ゆっくりずれないでね

あるところにゆっくり一家がいた。
このあたりは餌が豊富にあるのだが、父まりさがものすごくおいしいものを
見つけたというので山から降りてきたのである。

「「む〜ちゃむ〜ちゃちあわしぇ〜」」

果物をむしゃむしゃと食べるゆっくり一家、

親ゆっくり達は子ゆっくりの満足そうな顔を見て幸せそうである。

「まりさ、おちびちゃんたちおいしそうにたべてるね」

「すごくあまくておいしいね、れいむ」

おいしいのはあたりまえである。
ゆっくり一家が食べているのは品種改良に改良を加えた結果、村の特産品になるほど
美味しくなったイチゴである。
農家の人がどれだけ苦労したか等わからないゆっくり一家はつぎつぎとイチゴを平らげていく。

「ゆ〜れいむおなかいっぱいだよ〜」

「まりさもだよ〜」

「「ちわわしぇ〜」」

ゆっくり一家は満足し巣に持ってかえる分のイチゴを口に
含むとほくほくと幸せそうな顔で巣に戻っていった。
途中農家の人に追い掛けられたが距離が充分だったので問題なく逃げることが出来た。

「ゆぅ・・・こわいおじさんがでたからしばらくはちかづかないほうがいいね」

一家はイチゴを諦めたわけではないが、農家のおじさんが怖いので
しばらくは普通に狩りをしようと決めた。
最後ちょっと怖かったが巣に帰ってからはとてもゆっくりできて
みなゆっくりしながら幸せな眠りについた。
その幸せそうなゆっくり一家に忍び寄る人間が一人、彼の名は虐待鬼意さん
今日もゆっくりの駆除を兼ねて虐待するために森に来たのである。

「ゆ〜ゆ〜」

「幸せそうに眠りやがって・・・」

彼はゆっくり達を起こさないように一匹づつ、取り出し、頭に何かをかけていく。
彼がゆっくりにかけている物はゆっくり駆除剤を薄めた物である。
ゆっくり駆除剤は霧状にして適当にばらまけば
ゆっくりのみを死滅することができる優れものである。
ドスなどの大きな固体にも効き、ヘリなどを使えば山全体の
ゆっくりを死滅させることも簡単にできる。
今回、鬼意さんはゆっくりを駆除しに来たのではない、それならばわざわざ
ゆっくり駆除剤を薄めたりしない。
彼の目的はゆっくり達の髪の毛を殲滅することである。

「これで全部だ・・・」

彼はゆっくり一家を起こさず全てのゆっくりの頭にゆっくり駆除剤を振りかけることに成功した。
全員起こさずに成功したのはこれが初めてで、ゆっくりが起きた場合は騒がれると
面倒なので声を上げる前に潰してやった。
今回の虐待はゆっくりに気付かれないことが最も重要なのである。

「ゆっ・・・ゆっ・・・」

「そろそろ効いてくるな」

先ほどまで幸せそうな顔をしていたゆっくり一家の表情が曇り始める。
そして徐々に髪の毛が抜け始め、5分もするとゆっくり達の髪の毛は全て
抜け落ちてつるっぱげ一家が完成した。

(次も慎重にやらないとな・・・)

鬼意さんはあらかじめ別のゆっくり家族から生きたまま頭皮を引きはがして作った
カツラをゆっくり達に被せていく

(これで最後か・・・)

