永琳×ゆっくり系12 断片の連続

ゆっくりれいむは死んだ
それも酷く辱められて死んだ
体を揺らされ弄ばれた。すっきりしそうになれば止められ
水かぶっ掛けられ気分を醒めさせる
それから酷い言葉を何時間も浴びせられる
時にはヒステリックな感情を込めてぶたれる事もあった
叫ぼうが泣こうが誰も助けてくれなかった
逆に暴力を振るわれる原因になった
ゆっくりれいむは孤独だった
周りにいるゆっくりたちは辱められている自分を見てヘラヘラ笑い
周りにいるゆっくりたちは傷つけられている自分を見てヘラヘラ笑い
助けを呼ぶれいむに唾を吐きかけた
れいむは全てを呪った理不尽な暴力の振るい手を自分をあざ笑った同胞を自分の生まれの不幸を
その中で死んだ
酷い悔恨と開放への喜びが脳裏に焼きつき
半ば発狂し死んでいくような姿だった
最後までれいむに優しく接する者など誰一人いなかった




ゆっくりれいむは死んだ
それも幸福の中で溶けるように死んだ
傍らには愛しいゆっくりまりさと子どもたちがいた
優しいお姉さんも、お姉さんが運んでくれるご飯はとても美味しく
家族は飢えを知らなかった
同属も良いゆっくりばかりだった
ゆっくりちぇんは子どもたちに狩りの仕方を
ゆっくりパチュリーは子どもたちに薬草の知識を
それぞれ教えてくれていた
ポカポカといつでも暖かい森はまるで天国のようだ
子どもたちも次第に大きくなり、やがて一人立ちを始める
ゆっくりまりさと久しぶりに二人きりになったゆっくりれいむは
初めてであった頃の話、喧嘩をした話、子育てで苦労した事、これからしたい事を語り明かした
子どもたちが孫を見せに戻ってくる、ゆっくりれいむは親として最高の喜びを噛み締めていた
そんな、ある日、自分の体に異変を感じた
今まで飛べたように飛べない。今までできたことができない
体の異変は次第に表面上に出てくる
皮が硬くなり皺もできてきた。それはパートナーのゆっくりまりさも同じだった
お姉さんや子ども達、孫達、仲間達は落ち込んだ顔をしている
「みんな、れいむはしあわせだったよ。てんごくでもゆっくりしているから、みんなもゆーっくりしてからあいにきてね」
その後、ゆっくりまりさと愛の言葉を交わしてからゆっくりれいむは死んだ
最後までれいむに冷たく接する者など誰一人いなかった



ゆっくりれいむは死んだ
それも苦痛の中で溶けるように死んだ
傍らには自分を世話してくれていたお姉さんがいた
しかし、れいむは疑問だった。なぜ、この場所には自分しかいないのだろう
誰か、誰かと会う約束をしていた気がする
お姉さんはあまり考えすぎない方が良いと美味しいご飯を持ってきてくれた
食事のマナーや人間社会のルールも教えてもらった
お姉さんは時に厳しかったが、優しく教えてくれた
人間がいないお家は勝手に自分の物にして良い
食事は食い散らかす方が食べ物を作ってくれた人への感謝を表せる
畑に生えている物は皆のものなので勝手に食べて良い
笑顔でいれば人間は何でも許してくれる
れいむはお姉さんの教えをしっかり守った
お姉さんはれいむは自分の教えたとおりにやるとギュッと抱きしめてくれた
食いカスが服についたがお姉さんは一切気に留めなかった
偉いわ。と何度も頭を撫で、膝の上に乗せてお歌を歌ってくれた
終わりは突然やってきた
ゆっくりれいむは病気になったのだ。苦しい苦しい
餡子を吐き出してはお姉さんを心配させた。お姉さんは薬をたくさん持ってきてくれたが
どれもれいむの症状を回復するまでに至らなかった
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい
何度どう思っただろうか
もうそう思うのも苦痛になった
れいむは自分の終わりを感じる
「おねえさん、れいむはしあわせだったよ。ちょっとくるしかったけど、またどこかでゆっくりしようね」
最後までれいむにお姉さん以外に接する者など誰一人いなかった



