ゆっくりいじめ系2524 ゆっくりに騙されるな!

ゆっくり共のゲスっぷりにはいい加減目に余る物がある。

かつてのゆっくりは人里に姿を現す事は滅多に無く、
木こりや猟師が山の中で仕事をしている時に稀に見る、人との関わりはそのぐらいだった。

しかし現状はこうだ。
総じてゲスなゆっくり共は人に取り入る事を覚え、
今や村の大抵の人間がゆっくりとの交流を持っている。
中には家の中で飼ってる者までいるときたモンだ。


特に子供達や女性には人気だ。
隣に住む女性も「ち×ぽ、×んぽ」と喧しいゆっくりを飼っているし
友人の妹もゆっくりを飼ってみたい等と言っている。

何より困った事に、
叔父さんはあろう事か野生のゆっくりを客引きとして雇い、叔父の店先では
「ゆっくり見ていってね!」
「ゆっくり買っていってね!」
そうクソ喧しく騒いでいるのを毎日の様に見る事が出来る。
報酬として野菜を貰っているのだ、忌々しい。


奴等は自然の中にいるよりも人間に取り入った方が断然ゆっくり出来ると判断し、
まずは自分達の姿がウケるであろう女子供に媚を売った。
そして次に俺の叔父の様なお人好しな店の主に自分を雇う様に売り込んだ。
自分達が人間の役に立つ事をアピール出来れば
村での自分達が受ける扱いも、より良いモノになると考えたんだろうよ。
餡子脳からクソみたいにヒリ出した考えにしちゃ上手く行ってるようだな。
だがな、

『自分は八百屋さんを手伝う良いゆっくりだよ!
 だからあまあま頂戴ね!くれないジジイは死んでね!』

俺には奴等のその目を見ただけで
奴等が心でそう言ってるのが分かるんだよ。ハッキリとな。


奴等が人の側にいるのは、全ては自分がゆっくりする為。
そこに人との信頼関係はない。
あったとしても人からのみ、といった一方通行なものだ。


村の奴等はどいつもこいつも皆、騙されている。
実に嘆かわしい事だ。







    ゆっくりに騙されるな!

             古緑







「いつもありがとうな、れいむ、まりさ
 コレ、いつものお駄賃代わりだ
 コレはかなり甘いぞ!」


「ゆゆー!まっかっかだね!まりさ!」

「すっごくゆっくりできそうなトマトさんだよ!」


八百屋を営む男の中でゆっくりまりさとゆっくりれいむが
目を輝かせながら男の手の上のトマトを見つめている。
その目には少しばかりの疲れこそ見えるものの
自分の仕事を成し遂げた末の報酬を前に二匹はとても充実していた。


「本当に助かるわ
 お前等が来てくれた御陰で売り上げも上がってよ
 これからもヨロシクな!」


「ありがとうおじさん!ゆっくりしていってね!」

「あしたもよろしくね!」


そう言って挨拶代わりに揃って跳ねる二匹のゆっくり。
それを見て嬉しそうに目を細める男。

あの日偶然出会ったあのふたりに、店の手伝いを冗談まじりに持ちかけて本当に良かった。
あのふたりが店の前に立ってお客さんを呼んでくれる御陰で
若いお客さんまで見ていってくれるし、店に活気が出てきた。
そういえばあのふたりと知り合ってから明日で早くも一ヶ月目だ。
お祝いと感謝の気持ちを込めて明日はもっと沢山の野菜を上げてようかな?

そんな事を考えながらポンポン跳ねて巣に帰っていく二匹を見送る
この健康的な中年男性、働き盛りな八百屋店長である。






「叔父さん…
 騙されてるアンタをこのまま放っておく事なんて
 俺には出来ないよ…」


そして樹の陰からその一連の顛末を見守るこの少年、
八百屋店長とは親戚関係にある。


「ゆ…許さん…
 許さんぞゲスゆども…じわじわと嬲り殺しにし」


「おーい!?そこにいるの○○か?
 何やってんだ?お前そんなコソコソして」


「あいや、ちょっとクワガタムシがその」




フフあぶねえあぶねえ、無駄に怪しまれる事もねーな
正義は知らないトコでやるもんだぜ
伯父さんよ、奴等の本性を俺が見定めてやるよ













有る森の中、樹の根元に作られた巣に
二匹のゆっくりがポコポコ跳ねて入っていった。
いつもよりもずっと深く被った黒い帽子はパンパンに膨らみ、
重くて跳ねるのも大変そうだ。