鬼意さんは最後の一匹である母れいむの頭にカツラを被せようとしたが
髪の毛が抜けて寒くなったため、ブルブルっとふるえて目を覚ます。

「ゆ〜・・・ゆっ!にんげんだ〜!」

れいむは人間に驚き声を上げる。
その声に驚いたゆっくり一家も目を覚ます。

「ゆ〜ここはれいむたちのおうちだよ!にんげんはでていってね」

鬼意さんは咄嗟の判断でれいむの頭にすばやくカツラをのせる。
そしてれいむが巣の外で眠っていたので戻してあげようとしたと適当に嘘をつき
巣に戻してやる。

「れいむだいじょうぶだった?」

「だいじょうぶだよれいむはなんともないよ!」

そう言って自分が元気であることをアピールしようと巣の中で軽く飛び跳ねる。
その瞬間・・・

 フワッ

れいむ頭が一瞬涼しくなる。
れいむは少し違和感を覚えたが気付いてはいない。
まりさや子ゆっくり達は一瞬れいむの髪の毛がフワっとなった気がしたが半分寝ぼけていたので
気付かなかった。
その様子を巣の外で見てしまった鬼意さんはふきだしそうになる。

(今あたまがフワッとした!フワッとした!)

鬼意さんはゆっくりの巣の入り口を塞いでやり、そのまま山を下りていった。

「ゆ〜まだおきるのにははやすぎるからゆっくりねむろうね」

ゆっくり一家は再び眠りについた。

翌朝、ゆっくり一家はいつも通りの朝を迎える。
親れいむが一番始めに目を覚まし他のゆっくり達を起こしていく、
しばらくゆっくりしたあとに朝食を済ませ父まりさは狩りに出かけていく。

「ゆっくりかりにでかけてくるよ!」

「がんばってねまりさ!」

「「おとーしゃんがんばっちぇにぇ!」」

れいむと子ゆっくり達の見送りで元気一杯になったまりさは元気よく跳ねて狩りに向かっていった。

「さて、おちびちゃんたちきょうはてんきがいいからひなたぼっこにいこうね」

「「ゆ〜」」

ここ最近とても寒くて子ゆっくり達は外で遊ぶことが出来なかった。
しかし今日は暖かいので表で日向ぼっこをすればとてもゆっくりできると思い外に出てにいった。
れいむ達は目的地まではゆっくりと這っていったのでカツラがずれることはなかった。
しかし、野原について子ゆっくり達が遊び始めるとそうはいかない。

「ゆーこっちだよまりしゃ」

「まっちぇ〜おね〜しゃ〜ん」

仲良く追い掛けっこをしてあそぶ子ゆっくり達、
末っ子のまりさは姉ゆっくり達を追い掛けるがからだが小さいのでなかなか追いつくことができない。
末っ子まりさはなんとかして追いつこうと懸命に飛び跳ねる。

「ゆびぃっ!・・・いちゃいよ〜!」

石にぶつかってしまい末っ子まりさは少し餡子を漏らして倒れる。
泣き声に気がついた姉ゆっくり達が集まってくる。
末っ子まりさは泣いていれば姉たちが優しくしてくれると思っていた
しかし・・・

「ゆっ!なんかへんにゃこがいるよ」

「ほんとうだにぇ!かざりもつけてないしゆっきゅりできにゃいゆっくりだね!」

「ゆっきゅりできないゆっきゅりはどこかいっちぇね!」

末っ子まりさは石にぶつかった時にカツラをおとしてしまったのである。
姉ゆっくり達は体当たりをし始める。
末っ子まりさは姉ゆっくり達が何故自分を攻撃するのか解らなかった。

「ゆぶっ!やめちぇ!やめちぇ〜おね〜しゃ〜ん!」

「おまえみたいなゆっくりできにゃいこはれいみゅのいもうとにいないよ!」

「まりしゃのいもうとはもっちょかわいいよ!」

必死で姉ゆっくりにすがり寄ろうとする末っ子まりさだがそのたびに体当たりを
されて突き飛ばされる。

「お・・・ね〜・・・しゃん」

「おまえみちゃいなへんなこはいもうとじゃないよ!ゆっくりできないゆっくりはしにぇっ!」

最後の力を振り絞り長女れいむに助けを請うが長女れいむは大きく
跳ねて末っ子まりさを踏みつぶす。
その際に姉れいむの頭がフワッと浮いた気がするがそれに気付いたゆっくりはいなかった。
母れいむはちょっと離れたところでしーしーをしていたが末っ子まりさの泣き声や
姉ゆっくり達の騒ぐ声を聞き、急いで跳ね寄ってきた。