ゆっくりれいむは死んだ
疑問を抱えながら死んだ
何で、何でだろう、何でなんだろう
れいむは誰にも教えられていなかった
だけど、れいむはできてしまった
人間の社会のルールを破る事、食事のマナーを守らない事
他のゆっくりはあの子は知恵遅れだとせせら笑った
餌を持って来てくれる優しいと思っていたお姉さんもれいむの事を無碍に扱うようになる
食べカスが服につくと烈火の如く怒りだし、何時間も絶食させられた
でも、れいむは何故かそれを改められなかった
いつも粗相をしてしまう。なぜか粗相をしてしまう
自分で分かっているのに、自分でできないのだ
子ゆっくり達にまでバカにされ、親ゆっくり達は悪い見本として必ずれいむの名を挙げた
子ゆっくりが粗相をし、れいむと同列に扱われると、とても嫌な顔をしすぐに許しを乞うた
でも、れいむは他のゆっくりやお姉さんを恨む気持ちにはなれなかった
むしろ、どんな事をされてもお姉さんと会えるのがどこか嬉しかった
それと同時に何故自分はこんなに愛されてないのだろう
悔しいと思った時、記憶が蘇る。前にもこんな事があった
前は呪った。全てを呪った
今度はどうか、今度は全てを呪う気にはなれなかった
憤りは仲間ではなく自分に向けられる
自傷行為を繰り返す。地面に自分をぶつけ、木に自分をぶつけ、岩に自分をぶつけ
何故そんな事をしているか分からなかったが
生きているより死んでしまった方が良い
何かと比べて今の生活は悲惨すぎる
何が致命傷になったか分からないが、れいむの意識は急に遠のき倒れる。それ以降動く事はなかった
最後までれいむに優しく接する者など誰一人いなかった



ゆっくりれいむは死んだ
仲間に殺されて死んだ
傍らにはずっと好きだったゆっくりまりさがいた
自分は何故かまりさの子どもを授かれなかった
次第にまりさの心はれいむから遠のき、お姉さんと付き合うようになる
その交際はあまり上手くいかなかったらしく
まりさはれいむに八つ当たりし、気分次第で抱いた
性欲とストレスのはけ口にされたれいむだったが、まりさと一緒にいられるだけで嬉しかった
一緒にいられさえすれば、自分が何であるかなんて関係なかった
大好きなゆっくりまりさ、大好きなゆっくりまりさが連れてきた子ども
大好きなゆっくりまりさは子どもを置いてお姉さんといなくなった
れいむは仲間の手前、最初は子ども達の面倒を見ていた
仲間達は誰一人、れいむに手を貸さなかった。れいむは一人で育児を続ける
大好きなゆっくりまりさの子だから
でも、自分はこんな生活がしたかったんじゃない。いや、自分はもっと良い生活ができていた
そうだ。ゆっくりまりさがいて自分の可愛い子供たちがいて優しくて頼もしい仲間がいて
そんな生活があったはずだ。どこかに、どこかにあったはずだ
そう思うと目の前で何の感謝もせずむしゃむしゃとエサを貪る子どもたちが急に憎らしく思える
殺した。殺した。殺した。殺した
殺した。そう殺したんだ。れいむは子どもたちを殺した
泣き叫んでも無慈悲に押しつぶした。命乞いをする子どもをあざ笑い噛み殺した
意味が分からず混乱する子どもを壁にぶつけ餡子のシミに変えた
必死に何かを謝る子どもを踏み潰した
殺した所までは良かった
それを足の速いゆっくりちぇんに見られた
すぐに仲間達が退去して押し寄せてくる
その目は侮蔑と怒りに満ちている
れいむはどうして育児に参加してくれなかった皆が子ども達に同情するのか
この子たちはまりさとお姉さんの子どもで無責任に置いていった二人が悪いんじゃないか
仲間達にそんな道理を聞く余裕なんて無かった
ここで同属殺しを認めれば次は自分が殺される
よってたかってれいむに攻撃を加えた。それはリンチに近いものだった
最後までれいむに同情して接する者など誰一人いなかった