「ゆっくりはたらいたけっかがこれだよ!」

「すごいねまりさ!これだけごはんがあればずーっとゆっくりできるよ!」


ゆっくりれいむ達の巣の奥には沢山の野菜が置かれていた。
あのおじさんのお仕事の誘いを受けてから一ヶ月。
おじさんはこの二匹のゆっくりに日頃の感謝を込めて
いつもよりも沢山野菜をくれたのだ。


これだけの食料があれば暫くの間は食べ物に困らないし
もしもこの二匹の間に子供が出来ても大きくなるまで養ってあげられる。

そう思っての事かどうかは分からないが、
次第に幸せな気分でゆっくりしていた二匹はお互いを見つめ合い…


「だれもいないよ!いまのうちにすっきりしようね!」


頬を寄せ合った。
約束されたゆっくりという未来。
これからこの二匹は誰からも羨まれる、ゆっくりした家庭を築く事だろう。
だが、二人の頬が触れ合って直ぐに


「お邪魔するよ」


「「ゆわぁああぁああ!!!」」


あの少年は巣の前に姿を現した。

















「おにーさん!おじゃまむしはきらわれるよ!」

「ひとのおうちにおじゃまするときは
 ひとことこえをかけるものだよ!ゆっくりりかいしてね!」


そう言って膨れるこのゆっくり達。
万が一、万が一このゆっくり達が善良だったらの事を考えて
この二匹のテストに来たこの俺は
今起こった一瞬のやりとりだけでコイツ等の性根をある程度把握する事が出来る。


ファーストコンタクトの結果
俺の見立てでは、この二匹もやはりゲスの可能性、大だ。




理由は三つ。
まず俺を見た瞬間、『ゆっくりしていってね!』と挨拶しなかった。
誰かをゆっくりさせるのがコイツ等の喜びの筈なのにコイツ等はそうしなかった。
コレは誰かにゆっくりして貰う事を放棄し、
自分がゆっくりする事しか頭に無い典型的なゲスの姿。

そして第二にコイツ等は俺の事をお兄さんと呼んだ。
コイツ等が初めて人間と接触した時の人に対する呼称は
『人間さん』『おじさん』『じじい』『お姉さん』他多数。
その中でも最もゲスが好んで使う呼称は『お兄さん』だ。
理由は簡単、たとえ対象がおっさんでも『お兄さん』と呼んでおけば
人間の機嫌を損なう事無く、自分に不利の無い様に対話を始める事が出来る。
打算のみで人間と接する、まさにゲスなゆっくりのテンプレだ。

第三にゆっくりれいむの方が『ゆっくり理解してね』そう俺に向かって言った。
コレは『お兄さん』と番に呼ばせる事で俺の機嫌を取りながら
『ゆっくり理解してね』と言って俺に何かを教えるマネをし、
自分の方が相手よりも知能の高い存在である事を強調して
さり気なく会話のイニシアチブを取ろうとする。

どうやら叔父さんは信じられない程に成熟したゲス個体に
目をつけられてしまったと言うわけだ。
早めに気付いて良かった。

いや、まだ早い…そう決めつけるのはまだ早いかもな
何しろ叔父さんのお気に入りだ
間違いが有っては大変だからな



「もうゆうがたなのにあそびにくるなんて
 おにいさんもゆっくりしてるんだね!」


「……………」


「…ゆぅ、おにいさん、どうしてそんなこわいかおしてるの?
 ゆっくりしようよ?」


「……………」


ますますコイツ等がゲスだという仮定が事実に変わりつつある。
理由は簡単だ。

まずゆっくりれいむ、コイツは人間である俺に向かって
『ゆっくりしてるね』等とのほざきやがった。
同族間での会話では知らないが
人間に対してそんな言葉を言う事は侮辱にしかならない。
このゆっくりれいむは知らないフリして俺を侮辱しているのだ。
このノロマ、とな。