「どおしたのおちびちゃんたち?」

「ゆっおかーしゃんれいみゅたちしゅごいんだよ!
 ゆっきゅりできないこをやっちゅけたんだよ!」

「「やっちゅけたんだよ」」

子ゆっくり達は母れいむにゆっくりできない子を倒したと自慢げに話す。
母れいむが子ゆっくり達が倒したと言う餡子をまき散らしつぶれた饅頭を見つめる。
末っ子まりさに髪の毛がついていれば子ゆっくり達がとんでもないことを
してしまったことに気付いたかもしれない。
しかし、母れいむは

「ゆっくりがんばったね、まだちいさいのにかりができるなんてすごいよ!
 すこしはやいけどおちびちゃんたちはおひるごはんにしようね」

母れいむは末っ子まりさだったものを子ゆっくり達が初めて狩りに成功した餌として食べるように言った。
子ゆっくり達もむ〜しゃむ〜しゃちあわせ〜といって餡子を平らげてしまった。

「そろそろかえろうね、おかーさんおなかすいちゃったよ」

「まりしゃももっとたべちゃいよ〜」

「れいみゅも〜」

お腹を空かせたれいむ達はゆっくりと巣に帰って行く


 一方狩りに出かけた父まりさは

「まってねまりさのためにゆっくりしてね!」

まりさはごちそうであるちょうちょを追いかけ回し、ぴょんぴょん跳ねていた。
このあたりはたくさんごはんが採れるので多くのゆっくり達が集まる狩り場であった。
しかしゆっくり達は普段なら他のゆっくりのことなど気にせず狩りに勤しむのだが今日は様子が違った。
まりさの頭が変なのである。

「まってね!ちょうちょさんまってね!」

まりさがぴょんぴょんはねるたびに少しづつカツラが帽子と共にずれていくのである。

「あのまりさぜったいあたまおかしいよ・・・」

「むきゅあきらかにずれてるわね」

「・・・あれはとかいは?・・・とはいえないわね・・・」

「わからないよ・・・あのあたまはわからないよ・・・」

狩り場にいたゆっくり達はまりさの頭が気になって仕方なかった。
しかし本人が気付いてるのか気付いていないのかわからないので
声をかけずらかったのである。

「どうする?・・・おしえてあげる?」

「たしかにいってあげたほうがいいともうけど・・・」

「すごくずれてる・・・げんかいよ・・・」

「そうとうびっくりするんだねーわかるよー」

まりさに頭のズレはすでに限界に達しており、いつ落ちてもおかしくない状態である。
そしてまりさがちょうちょを花にとまっているところを捕まえようと飛びかかった瞬間!

「「「まりさあたまいかれてんぞ!!!」」」

限界に達したゆっくり達が一斉にまりさに声をかけ始める。
まりさはまだ自分の頭の異変に気付いていないらしく、
自分の頭をいかれてると言いつめるゆっくり達、まりさはおかしくないよと怒りぷくぅと膨れる。

「きもいよ!わからないよ!」

「こんなのとかいはじゃないわ!」

「どぼじでそんなごどいうの〜?」

「むきゅっ!みんなおちついて!」

このままではケンカになってしまうと判断したぱちゅりーは
言い争うまりさとその他のゆっくりの間に割ってはいる。
そしてまりさを見つめゆっくりと話し始める。

「まりさ・・・あなたあたまがさむくない?」

「ゆぅ?・・・そういえばあたまがすーすーするよ」

まりさは頭に違和感を持ち始める。
続けてぱりゅりーは話続ける。

「まりさ・・・はっきりいうわ、あなたあたまはげてるわよ・・・」

「ゆっ!まりさはげてないよ!」

まりさは自分は禿げてないと怒るが、ぱりゅりーは落ちた帽子とカツラの方を見るように言う。

「あれはまりさのぼうし!ぱちゅりーありがとう!」

帽子といっしょにカツラも落ちているのにまりさはまだ気付かない。
まりさはカツラごと帽子をかぶる。
カツラを適当にかぶったためにあたまがこんもりして違和感が増大する。