ゆっくりれいむは死んだ
理由は分からない生まれてすぐに死んだ



ゆっくりれいむは死んだ
それまで優しく自分に接してくれていたお姉さんが急変した
わけの分からない言葉を喋り、気が狂ったように自分の顔を壁に打ちつける
お姉さんは銀の綺麗な髪を振り乱し暴れた
お姉さんは何かの病気だ。れいむはそう思った
助けを呼んだが誰も着てくれない
れいむは困り果てた
傍らには暴れ疲れてぐったりしているお姉さんがいた
しばらくするとまた思い出したかのように暴れる
れいむも何度か殴られた
でも、れいむはお姉さんを嫌いになれなかった
優しく接してくれたし。昔も優しく接してくれた気がする。もっと昔は・・・
とにかく、れいむはお姉さんを見捨てたくなかった
どんなにお姉さんが暴れても傍にいた
お姉さんは病気なんだ。ゆっくりしていればもうすぐ治る
しかし、お姉さんの病気が治るよりもれいむの時間の方が先に来てしまった
自分が長くない事も初めて死ぬはずなのに何だか理解できる
それまで何度も経験しているかのような感覚
お姉さんは相変わらず暴れているだけ、時々意味不明なことを叫び
思い出したかのように寝る
れいむはお姉さんと過ごした短い時間を思い出していた
「おねえさん、はやくよくなって、ゆっくりしてね」
その言葉にお姉さんはれいむを睨みつける
嫌だ。嫌だ。気付きたくなかった
このお姉さんだ。れいむにいやらしい事をして
酷い言葉を投げかけて、何度もぶったのはこのお姉さんだ
でも、違う。このお姉さんはれいむにご飯をくれて
子ども達の育児を手伝ってくれる良いお姉さんだ
いや違う。このお姉さんはれいむにいろんな事を教えてくれたお姉さんだ
そうじゃない。このお姉さんはウソばかり教えてそれをれいむにやらせ
みんなで馬鹿にしたお姉さんだよ
いいや、そんなんじゃないこのお姉さんは大切なまりさを奪って
れいむが殺される原因を作ったお姉さんだ
どれ、どれがお姉さんなの!!
「おねえさんはだれなの!!」
れいむはそう叫んで死んだ
最後までれいむに接する者など誰一人いなかった



ゆっくりれいむは死んだ
理由は分からない。初めて寝てそれっきり起きなかった



ゆっくりれいむは死んだ
理由は分からない。目を開けたがそれ以降動かなかった



ゆっくりれいむは死んだ
いや、生きてすらいなかった




迷い竹林の中、えーりん実験室の地下にはすっきりルームというものがあった
そこにはゆっくりたちが集められていた

「餡子に刻まれ記憶のお部屋」と可愛らしい文字で書かれた部屋の前から
八意永琳は出てくる

ここはゆっくりたちの餡子の記憶力を計る施設
ゆっくりたちは地上の実験室で記憶力が良い物がここに連れて来られる

「ちかのへやにはゆっくりできるばしょがある」

ゆっくりたちの宿舎でそんな噂を少し流してやると
噂には尾が付き鰭が付き、ゆっくりにとって地下の部屋に連れて行かれる事は幸せの絶頂となっていた


「師匠、どうですか?」
「もうダメね。餡子を入れ替えてもすぐに死んでしまうし、もう蘇生すらできないわ」

ゆっくりが死ぬとその一部の餡子だけを残し、新しい餡子を入れ蘇生する
皮の劣化が激しい場合はボディごと交換する
それを繰り返し、どこまで前の自分の人生の記憶を振り返れるかの実験

「5回か・・・持った方ね」
兎の手によって焼却場に運ばれるゆっくりれいむを見送った
そして、永琳は次のゆっくりが持ってこられる前に狂う演技は疲れるので項目から削除する












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最終更新:2008年09月14日 08:27
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