※罪の無いゆ(ry
※人間がとことんゲスでゆっくり出来ません
そういうのを受け付けない人は読まない方がいいです
※微スカ描写
※ドス警報






         悪意

             作者:古緑




男は苛立っていた
何に苛立っていたかはどうでもいいことだが
とにかく何かに対して思いっきりぶつけてやらなくては気が済まない程度の苛立ちだった

「こんな時はあのクソどもに限るわ」

そんな事をぶつぶつと呟き、男が踏み入ったのはとある森の道
村の近くで男が求める生き物が数多く生息する唯一の場所だ
少し前に移住してきた群れで、今では我が物顔でこの地に住み着いている
昔は男の友人とともに基地などを作って遊んだ森だが
今では用も無い場合には立ち入ってはならぬ場所とされている

「『ゆっくりぷれぇす』ってか…ナメやがって…」

男はそう呟くと靴の裏に何か柔らかいモノを踏んだのを感じた
立ち止まって靴の裏を覗くと黒いモノがこびり付いている
餡子だ

「あんのクソ饅頭どもが!!死ぬまでブン殴ってやる!!」

男が探しているのは「ゆっくり」、ちなみに踏んだのはその糞だ
男は不定期に訪れる苛立ちを春先から森に住みだしたこのゆっくりにぶつけていた
群れを統べるゆっくりと村との約束により、
人間とゆっくりは互いに干渉しないよう決めてはいるが
男はそんな事はどうでもいい、バレたってせいぜい村長に小言を言われるだけだ
それにあのクソどもが苦しむ姿を見ると胸がスカッとするんだ
どうしてやめられようか
そんな事を考えながら男はゆっくりの巣を探しだした

「ゆっくりしていってね!」

何かが跳ねる音を聞き取った男は後ろを振り返ると
ゆっくり流の挨拶をしながらこちらに跳ねてくるゆっくりまりさがいた
人を小馬鹿にしたような目つき、モタモタした跳ね方
全てが男を苛つかせた

「おにいさんもかりにきたの?ゆっくりできるくささんならまりさがきたほうこうにあるよ!」

黒い帽子をよく見ると帽子の端から草が飛び出している
巣へと戻る途中だったのだろうかニコニコと機嫌良く男に話しかけてきた

「…何勝手に山菜取ってんだよ?ここは俺らの場所だろうが」
「ゆっ?なにいってるのおにいさん?くささんはみんなの」

「オラァ!!」

森の奥まで届きそうな怒号と共に男の蹴りがまりさの口に突っ込まれた
嫌悪している相手に口答えされた事に腹を立てた男は
今日はコイツにしようと決めた

「ゆぐあぁぁぁぁぁ!?だじずるのぉぉおぉおぉぉ!?」
「うっせぇんだよクソ饅頭…お前の薄汚ねえガキどもがいる巣の場所、教えろ」
「ゆっぐりじねええええぇぇぇ!!」

男は向かってくるまりさの右目に向かって足を突き入れた
短い悲鳴を上げ、その場にうずくまって震えるゆっくりまりさ
もう向かってくる気はなさそうだ
男は素早く帽子を奪い取り自由な方の手でまりさの髪の毛を掴み上げた
パラパラと山菜が地に落ちていく

「お前のカスみたいな家族がいる薄汚い巣にこの俺様を招待させてやるっつってんだよ
三回目言わせたら残った方の目もエグってやる」

「ゆっぐ…ゆ…いやだよ…おまえみたいに
ゆっくりできないじじいのいうことなんかしんでもきけないよ…」

「あっそ」













五分程も眼を瞑って震えていただろうか
まりさが顔を上げると男は消えており、帽子もいつの間にか被り直されていた

「ゆっ…?ゆめ…?ゆうッ…!!」

まりさが口を動かして喋ろうとすると口の中全てが強烈に痛みだした
右目も見えないままだし、まわりには山菜が散らばっている
男がまりさに暴行を加えた事は現実の事だとわかったが
どうして急にいなくなったのか、まりさにはワケが分からなかった

「(あのにんげんがきまぐれでまりさたちをゆっくりできなくさせるのはよくわかったよ…
ぜんぜんゆっくりしてないよ…こうなったら…どすにいってせいさいしてもらうよ…)」