「「「まりさあたまいかれてんぞ!」」」

ふたたびまりさ意外の全ゆっくりに頭をツッこまれてしまう。
そんなゆっくり達にまりさは再びぷくぅと膨れるが、ぱちゅりーは
まりさに説明するため湖に連れて行った。

「まりさみずにうつってるまりさをのぞいてごらん」

「なんで?そんなことしてもかわいいまりさがうつるだけだよ?」

そう言ってまりさは湖をのぞき込む

「ゆぅ?あたまがへんだよ」

まりさは髪型がおかしいので帽子を外そうと頭を下げた瞬間・・・

 バサッ

まりさの髪の毛が地面に落ちて再び頭がすーすーする。

「まりさのあたまをなおす・・・・よ?」

まりさは水に映る自分の姿をみて絶句する。
そこには髪の毛が一本も生えていないゆっくりできない自分がいたのである。

「・・・!ばりざのがみのげがー!!!」

「おちついてまりさ!いったいなにがあったの?」

ぱちゅりーは泣き騒ぐまりさに問いかけるがわからないとしか答えない。
しかたないのでまりさの髪の毛と帽子を戻してやりまりさに注意をしておく。

「いいことまりさこれからはぼうしをふかくかぶってなるべくあたまがづれにくく
 なるようにしなさい、もしぼうしをおとしたりかみのけをおとしたりしたらゆっくり
 できなくなるわよ」

ぱちゅりーに言われまりさは深く帽子を被ることになった。
そして殆ど獲物も採れないままいったん巣に戻ることにした。

そして場所は再びれいむ一家の巣

「おちびちゃんたちとてもゆっくりねむっているよ」

幸せそうな子ゆっくり達を見てれいむもうとうとし始める。
昨日鬼意さんに起こされて、余り眠れなかったのだ。
れいむは少しの間だけ、お昼寝をすることにした。
れいむが本格的な眠りにはいってからしばらく・・・

「ゆ〜ゆ〜・・・ゆっ」

一匹の子まりさが目を覚ました。
あたりを見わたすとみんな眠っており再び自分も眠ろうとするがあるものを
見つけたため一気に目が覚める。

「ゆぅ!あれはゆっきゅりできないゆっくりだよ!」

子ゆっくり達が眠っている間、寝相が悪く寝返りをした子れいむのカツラが地面に落ちてしまい、
子まりさはそれをゆっくりできないゆっくりだと判断したのだ。

「ゆ〜またごはんをとっちぇおきゃ〜しゃんにほめてもらうよ!」

子まりさはしょろーりしょろーりと子れいむに近づいていく、
そしてぷっくりとしたほっぺたに一気に噛みつく

「ゆびっ!」

子れいむは幸せな夢の中から一気に現実に引き戻される。
自分の体に何が起こったのかわからない子れいむは大きく息を吸い込み悲鳴を上げようとしたが
立て続けにくちびる付近を喰いちぎられたためにひゅーひゅーとしか鳴けなくなってしまった。
そしてさらに数カ所を噛みちぎられる。

「ひゅひぃ・・・いひゃい・・・おひゃ〜ひゃん(ゆびぃ・・・いちゃい・・・おきゃーしゃん)」

「とどめだよ!はやきゅしんでにぇ!」

子まりさは穴だらけになった子れいむを踏みつぶす。
同じような体格のために一回の踏みつぶしではなかなか死なない。
子まりさは何回も子れいむの上で飛び跳ね、そのたびに穴の開いた所から餡子が吹き出る。

「もっひょ・・・ゆっひゅひ・・・ひひゃはっひゃ(もっちょ・・・ゆっきゅり・・・しちゃかった)」

「ゆ〜まりしゃはつおいよ!」

餡子を失い皮だけになってしまった子れいむの上で子まりさは得意気にする。
さっそく母れいむに褒めてもらおうとして起こそうするが、
母れいむはかなり疲れていたために一向に起きる気配がない。
しかたないので長女れいむを起こそうとして体をゆする。

