんだからおかーさんたちのいうことをきいてね」

バランスを崩した関係は修復が困難である。
「まりさはじゆうだよ。バカなおかーさんたちのいうことなんてきかないよ」
「まりさ!おかーさんたちにあやまりなさい!!」
そう言って、母れいむの意志でゆっくりれいむは子まりさに向けて体当たりをする。
ゆっくりまりさはコロコロと転がる。
「れいむ、おちついてね。こどもにらんぼうはいけないよ!」
「ゆっくりできないおかーさんなんてさっさとしんでね!」
ゆっくりまりさはゆっくりれいむに体当たりを仕返す。
「ゆーっ、おねえちゃんやめていたいよ!!」
「まりさ、れいむがいたがってるよ。おちついてね。れいむもあやまってね」
「ゆ?なんで、れいむがあやまらなきゃいけないの?」
「そっちのれいむじゃないよ。おかーさんのほうだよ。れいむ、あやまってね」

「気に病む事はないわ。元々、人為的に関係性を崩す予定だったもの」
永琳はそう鈴仙の頭を撫でて退室を促す。鈴仙は少し落ち込んだ様子で部屋を出て行く。

「さて、こっちはどうかしら」
永琳は再び二匹のゆっくりに視線を戻す。


「れいむ、どうしてあやまらないの!!」
「まりさはこどもたちにあますぎだよ!!」
「おねーちゃん、あやまってよ!!」
「まりさはもうひとりでいきていくよ!!」
こうなってしまえば自制などできるわけがない。
二匹はしばらくの間酷く罵りあい、ついには殺し合いを始める。
子の方が入っている餡子が少ないせいか、行動の主導権は親が簡単に奪えてしまう。


「こちら側は向こうと違って騒がしいわね」
永琳はその部屋を後にし、別の部屋に行く。











迷い竹林の中、えーりん実験室の地下には特殊実験棟というものがあった。
そこにはゆっくりたちが集められていた。

「みんなと一緒になれるお部屋乙」と冷たい文字で書かれた部屋に、八意永琳と因幡てゐは入っていく。

ここはゆっくりたちの中身を改造する施設、
ゆっくりたちは地上の実験室で協調性、友愛に富む者、ないしは欠ける者がここに連れて来られる。

「ちかのへやではみんなといっしょになかよくできる」
「ちかのへやではじぶんひとりでかってにやれる」

ゆっくりたちの宿舎でそんな噂を少し流してやると、
噂には尾が付き鰭が付き、ゆっくりたちにとって地下の部屋に連れて行かれる事は最大の幸福となっていた。


「おねーさん、たすけて。おめめがみえないよ」
すぐさま、ゆっくりありすが助けを求めに来る。
「うわ、何これ・・・病気ですか?」
てゐは駆けてきたゆっくりありすを見て、そう言う。
右の目の周りがぼっこり膨らみ、その膨らみは今にも皮を破りそうで黒ずんでいる。
「病気じゃないわ。むしろ元気な証拠よ」

永琳はメスを取り出すと、刃を膨らみの部分に当て、そっと傷を付けてやる。
すると、その傷口から餡子がドロドロと流れ出て来る。膨らみはウネウネと動き、
傷口へ傷口へと餡子を押し入れるものだから、傷口はどんどんと開いていく。
「ゆぎぃ!!いたい、おねーさん、ありすになんいしたのいたいよ。ゆっくりせずになおしてね!!」
そんなありすの言葉など二人に聞き入れられるわけもなく。膨らみの中にあった餡子が全てで尽くし、
さらにありすのカスタードクリームが少し流れ出るまでその傷は放置された。

「ありすの中にその子どものゆっくりまりさの餡子を注入したのよ。本来なら吸収されるはずなんだけど」
永琳は資料に結果を書き込みながら説明する。
「親の愛ね。異物として吐き出そうとしたんだと思うわ。でも、子はさっきの膨らみを自分の体と勘違いしてたみたいね。だから右目が見えなかったのよ」
止血されたありすは噴き出た餡子をじっと見つめている。
「これは特殊な例よ。そうね。ちょうど良い頃合の子がいるからそれを見ましょう」


永琳が指差したのは何でもない普通のゆっくりまりさだった。
「あなた、名前はなんて言うの?」
「ゆ、ありすだよ。ゆっくりしていってね」
永琳の言葉にゆっくりまりさは元気よく答える。
しかし、すぐさまゆっくりまりさの口からそれを否定する言葉が出てくる。
「・・・まりさ」
ゆっくりまりさの姿をしているが、ゆっくりありすだと自称する。
その後、弱々しい声ではあるが自分はまりさだと名乗る。

「えーっと、これも同じようにゆっくりありすの中身を入れてあるんですか?」
「そうよ。割合はありす7、まりさ3よ。しかも、この子たちは親子でも何でもないから、ありすはまりさを消化していっているのよ」

「なにいってるの。ありすはありすだよ。ゆっくりりかいしてね!!」「まりさ、まりさ」
ゆっくりまりさの中のゆっくりまりさの意思は消えないように必死に自分のことを主張している。
「あら、まりさって聞こえたわ。あなた本当はまりさじゃないの?」
「ちがうよ。ありすだよ、バカなおねえさん、いなかものなんだね」「そう・・・だよ。まりさ!」
渾身の力を篭めてまりさの意思は自分の名前を大きく叫ぶ。

「ゆ?!」
「やっぱり、まりさなのね」
「ちがう、ちがうよ!ありすだよ」「まりさだよ・・・まりさだよ!!」
ありすの意思に負荷をかけてやり、まりさの意思を認識してあげる事で中身のパワーバランスが崩れ始める。
いくらありすのカスタードの方が量が多くても、まりさが消化し餡子にしていけばまりさが主体となる事ができる。
「あなた本当にありす、ほら鏡を見て御覧なさい。やっぱりまりさじゃない」
「ち、ちがうよ。ありすはとかいはのありすは!」「まりさだよ。まりさはまりさだよ。ゆっくりしていってね!!」
ありすはゆっくりできなくなり、まりさはゆっくりできるようになる。
こうなれば勝敗は決したも同然だ。
「ありすが、ありすがきえちゃうよ。おねーさんたすけちぇ、ありすがきえちゃうよ」
「まりさだよ。ありすなんかじゃないよ。まりさはまりさだよ!!」
「ありす・・・きえたく、ないよ。もっと・・・ゆ」
「まりさだよ!!」


「こんな事ができるんだー」
てゐは感心しながらゆっくりまりさをしげしげと見ている。
「別の部屋では中身同士を膜で触れさせない様にして意識を混在させる実験もやってるわよ」
「そっちも見たい!」
「じゃあ、明日ね」


最後に永琳はゆっくりまりさに声をかける。
「あなた、本当にゆっくりまりさ?」
「そうだよ。まりさだよ」
と、ゆっくりまりさは元気よく答えたが、幽かに「ありす」と言う言葉が二人には聞こえた。


あとがき
あ、ほぼ復活だと思います。自分が思っているペースでエロゲが攻略できていない。
フェイブル2の発売が間近などちょっと不安も残るけど、たぶん復活です。

中身を弄る系の作品を書いてみたかったので、ちょっとやってみました。
by118

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最終更新:2008年12月14日 02:00
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