『あるチラシ』
近年出没したゆっくりという生き物。その生態は不思議としか言いようが無い。
「ゆゆ!?みなれないゆっくりがいるよ!」
「おきゃあしゃん!!まりちゃだよ!ゆっくちちようね!!」
「まりさはしらないよ!!あっちいってね!」
「どびょじでじょんなごどいうにょおお!!!!??」
「まりちゃもちらにゃいよ!」
「ゆええぇえぇええん!!!!!おねえしゃんまぢぇしょんなごどいわにゃいでええ!!」
少しおさらいをしておこう。ゆっくりというのは饅頭である本体と飾りで個体識別をする。たった今赤まりさの帽子を他の赤まりさの帽子と交換した。
結果母まりさも姉まりさも家族であった赤まりさを識別できなくなってしまった。では帽子を元に戻してあげよう。
「ゆええぇえぇえええん!!!!ゆえぇえぇえええん!!!!!」
「ゆ!?おちびちゃんどうしたの!?」
「い…いもうとがないてるよ!ゆ…ゆっくりしていってね!!」
「まりちゃ…まりちゃ…なかにゃいで…にゃかないでよおお!!!!」
「おかあざぁあああん!!!!おねえじゃあぁああん!!!!」
さっきまで遠ざけられていた赤まりさは無事家族に迎え入れられて元通りになりましたね。ゆっくりは命の次に飾りが大事だ。
特に赤ゆっくりであるうちは絶対に無くしてはならない。成長すれば本体である顔に特徴が生まれ、飾りが不慮の事態で無くなっても周りに受け入れられる
ケースがあるが特徴の無い赤ゆっくりでは家族でさえ識別ができなくなってしまう。では次にこうしてみよう。
「おかあさん!ゆっくりしていってね!!」
「ゆ…ゆゆゆ!!!!!!」
「なんだかゆっくりできないよ!!!」
「こっちこにゃいでにぇ!!」
「ど…どうしたの!?…まりさとゆっくりしようよ~」
「ゆっくりできないね!!!ゆ!!!まりさのかわいいおちびちゃんにさわらないでね!!!!」
「ゆびぇ!!!!どぼじでぞんなごどずるのおお!!!!」
「おきゃあしゃあぁあん!!!!ゆっくちできにゃいよお!!!」
「きょわいよおお!!!」
「おちびちゃんたちはおかあさんのうしろにかくれてね!!ゆっくりできないへんなこはおかあさんがやっつけるよ!!!!」
「ゆべ!!!!いだい!!!やべでえええ!!!!」
「ゆっくりできないゆっくりはしぬといいよ!」
「おきゃあしゃんはやっぴゃりちゅよいね!!」
「ぞん…な…いだいい!!じんじゃう!!じんじゃうう!!やびぇでええ!!!!いだいい!!!」
おやおや可哀想に。自分の母親から攻撃されてもはや虫の息。
「もっど…ゆっぐりじだがっだよ…」
「ゆふん!!みんなでてきてね!!!ゆっくりできないゆっくりをたいじしたよ!!」
「おきゃあしゃんはしゅごいね!!!」
「ゆっくりしようね!!」
あーあ、死んじゃった。このままじゃ可哀想だから元に戻してあげよう。
「……ゆ!!!!おねえしゃん!!!!」
「まりさのおちびじゃんぎゃあああ!!!!どぼじでじんじゃっでるのおお!!!??」
「ゆわああぁあぁあん!!!おねえしゃああぁああん!!!!!じんじゃやぢゃよおおお!!!!!!」
さっきまで攻撃していたのにこの変わり様。極端すぎる。実はまりさの帽子を別の死んだまりさの帽子と入れ替えました。
死んだゆっくりの飾りには死臭が付くという。これはゆっくりの嗅覚だけに分かるもので他の生物では分からない。科学的にもその匂いは検知できない。
死臭がついた飾りをしたゆっくりは原則他のゆっくりとはゆっくりできなくなってしまう。周りが遠ざかってしまったり今のように周りから攻撃されてしまうのだ。
他のゆっくりの飾りでは"他人"という認識だが死臭のついたゆっくりの飾りは"ゆっくりできない"という認識のようだ。
そのせいか今にも死にそうなゆっくりが子供や恋人など大切なゆっくりに自らの飾りを形見として差し出す場合死ぬ前に外すという。
死んでからでは周りのゆっくりに嫌がられるというのが分かっているのだろう。では次の実験にいってみよう。