「ゆ〜ゆ〜・・・どうしたの?・・・っ!」

「おねーしゃん、きいちぇきいちぇ」

子まりさは目を輝かせて長女れいむに話しかける。
すごいねまりさは強いんだねと言って欲しくてたまらなかった。

「ゆっくりできないこはおうちはいってこないで!」

子まりさは長女れいむの体当たりを受けて突き飛ばされてしまう。
子まりさはコロコロと転げて壁にぶつかる。

「・・・??・・・」

あまりにも予想できない行動に子まりさは痛みすら忘れて思考停止する。
子まりさが攻撃された理由はさきほど暴れ回った際にカツラを落としてしまったからなのだが、
そんなことはわからない、何故自分が攻撃されたのかが全く解らなかった。
そして徐々に痛みを感じ泣こうとした瞬間、
長女まりさが子まりさの顔面を踏みつぶす。

「ゆっ!・・やめっ!・・おえっ!」

「ゆっくりできないゆっくりしないでしんでね」

子まりさは悲鳴を上げようとするたびに顔面を踏みつけられそのたびに襲いかかる鈍い痛みに
悲鳴をあげることもできないまま徐々に死に近づいていった。

「もっちょ「さっさとしね!」ぶびぃー!」

長女れいむの子ゆっくりにしては強力な踏みつぶしで子まりさは顔面を潰されて
口から餡子を勢いよく吐いて絶命した。

「「ゆ〜どうしちゃの〜?」」

騒ぎに気付いた子ゆっくりの何匹かが目を覚ます。
長女れいむは安心させるために目覚めた妹ゆっくり達に近づいていくが
様子がおかしい、まるで敵を見るような目で長女れいむを見ている。
先ほどの騒ぎで長女れいむのカツラも取れてしまったのである。

「ゆーもうゆっくりできないこはたおしたからあんしんしていいよ?」

「ゆっくりできないできないゆっくりはでてってね!」

妹ゆっくり達が長女れいむに襲いかかる。
長女れいむと妹ゆっくりの体格差はそこそこあったので
体当たりを仕掛けた妹ゆっくりが跳ね返されてコロコロ転がっていく。

「ゆー、もうおこったよ!ゆっきゅりしね!」

妹ゆっくり達のカツラが転がった拍子に取れてしまう。
目の前で起きた奇妙な現象に長女れいむは混乱する。

「ゆっ!いもうとたちがゆっくりできないゆっくりになっちゃったよ!?」

「ゆっくりしちね!」

長女れいむが混乱している間にも妹ゆっくりの攻撃は続く。
そして、ゆっくりの攻撃の中で最大の殺傷力を持つ噛みつきを長女れいむのほっぺたに仕掛ける。

「ゆがっ!いたいよ!」

長女れいむはたまらず体を思いっきり回転させて、噛みついてきた子れいむを引き離す。
そのさい少し頬が破れたが致命傷にはほど遠い。
逆に放り投げられた子れいむは巣の中に落ちている前々からどけようと思っていたが
めんどくさくて放置しておいたとがった石に顔から突っ込んだ。

「・・・ぶぅっ!」

子れいむの口のなかにとがった石が入り込み歯を砕き喉の奥を引き裂く、
子れいむはゆっくりと口から石を引き抜く、その瞬間大量の餡子が口から流れでる。

「ごぼっ・・・たひゅけ・・・」

子れいむが突き飛ばされたところから一番近くで眠っていた子まりさに助けを請う。
しかし、子まりさは起きた瞬間に悲鳴をあげる。

「ゆぎゃ〜!ゆっきゅりできないゆっきゅりだ〜!」

この声を境に眠っていた子ゆっくり達は全て目をさます。
母れいむはまだ起きない。

「きもちわるいゆっくりはしねっ!」

「ゆひぃっ!」

石に顔をぶつけた子れいむは姉妹ゆっくりの輪の中に突き飛ばされる。
次々と踏みつぶしや噛みつきなどをされて、顔をぶつけた子れいむは
ぐちゃぐちゃに潰されて絶命した。
その際に飛び跳ねた何匹かはカツラが取れてしまう。
いきなり横に現れたゆっくりできないゆっくりに子ゆっくり達は混乱するが
すぐに攻撃を仕掛け始める。

