※このSSには俺設定があります。別の書き手の設定が使われています。
「ほいほい」とはゆっくりを捕まえる為に掘られた落とし穴のことです。



穴が完成してから一週間がたった。


3mの深さがあった穴も、すでに3分の1が埋まっていた。
死んだゆっくりは完全に踏み潰され、堆積し、穴の底に溜まっていくからである。

中では今でも殺し合いが続いている。
異端ゆっくりに釣られたゆっくりが、次々と穴に落ちるからだ。
その度に穴の中にいたゆっくり達は、傷ついた身体にムチうって「新人」に襲い掛かった。

子供は真っ先に踏みつぶされ、親は噛みつかれ、吹き飛ばされた。

「どおしてええ なんででいぶのごどもをつぶすのおお 」
「きずついたまりさもかわぶっっ!!!!」(←潰された)
「ちーーーーんぽ!!ちーーーーんぽ!!!」

「うるさいよ!おまえたちがいるとゆっくりできないよ!さっさとしね!しね!」
「ちーーんぽしねえ!」
「ゆっくりするにはころすしかないんだよ!わかってるよおお!」

「ゆっくりできないやつらならしねええ!」
「よくもれいむのごどもをををを!!!!」
「なんでこんなことするのおおお!!」

最初は攻撃されるがままの「新人」たちも、家族を殺された憎しみ、理不尽な扱いに対する怒り、
そして生命の危機から反撃を開始した。
こうして殺し合いは続く。
その間にも新たな新人達が落ちてくるが、そういった新人達も否応無しに殺し合いに巻き込まれていった。

「みんななにしてるの?ここはくらくてせまいから、はやくここからだしべっっ!!」

状況判断が遅いゆっくり程、さっさと殺されていった。

1日目に落ちたゆっくりは2日目に全滅し、
2日目に落ちたゆっくりは3日目に全滅し、
3日目に落ちたゆっくりは4日目に全滅し、
.
.
.

こうして激しい世代交代が繰り返されていた。
穴の中では
「最後の一人だけがゆっくりできる」
というただ一つのメッセージだけが受け継がれていた。

そんな日々がクリを繰り返すある夜のこと、
ゆっくり達を思わぬ敵が襲っていた。

「ゆ”っ!かゆいよ!」「からだがむずむずする」

それは虫だった。
通常、虫はゆっくり達の恰好の餌となる。
しかし、傷ついて中の餡子が剥き出しになったゆっくりにとって、虫ほど怖い存在はない。
身体が食べ物そのものであるゆっくり達は、野外で暮らす限り、
傷が塞がって餡子が外に出なくなるまでずーと虫につけ狙われるからだ。
だから、完治するまで傷口に葉っぱを貼り付けて、餡子が漏れないようにするゆっくりも多い。
少しでも眠れば、どこからともなく蟻や小さな虫達が忍び寄ってくる。
雨のせいで、穴に堆積した餡子が地面に染み出し、土中の生物を呼び寄せてしまった。
落とし穴の壁に貼り付けた木の板と、セメントの間から虫が這い出してきているのだ。

今まで、ゆっくり達には夜中に数時間程休める時間があった。
夜になれば新しく落ちるゆっくりがいない上に、
穴の中のゆっくりの数がある程度減り、
互いにある程度の距離が出来るからだ。
おまけに、夜中の3時ぐらいになれば、どんなに体力のあるゆっくりも
完全に体力を使い果たし、動けなくなることもその理由の一つだった。
しかし、死んだゆっくりの数が増え、穴に餡子が溜まり始めたことで
虫が集り始め、今度こそ少しもゆっくり出来なくなっていた。

身体に虫が侵入したあるゆっくりは、身体から追い出そうと暴れだし、
傷口に蟻が集りだしたもう一つのゆっくりは、それを潰そうと飛び跳ね始めた。
それに反応したゆっくり達は、それを攻撃と勘違いしてパニックに陥った。