「ゆ!!!!みずさんはゆっくりできないよ!!!!やめてね!!!」
1匹のゆっくりにどろっとした液体をぶっかけた。
「やめてえええええ!!!とけぢゃうよおおおおお!!!……ゆ!!!これあまあぁあいぃ。ぺーろぺーろ♪」
何をかけたのかというと死んだゆっくりの本体を溶かしたものだ。つまりは冷えたお汁粉だな。
「ぺーろぺーろ。しあわせええぇええ!!!」
うーむ、見たところ嫌がってない。むしろ大喜びだな。やはり本体には死臭がついていないということか。
「ゆゆ~ん。おいしかったよ!!!」
家族の下へ戻してみよう。
「おちびちゃん!すごくゆっくりしてるね!!どうしたの?」
「ゆゆ~。とってもおいしいおみずさんをたべたんだよ!!!」
「おねえちゃんいいなあぁ」
「ゆ!れいみゅおねえしゃんからおいししょうなにおいがするよ!!ぺーりょぺーりょ」
「れいむのおちびちゃんちょっとべたべたするね。ぺーろぺーろ」
「くすぐったいよ!ゆひゃひゃ!!」
そのまま全部食われてしまえ。美味しそうな匂いだと。本体には死臭はつかないようだ。そういえば死んだゆっくりをお菓子と勘違いして食べるケースがあったな。
ならば死んだゆっくりの飾りの匂いをつけてみよう。粉状にして降りかけてみるか。いや溶かしてからぶっかけてみよう。
「ゆ!!!つめたいよ!!!みずさんはゆっくりできないよ!!!やめてね!!!!!」
どうなることやら……
「ゆ!!なんだかゆっくりできないよ!!!ゆうううううううううううう…」
効いてきたのか?
「もういやだああ!!!!おうぢがえるううううう!!!!」
これは期待ができそうだ。では家族の下へ返してみよう。
「おがあああさあぁあぁあん!!!!ゆっぐりできないよおおお!!!ゆっぐりさせでえええ!!!!」
「ゆ!!おちびぢゃ……ゆ!!!おちびぢゃんじゃないね!!!!」
「おねえちゃんだけどおねえちゃんじゃないね!!!」
「にせものはあっちいってね!!!!」
「まりさだよおおお!!!!おかあざあぁあん!!!おねえちゃあぁあん!!!」
「うるさいよ!!!!ゆっくりできないにせものはあっちいってね!!!でないとゆっくりできなくするよ!!!」
「どぼじでええええ!!!!!ゆっぐりじだいよおおおお!!!」
これはこれは。何か一方的に攻撃されちゃってるけど無視して考察してみよう。ゆっくりは死臭に敏感で死臭を嗅ぎ取るとゆっくりできなくなってしまう。
死臭は本体ではなく飾りに付着する。その匂いが付くと飾りを持っていなくてもゆっくりできなくなると…。
ならばこれでどうだ。
「ゆ!!!あんなところにけーきがあるよ!!!」
「れいむはぐるめなんだよ!!!」
「けーきさんれいむにたべられてね!!」
「まりちゃもいっぴゃいたべるんだじぇ!!」
あるゆっくり家族の前に美味しそうなケーキを置く。ケーキは人間だけで無くゆっくりも大好物だ。もちろんこのケーキには仕掛けがある。
「ゆ!ゆ!ゆ!」
「れいむがいちばんだよ!!」
「まりちゃのぶんものこすんだじぇ!!!」
ケーキには死んだゆっくりの飾りを溶かして作った香水を降り掛けました。
「いっただっきま……ゆげええええええ…」
「なんだかゆっくりできないよ!!!!」
「このけーきはゆっくりできないね!!!」
「ゆっくちできにゃいんだじぇ!!!!ゆうううううう…でもたべちゃいんだじぇ!!」
「ゆううううう…うわああああああああああああああああ……」
「「「「もういやだ!!!おうぢがえるうううううう!!!!」」」」
効果覿面。あんなに大好きなケーキを前に逃げ出すとは。しかしこんなケースもある。
「むーしゃむーしゃ」
「むーちゃむーちゃ」
「はふっはふっ!!」
「「「しあわせええええええ!!!!!」」」
「すっごいおいしいね!!」
「けーきさんゆっくりできるね!!」
さっきと同じケーキだ。一部のゆっくりは普通に食べている。耐性があるのか?だったらこうしてやる!