「ゆっきゅりできないゆっきゅりは!ゆぎぃっ!かみつかないで〜」

「まりしゃのおうちにかっちぇにはいってこなっ!いじゃ〜い!」

「もうやめちぇ〜!いちゃいよ〜!」

「にゃんでゆっくりできないゆっくりがいきなりよこにいるの〜?」

カツラのとれた子に攻撃すると自分のカツラがとれてしまい他のゆっくりに攻撃されてしまう。

「ゆびゅっ!やめちぇっ!たしゅっ・・・ゆびゅっ!」

「いじゃいぃぃかみちゅかにゃいで〜」

「まりしゃのおかおが〜」

「ゆぎゃ〜っ!めがみえにゃいよ〜」

ほとんどの子ゆっくりのカツラは取れてしまい巣の中はバトルロイヤル状態である。
あるものは踏みつぶされて中身が飛び出しそうになり、あるものは顔を噛みちぎられ、
むき出しになった歯をガチガチとならし、またあるものは目が飛び出してブラブラと
垂れ下がった目玉は昔流行ったオモチャのようである。。

「やめてね!みんなやめてね!」

長女れいむは何回かカツラを落とす所を見て何が起こっているのかを理解した。
何匹かが自分にも攻撃してくるが軽く突き飛ばして、地面に落ちている自分のカツラをかぶる。
そして母親に事態をなんとかしてもらおうと必死になって起こす。

「はやくおきてね!ゆっくりしないでね!」

「ゆ〜どうしたのおちびちゃん」

母れいむがのんきに目を覚まし長女れいむを見つめる。

「ゆっ!おちびちゃんどうしたの!?」

「おかーしゃんいもうとたちをとめてあげて!」

長女れいむの言葉を聞いて母れいむは騒ぎのする方を見る。

「ゆっくりできないゆっくりがいっぱいいるよ!」

「おかーしゃんあれはいもう」

長女れいむはあれは妹達だと言おうとしたが母れいむはその言葉を聞かずに
さっさと子ゆっくり達を潰しにかかった。

「おかーしゃ・・・たしゅけっびゅびぃ!」

「いちゃいよ・・・おか・・・ぶちゅっ!」

「おきゃーしゃんまりしゃをたしゅけてくれちぇありがっちょびっつ!」

「れいみゅのおきゃーしゃんはつよいんだよびこぅ!」

母れいむは次々と子ゆっくり達を潰していく、母れいむの攻撃は
強力で怪我していたものはもちろん長女れいむに襲いかかっていた比較的怪我の少ない
子ゆっくり達も一瞬のうちにつぶれた饅頭になって死んでいった。

「ゆぅ・・・ゆぅ・・・ゆっくりできないゆっくりはみんないなくなったよ
 これでゆっくりできるよおちびちゃんたち・・・おちびちゃんたちは?」

母れいむが部屋を見わたすといるのは長女れいむだけである。
長女れいむは歯を食いしばり涙を流しながら母れいむを見つめている。

「おちびちゃんたちどこにいったの〜?」

「おかーさんがいまぜんぶころしちゃったんだよ!」

長女れいむの言った言葉を母れいむはそんなことしていないと否定する。
長女れいむは泣きながら今殺したのはカツラのとれた妹達だと説明するが、
そんなこと言う子はゆっくりできないよと怒るだけである。