まりさは痛みで口を開いて喋る事も出来ず
怒りを燃やしながら散らばった狩りの成果を掻き集めはじめた

「(でも…そのまえにおうちにもどって…ちょっとゆっくりするよ…れいむに
ぱちぇをよんできてもらって…いたいいたいもゆっくりなおしてもらうよ…)」





会った時よりも更にゆっくりと跳ねて行くまりさを
遠くに見ながら男は醜く頬をつり上げていた

「バカ饅頭が…『にんげんしゃんがいにゃくにゃってあんちんー!』だとか思ってンのか?」

以前から何度もこの群れにストレス解消に来た際に
まりさ種は個体によって性格が著しく異なり、簡単に巣の場所を吐く薄情な個体から
死ぬまで吐かない根性のある個体までいる事を
男は経験から『よく』知っていた
どちらにしろ巣の位置が分かればいい
前もって知っていたドスの洞窟からも離れていく事から自分の巣に向かうのだろう
男は時折痛そうに跳ねるのを止めて震えるまりさを見て声を殺して笑いながら
ゆっくりと後を付けていった




出会った場所から巣までの道は案外短く、3分も歩くとゆっくりまりさが
草と枝でカモフラージュされた巣の前で立ち止まったのが見えた
あそこだ
まりさが何やらまごまごしていると思ったら口を使って草と枝を取り除く事が出来ないようだ
だがもうそんな事で悩む心配は無い
もうその口は悲鳴を上げる事しか使い道が無くなるからだ

「よぉ…散々ゆっくり跳ねやがって、ゆっくりしすぎなんだよ」

「ゆッ!!?」

男は今度は帽子ごと頭を鷲掴みにして頬をブン殴った
メチャメチャに蹂躙された口内を更に外から痛みめつけられる事で
まりさは声も上げられず悶絶した
男は巣から少し離れた叢にまりさを落とすと
悶絶しているまりさの底部や下膨れの部分に
間を置く事無く蹴りを入れ続けた

「見逃して! やったと! 思ってたンのか!? ンン!? オラァ!」

「ゆぐッ! ゆッ! ぶぅッ!」

顔を真っ赤にした男が脚を降ろすとまりさはもう虫の息だった
半開きの口からは涎が筋を作り
朝には番に綺麗にしてもらったのであろうその肌には
男の足跡がいくつもの形を残しところどころ破れていた
その様子を見た男は少しは満足したのであろうか
微笑みを浮かべながらまりさに唾を吐きかけ
巣の前にあるカモフラージュを除去し始めた




巣の前からカサカサと音が鳴る
ゆっくり出来る音、安心出来る音、まりさが帰ってきた音…
まりさが帰ってきたのだ
今日はゆっくりしすぎだよまりさ!
でも今日はおちびちゃん達のために遠くまでゆっくり出来る草さんを
採って来るって張り切っていたから、今日のご飯もゆっくり出来るよ!

「ゆっ?おかあしゃんがかえってきたよ!」
「まりさ!おかえりなさい!いまいくよ!」

草や枝をどける作業が終わったのだろうか
巣の中には太陽の光が入り込み、巣の中からではそれは逆光になってよく見えない
太陽の光をその背に浴びながら
まりさは巣に入ってきた


男に蹴り入れられて


ズズッと音を立ててまりさはゴミのように蹴り入れられた
番のゆっくりれいむが一瞬それを愛する番だと
わからないぐらいボロボロにされたまりさは光の無い左目でれいむを見つめていた
「逃げて」と言いたいのであろうが
もう声を上げる気力も無い

「ゆあああぁぁぁ!?まりざああぁぁぁ!?どうじでえええぇぇぇえぇぇ!?」
「おがあ”しゃんなのぉ”ぉ”お”ぉ”ぉ”!?」

男はその様を微笑みながら眺めるとゆっくりと右手に手袋を嵌めた
右膝を地につき、巣の中へ右手を伸ばすと
涙と汗でくしゃくしゃになったゆっくりれいむの髪を掴み、巣の外へと引っ張りだした