「がゆ”い”よ”お”!!」「つかれてるんだからゆっくりさせてよお!!」「ねむいからしずかにしてね!!!」
「ぶつからないで!あんこがあ!!まりさのあんこがああでちゃううう!!!!」

真夜中のことなので、姿も見えず、互いにぶつかったりぶつかられた、踏みつけられたりの状況が続いた。

結局、早朝になり、虫が侵入して暴れまわるゆっくりが潰されるまでそれは続いた。
この騒ぎで、昨日までに生き残ったゆっくりの内、2匹が失餡子多量で息絶えた。
無論、他のゆっくりたちも睡眠不足と戦闘でボロボロである。

野生のゆっくり達を誘き寄せる異端ゆっくり達も。
最初は怖がったり文句を言っていたが、日数が経つにつれ慣れてきたようで、
野生のゆっくり達が自分めがけてつっこんで穴に落ちていく様子を楽しむ余裕もでてきた。

「ゆっくりできないゆっくりはしねええええええええ」
「しねええええええええええええええ」

必死の形相で襲い掛かってくる野生のゆっくりを見ては、

「ゆっくりできないゆっくりはしねだって、おおこわいこわい。
ゆっくりしてないのはそっちでしょ?ばかなの?」

ニヤニヤして馬鹿にしていた。
もちろん、一度、透明の箱に入れられ、穴の上に吊るされると夕方まで一日中放置される為、
太陽の下、飲まず喰わずで過ごさなければいけなかった。
死臭を出す為と、呼吸の為に穴がいくつも空けてあるが、
夕方になって箱から出したときは、いつも生きも絶え絶えの状態になっていた。

ホイホイにも大量の餡子が溜まり、そろそろ底までの距離が2mぐらいになっていた。
そんなある日、畑仕事をしているとドス魔理沙がやってきた。
ドスといっても2mぐらいで、ドスの中では小さいほうだ。
ドス魔理沙というのは、長い間ゆっくりし、知識と経験を蓄えたゆっくりのことで、力も人間よりある。
ただ、基本的には単なるデカイゆっくりで、ドススパークとかゆっくり光線なんてものは出せないし、
信頼の証として他のゆっくりから飾りを受け取ることもない。

おそらく、近くの里の長だろう。ホイホイに落ちて出て来れないゆっくりの数が多いから、直々に
探しに来たのだろう。

「ゆっくりできないゆっくりがいるよ!」
「ゆっ!かざりのないゆっくりはしねえ」

周囲の小さいゆっくり達も、ドスに続いて侮蔑と怒りの声を異端ゆっくりに投げかける。
だが、ホイホイのせいで近づけないので、代わりに石を投げているようだ。

「ゆっくりできないゆっくりが、ドスのなかまをゆっくりできなくしたんだよ」
「ゆっくりできないゆっくりはしね」「ゆっくりごろし!」

後ろからこっそり近づくと、

「おりゃああああああああああ」

背中を押し付け、体全体でドスをホイホイに突き落とした。

「ぶべっっ!」

ドスには体全体にタップリつまった餡子と、それを包み込む厚い皮がある。
それ故に重量があり、他の小さなゆっくりのように高く飛び跳ねることが出来ない。
これだけの重量では、飛び上がることも、人の手で引き上げることも無理だな。

「じっじいいい!!ゆっくりひきあげろおおおおお!」
「ゆっくりできないじじいはしねえええ!!」

そうだ。たしかコイツら、餡子そのものが胃みたいなものなんだよな。なら・・・

穴の周りにいた、五月蝿いゆっくり達を蹴り落としていく。

「ゆぎゃっ!」「とかいはのすることじゃないわああ!!」
「いたいよーわかないよー!」

その後、俺は家の脇に立てかけてあったシャベルを持ち出すと、
ホイホイに落ちたドスまりさの帽子を取り上げ、頭頂部をくりぬき始めた。

「ゆ”ゆ”っ、じじい”い”い”い”や”め”ろ”お”お”お”お”!じね”え”え”え”え”
 い”だい”い”だい”い”だい”い”い”い”い”い”い”い”い”い”!!!!」