そして次にゆっくりまりさ。
コイツは『ゆっくりしようよ』と黙ってるだけの俺に向かって言った。
ゆっくり黙ってこの二匹をゆっくり観察していただけの俺に向かってだ。
コイツ等ゆっくりの中では
『ゆっくり出来てない者』=『カス野郎』という認識は常識レベルとしてある。
つまりゆっくりまりさはこの俺、
人間がゆっくりの常識に疎いと思って遠慮なく馬鹿にしているのだ。
『ジジイはゆっくりする事も出来ないカス野郎なの?死ねば?』とな。



「ッふぅーッ…!!」

「おにいさん…?」

「…れいむ、なんだかこのおにいさん、ちょっとおかしいよ…」



もうコイツ等がゲスだと言う事は99%確定している。
だが叔父のお気に入りと言う事を考慮して、最後のテストを受けさせてやる。
このテストは確実にゆっくりがゲスかそうでないかを判別出来るテストだ。



「ゆっくりしたいなぁ、誰かゆっくりさせてくれないかなぁ?」


「「………………?」」


「ゆっくりできないなぁ…ゆっくりしたいなぁ」


これでコイツ等が俺をゆっくりさせてくれようとするならばコイツ等はギリギリ合格だ。
最終試練、間違った選択肢を選んだら最後、
俺の部屋での拷問と死が待っている。


「…まりさ、おにいさんがゆっくりできてないよ」

「ゆっくりしてないね、ゆっくりさせようよ!」


そう言ったまりさとれいむは巣の奥に潜っていったと思うと
タマネギを口に銜えてぽんぽん跳ねて戻ってきた。
そしてタマネギを俺の足元に置くと声を揃えて俺に向かって言った。


「「おいしいおやさいさんをたべていっしょにゆっくりしていってね!」」

「「おじさんからもらったあまいあまいおやさいさんだよ!」」





「……………」






 「…な、なんだかゆっくりできないよ!
  おにいさんこわいよ…」

 「…にげるよれいむ!このおにいさんはゆっくりできないよ!」


僕は怖い人間さんなんかじゃないよ、優しい人間さんだよ
沢山あまあまを上げるから僕のお家においでよ

 「あまあま…?」

 「だ、だめだよ!
  そのせりふをいうにんげんについていっちゃ
  ゆっくりできなくなっちゃうよ!」


うん本当だよ
そうと決まったらゆっくり行こうね

 「ゆ!?は…はなしてね!?」


そんなに急がなくてもあまあまは無くならないよ

 「まりさぁぁああぁあ!?」

 「れいむ!まりさのことはいいからはやくにげてね!!」


あまあまは沢山あるから皆で行こうね

 「ゆわあぁああぁ!!」

 「れいむううぅぅううぅ!!」 




やっぱりゲス共はあまあまで釣るに限るな。
誘いに乗ってまんまと付いてきやがった。
テンプレゲスゆ共め、最高のゆっくりを楽しませてやる。

俺を殺そうとしやがって。
100点満点花丸付きでゲスゆ認定めでたく合格だ。

コイツ等、自分達が辛いもの食うと餡子吐いてくたばる癖に
俺に向かって生タマネギなんて辛い野菜寄越しやがった。
俺がタマネギが辛いモノだと知らなかったと思うか?舐めやがって。

コイツ等の事を気に入ってる叔父がこんなモノをコイツ等に寄越す筈が無い。
どうせ畑からチョロまかしてきたんだろうが。
やはりコイツ等は救い難いゲスゆだ。


「「はなじでえ”え”ぇ”ぇ”え”ぇ!!」」


叔父のお気に入りだっつーから優しく接してやろうと思ってたのによ。
流石にコレは制裁が必要のようだな。
心が痛むが仕方有るまい、叔父と村の為だ。














「(新鮮なタマネギは甘いからなぁ…
 アイツら、喜んでくれると良いんだが…)」


「ちょっとー!!アンター!!」


「何ー?」


「切らしてるって言ってたからさー!
 ひとっ走り義兄さんんトコに醤油届けてやってよ!
 店はアタシが見てるからさ!」


「なーんで俺が…まぁいいか
 最近挙動不審な甥の様子もついでに見て来るか!」







ーーーーーーーーーー後書きーーーーーーーーーーー
無理矢理ゲス認定お兄さんて既出だった気もしないでもない
被ってたらごめん

タグ:

+ タグ編集
  • タグ:

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2009年05月02日 01:54
ツールボックス

下から選んでください:

新しいページを作成する
ヘルプ / FAQ もご覧ください。