「おっはークソ饅頭!愛しい金髪饅頭を送ってきてあげたよ!ゆっくり感謝してねー!」

前髪を掴まれ前後にゆらゆらと揺れるゆっくりれいむ
群れの中では特に聡明なこのゆっくりれいむは即座に
この男が番のまりさをこんな酷い姿にした張本人だと判断した

「ッ!!」

ゆっくりれいむは憎しみを込めた眼で男を睨みつけながら
前後への動きを利用して男の手に噛み付いた
だが、ゆっくりの咬力は元々それほど強くなく
まして手袋を嵌めている男の皮膚を裂く程のモノでは無い

「こんの…!!」

しかし軽蔑している相手から、完全に下に見ている相手から
明確なる反撃を受けたとき人間がとる行動は
相手の取った意外な行動に怯み、引き下がるか

「クソ饅頭がぁ!!」

相手に対する嫌悪感を増幅させ、更に凶暴になるかのどちらかだ



男は微笑みを消す代わりに紅潮させた頬を噛み締め
ゆっくりれいむを先ほどの叢へと投げ捨てた

「テメェは死ぬ程後悔させてからぶっ殺してやる!!ぶっ殺してやる!!」

怒りで狂ったように喚く男は今度は素手で巣に手を突っ込み
中から一匹、また一匹と小さいゆっくりを取り出した
この番の子はまりさ種が2匹でれいむ種が3匹、大家族だ

「ゆあぁぁぁぁ!!ごわいよおおぉぉぉおおぉおぉ!!!」
「おがあしゃんだずげででええぇえぇぇええええ!!!」

「おかあさん助けてだと!?フザケやがって『お仕置き』を受けろ!!」


「おちびちゃん!!やめてええええぇぇええぇ!!!」


「ゆ”あ”あ”」

あの噛み付いてきた方のゆっくりと同じ姿をした赤ちゃんゆっくりを
男は万力の力を込めて一瞬で握りつぶした

丁度叢から這い出てきたゆっくりれいむは
赤ちゃんゆっくりが泣いてる途中男の手に握られて見えなくなった所を
指の間からおちびちゃんの中身がぼたぼたと音を立てて地に落ちていくのを
男がそれを見て下卑た笑みを浮かべる様を
しっかりとその目で見た

「よぉ!ゆっくりの癖にゆっくりしないで出てきたじゃねぇか!
ホレ汚ねぇガキ返してやんよ!」

男が我が子だったモノを自分の顔に投げつけた
目の前に落ちる姉妹の中でも際立って美しい黒髪に映えていた
その紅い紅い髪飾り

「ゆぎゃやあああああああ!!!おねえぢゃあああああん!!!」
「おかあざああああああああああん!!!おねえぢゃんがあぁぁぁぁ!!!!」

我が子の悲鳴と死体
それらを全て生み出しながら薄ら笑いを浮かべる悪魔に向かって
ゆっくりれいむは我を忘れ飛びかかった
ゆっくりれいむが最後に聞いた家族の声は
子供達の悲鳴だった








「ホラ饅頭ちゃんゆっくりしないで起きてねー」

それからどのくらい経ったのか
あの悪魔の声で眼を覚ました
あれからどうなったのかは体の状態が物語っている
まりさと同じように口の中を蹴り回され
散々殴られた挙げ句底部を引き裂かれたれいむは
放っておけば自ずと死を待つのみといった状態にされていた
れいむを殺したいのなら早く殺せばいい
でもおちびちゃん達は無事に…おちびちゃん達は…!?

「お…ちび…ちゃ…ん」

「ハイハーイ!おちびちゃん達ならここでしゅよー!
『ついでに』金髪饅頭もいるけどねー!あっ!こんな弱っちーのなんて要らなかったかな?」

れいむの眼にはおちびちゃん達は映らない
男の声がする方向はもっと右の方だ
れいむは横たわった自分の体を、痛む顎をやけくそのように使って
男の声がする方向まで向けた
その眼に映った光景は