「ゆ!おぼうしさんをとらないでね!!かえしてね!!!」
返してやるよ。ほれ。
「ゆ!!なんだかゆっくりできないまりさがいるよ!!!」
「おねえちゃん!!まりさだよ!!まりさ!!」
「おかあさん!!!ゆっくりできないのがいるよ!!」
「ゆ!!!ゆっくりできないね!!!これはれいむたちのおやつだよ!!!あっちいってね!!」
「おがあざんどぼじでぞんなごどいうのおおお!!」
「うるさいよ!!!!おかあさんじゃないよ!!!ゆゆゆゆゆ!!!!ゆっくりできないね!!!ゆっくりできないゆっくりはしね!!!」
「ゆああああ!!!!いだいよおおおお!!!!やべでえええ!!!」
ま、お分かりの人も多いと思うが帽子を取り替えました。死んだまりさのやつと。ということは死臭に耐性があるのではなく加工して作った香水では
死臭を嗅ぎ取れない場合もあるということか。
だがこれだけの実験データがあれば充分。あとは製品化だ…。
数ヵ月後
「お集まりの皆様。今日は我が"YUJIRUSHI"の新製品の発表会にお集まりいただき誠にありがとうございます」
YUJIRUSHIというのはこの世界に存在するゆっくりを扱った会社だ。愛でから虐待まで幅広く網羅している。
「まずはこちらを御覧ください」
透明な箱の中にはケーキがひとつ。そしてゆっくりが何匹か眠っている。
「起こしてみましょう」
箱を叩く。
「ゆびゃ!!!!」
「とかいはなすいみんをじゃまするのはだれ!!??」
「びっくりしだよおお!!!」
「ゆ!!おきゃあしゃん!!ありぇみちぇ!!!」
「ゆ!あんなところにおいしそうなけーきがあるよ!!」
「ありちゅがいちばんだよ!!!」
「まりさもまけないんだぜ!!!」
一目散にケーキの下へ走っていく。
「「「「「むーしゃむーしゃ…しあわせええええ!!!」」」」」
美味しそうにケーキを食べるゆっくり達。見ている人達は苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「皆様そう怒らずに。一応の確認です。ゆっくりはこの通りケーキが大好きです。では…この新しいケーキに…」
霧吹きを取り出しシュシュッとケーキに吹きかけた。
「これを入れてみましょう」
ゆっくり達が殺到している所から反対の場所にケーキを置いた。早くもケーキを食べ終わったゆっくり達はすぐに新しいケーキに気づいた。
「あそこにもけーきがあるよ!!」
「きょうはすっごくゆっくりできるね!!」
「こんどはまりちゃがいちばんだよ!!!!」
新しいケーキへ走り出すゆっくり達。だが少し近づいたところで足が止まった。
「ゆ!!!なんだかへんだよ!!!!」
「ゆっくりできないよ!!!!おかしいよ!!!」
「おかしいんだじぇ……ゆ…ああああああああああああ…」
「ゆっぐりじ…ぐいぇえ」
「「「「「もういやだおうぢがえるうううう!!!!!」」」」」
会場からは"おお!!!"という歓声が上がった。
「これは一体?」
「その霧吹きが新製品というわけですね」
「ええ。名付けて"ゆっくりバイバイ"です」
「この撃退率60%という数字は?」
「統計上60%のゆっくりには効果があるということです。実は残り40%については保証ができないんです」
「全てのゆっくりには効くとは限らないと?」
「ええ。それでも研究を重ねてここまで上げました。今後も研究を重ね100%を目指します」
「具体的にどのような使用法があると?」
「今手元にあるのは霧吹きですが他の製品タイプを考えております。まず霧吹きタイプですが家の中で絶対にゆっくりに入ってほしくない所やゆっくりには触ってほしくない
物に吹きかければゆっくりは近づけません」
「他の場合では…」
「広範囲に散布できれば住宅や畑への侵入を防げるでしょう」
「この液体の中身は?」
「死んだゆっくりの飾りの死臭を閉じ込めた香水です。どのように閉じ込めたかは企業秘密です。ちなみに他の動物では嗅ぎ取ることはできません」
「効果期間は?」
「基礎研究からまだ半年ぐらいですがその際に成功したケースでは現在も効果はあります。我が社では1年と見積もっております」
「少し曖昧なのでは?」
「それは自覚しております。しかし匂いが残っているかどうかそれを検知する術は現在の技術では不可能です。そこで地道に実験し統計を取るしか方法はありません。