ぽっかりと開いた穴から、ドスの中身の餡子が良く見える。
これで準備完了。

落ちたゆっくり達は、最初は飛び跳ねて抗議し、餡子に刺激を与えてドスを苦しませる。
だが、次第に飛び跳ねる高さが低くなってくる。

徐々に底面から吸収されているからだ。

「ゆっ?へんだよ?あしがうごかないよ」
「うごけないよ~!わからないよ~」「ありすは」

やっと自分達が喰われてることに気づいたか。

「だじでえええええええ!じにだぐないいいいいい」
「」

「うごげなけよおお!!とめられないよ!お”に”い”ざん”、みんなをゆっぐり”だしてあげてねぇぇぇぇ!!」

こんなときだけ「おにいさん」呼ばわりかよ。

「どすのばがああああ」「しょくゆっぐりき~」
「わがらないよ~わがらないよ~」「どがいはなのにいい!!」

結局、夜になるまで恨めしい声は続いた。ドスは自分の大切な仲間を強制的に食べされられることになった。

それからというもの、異端ゆっくりを攻撃する為に突進してホイホイに落ちていったゆっくり達は、
否応無しに、ドスの餌に変わっていった。

「そらそら!ドスの餡子を平らげないと喰われちまうぞ!」

「ぐぐっぐゆゆゆゆ・・・もうだべられないよおおおおお・・」「おがあしゃんうごげないよお!だずげでよおお!!」

ある親れいむは、限界までドスの餡子を食べ続け、ついに動けなくなったところを、
ゆっくりとドスの餡子に吸収されていった。
体の小さい子ゆっくりは、親の目の前でドスの餡子に飲まれていった。

吸収されるゆっくり達は、口々にドスに対して恨み言を言いながら一部になっていった。
ドスは、そんな自分に対する恨みや憎しみがたっぷりつまった餡子を毎日大量に吸収する羽目になった。

ある夜には、れみりゃがやってきた。

「う~! すごくおいしそうなにおいがするんだどお♪ あまあまがいっぱいだどお~!」

こんな巨大な餡子の塊があるんだから、気づくのもあたりまえか。
れみりゃの背後から近寄ると、地面に引き倒し、羽や手足をもぎ取った。

「いだいんだどおお!!!!れみりゃのぷりちーなからだがあああああ!いだいいだいいだいいいいいいい!!」

あまりの痛みに暴れる(胴だけだったので大して動けないが)れみりゃを
ほいほいに突き落とした。もし、ほいほいの中が空だったなら、
れみりゃは自身の再生能力のおかげで、間違いなく次の朝までに脱出できただろう。
だが、れみりゃが落ちたのは、ドスまりさの剥き出しの餡子の上だった。

ドスは日中の苦痛に耐え続け、すっかり精神的に参って眠りに落ちていた。だが、眠りに落ちてからも
強制的に吸収してしまったゆっくりの餡子が持っていた強烈な感情(怒り・憎しみ・悲しみ・恐怖・絶望もろもろの負の感情)
がドスに悪夢を見せて苦しませていた。そんなドスは、れみりゃの落下という苦痛をともなった強烈な痛みによって、
再び現実に引き戻された。

「うぎぎぎ!!!やめてね!!うごかないでね!!」
「う~!ごごからだずんだどおお!!れみりゃばごーまがんのおじょーざまなんだどおお!」

人間にしてみれば、脳や内臓をかき混ぜられるのと同じだから、相当な痛みや不快感が
ドスまりさを襲っているのだろう。

れみりゃは、しばらくの間、喚いたり芋虫のように体を強引に動かし続けたりした。
だが、徐々に冷静になるにつれて、自分の体がだんだん餡子に埋もれていっていることに気づいた。