「だきゃらあれはかみのけがとれたいもうとたちなの〜!」

「かみのけがとれるわけないでしょ!おかあさんもうおこったよ!」

母れいむは自分の言葉を全く聞かない長女れいむに体当たりをした。
母れいむは軽くやったつもりだが実際には結構強くやってしまい、
長女れいむは勢いよく飛ばされてしまう。
長女れいむは壁に後頭部をぶつけカツラが少しずれて涙目になる。
母れいむの怒りはおさまっておらず追撃が来ると覚悟を決めたその時

「ただいま・・・なにこれ〜!」

父まりさが巣に帰ってきて部屋の惨状に驚く、

「おかーしゃんがいもうとたちをころしちゃったの〜!」

長女れいむは痛みをこらえて父まりさに事情を説明する。
もし父まりさが髪の毛が取れることを知らなかったら母れいむと同じように怒ったであろう。
しかし父まりさは一度カツラがづれて仲間から酷いことを言われているので長女れいむの言葉を理解した。

「れいむもうおこったよ!そんなこというこはもうおいだすよ!」

「でていくのはれいむだよ!」

母れいむが長女れいむを追い出そうと体当たりをしようとするが逆に父まりさの
体当たりを受けて転げていく。

「ゆぶぅ・・・まりさなにするの〜!」

母れいむは涙目になって父まりさに問いつめる。

「こどもたちをころしたれいむはしねっ!」

「れいむこどもたちをころしてないよ!」

2匹は大喧嘩になりボヨンボヨンと跳ねてお互いぶつかり合う。
ゆっくり同志の喧嘩なので他の動物からみたら何を遊んでいるんだとしか見えないが、
本人達はいたって本気である。
やがて喧嘩は激しくなりついにお互いの体を噛みつきあう殺し合いにまで発展してしまった。
2匹は噛みつき合いながら巣の外に転げていった。

「まりさにがみずくな〜れいむはじね〜」

「まりざごそじんでね!れいむはわるぐないよ!」

2匹は喧嘩に必死になりすぎて普段は危なくて近づかない崖の付近にまで
転がっていることに気がつかなかった。
やがて2匹は足を踏み外す。

「ゆぎゃあああだじゅげで〜〜〜!」

「いじゃー!」

2匹は何度も絶壁に体をぶつけ、そのたびに皮がやぶれてぼろぼろになっていく。
しかし運悪く2匹は谷底に落ちても死ぬことができずに、ズタズタに引き裂かれた
体で必死に助けを求める。

「いじゃ・・い・・・じにだぐ・・・ない」

「どぼじで・・・ごんな・・・ごどに・・・」

しかし助けに来るものはだれもおらず、それどころかカラスが寄ってくる始末である。
2匹は生きながらカラスについばまれて死んでいった。

「おかーさんたちどうしてかえってこないの?」

巣に残された長女れいむはケンカになって出ていった親ゆっくり達を待ち続けた。
しかし、親ゆっくり達が二度と帰ってくることはなかった。
やがて長女れいむは空腹になり、妹たちの体を食べてしばらく過ごしたが、
それもなくなり仕方なく外に狩りに出かける。

「ゆ〜かりにいくよ!」

長女れいむは初めての狩りに緊張気味だが、幸いこの付近には餌が豊富にあったので
簡単に餌を見つけることができた。
れいむはホクホク顔で巣に戻ろうとしたとき、強い風が吹いた。

「ゆうっ!かぜさんゆっくりふいてね」

長女れいむは風が吹くとカツラがずれてゆっくりすることが出来ないことを理解していた。
しかし手もないゆっくりはカツラを抑えることが出来ず、カツラは風に乗ってどこかに飛ばされてしまう。

「ゆ〜!かみのけさんまってねとんでいかないでね!」

長女れいむは必死になって追い掛けるがカツラはどんどん飛ばされて行きついに見えなくなってしまった。

その後、ゆっくり駆除剤がヘリによって散布されゆっくりは絶滅した。
やまには大量のハゲ饅頭の死骸が転がり、長女れいむもその中の一匹として虫や動物や細菌によって
土に返されていった。

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最終更新:2022年05月21日 23:17