「舐めたマネこいてくれた紅白饅頭ちゃんの大事な家族は
水饅頭になっちゃうのでしたー!スゲー出るわ!ハハッ!溶けてるし!」

「………………あ”…あ”ぁ”…………おぢび……ぢぁ”ん………」

男は激情に任せて握りつぶした最初の赤ちゃんゆっくりれいむ以外を
出来る限り原型を留めたまま殺した
その死体を巣の中から引きずり出して来たのであろう
死にかけのまりさの上に載せて小便をかけていた
まりさにはまだ息が有ったようでピクピクと時折その身を震わせて
れいむを感情の無い目で見つめていたが
男が事を済ませる頃には
全く動かなくなった

「すっきりー!ってか!いやー、家族皆で頑張ってくれたおかげで
かなり機嫌もよくなったよ!次来たときまだ生きてたらまたヨロシクな!」

「……………………………!

…………『まだいぎてだら』……?れいむが…?…それともじじいが…?」


「あ?」

くたばり損ないの饅頭の眼に一瞬光が灯ったように見えたが
今度はワケの分からない事をほざき始めた
もう考えて喋るだけの脳みそ…いや、餡子も無いんだろ、
すっきりさせてくれたお礼だ
一瞬で家族の元へ送ってやっか!
そう思ってゆっくりれいむの前に立ち脚を上げた瞬間

体が吹っ飛んだ





「ゆっぐり出来ない人間はゆっぐりしないで森から出て行けぇ!!!」


「う”ぁあぁ………てんめぇ……化け物饅頭がぁ……!」

熱中しすぎだ
こんなデカイのが来るのに気付かなかったなんて
こりゃあ立ち上がんのにも難儀しそうだ
腕が砕けてんのか?全然動かねえ

ドスまりさは群れのれいむが人間に殴られているとの報告を受けて
急いで駆けつけて来たのだ
ルールを破った人間には罰を与えなくてはならない
ドスまりさは出来るならこの場で殺したい人間に対して
怒りで震える声で告げた

「……『ゆっくりを森の中で殺した人間はドスと村長で裁く』…村長さんとの約束だよ…!!
ゆっくりしないでとっとと出て行ってね…!!顔は覚えたから明日には罰を受けてもらうよ…!!」


「ハ…へヘ…!…『約束』ね…どいつもこいつもおめでてーなお前等饅頭は…!
知らねえ癖によ…あのジジイがお前等に対してどういった類いのおもてなしをする人間か…」

ゆっくりと時間をかけて回復した男は
口汚く罵りながら立ち上がった
そして罵りながらもじりじりとドスまりさから距離を取っていく
ドスまりさの攻撃射程距離を理解しているのだ
はな垂れの頃から村長に教わった教えを
男はこの窮地で初めて実践する事になった
もっともその表情には先ほどまでとは違い、明らかな怯えが混じっているが

「ゆっくり黙ってね…でないとここで永遠にゆっくり出来なくさせるよ」

「覚えておけクソ饅頭ども!!オメェ等なんぞ
村の女子供やババアの茶のつまみに過ぎねえんだよ!
せいぜいガキ共から眼を離さねーこったな!!」

吐き捨てるようにそう言い放つと
男は背を向けて足を引きずりながらぎこちない小走りで
村の方向へ去っていった


「やったねどす!さすがだよ!これでゆっくりできるね!」

「まだまだゆっくり出来ないよ!
ぱちぇを呼んでれいむを助けてあげてね!
今ならまだ間に合うかも知れないよ」

隠れて見ていた状況を理解してない群れのゆっくり達の賞賛に困惑しながらも
ドスまりさは今まで感じた事の無い胸騒ぎがした
あの男の言っていた事だ
あの村長がどんな人間か?とはどういう事か
あの時会った時はとても素直な人間さんだと感じた
少なくともあの外道よりは信頼出来る筈だ
それに子供達から眼を離すな?

どちらにせよ行かなくてはならない
明日朝一番に村へと群れの精鋭達をつれて抗議に行こう
餡子が流れるのを止める葉を銜えてやってきたゆっくりぱちぇりーに
傷ついたゆっくりれいむは助かると告げられても
ドスまりさは男の残した不穏な台詞のせいでゆっくり出来なかった


次の日、ドスまりさはその言葉の意味を
あの男が自分達を「饅頭」としか呼ばなかった理由を知る事になる



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最終更新:2022年05月18日 22:56