「うーーー!へんだどおお!!うごげないんだどおお!からだがしずむんだどおお!!!
しゃくやーー!こーまかんのおじょーさまをたすけるんだどおお!!!」

そんなれみりゃの悲鳴を聞きつけて、なんと、ゆっくりふらんまで現れた。

「う”-!!ゆっくり死ね!ゆっくり死ね!!」

「れーばていん」と呼ばれる棒切れをもったゆふらんは、狂気に満ちた顔でほいほいのそばまで降り立った。
俺はガン無視かい。

俺はゆふらんに近寄ると、棒切れを奪い取り、羽を引きちぎり、突き落とした。
ただし、今度は手足を引きちぎらない。

「う”ーごろじでやるううううう」

そう憎しみのこもった目で俺を睨み付けるが、すぐに近くにいたれみりゃに意識が向く。
そして、れみりゃの上に馬乗りになり、上から殴り続けた。

「う”ー!!じねええ!!じねええええ!!!」
「やめるんだどおお!れみりゃば、ごーまがんおおじょーざまなんだどお!!じゃぐやにいいづけるどおお!!」

ゆふらんは、思いっきりれみりゃを痛めつけて、食べようと考えたらしい。
だがゆふらんは気づかない。
ドスの餡子に密着している足の部分から、徐々に吸収されていっていることに・・

「うー!ゆっぐりしないでじねええ!!」

手足がないため、抵抗することできずに殴られ続けたれみりゃは生きも絶え絶えだ。体の半分以上は
餡子に埋まっているか。ふらんのほうも、殴ることに夢中で、足が完全に餡子に埋もれていることに気づいていなかった。

だが、さすがに足の自由が利かなくなっていることに気づいたのか、強引に足を引き抜いた(ただし、存在したのは脚だけで、
足の部分は完全に吸収されて無くなっていた)。

そして、れみりゃを食べることも忘れて不機嫌そうに暴れ始めた。自分が閉じ込められているということや、
吸収されているということに苛立っているのだろう。

「うーー!!ここからだせえええ!だせえええ!!!ゆっくりしないでだせえええ!!」
「ごごがらだずんだどおお・・・じゃぐやああゆっぐりじないでだずげるんだどおお・・・」

ゆふらんは、脚だけの状態になりながらもほいほいの中を歩き回ったり、腹をすかせるとドスの餡子をほじくり返して
食べたりしている。これはゆふらんが完全に度すの餡子に吸収されるまで続いた。

「ゆっぐりだぜええええ・・じねえええええじじいいいい・・・」
「しゃ・・・・ぐ・・・や・・・」

当然、この間も途切れることなく延々と苦痛がドスにもたらされていた。



そんな出来事があったりした数週間後、ついにドスから提案があった。
提案というより切実な願望か。

「もうごろじでええ!がゆい!ぐるじい!じにだい!」

吸収するたびに、負の感情が詰まった餡子が蓄えられてゆき、自身の餡子(脳)が締め付けられる。
さらに、ドスのブ厚い皮にも、底辺や側面から這い出してきた虫達が侵食しているようだ。
ゆっくりの皮は炭水化物だからか。

それにドスの声もそろそろ耳障りになってきたし、農閑期に入るし、

 埋 め る か

俺は異端ゆっくり達を突き落とし、ドスに吸収させると、シャベルで穴を塞ぎ始めた。
ドスは、これから土に含まれる虫や微生物達に分解されるわけだが、
無論、あれだけの量の餡子が分解されるのはいつのことになるのやら。
ドスが完全にゆっくりするまで、まだまだ時間がかかりそうだった・・・




Part.1から何ヶ月たったんだろ・・・
※俺設定として、ドスの能力が単に大きかったり、賢さだけになっています。それから別の書き手の方の
設定をつかって、ゆふらんが「れーばていん」という棒切れを振り回します。
written by 御湯栗

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最終更新:2022年05月03日 17:03