ただ成功したケースでは1例も効果が切れたということはありません」
数日後には色々な場所で新製品"ゆっくりバイバイ"が販売された。どの店でも販売当日に完売し特に住宅被害の多い農村では飛ぶように売れた。
「れいむちゃん。この部屋には絶対入っちゃだめだよ。分かったね」
「うん!れいむはいいこだよ!だからいうこときくよ!」
ある飼いれいむ。ご主人の仕事部屋に入りたがるので早速ゆっくりバイバイを部屋の入り口に散布したようだ。
「ゆゆ~。おねえさんがおしごとにいったよ!!れいむはゆっくりおるすばんだね!」
留守番といってもすることが無く玩具で遊ぶのにも飽きてしまった。
「ゆ!あのおへやをちょっとだけみてくるよ!!ちょっとだけだよ!」
このれいむは銀バッジ。銀バッジレベルでは好奇心に負けてしまうようだ。
「このへやだね!そろーりそろーり……ゆ!?」
ドアの前まで来てから様子がおかしくなった。
「なんだかへんだよ……ううううう…きぼぢわるい…よ…あああああああ……」
ドアの前で気絶してしまった。数時間後れいむは覚醒した。
「ゆ!ここはゆっくりできないね!!れいむはおへやにかえるよ!!!」
その後このれいむは仕事部屋には寄り付かなくなったという。
「ゆっふっふ…いまならだれもいないね!!」
「ここをまりさたちのおうちにするんだぜ!!」
「おかあさんがんばってね!!」
「れいむもがんばるよ!!」
「このおうちでゆっくちちたいよ!!!」
あるゆっくり家族が人間の住宅に侵入を試みた。お気に入りのおうちを見つけいざ敷地内に飛び込んだ
「にゃんだきゃゆっくちできないよ!!」
まず小さいゆっくりからゆっくりできなくなった。
「おかしいよ!!!!ここはへんだよ!!!」
「ゆっくりできないよ!!!」
「ゆ??そ…そう??まりさは…ゆっくりできてるのに??」
「ゆげえええええ…きもぢわるいよおお!!!!」
「ぎぇれぎぇれぎぇれげ…」
「あがぢゃんがあああ!!!!」
「おが…れいむも……えれえれえれえれ……」
2匹が餡子を吐き出して気絶してしまった。1匹は耐性があったようで異常は無かったが他の家族が苦しみだした。
「ゆ!このままだとたいへんだよ!!!ここをにげるよ!!!」
「おうぢがえるうううう!!」
「こんなゆっぐりできないところ!!こっぢがらねがいさげだよ!!!!」
気絶した子供を連れて退散していった。住宅侵入は一気に減った。
その後ある発見があった。苦しんで死んだゆっくりの飾りほど撃退率が大きいのだ。つまり苦しんで死んだゆっくりの飾りが最適であると分かったのだ。
この発見のお陰で60%の撃退率は80%まで上昇した。だがそこから先は中々進まなかった。普通の人では苦しめる方法が行き詰まってしまうのだろう。
こういうときは専門家の力を借りよう。
「おや、ふむふむ…これは面白いな」
虐待お兄ちゃんは朝食を食べながら1枚のチラシを読んでいた。
『"第1回バイバイ!!ゆっくりコンテスト"
参加資格:誰でも。ゆっくりを虐待するのが大好きな方は特に歓迎。
コンテストの流れ:①まずは参加申し込みしてください
②設けた期間中にゆっくりを苦しめて殺してください
③虐待期間は1週間。虐待開始日と終了時に当社から確認のため社員がそちらに向かいます。社員の確認の無い場合は無効となります
④死んだゆっくりの飾りをお借りします。その飾りからオリジナルのゆっくりバイバイを作成します
⑤オリジナルのゆっくりバイバイを実際に使用して撃退数を競います
評価方法:加工所より調達したゆっくりをランダムで100匹選びます。ケーキにゆっくりバイバイを吹きかけ1匹ずつケーキに向かわせます。
ゆっくりがケーキから逃げ出したら10pt。その場で苦しみだしたらプラス1pt。餡子を吐き出して気絶したらさらに1ptプラスします。
逃げ出さずケーキを食べた場合は0pt。マイナスはしません。より多くのptを稼いだ方が優勝となります。
賞金:獲得したpt数×1万円。上位3名に与えられます。ただし800ptを超えていない場合は該当者無しとさせていただきます。
その他:虐待の様子をビデオに残しておいてください。ビデオの無い方は当社が提供いたします。』
「ついにここまできたか。ま、参加だな」
完
最終更新:2009年06月13日 19:40